シュタインズ ・ ゲート ゼロ (13)
( る か ) そ その … よかった です
( る か ) か が りさん の 記憶 が 戻って ( かがり ) ママ ~!
( 岡部 ( お かべ )) そう … だ な
( かがり ) エヘヘ …
( かがり ) アハハッ ママ ~ ( ダル ) う ぬ ~
( ま ゆり ) え ~ っと … そうだ か が りさん
( かがり )“ ちゃん ” ( ま ゆり ) え ?
“ かがり ちゃん ” でしょ
( ま ゆり ) あっ … か かがり ちゃん
なあ に ? ママ
( ま ゆり ) アッハハハ … あっ バナナ でも 食べる ?
( かがり ) バナナ ? かがり が 食べ させて あげる
えっ ? 大丈夫だ よ まゆ し ぃ 自分 で …
ええ ~?
前 は かがり が やって あげたら ママ 喜んで くれた のに
( ま ゆり ) あ …
じゃ じゃあ お 願い しよう かな
( かがり ) うん ! はい あ ~ ん
( 岡部 ) ん … ( ダル ) オカリン
( 岡部 ) ん … 何 だ ?
( ダル ) こういう の も 百合 ( ゆり ) 展開 って 言う ん かしら ?
ん … 難しい お
( る か ) あ あの …
1 つ 聞いて も いい です か ?
どうして まゆ り ちゃん が ママ な んでしょう ?
それ は …
( かがり ) ウフフ … ママ ~ 大好き !
♪~
~♪
( かがり ) わ あっ これ かがり に ? ( ま ゆり ) うん
( かがり ) うれしい ありがとう ママ !
( ま ゆり ) わ あっ フフ …
まあ でも よく まゆ 氏 も 理解 して くれた よ ね
( 岡部 ) 理解 した と いう より は 受け入れよう と して る 感じ だ けど な
まゆ し ぃの … 子供 ? ( 岡部 ) そうだ
えっ !? ち 違う よ
まゆ し ぃ 赤ちゃん は まだ 産んで ない よ
ん … だ から そう じゃ なくて ―
彼女 は 鈴 羽 ( すず は ) と 一緒に 未来 から 来た んだ
( ま ゆり ) 未来 … から ?
ママ は ね
身寄り が なかった かがり の ママ に なって くれた の
まゆ し ぃが ?
でも まゆ し ぃ は 全然 覚えて ない のです
それ は そう だ お前 から すれば ―
これ から 起こる 未来 の 話 な のだ から な
ママ …
( かがり の 泣き声 ) ( ま ゆり ) あ …
まあ 完全に 理解 しろ って ほう が 無理だ ろ 常 考 ( じょうこう )
まあ な
( かがり ) オカリン さん ( 岡部 ) ん ?
ほら ほら 見て いい でしょう ( ダル ・ 岡部 ) ん ?
ジャーン !
( 岡部 ) へえ ( ダル ) ほう
( かがり ) ママ が くれた の
お そろい ! すてきでしょ ? フフフ …
ああ そう だ な
( ダル ) つうか かがり たん ちょっと キャラ 変わった よ ね
( 岡部 ) 未来 の まゆ り と の 記憶 を 取り戻した から … か ?
( ダル ) 明るく なった っ つう か 元気に なった っ つうか
( かがり ) えっ そう かな …
( 岡部 ) これ が 彼女 の 本来 の 性格 なんだろう な
まゆ し ぃ は 今 の かがり さ … かがり ちゃん も 好きだ よ
ホント ? うれしい !
あっ そう いえば 鈴 羽 お 姉ちゃん は ?
( 岡部 ) そう いえば …
( ダル ) ちょっと 前 に 出かけた みたいだ お
い っけ ない !
そろそろ バイト に 戻ら なきゃ
それ じゃあ ママ また ね !
いって らっしゃ ~ い … ん ?
フフフ …
( ま ゆり ) フフフ … ( ドア の 閉まる 音 )
( 岡部 ) 結局 戻った の は 子供 の ころ の 記憶 だけ か
確か まゆ 氏 の 娘 に なった の が 6 歳 の とき だ っけ ?
