逃げる は 恥 だ が 役 に 立つ#02 (01)
( 駒田 ) こんばん は ( みくり ) こんばん は
本日 の テーマ は 契約 結婚 です ゲスト に 森山 みくり さん を お迎え し ました
よろしく お 願い し ます つい 先日 契約 結婚 を された と か
はい きっかけ は 就職 活動 の 失敗 でした
《 クビ です か ?》
派遣 先 でも 契約 を 切ら れて 困って いた 時
家事 代行 の バイト を した んです。
《 私 が ? この 津崎 さん の お宅 に 行く の ?》
《 初め まして 森山 です。 》 《 津崎 です よろしく お 願い し ます。 》
その 時 家事 と いう 仕事 の 可能性 に 気づき ました。
《 いっそ 住み込み で 働き たい ぐらい です。 》
《 雇い ませ ん か ? 就職 と いう 形 の 結婚 と いう か 》
《 家事 代行 スタッフ を 雇う 感覚 の 契約 結婚 と いう か 》
この 提案 に 津崎 さん が 乗って くれた んです。
《 試算 した 結果 事実婚 と いう 形 で 森山 さん を ここ へ 住まわせ。 》
《 給与 を 支払い 主婦 と して 雇用 する こと は 》
《 僕 に とっても 有意義 である と いう 結論 に 達し ました。 》
そして 晴れて 専業 主婦 と して 就職 する こと に
こうした 雇用 形態 は 男女 が 逆で も 成り立つ と 思う んです。
需要 と 供給 が 結びつけば
どんな ところ から でも 仕事 は 生まれる と いう。
( 皆川 ) 先ほど お 話 に 出た 事実婚 です が。 これ は
婚姻 届 を 出して い ない 状態 で 同居 して
生計 を 同一に して いる 場合 を 指し ます。 何らか の 事情 で
婚姻 届 を 出せ ない 制度 に 縛ら れ たく ない と いった 理由 から
事実婚 を 選択 する ケース も 増えて い ます。
フランス で は わりと ポピュラー みたい です ね。 しかし 日本 に おいて は まだまだ
理解 が 得られ にくい ん じゃない でしょう か。
それ も あって 対外 的に は 普通の 結婚 と して
推し進める こと に 決め ました。
今回 の 雇用 契約 に ついて は
2人 だけ の 秘密 と いう こと で よろしい です か ?
はい なかなか 理解 され ない と 思う ので。
同感 です。 続いて 森山 さん の 労働 条件 に ついて です が。
その他 必用 な 項目 は その 都度 話し合って 決めて いき ましょう。
詳細 は これ を 持ち帰って 読んで ください。
確認 し ます。
で 問題 の 結婚 式 に ついて です が。
ウチ の 両親 する の が 当然 って 雰囲気 でした。
ウチ も です。 しかし 実態 は ただ の 雇用 関係。
挙式 や 披露宴 は 何と して も 避け たい です。
同感 です。 ご 祝儀 なんて 受け取れ ない し。
会社 でも 結婚 式 は し ない の か って 問い詰め られ ました。
なぜ か そのまま 結婚 式 を する か し ない か の 意見 交換 会 に
異論 ! 反論 ! OBJECTION
( 日野 ) そりゃ やる でしょう。 自分 が 主役 に なれる 日 なんて。
他 に ない んだ から。
えッ? やった よ 楽しかった。
いきなり ポジティブ です ね。 あんまり 参考 に なら ない 人 です。
( 風見 ) 結婚 式 って 自己 満足 です よ ね。
幸せな 姿 を 見せつける こと で 納得 する って 言う。 したい 人 は すれば いい。
見事な 突き放し。 この 人 も 極端で。
( 沼田 ) 俺 は する 派 だ な。
結婚 式 って いう の は いわば カミングアウト だ。
世間 に 向かって 私達 は 結婚 し ます と 宣言 する 儀式 だ。
宣言 した 以上 簡単に は 引っ込め られ ない。
覚悟 が 生まれる。
説得 力 あり ます ね。 基本 的に ふざけて いる 人 なんで
意外 でした。 裏 を 返せば、
結婚 式 を し ない ため に は それ 相応 の
覚悟 を 見せ なければ なら ない。
会食 で は 僕 の 方 が 主 と なって 話 を 進め ます。
でない と ウチ の 父 が 納得 し ない と 思う ので。
お 父さん …?
いや、 とにかく。
何と して も 双方 の 両親 を 説得 し ましょう。
両親 と 百合 ちゃん です。 百合 ちゃん ?
《( 百合 ) 結婚 !? はあ~ッ ? あなた 誰 ? どこ の 馬 の 骨 !?》
こないだ は ごめんなさい。
突然の こと に 驚いて。
伯母さん が 心配 する の も 無理 は ない です。
百合 ちゃん です。 えッ ?
