逃げる は 恥 だ が 役 に 立つ #08 (02)
( 二人 ) アハハハハッ イエーイ
≪( 安恵 ) ジャム でも 塩 も み する んです ね
≪( 桜 ) うん あと カボチャ は 種 つき の まま 蒸す の が 鉄則 ね ➡
コク が あって おいしい ジャム に なる の よ ~
へえ~
はい ありがとう
向こう 男 同士 褒め 合って て 気持ち 悪かった
うち は お 父さん も お 兄ちゃん も 自己肯定感 が 強い よ ね
みくり も 子供 の 頃 は そう だった じゃない
私 は 学校 や 社会 で 折られ まくった もん
普通 そう じゃない ? ちがや さん が 奇跡 的に
折られ ない まま 来た だけ で それ 幸せ と いえば 幸せ だ よ ね
私 は 蝶 に 大ケガ は させ たく ない けど
擦り傷 くらい は させ たい か な
経験値 と して は あった ほう が いい かも ね
程度 問題 です けど ね
< 擦り傷 程度 の 浅い 傷 > < だ と して も 何度 も 何度 も 傷 を 受ければ > < 深刻 な ダメージ に なる > < くたびれて しまった > 《 僕 に は 関係 あり ません 》
< 自尊 感情 の 低い あの 人 を 好きで いる こと に > 《 詮索 する の も 分析 する の も やめて ください 》
< 拒絶 されて も 平気 な ふり で 笑い 続ける こと に > だから ね 市議会 議員 に
立候補 する って いう 手 も ある か な と 思って
はッ ? へえ ~ いい じゃない
今 の 「 だ から ね 」 は どこ から 続いて た の ?
さっき 聞いた の 野口 まゆ さん に 誰 ?
同い年 の 市議会 議員 情熱 に あふれた 大陸 な 人 だった
そんな 簡単 に なれる の ? 選挙 演説 の 妄想 なら した こと ある
イメトレ は バッチリ ね 世 の ため 人 の ため に なり ながら
お 給料 が もらえる って 素晴らしい と 思わ ない ?
はい 議員 候補 の みくり さん に 質問 です
働く 女性 の 育児 に ついて どう お 考え でしょう ?
生 討論 し ちゃう ?
はあ ? 私 田原 さん やる
♬~
え~ こんばん は 本日 の 議題 は 働く 女性 の 育児 問題 です
≪( 葵 ) 今 の 世間 の 要求 は 無謀 です よ
働け よ 産め よ 育て よ
女 と して 美しく あれ って 体 が いくつ あって も 足り ません
しかし 女性 が 産ま ない と 少子 化 は 進む わけ です
一方 で 働き たい 女性 も いる
いっそのこと みんな 高校 生 の うち に 出産 して は ?
はッ ? 働き ながら 育てる より
学生 時代 の ほう が 育て やすい と 思う んです
高校 の 空き 教室 に 託児 所 を 作って 授業 中 は 預けて おく
で 休み 時間 に 授乳 し に いく
出産 で 休学 して も 夏 休み に 補習 を 受ければ
授業 に 追いつけ ます
家庭 科 の 授業 で ベビー 服 や 離乳 食 を 作ったり して ね
ええ そう やって 学校 全体 で 子育て を して いけば
みくり ちゃん はい
≪( 葵 ) 発想 と して は 面白い けど
高校生 育児 制度 を 掲げて 立候補 して も
まず 当選 でき ない と 思う
やっぱり ? 高校 くらい 青春 し たい な ~
じゃあ いつ 産めば いい んだろう ?
育児 し ながら 社会 参加 する タイミング って 難しく ない ?
協力 し合う しか ない ん じゃない か な
夫婦 や 社会 や 周囲 の 人間 が
そこ が うまく いか ない んです けど ね
男 も さ 子供 産める ように なれば いい んだ よ
ああ ! 夫 と 妻 で 交代 に 産んだり して
選ぶ 余地 が あれば お互いに 気 を 使え そう
しまった 科学 者 の 道 に 進む べき だった
気色 悪い こと 言って んな
俺 も 産み たい
ええ~ッ
乾杯 !
ああ~ッ 最高 !
生 ビール 最高 うーん
沼田 さん オープン お 口 オープン
開いて も 何も しゃべら ない から な
しゃべり たい こと で も ある んです か ?
何 ? 何 ? 何 頼む ? 何 頼む ?
え~ これ あーッ 軟骨 の 唐揚げ 食べ たい
コリコリ し たい コリコリコリコリ … 日野 君
一旦 落ち着こう たかが 居酒屋 だ
メッチャ 楽しい 俺 の 中 で は 超 アミューズメント
飲み 会 の たんび に 子供 が 熱 出して 行け ない から
☎「 留守番 電話 に 接続 し ます 」
津崎 さん ?
