逃げる は 恥 だ が 役 に 立つ #10 (02)
欲しい もの が 特に なくて も 来た から に は 買って しまう と いう
心理 を つく ため に さすが コスい
商売 は コスくて なんぼ でしょ と は いえ
商店 街 を 知って もらう ため の 広報 活動 が 第一義 だ と すれば
少し の 黒字 が 出れば いい ぐらい の 気持ち で 金儲け に は 走ら ず に
森山 さん
手伝って くれ ない か な ?
M 社 の 買収 の 余波 を 受けて
ウチ の 売上 の 4 割 が 失わ れる
経営 の スリム 化 の ため に リストラ が 必要 だ
それ が
僕 です か ?
うん
誤解 し ないで ほしい 3I で 一番 優秀 な エンジニア は 津崎 君 だ
その分 年俸 も 高い
開発 の ほとんど から 手 を 引く と なったら 宝 の 持ち 腐れ
分不相応 な 買い物 だ
それ と もう 一つ
津崎 君 結婚 して なかった んだ ね
《 いっそ ホントに 籍 を 入れて は ?》
≪( 沼田 ) 聞い ちゃった んだ よ 津崎 君 と みくり さん が ➡
籍 を 入れて ない って こと 社長 に 頼んで
総務 に も 確認 した 法 を 犯した わけで は …
分かって る ウチ の 会社 は 事実婚 に 対して も
社会 保険 の 対象 と して 許可 して る から いい んだ
ただ 2 人 が 単なる 雇用 関係 だ と する と
リストラ する 社員 を 選定 する 上 で
選び やすく なる
人 ひとり 雇う 経済 的 余裕
日野 君 の ように 養わ なきゃ いけない 妻子 も い ない
確かに
籍 を 入れて い ない と いう こと は
責任 を 負って い ない と いう こと に なり ます ね
( 口々に 意見 を 言って いる )
ちょっと ちょっと 待って ください
今 の 話 に よる と 私 に 手伝え って いう の は
ボランティア で ノーギャラ って こと です か ?
俺 達 だって ノーギャラ だ よ そうだ よ な
そりゃ 皆さん は 自分 達 の 商店 街 だ から
学園 祭 みたいで 楽し そう じゃん それ と これ と は 別
いい です か 皆さん 人 の 善意 に つけ込んで
労働力 を タダ で 使おう と する
それ は 搾取 です
例えば 友達 だ から 勉強 に なる から これ も あなた の ため だ から
など と 言って 正当な 賃金 を 払わ ない
このよう な 「 やりがい 搾取 」 を 見過ごして は いけ ません
労働 組合 ? 市議 会 議員 の 妄想 が 始まって る
私 森山 みくり は やりがい の 搾取 に 断固 と して 反対 し ます !
よし 分かった !
日給 3千円 で
安い …
お 願い し ます !
ごめん ね 変な こと に なって 手伝う 時間 を
1 日 3.2 時間 以内 に 収めれば
横浜市 の 最低 賃金 930 円 を 維持 できる
日数 は 応 相談 だ ね
私 守銭奴 みたいだった ? いんや
現金 収入 大事 だって 私 も 離婚 して 身 に 染みた もん
森山 候補 の 演説 良かった よ
ありがと うん
年内 いっぱい よろしく お 願い し ます
ごめん な
沼田 さん が 謝る こと は あり ません 津崎 君 を 選んだ の は 俺 だ
僕 が 沼田 さん でも
そうして た と 思い ます
自分 を 責め ないで ください
< 沼田 さん の せい じゃない > < 誰 の せい で も ない > < ただ そこ に 残酷な 事実 が ある だけ だ > < 仕事 仕事 を 探さ ねば > < 今 と 同 程度 の 年収 で > < みくり さん と の いちゃいちゃ タイム を > < 死守 できる ホワイト な 会社 そんな 都合 の いい 話 が > < そう 簡単に ある と も 思え ない が 今 の 生活 を 維持 する ため に は > < 何と して も > ( ドア が 開く )
ただいま 帰り ました お 帰り なさい
朝 言って た 材料 買って き ました よ
何 か ?
いえ 作り ましょう
( 携帯 着信 )
もしもし
☎( 風見 ) 今 どこ です か ?
駅 帰って きた とこ
これ から 会い ませ ん か ?
分かった どこ の 店 に 行けば ?
☎ よかったら ウチ へ そこ から 3 分
ありがとう
聞き たい こと が あって 来た の
この 前 の どういう 意味 ?
私 が 言った こと 何 か 変だった ?
