逃げる は 恥 だ が 役 に 立つ#11 (02)
奥さん 専業 主婦 じゃなかった んだ ?
少し 前 まで そう だった んです が
今 は タウン 誌 の ライター と イベンター 主婦 の 三足 の わらじ で
どうりで おかず の 品数 減って る と 思った
うち の と 変わん ない もん ほら
( 沼田 ) こない だ から もしか して そう な の かも と 思って いた が
津崎 君 と みくり さん は 好き 同士 な の かい ?
パッション な の かい ? 結婚 して る んだ し 当たり前 でしょ
日野 君 当たり前 が 当たり前 じゃない とき だって ある
世の中 に は ね 目 に 見え ない ダークマター だって 存在 する んだ よ
パッション か どう か 分かり ません が 好き です
ですが 好き だけ で は やって いけない こと も ある と
実感 して い ます
実は 今 共働き シミュレーション と 称して 家事 を 分担 して る んです
えッ 家事 代行 を 頼んで た くらい な のに ?
正直 面倒 です
できれば やり たく ない と も …
( 携帯 着信 )
( 玄関 が 開く )
お 帰り なさい ごめんなさい 遅く なって
商店街 の 残り物 せしめて きた んで すぐ ご飯 に し ましょう
あッ ご飯 って … みくり さん !
今日 出前 に して は ?
ピザ 食べ たい なあ
でも お 総菜 も ある し
あまり 揚げ物 の 気分 で は
気分 … 胃 に 重い なあ
ピザ の が よっぽど 重い です
外食 に して は ? 月 に 一度 の 外食 前 に 言って た
今 から ? みくり さん も お疲れ の よう です し
疲れて る から 今 すぐ ご飯 に し たい んです
あッ
外 に ご飯 を
ジュウシマツ が
ぺろ お ぺろ こ いつの間に 名前 を ?
ぺろ この 方 が 倒れて ます えッ !?
いや 倒れて … あッ !
ああ … はあ
こんな こと だろう と 思い ました
子供 じゃない んだ から 隠した って しょうがない でしょ
すいません つい
( ため息 )
チン する ご飯 買って き ます なら 僕 が
いい です 私 コート 着 てる し で は 一緒に
食事 の 担当 は 私 な のに 頼んだ 私 が 悪い んで
私 が 行って き ます
( ため息 )
今日 は きちんと 言おう と 思った
僕 が 五十嵐 さん を 好き に なる こと は 絶対 に ない
( 杏奈 ) 絶対 です か ?
君 と 僕 は 似て る ように 思う
男 に 消費 される くらい なら 消費 して やろう って 発想
男 と 女 なんて しょせん その 程度 の もの だ から
都合 良く 楽しめば いい
そう 思って る んじゃない か な
分かる なら 話 が 早い です
私達 お 似合い だ と 思い ません ?
以前 なら ね
何と 十 数年 ぶり に 恋 を した んだ
自分 でも 滑稽 な くらい 一人 の 人 を 思って る
( 柚 ) 土屋 部長 ~ 昇進 おめでとう ございま~す
いやいや まだ なって ない
( ナツキ ) 堀内 入る はい 堀内 入り ます !
はあ 酔って た ねえ 珍しく
俺 も まあまあ 酔って ます 私 も まあまあ
≪( 山 さん ) 百合 さん 何て ? 返信 来ない
まだ 仕事 かな ?
うち の 会社 も さ こない だ から ずーっと ゴタゴタ して て
ようやく 来 られた
大変 だった ? 大変 だった
心 の オアシス は LINE の やりとり だけ
( ナツキ ) イケメン の 人
ハードル 越え なかった んです か ?
好き なら 行っ ちゃえば いい のに
若さ が あれば ね
そう やって あれこれ 考える から ダメ な んです よ
前 も 言って た ねえ
俺 は 俺 の 好き な 人 に
会い たくて も 会え ない んで
嫉妬 です うらやましい んです
世界中 の 自由に 会える 人達 が
( ため息 )
< 今日 の 私 は 最低 だった > < 余裕 が ない と 途端 に 本性 が 顔 を 出す > 《( シンジ ) お前 小賢しい んだ よ 》
< 生意気 で 偉 そうで > 《 カヲル 君 そういう ところ 直した 方 が いい よ 》
< 小賢しい みくり が > < 私 は 自分 が 嫌い だ > < 自尊 感情 が 低い の は > < 私 の 方 だ > < 平匡 さん が 愛した の は > < 家事 を 完璧 に こなす いつも 笑顔 で 優しい 理想 の 妻 で > < お 米 ひとつ で ひどい 態度 を 取る 女 じゃない > < 選ばれ たくて > < 認めて ほしくて > < な のに > < なり たい 自分 から どんどん 遠ざかる > 相席 いい です か ?