仕事 切り上げて 早く こっち に 来て
奥さん と 子供 は ? 実家 だって
近く で 声優 さん の イベント が ある んだ って
奥さん の 趣味
日野 と いう 超 レアキャレ 飲める チャンス めったに ない から ね
☎( 日野 ) この 留守電 聞いたら 速攻 で 来て
< 今 お 酒 を 飲んだら > < 言わ なくて いい こと まで 言って しまい そうだ > < しかし 日野 さん に は お 世話に なって いる > < しかし 体調 も よろしく ない > < しかし 日野 さん …> < この よどんだ 気分 で は > < レアキャラ > < こんなに はっきり し ない 男 > < みくり さん に 愛想 を つかされて 当然 だ > あッ やっと 来た よッ
遅く なって すいません
おしぼり と ビール ください ≪( 店員 ) はーい
追いついて 早く 追いついて よ ッ
いただきます はい
百合 ちゃん も 誘った んだ けど ね 百合 ちゃん ?
ああ 俺達 百合 ちゃん 沼 ちゃん の 仲 だ から
いつの間に … でも 車 で 来て る から ダメ だって
車 通勤 オッケー な んです ね
何か ね イベント の 荷物 が どう と かって
俺 も 会い たい 百合 ちゃん と みくり ちゃん
百合 さん は 分かり ません が みくり さん に は 会え ません きっと
会わ せろ よ ~
≪( 安恵 ) この 筑前 煮 は
星 1つ
採点 辛ッ
いや 星 1つ だ
母さん の 筑前 煮 に は 足元 に も 及ば ない へ へいッ
ふ ふん ちがや さん うち でも 作って ね
ええ~ また 壁 ドン される よ
それ はや ん ねえ から やめろ
やっ さん の せい だ から な
≪( 桜 ) ほら 冷め ちゃう から 食べて
( 一同 ) いただき ます
≪( 日野 ) ねえ 風見 さん ち の 家事 代行 の 人 どう なった の ?
≪( 風見 ) どう って ?
言って た じゃん 狙って る って
それ が 今週 急に お 休み で
気軽に 休ま れて も ね
気軽 じゃない と 思い ます
彼女 は 自分 の 言動 に 責任 を 持つ タイプ だ し
よほど いたたまれない こと が あった ん じゃない です か ?
どんな ?
そこ まで は 知り ません けど
知ら ない なら 何も 言わ ないで ください
( 風見 ) 事情 は 知り ません が
津崎 さん より 僕 の ほう が
彼女 の こと を 知って る かも しれ ない
見えて いる と 言う べき か
何 が 見えて いる か 知り ません が
違う もの が 見えて いて 当然 じゃない でしょう か ?
僕 と あなた は あまりに も 違う
違う ?
僕 は こんな 場所 で 人 に 皮肉 を ふっかける ような
自信 に 満ちあふれた 人間 じゃない し
生き 方 も 見た目 も 何もかも 違う
根本 的 に 違う んです
≪( 沼田 ) みんな 違って みんな いい
みんな いい よ ね ねえ
飲ん じゃおう いっ ちゃおう いっ ちゃおう
≪( 沼田 ) 安い ほう が いい でしょ ?
≪( 日野 ) 絶対 そう でしょ ≪( 沼田 ) ねッ ➡
安い ほう が いい でしょ ? 5千円 も うなぎ 食う ん だったら ね …
ふう
まったく いい 年 して 何 やって ん の
さー せんす よろしく 願い し ます
多少 責任 を 感じる ので つきあい ます
もう 一軒 行っ ちゃう ちゃう ?
ちゃう ちゃう ちゃう まだ 食べ れる ?
食べ れる
お 父さん に 厳し すぎ ない ? えッ ?
定年 退職 した んだ から
少し は 家事 手伝って よって 気持ち は 分かる けど
先月 ね 定期 健診 受けた の
お 父さん に は 言って ない んだ けど 再 検査 の 項目 が あって
精密 検査 して きた
それ で ?
何とも なかった
何 だ !
結果 が 出る まで 不安 で ね あれこれ 考え ちゃって
もし 私 が 先 に 死んだら お 父さん どう なる んだろう ➡
だから いい 機会 だ と 思って
なら そう 言えば いい のに
もし 先 に 死んだら … なんて 言ったら お 父さん 心配 する でしょ
ホントに 死ぬ ん じゃない か って
いいね 愛 されて て
愛 して る わ よ お互いに 努力 して
努力 な の ?