百合 さん って 呼んで ください。
あ … 重ね重ね 面倒くさい 伯母 で ごめんなさい。
百合 さん や ご 両親 が 森山 さん を 大切に 思う の は 当然 の こと です。
津崎 さん も もう 分かって くれて る から。
あなた達 は 名字 で 呼び 合って る の ?
2人 の 時 は 名前 で。
今日 ちがや 来る ? うん、 来る けど。
( 舌打ち )
ちょっと メイク 直して くる。 うん。
ちがや ? あッ、 私 の 兄 の 名前 です。
小1 の 時 まだ ギリギリ 20 代 だった 百合 ちゃん に 向かって
伯母さん は 一生 結婚 でき ない と 思う そう 言い放った 兄 です。
それ より 呼び 方。 盲点 でした。
練習 し ましょう。 これ から は 名前 で。 みくり。
みく …
さん 付け でも いい です か ? 了解 です。
みくり さん。
平匡 さん。
何 か テレ ます ね。
気のせい です。 です ね。
平匡 さん。 みくり さん。
平匡 さん。 みくり さ~ん。
( 知佳 ) 何 し ちょる ?
こちら は … 初めまして 森山 みくり と 申し ます。
ふつつか 者 です が よろしく お 願い いたし ます。
( 栃男 ) みくり!
ウチ の 両親 と 兄 夫婦 です。
森山 みくり の 父 で ございます。
< ついに きた 両家 顔合わせ。 いよいよ 始まる。 > < 初めて の 共同 作業。 > < この 場 を どうにか 切り抜ける !> ♬~
以前 津崎 君 の 会社 に 市 の システム を 依頼 した んです。
( 宗八 ) 息子 が 大変 お 世話に なり ました。
お 世話に なって る の は こっち の 方 です。
津崎 君 が 今 の 会社 に ヘッド ハンティング さ れて から も
パソコン で 分から ない こと が ある と メール で 教えて もらったり して。 ねッ?
今 は お 仕事 は ? 3 月 に 定年 退職 し ました。
それ で 千葉 の 館山 に 中古 の 家 を 買って
先週 越した ばかり です。
みくり さん は ? ( 桜 ) 前 の 家 の 契約 を
少し だけ 延ばして もらって 今 は みくり だけ が そこ に。
一緒に 暮らす に して も 津崎 君 の ご 両親 に
ご挨拶 して から と。 ねッ?
≪( 知佳 ) みくり さん。 はい。
みくり さん は 平匡 の どこ が 良かった の ?
今 聞か なくて も。 いつ 聞く ん よ?
え … そう です ね。
《 掃除 は キッチリ して ください 水回り は 重点 的に 》
《 窓 拭き も お 願い し ます 》
指示 が 具体 的で 明確
無駄 が ない んです。
それ から ...
《 そこ から 時給 を 算出 し 》
《1 日 7 時間 労働 と 考えた 時 の 月給 が こちら 》
突拍子もない 提案 に 対して も
現実 的な 解決 策 を 探って くれる
非常に 好ましい です。
( ちがや ) 上司 を 褒めて る みたい だ な。
ちゃちゃ 入れ ない!
とても 信頼 できる 頼りがい の ある 人 だ と 思い ました。
そう? はい。
平匡 さん は みくり の どこ が 良かった の ?
まあ、 取り柄 と 言えば 若さ だけ じゃ ない です か ?
( 葵 ) パパ ! ごめん ね、 みくり ちゃん。
いえ、 その とおり で。
いえ、 そんな こと は ない です。
みくり さん は 何でも できて 僕 に は もったいない 人 です。
むしろ 森山 家 の 皆さん に 申し訳ない と。
いや、 こっち こそ まさか 京大 出身 の 息子 が できる なんて。 ねえ?
うん。
それ で ? 式 は いつ 挙げる の ?
津崎 さん の ところ は 山口 だ し どこ で 挙げる に して も ➡
早く 頑張ら ない と。 洋装 ? 和装 ?
両方 って 手 も ある よ ね。 東京 と 山口 で 2 回 挙げて も いい し。
伯母さん の 結婚 式 じゃ ない んだ から
張り切る なら 自分 の 結婚 式 に し な よ。
パパ ! ちがや!
≪( 栃男 ) どうして お前 は そう … いつか 誰 か に 刺され ちゃう わ よ。
ごめんなさい、 百合 さん。 別に 気 に して ない から。
じゃあ、
お 父さん ビール でも いかが です ?
お 気遣い なく ありがとう ございます。
お父様 も … もう この 子 根 は いい 子 なん です けど ➡
ちょっと 口 が 悪くて ≪( 知佳 ) お母様 も どう です か ?