他 に も 空いて る 席 ある みたいだ けど
お 姉さん と 風見 さん って どういう 関係 な んです か ?
17 歳 も 違う のに
恋愛 対象 って こと は ない です よ ね ?
年 まで よく ご存じ で
50 に も なって 若い 男 に 色目 使う なんて
むなしく なり ません か ?
訂正 箇所 が 多 すぎて どこ から 赤 を 入れたら いい もの か
正確 に は 49 歳 でも 周り から 見れば 同じ です
アンチエイジング に お 金 を 出す 女 は いる けど
老い を 進んで 買う 女 は い ない
あなた は 随分 と
自分 の 若さ に 価値 を 見いだして いる の ね
お 姉さん の 半分 の 年 な ので
私 が むなしさ を 感じる こと が ある と すれば
あなた と 同じ ように 感じて いる 女性 が
この 国 に は たくさん いる と いう こと
今 あなた が 価値 が ない と 切り捨てた もの は
この先 あなた が 向かって いく 未来 で も ある の よ
自分 が バカ に して いた もの に 自分 が なる
それ って つらい ん じゃない か な ?
私達 の 周り に は ね たくさん の 呪い が ある の
あなた が 感じて いる の も その 一つ
自分 に 呪い を かけ ないで
そんな 恐ろしい 呪い から は さっさと 逃げて しまい なさい
( アラーム )
お 待たせ し ました
お 風呂 場 狭く ない です か ?
集中 できる ので
(2 人 ) よろしく お 願い し ます
分担 の 変更 から 1 週間 率直 な 感想 は ?
じゃあ 僕 から
僕 が 思った の は
分担 って 結構 やっかい だ な と いう こと です
分担 した 仕事 を 相手 が できて い ない と
マイナス に 感じる
一方 できて いる 場合 でも
担当 なんだ し やって 当然 と 思って しまって
感謝 の 気持ち が 持て ない
もしかすると 相手 を 積極 的に 評価 する システム が 必要 で
食事
私 の 担当 な のに 満足に 作れて なくて ごめんなさい
いや 責めて いる わけで は …
いっそ 役割 分担 を やめ ましょう か
シェアハウス みたい に 自分 の こと は 自分 で やる んです
一人 でも ご飯 を 作ったり 掃除 したり し ます よ ね
それ だ と 共通 スペース を どちら も 掃除 し ない 可能性 が
じゃ 家事 の 全部 私 が やり ます
でも それ は ボランティア です
ボ … ボランティア あくまで ボランティア な ので
私 が 「 今日 は ご飯 作り たく ない 」 と 思ったら 作ら ない し
「 今日 は 掃除 し たく ない 」 と 思ったら 掃除 し ません
ボランティア だ から 「 ご飯 ない んです か 」 と か 言わ ないで
「 部屋 が 汚い 」 と か 言わ ないで だって ボランティア だ から
仕事 じゃない から
み … みくり さ ん 話 の 方向性 が
やめる なら 今 です
平匡 さん だって 面倒 です よ ね こんな 生活
私 と 暮らす 前 みたい に
外部 の 家事 代行 業者 に
週 に 一度 頼む 程度 の お 給料 なら ある はず です
一人 なら
主婦 の 労働 の 対価 が どう と か 小賢しい こと 言わ ないで
平匡 さん の プロポーズ を 素直 に 喜んで くれる 女性 は
たくさん い ます
それ が 普通 です
面倒 を 背負う 必要 は あり ません
< みくり さん が 閉じた シャッター は > 《 風見 さん と 交代 して も いい です よ 》
《 詮索 も 分析 も やめて ください 》
< いつか 僕 が 閉じた もの と 同じ かも しれ ない > < だ と したら > < 僕 は > < 開け 方 を 知っている > 《 私 の 恋人 に なって もらえ ません か ?》
< 何度 も 何度 も あきれる ほど > 《 スキンシップ は どう でしょう ? まずは ハグ から 》
< 見捨て ず に ノック して くれた の は > 《 どんどん 好き に なっ ちゃう じゃない です か バカ !》
< 他 の 誰 で も ない > < みくり さん だ > お 仕事 中 すいません
話して も いい です か ?
面倒 を 避けて 避けて
極限 まで 避け 続けたら
歩く の も 食べる の も 面倒 に なって
息 を する の も 面倒 に なって
限りなく 死に 近づく ん じゃない でしょう か ?
はい ?
生きて いく の って 面倒くさい んです
それ は 一人 でも 二人 でも 同じ で
それぞれ 別 の 面倒くさ さ が あって
どっち に して も 面倒くさい ん だったら
一緒に いる の も 手 じゃない でしょう か ?