( 岡部 ) そう らしい
その あと 2036 年 から ―
鈴 羽 と タイムトラベル して 過去 に 飛んだ の が 10 歳
( ダル ) 鈴 羽 が IBN 5100 を 使って ―
2000 年 問題 の 解決 の ため に 1975 年 に 寄って から ―
1998 年 に 降りた
ここ で かがり たん は 鈴 羽 と はぐれて しまう
( 岡部 ) そして 次に 覚えて いた の は 12 年 後 の 2010 年 ―
千葉 の 県境 で 倒れて いる ところ を 保護 さ れた ところ から
そして 先日 事故 の ショック から か 子供 時代 の 記憶 を 取り戻した … か
10 歳 から 22 歳 まで の 空白の 12 年 ( 岡部 ) ああ
( ダル ) いくら 平和な 日本 つ うて も ―
10 歳 の おに ゃの こ が 1 人 で 生きて くって 無理 っ しょ
どこ か で 誰 か の 世話に なった って 考える の が 普通だ けど
( 岡部 ) それにしても 情報 が なさ すぎる
( ダル ) 桐生 ( きりゅう ) 氏 に あれ だけ 調べて もらって も ―
何 1 つ 出て こ ない っ つう の は ねえ
( 岡部 ) 彼女 自身 が 思い出して くれる まで は ―
どうにも なら ない か
せめて 何 か 手がかり に なる ような もの が あれば な
( かがり ) あの …
遅く なって ごめんなさい …
あれ ? 店長 … さん ?
( 鈴 羽 ) 出かけて る よ ( かがり ) あっ …
そう か なら もう 少し ママ と いて も よかった かも
あっ … ウソウソ ! ちゃんと 働か ない と ね
あっ そうだ 鈴 羽 お 姉ちゃん
ママ から お そろい の スマホケース もらっちゃ った んだ よ
( 鈴 羽 ) そ っか よかった な
あと ね 今度 どこ か に 遊び に 行こう って
よかったら 鈴 羽 お 姉ちゃん も 一緒に …
( 鈴 羽 ) 私 は いい
どうして ?
( 鈴 羽 ) そんな ことし てる 時間 は ない
( かがり ) も しか して … 私 の こと 嫌い ?
( 鈴 羽 ) 何で そう なる んだ
だって すぐに そう やって 怖い 顔 する し
この 顔 は 生まれつき だ !
それ に 私 に は 使命 が ある
( かがり ) 自分 だって うれし そうに カレー 食べて た じゃ ん
あれ は … “ 腹 が 減って は 戦 が でき ぬ ” って 言う だろう !
( かがり ) ふ ~ ん
何 だ よ その 顔 は
この 顔 も 生まれつき です ~
ん っ …
ママ と 遊ぶ の は 結構だ けど 私 を 巻き込む な
鈴 羽 お 姉ちゃん は いい よ ね 今 まで この 時代 で ―
お 父さん お 母さん と 楽しく 過ごして きた んだ もん
何 !?
だって この 半年 ―
ダル おじさん や 由季 ( ゆき ) さん と ずっと 一緒だった んでしょ ?
だったら 少し ぐらい 私 が ママ と 遊ぶ の を 許して くれた って !
お前 !
私 が これ まで どれ だけ 大変だった か 分かって る の か !
お前 を 捜す ため に 貴重な 燃料 だって 使った んだ ぞ !
それ は 悪い と 思って …
( 鈴 羽 ) 長い 間 連絡 ひと つ よこさ ず ―
ようやく 現れた と 思ったら きれいさっぱり 忘れて !
( 鈴 羽 ) あっ … ( かがり ) 私 だって ―
忘れ たくて 忘れた わけじゃ ない もん
それ に 元 は と 言えば ―
鈴 羽 お 姉ちゃん が 私 を 見失った せい じゃ ん !
( 鈴 羽 ) え ?
あの とき お 姉ちゃん が 私 を 見失ったり する から ―
私 は 1 人 に なっちゃ った んだ よ !
待て かがり お前 は 何 を 言って …
だから ! あの 日 一緒に 歩いて たら ―
急に お 姉ちゃん が い なく なった んじゃ ない
その あと す っ ごく ―
心細かった んだ から
( 天王 寺 ( てんのう じ )) お っ … お め えら 何 ボサーッ と 突っ立って んだ
手 空いて る なら 掃除 ぐらい しろ や
サボって ばかりだ と バイト 代 払わ ねえ ぞ
( 岡部 ) かがり の 記憶 が おかしい ?
( ダル ) まあ 僕 も 鈴 羽 から 聞いた んだ けど
何 か かがり たん の 覚えて る こと と
鈴 羽 の 覚えて る こと が 違って る らしい ん よ ね
まあ 子供 の ころ の こと だ し
そう 思い込んで る って こと も ある けど
確かに そう だ が …
あれ ?
かがり … さん ?
( 足音 )
( かがり ) あっ ママ …
どうした の ?
記憶 が 戻って から みんな 難しい 顔 ばっかり
記憶 … 戻ら ない ほう が よかった の か な
( ま ゆり ) かがり ちゃん …
( 天王 寺 ) 記憶 喪失 の 原因 ?