ぜひ … そんな とんでもない です。
結婚 式 は し ませ ん。
し ない と 2人 で 決め ました ...
2人 で。
《 入籍 した 夫婦 の 約 3割 が 結婚 式 を 挙げて い ない 》
《 と いう 統計 が あり ます これ を 根拠 に 説得 を 試み よう か と 》
《 ここ は 統計 より も 心理 に 訴える の は どう でしょう 》
《 片方 が ゴリ押し した 印象 を 与える と 》
《 もう 片方 の 両親 が 面白く なく 感じ ます 》
《 な ので 2人 で 決めた と いう 部分 を 強調 する んです 》
僕達 に とって 重要な の は
共に 暮らし、 共に 生活 する、 この 一点 です。
結婚 式 や 披露宴 など の 形式 張った もの は 必要 ない と
2人 で 決め ました。
でも … 2人 と も 初婚 な んだ し。 みくり ちゃん だって
ウエディング ドレス 着 たい でしょ ?
幸い そういう 憧れ は ない 方 な ので。 式 や 披露宴 に お 金 を 使う より も
その分 貯蓄 に 回した 方 が いい、 それ が 2人 の 考え です。
お 金 なら 少し ぐらい 出す ぞ。
古民家 で 退職 金 使っちゃ った でしょ?
2人 で やっていこう と いう 門出 から
ご 両親 の お 金 を あて に する の は 本意 で は あり ませ ん。
そう 2人 と も。 2人。 2人 って。
2人 に とって は それ で いい の かも しれ ない けど さ、
式 って いう の は 周り の 人 の ため に やる もん な んだ よ。
おっしゃる こと は もっとも です。
ですが、 あまり 付き合い の ない 知人 を 招いて
大々的な 祭り ごと を する より も
静か で ささやかな
そういった 暮らし を 大切に し たい。
それ が 僕達 2人 の 目指す 生活 です。
ですから どうか … はい
私 賛成。 2人 が 決めた なら いい じゃ ない。
周り の ため だけ に って いう なら やる 必要 ない。
まあ ね、 実際 披露宴 挙げて みる と 疲れる こと ばっかり で
何で こんな こと って 思ったり した けど ね。
それ どういう 意味 ? もっと 別の 言い 方 ある でしょ!
結婚 した こと ない から、 分かんない じゃん!
はーッ ? 3人 と も やめて !
百合 ちゃん。 うん ?
ありがとう、 おかげ で 流れ が できた。
寂しく なる なあ。 えッ ?
気軽に 会え なく なる でしょ? いい よ 今 まで どおり で。
結婚 する んだ もん 、そう は いか ない わ よ。
みくり ちゃん、
結婚 は 始まって から が 生活 だ から ね。
頑張って ね。
あいつ の 嫁 の 言葉 か と 思う と 考え ちゃう わ ね。
あいつ って 甥 な んだ から。
じゃ、 お先。 じゃあね、桜。 あッ、 館山 遊び に 来て。
はーい。
お 父さん ガッカリ して た。 えッ ?
バージン ロード みくり と 歩ける と 思って た から。
予行 練習 まで して 新しい 家 の 廊下 で。
みくり が こんなに 早く 結婚 する と は 思わ なかった な。
お 母さん、 私 産んだ の 23 でしょ? 今 の 私 より 2つ も 下。
そう だ けど、 みくり は 昔 から 結婚 する より
バリバリ 仕事 し たい んだ って いう 子 だった でしょ。
仕事 って いう 幸せ も ある と は 思う けど、
私 は 嬉しかった な。 みくり が 結婚 する って 聞いて。
幸せに なって ね。
うわッ みくり …
みくり …
あッ、 お 父さん ちょっと お 手洗い。
そこ で 待っ ちょ って ね。
仕事 忙しい のに、 ごめん。
若い の に しっかり した 娘 さん じゃ な か。
うん。
若 すぎる ぐらい じゃ。
中身 は 老け てる よ。
本人 の 弁。 何 じゃ、 早速
尻 に 敷かれ ちょる ん か。 そんな ん じゃ ない よ。
男 が 家庭 を 持つ っちゅう こと は、
全て 背負って 責任 を 持つ っちゅう こと じゃ。
お前 に は でき ん の んじゃ ない か と 思い よった。
今日 は うまい 酒 が 飲め そう じゃ。
おめでとう。
父 も 母 も 想像 以上 に ガッカリ したり 喜んだり して くれて
結婚 と いう 言葉 の 重さ を
ズシッと 今さら です が
僕 は むしろ ホッと し ました
肩 の 荷 が 下りた
僕 は 父 の 望む ような 息子 に は なれ ない ので
たとえ 真実 じゃ なかった と して も 喜んで もらえた なら いい と