逃げる は 恥 だ が 役 に 立つ #03 (01)
( 津崎 ) いただき ます ( みくり ) いただき ます
あの
何 でしょう ? 生活 費 の 中 から
電気 炊飯 器 を 買い たい んです
今 は レンジ で チン する 容器
私 が 実家 から 持ってきた あれ で ご飯 を 炊いて る んです けど
容量 が 少ない し 白米 しか 炊け ませ ん
白米 以外 何 を ?
玄米 と か 十穀米 と か 炊き込み ご飯 と か
購入 を 検討 して もらえ ません か ?
ごちそうさま でした
炊飯 器 は 好き に して ください
< 何という こと でしょう > 《 職場 と いう もの は 従業 員 だけ の 努力 じゃ まま なり ません 》
《 僕 は 雇用主 として 》
《 みくり さん が 働き やすい 環境 を 提供 し たい と 思って い ます 》
《 遠慮 せず 何でも 言って ください 》
< 雇用 主 の 匠 > < もとい かがみ の ような 発言 で > < 私 を 感動 させた 平匡 さん が > < 何という こと でしょう > 《 ご飯 硬く ない です か ?》 《 いえ 》
< 何 を 聞いて も 続か ない 会話 > 《 今日 暑く なり そうです ね 》
< どんな 問いかけ に も 外 される 視線 > < 心なしか 眼鏡 の 輝き まで > < この 家 の 空気 を 緊張 させて いる よう です > ( ドア が 開く )
お 弁当 です ありがとうございます
行ってらっしゃい
< やり にくい > < すこぶる 働き にくい > < なぜ こんな ふうに なって しまった の か > < 思い当たる こと と 言えば > < 沼田 さん と 風見 さん が うち に 泊まった 夜 に > < 私 が あらぬ 妄想 を して しまった こと だ けど > < 平匡 さん が 超 能力 者 で も ない 限り > < 私 の 妄想 など 知るよしもない > < と なる と 今週 の 初め > < 今 まで 意地 でも 洗わ せて くれ なかった > < 平匡 さん の パンツ を 洗濯 かご の 中 に 発見 > < やった ! ついに パンツ の 洗濯 を 任される まで に > < 従業 員 と して 信頼 された > < 意気揚々 と 洗濯 > 《 お帰りなさい 》
《 洗って もらう つもり じゃ … つい うっかり 》
< 信頼 された わけ じゃ なかった > 《 これ を 機 に 一緒に 洗い ましょう 》
《 パンツ だけ 別に 洗う の は 不経済 です 》
《 実家 で は 父 の 下着 も 洗って ました 私 は 全く 気 に し ない ので 》
< と 強引に 話 を まとめて しまった けれど > < 平匡 さん に とって パンツ は > < 自意識 の とり で だった の かも しれ ない > たかが パンツ されど パンツ
引っ越し ましょう はい ?
今 の 1LDK から 2LDK に 引っ越し ます
えッ ?
♬~
物件 の 条件 です 探して おいて もらえ ます か ?
どうして 急に ? 自分 の 部屋 が 欲しい でしょ ?
私 の ため です か ?
もともと 1LDK で は 狭い と 思って いた んです
家賃 今 より 2万 アップ
2LDK の 相場 は それ くらい です
と いう こと は 折半 して 1万 円 の アップ
そこ は 僕 が 持ち ます 僕 の わがまま なんで
私 の 部屋 の ため な んじゃ ない んです か ?
それ と もう 一つ
雇用 契約 に 恋人 に ついて の 条項 が ない こと に 気 が つき ました
恋人 ? 僕 と みくり さん は
あくまで 雇用 主 と 従業 員 と いう 関係 に すぎ ません
これ から 先 お互い
他 に 好きな 人 が できる 可能性 が あり ます
はあ そう なった 場合 契約 を どう する か
素案 を 考えて おき ます
では 会社 に 行き ます
< 何だか ものすごい 勢い で > < 心 の シャッター を 閉め られて いる > 残業 ?
でき ます よ ( 渡辺 ) いい んです か ? 新婚 な のに
関係 あり ません 仕事 は 仕事 です
助かり ます ありがとうございます !