( 岡部 ) ええ それ も 一部 の 記憶 だけ が 都合 よく 戻ら ない
変だ と 思い ませ ん か ?
まあ 確かに 出来 すぎて は いる が …
俺 だって 詳しい わけじゃ ねえ ぞ
それ でも いい んです 思いつく 原因 を 教えて ください
( 天王 寺 ) まあ 普通に 考えりゃ ―
物理 的な 事故 病気 それ から ―
ストレス に 精神 的な ショック … と そんな ところ か
( 岡部 ) ん ん …
( 天王 寺 ) それとも そういう ん じゃ なくて ―
そこ に 第三者 の 人為 的な 力 が 絡んで る
その 可能 性 を 考えて ん の か ?
どう な んだ ?
( 岡部 ) 分かり ませ ん
でも ある かも … しれ ませ ん
( 天王 寺 ) ふむ …
だ と する と 1 つ 思い当たる やつ が ある
それ は …
ブレインウォッシュイング
洗脳 だ よ
ん …
( 宣伝 カー の 音楽 :「 魔 笛 」)
( 岡部 ) う っ …
まだ ここ に 住んで いた の か
( 岡部 ) ここ が ?
( 萌郁 ( もえ か )) うん
( メール の 着信 音 )
おお お … おう …
本当に こんな 所 に ?
( 萌郁 ) これ 以上 は 行って み ない と 分から ない
どう する ?
( ダル ) それ で 鈴 羽 と して は どう な ん ?
うん ちょっと 言いすぎ たかなって
私 もしかしたら 羨ま しかった の か な
かがり たん が ? ( 鈴 羽 ) うん
大事な こと を 忘れて ただ 無邪気に 甘え られたら って
( ダル ) 僕 に だったら いつでも 甘えて くれて いい のだ ぜ
あっ … バカ
( ダル ) まあ でも …
後悔 して る なら 素直に 謝ったら いい んじゃ ね ?
そういう の 得意じゃ ないし タイミング が ね
何 か きっかけ が あれば な
( ま ゆり ) だ から ね 今度 パーティー しよう と 思う んだ
パーティー ? ( ま ゆり ) うん
かがり ちゃん の 記憶 が 戻って おめでとう の パーティー
かがり … ちゃん ?
うん どうか な ?
かがり ちゃん 喜んで くれる かな ?
いい んじゃ ない か
ま ゆり が 企画 した なら きっと 喜ぶ だろう
ホント ?
じゃあ 早速 みんな に も 連絡 して 準備 し なきゃ !
まゆ し ぃ 大忙しだ よ
フフフ … ( 携帯 電話 の 振動 音 )
( 宣伝 カー の 音楽 :「 魔 笛 」)
( かがり ) あした の 夕方 ?
( ま ゆり ) うん 日曜日 だ し 5 時 に ラボ に 来て もらえる かな ?
もちろん 大丈夫だ よ
あっ … ママ と 一緒に い られる なら お 昼 から でも 店長 さん に 頼んで …
ああ … ハハ … 早く 来る の は ダメな のです
え ~ どうして ?
( ま ゆり ) エッヘヘ ~ それ は ね … ないしょ !
( かがり ) ハッ ! フフ … ( ま ゆり ) ん ?
分かった パーティー だ
ふえ えっ !
ど どうして ?
だって ママ が そんなふうに もったいぶる とき は ―
いつも そう だった もの
どう ? 当たり ?
そ それ は … どうか な ハハハ …
と とにかく 5 時 より 早く 来たら ダメな のです
( かがり ) は ー い
( ま ゆり ) あっ それ と …
鈴 ( すず ) さん も 呼んで いい かな ?
( かがり ) どうして 私 に 聞く の ?
かがり ちゃん 最近 鈴 さん と あんまり おしゃべり して ない よ ね ?
何 が あった か 分か ん ない けど ―
まゆ し ぃ は 鈴 さん も かがり ちゃん も 大切だ から ―
2 人 と も 仲よく して ほしい な
( かがり ) ママ …
いい よ
鈴 羽 お 姉ちゃん に も いろいろ あった んだ よ ね
うん
あした 鈴 羽 お 姉ちゃん に 会ったら 謝る
それ で もう 1 回 ちゃん と 話 して みる ね
わ あっ うん !
( フェイリス ) これ は また 奮発 した ニャー
エッヘヘヘ ~
( フェイリス ) お 料理 や 飲み物 も 完璧 ニャ
夕方 前 に は 届く ように 注文 した ニャ
お 皿 と コップ も あり ます ね ( ドア の 開く 音 )
( 足音 )
どうも
( ま ゆり ) 鈴 さん ! 来て くれて ありがとう !