《 例えば 私 みたいな アラフィフ の 独身 女 だって 》
《 社会 に は 必要で 誰 か に 勇気 を 与える こと が できる 》
《 だから 私 は 》
《 カッコ よく 生き なきゃ って 思う の よ 》
《 そんな こと 言わ ないで ください 》
あなた 言った でしょ 「 そんな こと 言わ ないで 」 って
どうして ? 私 が 痛々しく 見えた から ?
強 がって カッコ つけて 痛い こと 言って る って
僕 は カッコイイ 百合 さん が 好きです が
それ は 百合 さん から にじみ出る カッコ よ さ であって
誰か の お 手本 に なる ため に 無理 を する 必要 は ない
そう 思った だけ です
無理 して る わけじゃない の
この 前 は 仕事 で 色々 あって
周り の 期待 は 嬉しい し 周り から 期待 さ れて る から
頑張れる って こと も 本当 だ し
カッコ よく 生き たい って いう の も 本心
はい
でも そう ね 時 に は いい の かも しれ ない
頑張ら ない 時 が あって も
あんな とこ で 泣いたり して ごめんなさい
人目 に つか ない ように かばって くれて ありがとう
かばった ん じゃなくて
見せ たく なかった んです 誰 に も
人 の 秘密 を 握った ような 顔 し ちゃって
あ ~ 不覚 だった
みっともない 若人 の 前 で
若人 って
私 から 見たら 十分 若人
ここ に 水 を つけて
こうして こうして
こう です おお
やって み ます はい
これ から 少し やっ さん の ところ に 行く 回数 が 増える と 思い ます
色々 手伝う こと に なって 大変 です ね シングルマザー
< やっ さん だけ で なく 男 の 人 も わらわら いる 状況 に > < 最低 賃金 で 駆り出さ れる こと に なった と は 言い にくい > 分かった
私 より 上手 コツ を つかみ ました
平匡 さん って やって みたら 色んな こと できる ん じゃない です か ?
< でき ない と 思って いた こと が できる > < 一つずつ 世界 が 広がる > < 仕事 を 失って も 穏やか で い られる の は > < 今 ここ に ある 世界 を 信じ られる から だ > みくり さん が いて 良かった
< 大好き な 人 に 認めて もらえて > ありがとう ございます はい
< 受け入れて もらえて > 《 僕 は 一生 このまま 》
《 本当の 結婚 は せず に 終わる ので 》
< 結婚 と いう 公的な 契約 が なかった と して も > 信じ られる なら
それ で 一緒に い られる なら
どんな 形 でも いい です よ ね
関係 は それぞれ な んだ し
大丈夫 よ すぐ そこ なんだ から
夜道 ぐらい 1 人 で 帰れ ない と やって いけない
今度 ウチ に も 遊び に 来て 甥っ子 特典 で
おいしい ワイン 飲まして あげる
( ため息 )
本気 で 甥っ子 だ と 思って る んだ うん ?
僕 は 百合 さん を 抱き たい と 思って る のに
オバサン を からかわ ない の
じゃあ ね
何 を 言って んだ 俺 は
ビックリ した …
< どんなに 奇妙 な 関係 でも 意志 が あれば 続いて いく > < どちら か が 変え たい と 願わ ない かぎり > < バランス を 壊さ ない かぎり > < いつまでも このまま > < 続けて いける > ≪( 日野 ) どういう こと だ よ あんなに 優秀な 津崎 さん が
リストラ なんて 納得 いか ねえ
社長 全然 分かって ねえ 日野 君 色々 と ね
沼田 さん は 納得 して ん の ?
≪( 風見 ) ここ は 自分 が 残れる こと を 喜び ましょう よ
でも さあ … じゃあ 津崎 さん の 代わり に
辞め ます か ? えッ ?
家族 が … 家 の ローン が …
ほら ね 俺 が 辞めて 丸く 収まる なら
そう し たい ぐらい だ インフラエンジニア は い なきゃ 困る でしょ
ええ … 津崎 さん なら すぐ
次の 仕事 見つかり ます よ
昼 休み 返上 で 職 探し か
時間 短縮 の ため に 事前 アンケート を 作成 し ました
おお ~
必要 部数 を コピー して 各 商店 に 配って 記入 して もらって
回収 し といて ください
そう です か 分かり ました また ご 縁 が あったら お 願い し ます
もしもし 津崎 と 申し ます が
ごちそうさま でした はい
< 最近 の 平匡 さん は 忙し そうで > < 料理 に ついて も ノーコメント > < 全部 食べて る し まずく は ない と 思う んだ けど > ホント です か !?
はい ありがとう ございます
明日 ご挨拶 に 伺い ます はい 失礼 し ます
はあ~
みくり さん 今日 の 夕飯 は 外 で 食べ ません か ?