話し合ったり
無理な とき は 時間 を おいたり
だまし だまし でも
何とか やって いけ ない でしょう か ?
やって やれ ない こと は ない ん じゃない でしょう か
みくり さん は 自分 の こと を 普通 じゃない と 言った けど
僕 から したら
今さら です
とっくに 知って ました
大した こと じゃ あり ません
世間 の 常識 から すれば
僕達 は
最初 から 普通 じゃなかった
今さら です よ
青空 市 楽しみ に して ます
お やすみ なさい
< うまく いか ない とき > < 待って いて くれる 人 > < 信じて くれる 人 > < 見失っちゃ いけない > < 立て直そう 一つ一つ > < 立て直そう ゆっくり でも > 靴 お 安く なって ま~す
3 本 で 200 円 です よ お 得 です よ ~
お せんべい いかが です か ~
( もめる 声 )
みくり さん 大変 チラシ 行方 不明 ええ~ッ
ホント に 持ってきた の ? 商店街 の 案内 配ら ない と 意味 ない
そう な んだ よ ね ~ ≪( 樫森 ) 分かった ぞ !
( 樫森 ) チラシ を 軽 トラ の 荷台 に 積んで て
風 で 全部 飛んだ !
ええッ アホ か
( 高島 )1 枚 だけ
コピー して き ます 皆さん は 自分 の お 店 を
ああ ごめん ね
みくり ~ あッ 百合 ちゃん 沼田 さん
すごい じゃない 楽し そう ~
ごめん 百合 ちゃん 行って くる えッ ?
ああ 触り 足りな~い ハハハハ
百合 さん 沼田 さん
日野 君 は ? また お 子 さん が 熱 を 出した そうで
(2 人 ) また ~ 残念 です
そういう 運命 なんだろう な ~ う ~ ん
みくり どっか 行っ ちゃった よ さっき 走ってく ところ 見 ました
みくり さん あんな 走れた んだ なあ
何 よ その 感想 愛 だ ね
誰 だ よ ゴミ 捨てた ヤツ どう する ?
土屋 さん だったら 拾う な
よしッ じゃあ 拾う か
何だか んだ 言って
年齢 って いう 呪縛 に 一番 縛ら れて た の は 私 な の よ ね
おじけづい ちゃった の よ
自分 の 年 に 引け目 を 感じて つきあう より も
友達 で いた 方 が いい かな って
そう 都合 良く いか なかった
俺 も おじけづいて た とこ ある
いつも フラれ ちゃう から
決定 的 な メール は 送ら なくて
避けて 避けて 引き延ばしてた
お互い ダメ な 大人
何 を 守って んだ か ねえ
ねえ メール して みる ?
私 も する から
みじめ な 結果 に 終わったら 骨 を 拾って ちょうだい
じゃあ 俺 の 骨 も
拾う 任せて
コピー 機 が トナー 切れ って 全然 ありえない んです けど
他 に コピー できる 場所 って …
あッ
(2 人 ) あッ あッ !
チラシ !
ありがとう ございます 百合 ちゃん の 部下 の 方 達
私 も 「 百合 さん 」 って 呼ん じゃおっ かな ~
やめて それ 俺 の ハンドル ネーム だ から
はッ ?
土屋 さん の 名前 勝手に 借りて ん の ゲイアプリ で
えッ ゲイ な の !?
内緒 な
カミングアウト する 勇気 ないし
( 携帯 着信 )
ゲイアプリ で 知り合った すげえ 気 の 合う 人 が さ
近く で 働いて る はずな んだ けど 絶対 会って くんない の
俺 の こと は 死んで る と 思って くれ と か 言って …
何 ?
( 携帯 着信 )
ウソ …
あり ました 配って ください ! ああ~ッ !
250 円 の お返し です ありがとう ございました
やっ さん 何 させて ん の ! 一人 で ボーッと して た から
ボーッと して る よう で して ない の あッ ノロケ
今 の は ノロケ で は ない と 思い ます
≪( 日野 ) 津崎 さん ! えッ ?
驚いた 驚いた ? はい !
子供 が 熱 出した って の ウソ ええ~ッ
日野 さん です か ? みくり ちゃん ?
はい ! はあ もう ついに 会えた ~
一生 会え ない か と 思って た 私 も です ~
わッ どうも 会えて 嬉しい です 何で 感動 して る の ?
運命 が 覆った 瞬間 です
≪( 登志子 ) 津崎 さん ああ
( 登志子 ) お 久しぶり です どうも
イエーイ イエーイ
僕 の 奥さん あッ はじめ まして
はじめまして 日野 の 家内 です
何 まだ 送信 して ない の ? 俺 もう 送った よ