あっ … うん メール あり が と ね
そう いえば オカリン たち は ?
ダル 君 は ほか の 買い物 して から 由季 さん たち と 一緒に って
オカリン は ―
朝 から 出かける 用事 が ある みたいな んだ けど ―
パーティー まで に は 帰る って
( 天王 寺 ) だ と する と 洗脳 だ な
( 岡部 ) 洗脳 …
そんな 都合 よく 人 の 記憶 を つけたり ―
消したり なんて 方法 は 知ら ねえ
だが 薬物 や 何 か の 技術 で ―
記憶 を 思い出せ ねえ ように する と か なあ
不可能 … と まで は 俺 も 断言 は でき ねえ よ
( 岡部 ) もし ―
かがり に そんな 処置 を した ような ヤツ ら が いた と したら …
( ドア の 開く 音 ) ( 由季 ) こんにちは
いらっしゃ ー い
みんな 来た 来た ニャン
( ダル ) ふ へ ~ さすが に バテバテ
( フブキ ) ヤッホー 来た よ ( かえで ) こんにちは
( 綯 ( なえ )) お邪魔 しま ~ す
ん っ …
な … 綯 様 ! ようこそ 綯 様 !
( 綯 ) こんにちは ほほえみ クマ さん
( 由季 ) クマ さん ?
ちょ … ちょっと 速く ない です か ?
( 萌郁 ) 山 の 日 は 早い
早く 着か ない と 真っ暗
暗い の は 危険
( 岡部 ) ああ … えっ えっ … ひ い ~ っ !
安全 運転 で お お 願い しま ~ す !
分かった 早く 着く の が 安全
( 岡部 ) ノォォォ ~ ッ !
( かがり の 鼻歌 )
あっ …
フッ …
( かがり の 鼻歌 )
( 岡部 ) あ …
( 萌郁 ) こっち
( 岡部 ) えっ ?
あ …
( 岡部 の 荒い 息 )
( 岡部 ) ハァハァ …
あ ?
あっ あ …
ホントに この先 に … お っ
ここ は ?
( かがり ) わ あ !
フフフ …
最近 まで 使わ れて いた みたい
は あ ? どう 見た って 長い 間 …
( 萌郁 ) 偽装 ( 岡部 ) えっ ?
( 萌郁 ) それ っぽく 散らかして いる けど ―
ガラス や 破片 が わりと 新しい
半年 … 長くて 1 年 程度 だ と 思う
奥 調べて みる ?
行こう
( 店員 ) ありがとう ございました
( かがり ) ちょっと 早い けど …
いい よ ね
鈴 羽 お 姉ちゃん 喜んで くれる かな ?
( 宣伝 カー の 音楽 :「 魔 笛 」)
( セミ の 鳴き声 )
( ま ゆり ) あの … それ で 先生
かがり ちゃん の 治療 は まだ …
( 医師 ) 治った ように 見える かも しれ ませ ん が ―
戦争 に よる PTSD を 完全に 消し去る に は ―
十分な 時間 が 必要な んです
( かがり ) かがり 治療 嫌い
頭 痛く なる んだ もん
もう ちょっと だけ 頑張ろう
ママ が ついて る から
ねっ
( かがり ) うん
分かった
( 医師 ) それ じゃあ かがり ちゃん 今日 も 少し だけ 頑張ろう
( ま ゆり ) フッ …
( かがり ) ああ …
聞こ … える
神様 の … 声 が …
( フェイリス ) か が ニャン 遅い ニャ
( る か ) ちゃん と まっすぐ 来る ように 言った んです けど
何 か あった の か な ?
( ま ゆり ) まゆ し ぃ もう 一 度 電話 して みる
うん
私 捜して くる
鈴 羽 !
♪~
( 物音 )
( 萌郁 ) 岡部 君
どうした ? 今 の 音 は …
仕掛け が あった
外して みたら これ …
( 岡部 ) 隠し 通路 ?
( 萌郁 ) 岡部 君
ここ
( 岡部 ) な っ !?
あ …
こ これ … は
( 岡部 ) かがり は やはり ここ に いた ?
しかし 一体 誰 が !?
何の ため に ?
~♪
( 携帯 電話 の 振動 音 )
もしもし
( ま ゆり ) あっ よかった 通じた ! オカリン !
( 岡部 ) どうした ? まゆ り
あの ね かがり ちゃん が … かがり ちゃん が ね
( 岡部 ) な っ !? い なく なった ?