外 ? この メモ の 場所 で 待ち合わせ を
18 時 45 分 に 集合 で お 願い し ます はい
行って き ます
あッ お 弁当
ありがとう ございます
行って らっしゃい 行って き ます
≪( 風見 ) 百合 さん
おはよう ございます おはよう
避け なくて も 避けて なんて
バー に も 来 ない し メール も 無視 忙しかった の
僕 も 一応 人間 なんで ここ まで 避け られる と ➡
それなり に ヘコみ ます 二度 と 話し たく ない の なら
もう 近づき ません そう いう わけじゃ …
風見 さん ?
この 前 は どうも こんにちは
( ナツキ ) 土屋 さん おはよう ございます
おはよう
あッ ねえ アレ 持ってきた ? アレ って 何 です か ?
ほら ほら アレ よ 春 キャン の … 何 だ っけ ほら
何 か あった んです か ? あって も 話さ ない
珍しい 怒って る 怒ら せて る んだ ろ
やったー 関係 が 一歩 前進 !
君 に あだ名 を あげよう
ポジティブ モンスター
ポジモン ? ポジモン ゲット だ ぜ !
いい 感じ でした ね イケメン と
どこ が 親子 ほど も 年 が 違う
いい じゃない です か それ ぐらい の ハードル
それ ぐらい ? 生きて 会える んだ から
< 外 で 夕食 > < 突然 なぜ だろう > < そう いえば > 《 みくり さん の 誕生日 に 何も し なかった こと が 悔やま れ ます 》
《 外 で 食事 くらい できれば よかった 》
《 じゃあ 来年 おいしい 焼き鳥 屋 さん で 》
《 焼き鳥 で いい んです か ?》 《 家 で 作ら ない もの が いい んです 》
焼き鳥 だ
< 来年 は あまりに 遠い から > < 連れて いって くれよう と して いる > < 初めて の 待ち合わせ 初めて の デート > < かわいく 攻める か > < 張り切り すぎて も 良く ない し > < 焼き鳥 の ニオイ が つく と なる と > はあ ~
決ま ん ない …
お待たせしました
いえ 時間 ピッタリ です 行き ましょう
たまに は いい です ね こういう の 月 に 一度 は
外食 日 を 設け ましょう か いい です ね
今 まで 気づき ません でした 私 も です さっき 初めて
デート した こと なかった って 気づき ました
ここ です
あの 心なしか 高 そうな
問題 あり ません 行き ましょう
津崎 様 お 待ち して おり ました どうも
コート を お 預かり し ます
みくり さん ?
お 願い し ます これ も
では ご 案内 し ます
今 メニュー を お 持ち し ます はい
評判 の お 店 な んです
こういう 所 なら もっと いい 服 を カワイイ です よ
子羊 に 使わ れて る ソース ・ ヴァン ・ ルージュ の ワイン の セパージュ は 何 です か ?
< 何 が 起こって いる の か > < しみじみ と しっくり お 寺 の 似合う 平匡 さん が > なるほど 子羊 だ から てっきり ボルドー か と 思ったら
< キラキラ した 空間 で 横 文字 っぽい ランゲージ を 喋って いらっしゃる > みくり さん
< どっち ? どっち を 選べば > < 平匡 ルート の エンディング を 迎え られる の ?> < フラグ 立った ~> < 違う 違う そう じゃない 平匡 さん の 王子 モード > < ちょっと カッコイイ けど そう じゃない > お 願い し ます かしこまり ました
< 準備 の かい が あった > < 特別な 日 の ため の 評判 の いい 店 を ピックアップ > < 予約 の 空き を 必死で 探し > < 第一 希望 の 店 の キャンセル 待ち を 確保 > < 昼間 の うち に 訪問 し 最終 確認 > 《 ミキュイ に して あり ます 》 《 ミキュイ って 何 です か ?》
< ここ まで は 順調 だ > う~ん
< おいしい とんでもなく おいしい > < だけど 平匡 さん が さっき から 一言 も 話さ ない > < ただ 食べて 合間 に > < 嬉し そうに ほほ笑む だけ > < 怖い > < 王子 モード 続行 中 の 平匡 さん の 裏 に > < 何 が 隠さ れて いる の か > 今日 ここ へ 来た の は
これ から の こと を 話す ため です
サイズ が 分から なかった ので 指輪 は まだ ない んです が
みくり さん
きちんと 入籍 して
結婚 し ましょう
平匡 さん は そんな つもり ない の か と …
自分 に は 起こり 得ない 話 だ と 思って い ました
です が みくり さん と 出会って 変わった んです
試算 して みた んです