無償 の 愛 なんて 注げ ない わ よ 他人 な んだ し
言う ね
運命 の 相手 って よく 言う けど 私 そんな の い ない と 思う の よ
夢 が ない 運命 の 相手 に
する の
意志 が なきゃ 続か ない の は 仕事 も 家庭 も 同じ じゃない か な
津崎 さん の おかげ で 昔 の こと を 思い出し ました
その 話 面白い ? ≪( 風見 ) ちっとも
じゃ 話さ なくて いい
中学 の 頃 僕 は モテた んです
話す んだ
初めて できた 彼女 は ➡
どちら か と いう と 地味な 女の子 でした ➡
僕 は とても 彼女 が 好き だった ➡
ところが ある 日 …
《( ゆかり ) 風見 君 と いる の が つらい の 》
《 風見 君 は かっこよくて 》
《 スポーツ も できて 女子 に 人気 で 》
《 私 は 地味 で かわいく ない し 》
《 何で あの 二人 が … って みんな に 言わ れて 》
《( 風見 ) 気 に し なきゃ いい だ ろ 》
《 風見 君 に は 分かんない よ 》
《 私 と 風見 君 は 》
《 全然 違う んだ もの 》
≪( 風見 ) そんな こと 僕 に は どう しよう も ない ➡
彼女 が 自信 を 持て ない こと は 彼女 の 問題 な のに ➡
あなた に どれだけ 拒絶 されて も
大好き だ よって 言って あげれば よかった んでしょう か ➡
向こう は 僕 の 気持ち なんか 考え ちゃい ない のに ➡
自分 ばかり 見て いる 彼女 に
何 を 言えば よかった んでしょう ?
( タイマー 終了 )
< どんな 思い で 作った んだろう > < どんな 思い で ここ を 出て いった ん だろう > < あの とき みくり さん は > < どんな 思い で …> < 自分 の 気持ち で いっぱいで > < 僕 は みくり さん が 残して いって くれた 料理 を > < 手 に 取る こと も し なかった > < 誰か を 誠実 に 愛し 続ける こと は > < ものすごく 大変 な こと な の かも しれ ない > < 人 の 気持ち は 変え られ ない けれど > < 人生 の ハンドル を 握る の は 自分 自身 > ≪( 風見 ) もし かして 遠回り して くれて ます ?
たそがれ たい かな と 思って
いい でしょ ? この 道 はい
今 の 若い 子 って 車 持た ない わ よ ね
なくて も 困り ません 出た
電車 や バス で 大概 の 所 は 行け ます
そう ね
でも ね あなた が 思って る より ずっと 遠く まで 行ける の よ
( 栃男 ) バサーッ
はい あと やって ね 喜んで
みんな 一気に 帰っ ちゃって 寂しい な
来る なって 言って たくせ に
みくり うん ?
ずっと いて も いい の よ
うん ありがとう
うん
( 携帯 着信 )
もしもし
☎ 平匡 です
はい
☎ ごめんなさい
あの もう 謝ら れる の は おなか いっぱい で
☎ すいません
☎ あッ いや ごめんなさい あッ …
何の 用 です か ?
☎ みくり さん に 言い たい こと が あって
☎ 僕 は … 待って ください
先 に 私 が 話し ます
平匡 さん の 結論 が どう であれ
私 の 気持ち は 固まった んで
私 自分 の 気持ち を 因数分解 して みた んです
余計 な こと を とっぱらって 最後 に 何 が 残る か
☎ 素因数分解 です ね はい
仕事 と か 収入 と か
自分 の やり たい こと と か なり たい 自分 と か
色々 考えて それ で …
☎ ちょっと 待って ください やっぱり 先 に 話 を させて ください
私 の 気持ち は もう 固まって … ☎ 電話 を かけた の は 僕 です
☎ 僕 が 先 に 話す 権利 が ある と 思い ます
確かに
僕 は …
女性 経験 が あり ません
それ でも いい と 思って 生きて き ました
だけど あの 夜 真っ先 に 思った こと は
失敗 したら どう なる だろう って
☎10歳 も 年下 の 女性 に リード される 情けな さ も あった と 思い ます
拒絶 された みくり さん が どう 思う か と いう こと は
まったく 頭 に あり ません でした
ごめんなさい
☎ 未経験 だ と 知ら れる こと が 怖く も あり ました
☎ 知って ました
えッ ? 知って ました とっくに
☎ 平匡 さん の お 母さん から 聞いた 話 と か
☎ 色々 総合 して そう か なって
私 に とって は
大した こと じゃ あり ません でした
でも 拒絶 された の は
すごく …
すごく ショック でした
☎ このまま 館山 で 市議会 議員 に なろう か と
市議会 議員 ?
同い年 の 議員 の 女性 に 会って そういう 人生 も アリ か なって
そう 考えたら
気 が 楽 に なり ました