《( 沼田 ) 見 ちゃった んだ よ ね ~ 津崎 君 ち の 寝室 》
《 シングル ベッド に 枕 が 一つ ➡》
《 あそこ に 一緒に 寝てる ように は 見え なかった 》
《 あの 二人 ホントに 夫婦 な んだろう か ?》
《( 風見 ) シングル ベッド で 一緒に 眠る 夫婦 だって 》
《 尾崎豊 じゃ ない んだ から 》
《 尾崎 は きしむ ベット だ よ シングルベッド は つんく だ よ 》
《 間違え ちゃった よ 》
《 寝室 に 奥さん の 気配 は 一切 なかった 》
《 偽装 結婚 と は だまさ れた 》
《 津崎 君 は 俺 に 偏見 を 持って いた わけじゃ ない 》
《 むしろ お 仲間 だった んだ 》
《 男 が 好きな 男 と 女 が 好きな 女 》
《 決して 相いれない 二人 が 手 と 手 を 取り合い 》
《 世間 の 荒波 を 共に 生きて いく 》
《 美しい 話 じゃ ない 》
《( 山 さん ) 沼 ちゃん の 推理 大体 願望 フィルター かかってる から 》
《 話 半分 の さらに 半分 で 》
( 日野 ) ねえ ねえ 津崎 さん 行こう ぜ ブドウ 狩り
津崎 さん 夫婦 と うち の 家族 で 行き ません
え~ッ 俺 だけ 奥さん と 会えて ない もん
それ は 僕 の せい で は … 子供 って ね すぐ 風邪 ひく の
二人 いる と ローテーション で 風邪 ひいて 切れ目 が ない の
分かる ? この 苦労 分かり ません
津崎 君 の 奥さん は 素晴らしい 人 だった よ
完璧な 妻 理想 の 妻
ますます 会い たい 俺 も 結婚 し たい
女 に 厳しい 沼田 さん が そこ まで ?
しかも 結構 かわいい 結構 かわいい んだ ?
ちっとも かわいく あり ませ ん
感覚 と して は
還暦 すぎ の 掃除 の おばさん と 同居 して る ような もの です
それ は 言い過ぎ じゃ ない か な どん引き
そう 思えば こそ パンツ も 洗って もらえる のです
なるほど ( 日野 ) 何 が ? 全然 分かんない
しまった おいしく ない
( 安恵 ) えッ ?
まずい わけじゃ ない けど おいしく ない って コメント に 困る よ ね
自分 が 食べる だけ なら 何でも いい じゃん
自分 が 食べる だけ なら ね~
旦那 が さあ
今日 の ご飯 超 おいしく できた って 時 に 限って
帰って こなかったり して ああ
夜中 に 帰って きて 冷め きった おかず 食べて
「 うまく ない 」 と か 言わ れる と 壁ドン ! し たく なる よ ね
壁 に 叩きつける 方 ね
そこ を グッと 抑えて
彼 は 私 と 蝶 の ため に 働いて る んだ
こんな こと で 不満 を 言っ ちゃ いけない って 思って たら
浮気 まだ 疑惑 でしょ
女の子 と 歩いて たって だけ で
あいつ は 疑惑 が 上がった 時点 で ほぼ クロ よ まっくろくろすけ よ
安い よ ~ って 声 が 聞こえたら 何 か 分か ん なくて も 突っ込む 男 よ
常に ダイブ 前 のめり で ダイブ
やっさん も ダイブ された し ね そうな んだ よ ~
ガンガン 来 られて 私 が 盛り上がっ ちゃって
気 が ついたら 妊娠 して 結婚 して た わ
積極 的 な 男 は
他 の 女 に も 同じく 積極 的 かもしれない って 思ったら
積極性 も 考えもの だ ね
( 携帯 着信 )
私 が 元ヤン って 隠さ ず 言っ と きゃ よかった
壁ドン ! を 恐れて 浮気 し なかった かも
ごめん 仕事 の 電話
( 知佳 ) みくり さん の ご 実家 から 梅 の 実 を いただいて ね
梅 ? ☎ お 礼 は 何 が いい かしら ?
家 の 庭 で 梅 の 実 が たくさん 取れる と おっしゃって
うらやましい って 言ったら 送って くださった ん よ
いつのまに
☎ ご 両親 お 嫌いな もの は ない ?
特に ない です どうも すいません
平匡 と 仲良く してる ?
はい とっても
☎ 気 が 利か ない ところ が ある かも しれ ない けど
☎ 優しい 子 だから よろしく ね
はい
あの 子 昔っ から 勉強 だけ は できた んだ けど
女の子 に 対して は 全然 で
☎ 一人 も 彼女 が でき ない まま
☎ おじいちゃん に なっ ちゃう んじゃ ない か って
☎ 心配 し とった ん よ
<3 合 炊き > < 彼女 いない 歴 35 年 > < 圧力 スチーム IH > < 備長 炭 の 内 釜 > < 彼女 いない 歴 35 年 > はッ 今 は 炊飯器 炊飯器 炊飯器 うん
< もし 本当に 彼女 いない 歴 35 年 だ と したら > < あの 平匡 さん が > < いいかげんな 気持ち で 女の子 に 手 を 出す と は 思え ない > < 何でも 調べて から 行動 する 性格 から して > < 勢い で ダイブ する と も 思え ない > < もしかすると > 可能 性 は あり ます よ ね 未経験 って いう
いい んじゃ ない でしょう か 人 それぞれ だし
それ も 人 に よりけり だ と は 思い ます けど
あッ いい です よ 顔 出し で
最近 だ と 高学歴 高収入 で 見た目 も 悪く ない の に って 人 も
多い みたい です ね
そういう 人 は プライド が 高い の かも
と いう か 行か ない んです よ 自分 から は
断ら れる と 傷つく から
私 の 身内 の 場合 です けど
彼女 は 古風な ところ が あって
守り に 守り すぎて 49 年 って 言って ました ね
もはや 脱却 する タイミング を 見失った そう です
( ナツキ ) 大丈夫 です か ?
( 百合 ) 大丈夫 じゃない わ よ 血管 切れ そう
何で こっち が 1千万 も かぶん なきゃ いけない の
最終 確認 で OK 出した から 出した わ よ 出した けど
まさか QR コード が 同業 他社 の サイト に つながる なんて 思わ ない でしょ
ダミー の レイヤー が 残って て どう と か … いつ どこ で すり 替わった の ?
( 柚 )4校 まで は 合って ました それ が 最後 の 最後に すり 替わる
どれ だけ 高度な 間違い 探し な の !
≪( 柚 ) 来 ました 電報 堂 の 担当 者
7:3 の 痛み分け なんか 絶対 のま ない から ね
8:2? 9:1 じゃ ない ?
10:0
( 西 ) この度 は … 西 さん 電話 でも 話し ました けど
( 田島 ) この度 は 西 が 大変 ご 迷惑 を お かけ し ました
部長 の 田島 と 申し ます
≪( 田島 ) 覚えてる ?
田島 君 ? 倉科 ゼミ の
そう みんな で スキー 行った よ ね
ああ 懐かしい 苗場 ユーミン の コンサート そう そう
懐かしい ~ 懐かしい なあ
大学 の 同期 もう ビックリ ビックリ
名前 聞いて も しか して って 思った うん
ちょっと 待って 知り合い だ から と 送り込ま れた わけ ?
びた一文 ま から ない わ よ
みくり さん ?
ああ どうも 先日 は
お すまい この 辺 な んです か ? すぐ そこ です
津崎 さん まだ 残業 して ました よ
はい 遅く なる って メール もらい ました
どうも すいません ( 風見 ) いえ
日 の ある うち に 帰る つもり だった んです けど
どれ を 買う か 迷った ? はあ
ピン から キリ まで たくさん あり ます から ね
安い もの は すごく 安かった です 安 すぎる ぐらい
今 は 海外 で 安く 作れる から
はい 雇用 が グローバル 化 して いく こと で
国内 の 雇用 が なくなって いく と 思う と せつなく なり ます
安い もの を 買う ため に 仕事 を 海外 に 売って る ような もの です ね
そう な んです ! それ で 私 考えた んです けど
≪( 社員 A ) お先に ≪( B ) お疲れさまです
< 今日 中 の 仕事 が あと 少し で 終わって しまう > < あの 日 から 胸 の 奥 が ザワザワ する > < 削除 だ > < あの 夜 見て しまった いやらしい 夢 も 全部 削除 > < 消さ なくて いい ところ まで 消して しまった > < 一刻 も 早く 広い 部屋 に 引っ越して > < みくり さん と の 間合い を 取る > < そう すれば 落ち着ける > < 問題 は それ まで の 時間 を どう やりすごす の か > < いっそ 開き直って > < 疑似 恋愛 を 楽しむ くらい の 気持ち で いたら どう だろう > < 実際 に どうにか なる なんて こと は 絶対 に ない のだ から > < ここ は ひとつ 前向きに > < 彼氏 に なった つもりで > はあ ~
はあ ~
( 玄関 が 開く )
お帰りなさい
お おう ただ … ただいま
帰り ました
いえ 何でも
あッ そう いえば
炊飯器 買った んです か ?
はい それ で 炊き込み ご飯 を
あッ
モノ は こちら に
ああ 2万 円 の IH 炊飯器 です
必要 最低 限 の スペック で 使い 勝手 を 重視 し ました
いい と 思い ます
たとえば パソコン でも 高 スペック を 買った ところ で
ネット しか し ない ので あれば 宝 の 持ち 腐れ です
はい 安 ければ いい と いう わけ でも ない
あッ 今日 風見 さん と も そんな 話 を し ました
風見 さん ? 偶然 会った んです
炊飯器 を 運んで くれて
意外 と 話し やすくて いい 人 です よ ね
雇用 の グローバル 化 が 国 の 産業 を 衰退 させる
じゃ どう したら いい の か って 答え が なかなか 出 なくて
いっそ 鎖国 したら どう だろう なんて 冗談 を 延々 と 二人 で
風見 さん 自分 は 自分勝手 だって 言って た んです けど
結婚 に 対して 身構えて る の は
実は 誠実 だ から だ と 思う んです
モテる から ああ なっちゃ って る だけ で
風見 さん って … その 話