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江戸小話, つらの皮

つら の 皮

つら の 皮

若者 たち が 集まって 、 こんな 話 を 始め ました 。 「 世の中 で 一 番 かたい 物 と は 、 何 だろう ? 」 一 人 が 、 言い ました 。 「 そりゃ あ 、 石 だろう 。 あれ より かたい 物 は ない 」 する と 、 別の 一 人 が 言い ました 。 、 「 いい や 、 石 は 金づち で 砕く 事 が 出来る ぞ 」 「 それ じゃあ 、 一 番 かたい の は 鉄 だ な 」 「 いい や 、 鉄 は 削ったり 、 刻む 事 が 出来る ぞ 」 する と 中 の 一 人 が 、 ひげ づら の 男 を 指差して 言い ました 。 「 おい 、 お前 の ひげ が 、 一 番 か たい んじゃ ない の か ? 」 「 何故 だ ? 」 「 そい つ は 、 お前 の 鉄面皮 ( てつめんぴ → あつかましくて 、 ずうずうしい 人 の 事 ) と 言わ れる つら の 皮 を 突き破って 、 生えて いる んだ から な 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


つら の 皮 ||かわ

つら の 皮 ||かわ

若者 たち が 集まって 、 こんな 話 を 始め ました 。 わかもの|||あつまって||はなし||はじめ| 「 世の中 で 一 番 かたい 物 と は 、 何 だろう ? よのなか||ひと|ばん||ぶつ|||なん| 」   一 人 が 、 言い ました 。 ひと|じん||いい| 「 そりゃ あ 、 石 だろう 。 ||いし| あれ より かたい 物 は ない 」   する と 、 別の 一 人 が 言い ました 。 |||ぶつ|||||べつの|ひと|じん||いい| 、 「 いい や 、 石 は 金づち で 砕く 事 が 出来る ぞ 」 「 それ じゃあ 、 一 番 かたい の は 鉄 だ な 」 「 いい や 、 鉄 は 削ったり 、 刻む 事 が 出来る ぞ 」   する と 中 の 一 人 が 、 ひげ づら の 男 を 指差して 言い ました 。 ||いし||かなづち||くだく|こと||できる||||ひと|ばん||||くろがね|||||くろがね||けずったり|きざむ|こと||できる||||なか||ひと|じん|||||おとこ||ゆびさして|いい| 「 おい 、 お前 の ひげ が 、 一 番 か たい んじゃ ない の か ? |おまえ||||ひと|ばん|||||| 」 「 何故 だ ? なぜ| 」 「 そい つ は 、 お前 の 鉄面皮 ( てつめんぴ → あつかましくて 、 ずうずうしい 人 の 事 ) と 言わ れる つら の 皮 を 突き破って 、 生えて いる んだ から な 」 |||おまえ||てつめんぴ||||じん||こと||いわ||||かわ||つきやぶって|はえて||||

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )