勇者 ヨシヒコ と 魔 王 の 城 ＃11 ゆうしゃ|||ま|おう||しろ Yusha Yoshihiko the Brave and the Demon King's Castle #11

（ ダンジョー ） 魔 王 の 城 …。 |ま|おう||しろ

とんでもない もの を つくり や が って …。

（ メレブ ） こいつ は 城 だけ じゃ ない 。 |||しろ|||

城 と 城下町 だ 。 しろ||じょうかまち|

（ ムラサキ ） じゃあ ここ に 住んで る や つら → ||||すんで|||

みんな 魔 王 に 毒さ れて る って こと ？ |ま|おう||どくさ||||

（ ヨシヒコ ） そういう こと だ 。

魔 王 の 力 は 俺 たち が 思って いた より も → ま|おう||ちから||おれ|||おもって|||

はるかに 大きく なって る の かも しれ ん な 。 |おおきく|||||||

ねぇ 　 ひと つ 　 いい ？ なんだ ？

城下町 って さ 城 が ひと つ 　 ド ～ ン と あって → じょうかまち|||しろ|||||||

その 下 に 　 小さい 家 が → |した||ちいさい|いえ|

ズラッ て 並んで る もん な んじゃ ない の ？ ||ならんで||||||

その とおり だ 。

でも 　 で っ かい 建物 ばっ か じゃ ん 。 ||||たてもの||||

これ じゃ 　 どれ が 魔 王 の 城 か わかん なく ない ？ ||||ま|おう||しろ||||

それ が 魔 王 の 狙い かも しれ ん ぞ 。 ||ま|おう||ねらい||||

探し出して やる 。 さがしだして|

必ず 　 探し出して やる ぞ 　 魔 王 。 かならず|さがしだして|||ま|おう

ヨシヒコ よ …　 ひと つ 　 気づいた こと を 言って いい か ？ ||||きづいた|||いって||

はい 　 な んです か ？ ||ん です|

この 街 …。 |がい

楽しい ！ たのしい

メレブ ！　 お前 　 なんて こと を ！ |おまえ|||

お っ さん だって 　 さっき ニヤニヤ し ながら 歩いて た でしょう よ 。 ||||||||あるいて|||

本当の ところ は どう な んだ ？　 お っ さん 。 ほんとうの||||||||

楽しい 。 たのしい

ダンジョー さん まで …。 ねぇ ねぇ 　 ねぇ ねぇ 　 ねぇ ！

これ 　 クレープ って 食べ物 らしい んだ けど さ …　 はい 。 |||たべもの|||||

はい 　 食べよ ！　 はい 。 |たべよ|

バカモノ ！

ムラサキ 　 魔 王 の 手先 が 作った もの など 食べたら → |ま|おう||てさき||つくった|||たべたら

その 毒 に 侵さ れて しまう ぞ ！ う ～ む 　 どうした もの かのう 。 |どく||おかさ||||||||

大丈夫だ よ 。　 食べ な 食べ な 。 だいじょうぶだ||たべ||たべ|

ふざける な ！

うわ っ ！　 うめ え ！　 な に 　 これ ！

うまし ！

何 を やって る んです か ！ ダンジョー さん も 　 メレブ さん も ！ なん||||ん です|||||||

早く 　 いい から ヨシヒコ 　 お前 も 食せ 食せ 。 はやく||||おまえ||くわせ|くわせ

私 は 勇者 だ 。 わたくし||ゆうしゃ|

魔 王 の 手先 が 作った もの など 口 に し ない ！ ま|おう||てさき||つくった|||くち|||

固い こと 　 言って んじゃ ねえ よ 。 ほれ 　 食べ れ 。 かたい||いって|||||たべ|

やめろ ！ 食べ れ って ！ |たべ||

やめろ ！ 魔 王 の 手先 が 作った もの など ！ |ま|おう||てさき||つくった||

うまい ！ だ ろ ！ うん 。

うまい ぞ ！　 うまい ぞ 　 これ は ！

なんか 　 うまい もん でも 食い に 行く か 。 ||||くい||いく|

だ な 。 うん 。

ダンジョー さん 　 何 を のんきな こと を 言って る んです か ！ ||なん|||||いって||ん です|

油断 し すぎ です よ ！ お前 が 　 いちばん 　 油断 フェイス だ わ 。 ゆだん|||||おまえ|||ゆだん|||

な っ …　 ヒゲ を 剃 る 気 か 　 お前 は 。 まっ 　 そう だ な 。 ||ひげ||てい||き||おまえ|||||

腹 が 減って は 　 なんと やら 。 あぁ 　 なんと やら 。 はら||へって||||||

なんか 　 うまい もの でも 食す の も 悪く ない な 。 ||||くわす|||わるく||

つう こと で 　 ジャン ！ いつの間に ？ ||||いつのまに

こういう の は 早い の よ ムラサキ ちゃん 。 |||はやい||||

どうか して ます よ 　３ 人 と も ！ ||||じん||

私 たち は 魔 王 を 倒し に きた んです よ ！ わたくし|||ま|おう||たおし|||ん です|

うん 　 その 顔 で 何 言って も 説得 力 が なか ぞ 。 ||かお||なん|いって||せっとく|ちから|||

食わ ん ぞ 。 私 は 　 絶対 に 食わ ん ！ くわ|||わたくし||ぜったい||くわ|

はい 　 スペシャルラーメン 　 お 待ち ！ きた きた 　 きた きた 。 |||まち||||

ヨシヒコ ちゃん 　 はい は いはい スペシャルラーメン 　 はい 。

うまい ！　 な に これ ！ 最高 ！ ||||さいこう

うまい ！ もう 勝手に しろ ！ ||かってに|

いい か 　 ヨシヒコ 意地 に なって ないで 食せ 。 |||いじ||||くわせ

食べ ませ ん 。 いい から 　 ひと 口 　 食べろ よ 。 たべ||||||くち|たべろ|

嫌です 。 ひと 口 で いい から 。 ひと 口 だけ です よ 。 いや です||くち|||||くち|||

早い なぁ 。 食べ たかった か 　 お前 は 。 はやい||たべ|||おまえ|

なんだ 　 これ は …。 うま い だ ろ ？

うまい ！　 うまい ぞ ！

う お ～ っ ！！ 他の お 客 さん に 迷惑だ ろ 。 |||たの||きゃく|||めいわくだ|

すみません 　 替え玉 ください 。 早い な 　 お前 。 |かえだま||はやい||おまえ

皆さん 　 このまま で は → みなさん|||

魔 王 の 城 は いつまで たって も 見つかり ませ ん 。 ま|おう||しろ|||||みつかり||

確かに 　 この 街 は 広 すぎる 。 たしかに||がい||ひろ|

手分け して 探す と いう の は どう でしょう ？ て わけ||さがす||||||

そして 　 毎日 　 ここ で 報告 し あう と いう の は 。 |まいにち|||ほうこく||||||

それ は 　 いい 考え だ 。 可能 性 は 広がる な 。 |||かんがえ||かのう|せい||ひろがる|

うん 　 わかった 。

しかし 　 皆さん 気 を つけて ください 。 |みなさん|き|||

いつ 　 魔 王 に 気づか れる か わかり ませ ん 。 |ま|おう||きづか|||||

わかった 。 わかった 。

そして 　 忘れ ないで ください 。 |わすれ||

私 たち の 使命 は 魔 王 を 倒す こと だ と いう こと を 。 わたくし|||しめい||ま|おう||たおす||||||

ねぇ ねぇ 　 あなた 。

はい 。

勝手に 　 たき火 と か 困る よ ！ かってに|たきび|||こまる|

すみません 　 寒かった もの で 。 |さむかった||

あと 　 こうして おか ない と 魔物 が 寄って き ます ので 。 |||||まもの||よって|||

何 言って んだ ？　 お前 。 何 言って んだ ？　 お前 。 なん|いって||おまえ|なん|いって||おまえ

ちょっと 質問 して いい ？ はい 。 |しつもん|||

住所 は ？ 住所 ？ じゅうしょ||じゅうしょ

あり ませ ん 。

え ？　 ホームレス ？ |ほーむれす

しいて 言えば → |いえば

カボイ の 村 に 　 家 が あり ます 。 ||むら||いえ|||

カボイ ？　 知ら ない わ 。 |しら||

え 　 じゃ …　 今日 ここ で 寝る つもりだった の ？ ||きょう|||ねる||

はい 。 駄目だ よ ！ |だめだ|

お 金 ない の ？ いえ …。 |きむ|||

そこそこ 　 あり ます 。

だったら 　 家 借り な よ 。 |いえ|かり||

ホームレス は 駄目だ よ 。 下手 したら 捕まっちゃ う よ 。 ほーむれす||だめだ||へた||つかまっちゃ||

捕まる ！？ つかまる

そ …　 それ は 駄目です 。 |||だめ です

駄目だ ろ ？ だ から さ 　 明日 　 不動産 屋 行って → だめだ|||||あした|ふどうさん|や|おこなって

家 　 借り なさい 。 はい 。 いえ|かり||

あと 　 何 それ ？　 その 服装 。 |なん|||ふくそう

え ？ おかしな 格好 して て も → ||かっこう|||

捕まる 可能 性 ある よ 。 つかまる|かのう|せい||

なんだ と …。

すみません 。 家 を 貸して ください 。 |いえ||かして|

は いはい 。　 ご 予算 は ？ |||よさん|

できる だけ 　 安い ほう が …。 安い ところ ね 　 は いはい 。 ||やすい|||やすい||||

そ したら これ なんて 　 どう だろう ？

３万 で 　 敷 礼 　２・２。 し 　 敷 礼 ！？ よろず||し|れい||し|れい

ま ぁ …　 ただ 　 あれ よ 。

あんまり 安い の は お 勧め し ない なぁ 。 |やすい||||すすめ|||

まだまだ 暑い しさ ぁ 。 |あつい|し さ|

きれいな 部屋 の ほう が 住み心地 いい し → |へや||||すみごこち||

モテ る よ 。 いや 　 そんなに 　 いい 部屋 は …。 ||||||へや|

いやいや いや …。

家具 と かも ちゃん と 揃えて さ …。 かぐ|||||そろえて|

もし 　 あれ だったら →

提携 して る 家具 屋 さん 紹介 する よ 。 ていけい|||かぐ|や||しょうかい||

そう だ 。

ここ を 拠点 に して 魔 王 の 城 を 探す んだ 。 ||きょてん|||ま|おう||しろ||さがす|

よし 。　 早速 魔 王 の 城 を 探す こと と しよう 。 |さっそく|ま|おう||しろ||さがす|||

涼しい 。 すずしい

つい 昨夜 も 　 ひと つ 新しい 呪文 を 手 に 入れた よ 。 |さくや||||あたらしい|じゅもん||て||いれた|

それ は 　 どんな 呪文 な のです か ？ |||じゅもん||の です|

あおい たんに 教えて いただいて よろしい です か ？ ||おしえて||||

うむ 　 よかろう 。

教えて ほしく ば → おしえて||

メレブ 様 の ホクロ 　 すてき すぎて 吸い込ま れ ま する ぅ 。 |さま|||||すいこま||||

まるで 　 ブラック ホール で する ぅ 。 |ぶらっく|ほーる|||

ブラックホクル ～　 と 言え 。 ||いえ

メレブ 様 の ホクロ 　 すてき すぎて …。 指 ！　 指 つけて ください 。 |さま|||||ゆび|ゆび||

メレブ 様 の ホクロ 　 すてき すぎて 吸い込ま れ ま する ぅ 。 |さま|||||すいこま||||

まるで 　 ブラック ホール で する ぅ 。 |ぶらっく|ほーる|||

ブラックホクル ～。 ブラックホクル ～。

うむ 　 よかろう 。

先日 　 チョヒャド と いう 氷 系 の 呪文 を 手 に 入れた 私 は → せんじつ||||こおり|けい||じゅもん||て||いれた|わたくし|

とうとう 炎 系 の 呪文 を 手 に 入れた よ 。 |えん|けい||じゅもん||て||いれた|

炎 の 呪文 …。　 怖い で す ぅ 。 えん||じゅもん|こわい|||

冷めて しまった 食べ物 を 温め 直す ほど の 火力 を 有する 呪文 。 さめて||たべもの||あたため|なおす|||かりょく||ゆうする|じゅもん

これ を 私 は …。 ||わたくし|

メラチン 。　 そう 名付けた よ 。 ||なづけた|

メラチン ？　 しょげ ぽよ 。

この テラウマス な カレーライス わざと 冷め させて おいた 。 |||||さめ|さ せて|

食べ させよ 。 たべ|さ せよ

あ ～ ん 。

冷め 冷め 　 冷たい 。 さめ|さめ|つめたい

そこ で 　 メラチン ！ き ゃっ 。

食べ させよ 。 たべ|さ せよ

あ ～ ん 。

ホックホク 。 すごい 呪文 で する ぅ 。 ||じゅもん|||

ただし 　 食べ物 に しか 効か ない ぞ 。 気 を つけろ 。 |たべもの|||きか|||き||

はい 　 気 を つけ ます 。 はい 　 もう ひと 口 。 |き|||||||くち

フーフー して 。 フーフー 。

すみません 　 彼女 。 すげ え 　 かわいい んだ けど 。 |かのじょ|||||

まぶしい 。　 や べ え 　 まぶしい ！

え ～。 そんなに かわいかったら →

タレント さん に なった ほう が よく ない ？ たれんと|||||||

いえいえ 　 そんな の 言わ れた こと ないで す よ 。 |||いわ|||||

いやいや いや もう １００ パー 売れる し 。 ||||うれる|

や ばい 　 原石 見つけちゃ った な ウッフ ～！ ||げんせき|みつけちゃ|||

や だ や だ やめて ください よ 　 もう 。

さあ 　 今日 は 　 アフター で 俺 と １ 回 　 チョチョッ と やる やつ は ？ |きょう||||おれ||かい|||||

や だ ～。 や だ ～。　 生々しい 。 ||||なまなましい

生々しい か 。 生々しい の が 　 男 の 勲章 だ 。 なまなましい||なまなましい|||おとこ||くんしょう|

微妙 ～。 ハハハハ ！　 微妙 か ！ びみょう||びみょう|

俺 は ね 　 頻尿 アンド 残 尿 な んだ 。 おれ|||ひんにょう|あんど|ざん|にょう||

さあ 　 アフター は ？　 アフター …。

じゃあ じゃあ その も み上げ 　 剃 って くれたら → ||||みあげ|てい||

付き合って あげて も いい よ 。 剃 る ！　 剃 る 剃 る ！ つきあって|||||てい||てい||てい|

今 すぐ 剃 る ！ こだわり なさ すぎ ～！ いま||てい|||な さ|

いかん …。　 このまま で は いか ん 。

そろそろ 魔 王 の 城 を 探し に いか ねば 。 |ま|おう||しろ||さがし|||

よし 。

よし 。

あと １５ 分 　 食 休み した のち に 探し に 出る ぞ 。 |ぶん|しょく|やすみ||||さがし||でる|

お っ さん 　 だいぶ 感じ 変わった な 。 ||||かんじ|かわった|

お前たち と 同じ 理由 だ 。 おまえたち||おなじ|りゆう|

この 街 に 合わせた 服装 を し ない と 魔 王 に 見つかって しまう から な 。 |がい||あわせた|ふくそう|||||ま|おう||みつかって|||

いやいや 　 服装 は そう だ けど も みあげ は 関係ない でしょ 。 |ふくそう||||||||かんけいない|

いや ！ あの も みあげ は 　 戦士 独特 の もの 。 |||||せんし|どくとく||

絶対 に 目立つ 。　 絶対 に 。 ダンジョー さん 。 ぜったい||めだつ|ぜったい|||

戦士 の 証し を なくして まで 魔 王 を 探して くれて いた のです ね 。 せんし||しょうし||||ま|おう||さがして|||の です|

その とおり だ 。

メレブ さん の ほう は 　 いかがです か ？ |||||いかが です|

うむ 　 駄目だ 。 なかなか 見つかる もの で は ない な 。 |だめだ||みつかる|||||

毎日 　 靴 底 が 減る ほど 歩いて は いる のだ が 。 まいにち|くつ|そこ||へる||あるいて||||

ちなみに 私 今 　 雑誌 の モデル やって ま ～ す 。 |わたくし|いま|ざっし||もでる|||

なに ！？ だって 　 仕事 し ながら だって → ||しごと|||

魔 王 探し は できる し その ほう が 情報 入り やすい でしょ 。 ま|おう|さがし|||||||じょうほう|はいり||

むね たいら さん が …　 モデル …。 ||||もでる

今度 　 雑誌 に 載ったら みんな に 見せる から ね 。 こんど|ざっし||のったら|||みせる||

浮かれて る んじゃ ない の か 　 ムラサキ ！ うかれて||||||

ちゃんと 探して る の か ？ 探し てるよ ！ |さがして||||さがし|

落ち着こう 。　 ケンカ やめよう 。　 な ？ おちつこう|けんか||

ヨシヒコ の ほう は 　 どう だ ？

私 は 　 一 度 も マンション を 出て い ない 。 わたくし||ひと|たび||まんしょん||でて||

なんだ と ！？

涼しい んです ！ 涼しい の が 　 いけない んだ ！ すずしい|ん です|すずしい||||

お前 　 よく それ で 私 を 責めた な 。 おまえ||||わたくし||せめた|

魔 王 を 探し たい 気持 は 人一倍 な んだ 。 ま|おう||さがし||きもち||ひといちばい||

しかし 　 涼し さ が 私 を 邪魔 する んだ 。 |すずし|||わたくし||じゃま||

しっかり しろ 　 ヨシヒコ ！

わかった 。　 うん うん 　 わかった 。

明日 から だ 。 明日 から は 　 頑張る 俺 たち だ 。 あした|||あした|||がんばる|おれ||

魔 王 　 待って いろ 。 ま|おう|まって|

なぜ だ …。　 なぜ 出かけ られ ない 。 |||でかけ||

お 金 が ない 。 |きむ||

はい 　 喜んで ！ （ 一同 ） はい 　 喜んで ！ |よろこんで|いちどう||よろこんで

声 が 小さい ！ （ 一同 ） はい 　 喜んで ！ こえ||ちいさい|いちどう||よろこんで

武田 鉄 矢 風 に ！ はい 　 喜んで ～。 たけた|くろがね|や|かぜ|||よろこんで

バカチン が ～。　 ヨシヒコ 　 なぜ 　 やら ん ！？

すみません 。 存じ 上げ なかった もの で 。 |ぞんじ|あげ|||

武田 鉄 矢 を 知ら ない やつ が いる の か ！？ たけた|くろがね|や||しら||||||

ハハハハ ！

はい 　 喜んで ～！ はい 　 喜んで ！ |よろこんで||よろこんで

（ アサミ ） ヨシヒコ 君 　 なんで バイト して ん の ？ ||きみ||ばいと|||

ちょっと お 金 が 　 なくなった もの で 。 ||きむ||||

当然 か …。 私 も 　 お 金 ない んだ よ ね 。 とうぜん||わたくし|||きむ||||

そう な んです か 。 ||ん です|

両親 が 早く に 事故 で 死んじゃ って さ 。 りょうしん||はやく||じこ||しんじゃ||

妹 の 学費 　 バイト して 稼いで ん の 。 いもうと||がくひ|ばいと||かせいで||

アサミ さん に も 妹 が …。　 大変です ね 。 ||||いもうと||たいへん です|

ヨシヒコ 君 に も 　 妹 さん が いる の ？ はい 。　 故郷 に 残して き ました 。 |きみ|||いもうと||||||こきょう||のこして||

ヨシヒコ 君 の 妹 なら きっと 美人 だろう ね 。 |きみ||いもうと|||びじん||

いえ 　 そんな こと は …。

(( 必ず 生きて … 生きて 　 お 戻り ください )) かならず|いきて|いきて||もどり|

おい 　 無駄 話して ねえ で ちゃんと 働け ！ |むだ|はなして||||はたらけ

はい 　 すみません 。 すみません 。

(( 両親 が 早く に 事故 で 死んじゃ って さ 。 りょうしん||はやく||じこ||しんじゃ||

ヨシヒコ 君 の 妹 なら きっと 美人 だろう ね )) |きみ||いもうと|||びじん||

♪♪～

失礼 いたし ます 。 （ ノック ） しつれい|||

いらっしゃい ませ 。 ご 注文 　 お伺い いたし ます 。 |||ちゅうもん|おうかがい||

とりあえず 　 生 中 もら お っか な 。 |せい|なか||||

はい 　 喜んで ！ 喜ぶ な 　 ヨシヒコ よ 。 |よろこんで|よろこぶ|||

ご 一緒に お つまみ は 　 いかがでしょう か ？ |いっしょに|||||

じゃあ 　 枝豆 でも 　 もらおう か な 。 黒い 豆 の やつ 。 |えだまめ|||||くろい|まめ||

ある ？　 黒豆 の 枝豆 。 はい 　 喜んで ！ |くろまめ||えだまめ||よろこんで

うん 　 喜ぶ な 　 ヨシヒコ よ 。 |よろこぶ|||

あ …　 申し訳 ございませ ん 。 黒豆 の 枝豆 と いう の は …。 |もうし わけ|||くろまめ||えだまめ||||

仏 様 ！ やっと 気づいた か 。 ふつ|さま||きづいた|

どうして ！？

そして 初めて 裸眼 で 見えた か 　 私 の 姿 が 。 |はじめて|らがん||みえた||わたくし||すがた|

あぁ 　 見え ました 。 |みえ|

う ～ ん … ちょっと ね 　 話 が ある ぞ よ 。 ||||はなし||||

すみません 　 仏 。　 わけ あって 人一倍 　 働か ない と いけない ので 。 |ふつ|||ひといちばい|はたらか||||

知って る の 。　 それ は 知って る の 仏だ から 。　 理由 は 全部 知って る 。 しって|||||しって|||ぶつだ||りゆう||ぜんぶ|しって|

知った うえ で 話 を 聞いて ほしい 状況 　 今 。 しった|||はなし||きいて||じょうきょう|いま

店 が 終わって から でも いい です か ？ てん||おわって|||||

駄目 　 今 。　 ジャスト 　 ナウ 。 だめ|いま||

しかし 　 店長 に 叱ら れ ます し → |てんちょう||しから|||

そう し ます と 　 給料 が なし に なって しまう のです 。 ||||きゅうりょう||||||の です

いやいや …　 いやいや い ～ や いやいや い ～ や 。

あの さ 　 ねぇ 。 お め え さん の 仕事 は 何 さ ？ ||||||||しごと||なん|

オーダー 　 配膳 　 厨房 トイレ の 掃除 まで 　 すべて です 。 おーだー|はいぜん|ちゅうぼう|といれ||そうじ|||

なるほど 　 なるほど ね …。

ごめん 　 ちょっと ひと言 だけ 言って いい ？ ||ひとこと||いって|

お め え 　 何 やって んだ 　 バカ 野郎 。 ですから 　 バイト を 。 |||なん|||ばか|やろう||ばいと|

あれ れ ？　 あれ れ れ ？ 仏 が おかしい の か な ？　 ねぇ 。 |||||ふつ||||||

仏 は 　 てっきり ね → ふつ|||

ヨシヒコ は 魔 王 を 倒し に きた んだ と 思って た 。 ||ま|おう||たおし|||||おもって|

ええ 　 その とおり です が →

しかし 　 家賃 を 払わ ない こと に は 生活 も まま なら ず …。 |やちん||はらわ|||||せいかつ||||

いやいや 　 生活 と か いる か ね ？ 俺 さ 　 ずっと 見て る けど さ → |せいかつ||||||おれ|||みて|||

なに ？　 日々 　 バイト や って 帰り に 　 コンビニ で ご飯 買って → |ひび|ばいと|||かえり||こんびに||ごはん|かって

部屋 で 食べ ながら 　 ついつい バイト 先 の かわいい あの 子 を → へや||たべ|||ばいと|さき||||こ|

フラッシュバック …　 と か ね 。 いら ない 。　 いら ない 　 全然 ！ ||||||||ぜんぜん

ねぇ 　 何 ドラマ ？　 ねぇ 。 青春 　 何 ドラマ な のだ ！？ |なん|どらま||せいしゅん|なん|どらま||

では 　 私 は どう すれば いい のです か ！？ |わたくし|||||の です|

なに ？　 逆 ギレ ？　 ねぇ 。 |ぎゃく||

いやいや 答え は 　 ひと つ でしょう よ 。 |こたえ|||||

魔 王 の 城 を 探し出して 魔 王 を 倒す こと でしょ 。 ま|おう||しろ||さがしだして|ま|おう||たおす||

しかし 　 仏 …。　 この 街 は 食べる もの も おいしい し → |ふつ||がい||たべる||||

部屋 も 涼しい し 電車 も 車 も あって 便利だ 。 へや||すずしい||でんしゃ||くるま|||べんりだ

そんな 便利な 世の中 で 私 は 　 どう やって → |べんりな|よのなか||わたくし|||

魔 王 を 倒せば いい と いう のです か ！ ま|おう||たおせば||||の です|

なるほど 。　 それ ね 　 あれ な の さ 。 魔 王 の さ 　 戦略 な の さ 。 |||||||ま|おう|||せんりゃく|||

便利な 生活 を 味わわ せて おいて ね 敵意 を 喪失 さ せる って いう さ 。 べんりな|せいかつ||あじわわ||||てきい||そうしつ|||||

仏 …　 正直 　 私 は → ふつ|しょうじき|わたくし|

魔 王 が 大好きに なって い ます 。 ま|おう||だいすきに|||

そんな お前 に 　 仏 ビーム ！ |おまえ||ふつ|

うわ ～！

うん 　 そう ね 。 あの …　 お前 が 甘えて いたら さ → ||||おまえ||あまえて||

カボイ の 村 を はじめ と する あちら の 世界 は → ||むら|||||||せかい|

いつまで 経って も 平和に なら ない ぜ 。 |たって||へいわに|||

そう だ …。 うん 。

故郷 が さ 　 魔 王 たち に 滅ぼさ れて も いい の か ？ こきょう|||ま|おう|||ほろぼさ|||||

そう か …　 私 は 魔物 を …。 ||わたくし||まもの|

魔 王 を 倒さ なくて は なら ない 。 ま|おう||たおさ||||

うん …　 よし 　 じゃあ ね わかったら ね 　 これ を 持て 。 ||||||||もて

実 を 言う と ね 　 お前 の 仲間 たち も こっち の 世界 を → み||いう|||おまえ||なかま|||||せかい|

存分に 楽 しんど ～ る 。 楽 しんど ～ る 。 ぞんぶんに|がく|||がく||

だから 　 はい 　 それ を 見たら ３ 人 の 居場所 が わかる から 。 ||||みたら|じん||いばしょ|||

ありがとう ございます 　 仏 様 。 ||ふつ|さま

乾杯 。 かんぱい

ダンジョー さん ！　 今 すぐ 　 魔 王 の 城 を 探し に 行き ましょう ！ ||いま||ま|おう||しろ||さがし||いき|

突然 どうした ん だ ？　 ヨシヒコ 。 とつぜん||||

この 人 　 誰 ？ ん ？　 あっ 　 お 友達 だ 。 |じん|だれ||||ともだち|

我々 は 間違って いた 。 われわれ||まちがって|

豊かな 生活 に おぼれ → ゆたかな|せいかつ||

魔 王 を 倒す と いう 使命 を 忘れて いた んです ！ ま|おう||たおす|||しめい||わすれて||ん です

しかし な 　 ヨシヒコ …。

さ ぁ 　 ダンジョー さん 今 すぐ 出発 し ましょう 。 ||||いま||しゅっぱつ||

ただ …　 ヨシヒコ よ 。

俺 は 今 から 　 彼女 と 同伴 出勤 を する んだ 。 おれ||いま||かのじょ||どうはん|しゅっきん|||

同伴 …　 出勤 ？ どうはん|しゅっきん

彼女 と 食事 を した 後 に 彼女 と 一緒に 　 お 店 に 行く んだ 。 かのじょ||しょくじ|||あと||かのじょ||いっしょに||てん||いく|

彼女 …　 一 人 で 行け ない んです か ？ 店 まで 。 えっ …。 かのじょ|ひと|じん||いけ||ん です||てん||

大人 なんだ から 一 人 で 行ける でしょう 。 おとな|||ひと|じん||いける|

ダンジョー さん に 送って もらわ なくて も 一 人 で 行ける でしょ ！ |||おくって||||ひと|じん||いける|

ち 　 違う んだ 　 ヨシヒコ 。 |ちがう||

同伴 出勤 する こと に よって 彼女 の 営業 成績 に つながり → どうはん|しゅっきん|||||かのじょ||えいぎょう|せいせき||

彼女 の 給料 が 増える んだ 。 かのじょ||きゅうりょう||ふえる|

送って もらった から 成績 が 上がる など 　 あり え ない こと 。 おくって|||せいせき||あがる|||||

さ ぁ 　 彼女 一 人 で 行き なさい 。 ||かのじょ|ひと|じん||いき|

お前 は … キャバクラ の システム が わかって い ない ！ おまえ||||しすてむ||||

システム …。 しすてむ

同伴 出勤 する こと に よって 初めて 　 アフター を 行って もらい → どうはん|しゅっきん|||||はじめて|||おこなって|

その後 　 チョチョッ と …。　 わかれ 　 ヨシヒコ ！ そのご||||

思い出して ください ！ おもいだして|

我々 は この 外 の 世界 の 平和 の ため に → われわれ|||がい||せかい||へいわ|||

戦って きた んじゃ ない です か ！ たたかって|||||

魔 王 は 　 我々 の 関わって きた 外 の 世界 の 人々 の 平和 を → ま|おう||われわれ||かかわって||がい||せかい||ひとびと||へいわ|

奪おう と して る んです よ ！ うばおう||||ん です|

ヨ 　 ヨシヒコ …。

駄目だ …。　 駄目な んだ ！ だめだ|だめな|

これ 以上 　 あの 平和な 村 々 に 恐ろしい 魔物 を 増やして は 。 |いじょう||へいわな|むら|||おそろしい|まもの||ふやして|

耕作 ちゃん さっさと お 店 　 行き ましょう 。 こうさく||||てん|いき|

悪い が 　 一 人 で 行って くれ 。 えっ ！？ わるい||ひと|じん||おこなって||

俺 は 　 こいつ と 一緒に 行く 。 おれ||||いっしょに|いく

じゃあ 　 アフター も なし ね 。

あぁ 　 残念だ が …。 |ざんねんだ|

さ ぁ 　 ヨシヒコ … ムラサキ と メレブ を 呼び に 行こう 。 |||||||よび||いこう

はい 。

無理だ 。 大昔 から 　 タイム スリップ して きて → むりだ|おおむかし||たいむ|すりっぷ||

現代 の 進んだ 医療 器具 の 使い 方 など → げんだい||すすんだ|いりょう|きぐ||つかい|かた|

さっぱり 　 わから ない 。

いきなり 　 オペ なんて 無理だ 。 |||むりだ

しっかり して ！　 シン ！

手術 なんて チャチャッ と やっちゃ えば いい の よ ！ しゅじゅつ||||||||

人 の 命 が かかって る んだ ぞ 。 じん||いのち|||||

チャチャッ と なんて 無理だ 。 |||むりだ

レーザー メス なんて 　 意外 と 簡単 よ 。 内 視 鏡 だって 結構 わかる わ よ 。 れーざー|めす||いがい||かんたん||うち|し|きよう||けっこう|||

無理だ 。 あなた が 好きな の ！ むりだ|||すきな|

ムラサキ ！　 魔 王 の 城 を 探す ぞ 。 |ま|おう||しろ||さがす|

ちょ …　 待って よ 。 撮影 中 じゃ ん か よ 。 |まって||さつえい|なか||||

これ 以上 　 我々 が もたもた して いる と → |いじょう|われわれ|||||

外 の 世界 に 魔物 が 増える ばかりだ 。 駄目だ よ 。 がい||せかい||まもの||ふえる||だめだ|

だって 私 　 女優 に なった んだ もん 。 お前 は 女優 じゃ ない ！ |わたくし|じょゆう|||||おまえ||じょゆう||

せっかく 　 魔法使い に なれた んじゃ ない か 。 |まほうつかい|||||

もう 　 そんな の どうでも いい 。

私 　 これ から 女優 と して やっていく 。 わたくし|||じょゆう|||

魔 王 を 倒す 使命 を 忘れる と は 言語道断だ ！ ま|おう||たおす|しめい||わすれる|||ごんごどうだんだ

お め え は 何 回 　 忘れた よ ！ ||||なん|かい|わすれた|

巨乳 の 女 に 惚れちゃ 忘れ → きょにゅう||おんな||ほれちゃ|わすれ

アイドル に なる っ つっちゃ あ 忘れて よ ！ あいどる||||||わすれて|

そんな やつ に 言語道断 なんて 言わ れ たく ねえ んだ よ ！ |||ごんごどうだん||いわ|||||

私 は 使命 を 忘れた こと など 一 度 も ない ！ わたくし||しめい||わすれた|||ひと|たび||

お前 　 つい 最近 クーラー 涼しい から って 忘れた ばっ か だ ろ ！ おまえ||さいきん|くーらー|すずしい|||わすれた||||

それ は それ ！　 これ は これ ！

その とおり だ 　 ムラサキ ！

え ～。

ムラサキ 　 ともに 戦おう 。 ||たたかおう

嫌です 。　 だって この 仕事 　 楽しい んだ もん 。 いや です|||しごと|たのしい||

すみません 　 皆さん 撮影 再開 し ましょう 。 |みなさん|さつえい|さいかい||

ごめんなさい 。 ムラサキ ！

私 に は 　 お前 が 必要な んだ 。 わたくし|||おまえ||ひつような|

行こう 　 ムラサキ 。 いこう|

いつか は 　 父 の 仇 と して → ||ちち||あだ||

私 を 殺さ なくて は なら ない のだろう 。 わたくし||ころさ|||||

倒す んだ 　 魔 王 を 。 たおす||ま|おう|

私 たち の 力 で 。 さ ぁ 　 撮影 再開 です よ 。 わたくし|||ちから||||さつえい|さいかい||

すみません 。　 私 　 行き ます 。 |わたくし|いき|

えっ 　 困る よ 　 ムラサキ ちゃん 。 |こまる|||

もっと 大事な 仕事 が ある ので 。 |だいじな|しごと|||

ムラサキ …。 ムラサキ ちゃん ！

ぶ ～。 ぶ ～ じゃ ねえ よ 。

お前 さ 　 何 やって ん の ？ おまえ||なん|||

あの 子 　 俺 の メイド で さ 。 かつ 　 俺 に 惚れて る から さ 。 |こ|おれ||||||おれ||ほれて|||

君 　 ちょっと … ちょっと 来て くれる かな ？ きみ|||きて||

あなた は メレブ さん に 惚れて る んです か ？ |||||ほれて||ん です|

はい 　 私 の ご 主人 様 です から 。 な ？ |わたくし|||あるじ|さま|||

あの さ 　 俺 たち 今 から 魔 王 を 倒し に 行く んだ けれども → ||おれ||いま||ま|おう||たおし||いく||

俺 と 結婚 しちゃ って 一緒に 来 ない ？ おれ||けっこん|||いっしょに|らい|

えっ ？ マジ で 惚れて ん なら さ → |||ほれて|||

そうして やって くれる ？ いやいや いや 。

お 仕事 なん で 。 |しごと||

お 仕事 は いい から 　 俺 と 結婚 して 早く 　 私 に かし づけ 。 |しごと||||おれ||けっこん||はやく|わたくし|||

いやいや いや 。 膝 ま づけ 。 いやいや いや 。 ||ひざ||||

近う よれ 。 いやいや 。 頭 を たれ い 。 ちかう|||あたま|||

いやいや いや 。 死 を みとれ 。 ||し||

バッカ じゃ ねえ の ！

何 　 本気で メイド だ と 思って ん の ？ なん|ほんきで||||おもって||

調子 こ いて んじゃ ねえ よ 。 ちょうし|||||

むしろ 　 お前 最悪 　 苦手な タイプ なん で 。　 ヨロシク 。 |おまえ|さいあく|にがてな|たいぷ|||

二度と 来 なくて いい から 。 にどと|らい|||

いつも の バカ みたいな 呪文 ？ ||ばか||じゅもん

あれ も 驚いて やって る だけ だ から 。 ||おどろいて|||||

ヨロシク 　 キノコヘッド 。

行き ます か 。 いき||

うん 　 行く 。 |いく

やっぱり 　 これ が しっくり くる ね 。 ああ 。

ただし 　 ダンジョー の も みあげ は 消えた まま だ な 。 ||||||きえた|||

な め んな よ 。

す 　 すごい 。

フフフフ …。　 さ ぁ 　 魔 王 の 城 を 探し に 行こう ぞ 。 |||ま|おう||しろ||さがし||いこう|

ちなみに そんな なか 　 こんな なか 　 私 → |||||わたくし

初めて 呪文 を 覚えた よ 。 はじめて|じゅもん||おぼえた|

お ぉ 。　 いよいよ 魔法使い と して 覚醒 した か 。　 ん ？ |||まほうつかい|||かくせい|||

それ は 　 どんな 呪文 だ ？ それ が 　 わかん ない の 。 |||じゅもん||||||

私 に かけて みろ 。 わたくし|||

何も 起こら ない ぞ 。 なにも|おこら||

ヨシヒコ に かから ない と なる と 相当 の クソ 呪文 だ な 。 |||||||そうとう||くそ|じゅもん||

でも 　 呪文 を 覚えた 自覚 だけ は ある んだ よ 。 |じゅもん||おぼえた|じかく|||||

まだ 　 魔法使い と して の 経験 が 浅い 。 |まほうつかい||||けいけん||あさい

ゆえに 　 呪文 を まだ 理解 でき ず に いる んだ よ 。 |じゅもん|||りかい||||||

お め え に 　 そんな 偉 そうに 言わ れる こと じゃ ねえ よ 。 |||||えら|そう に|いわ|||||

一 度 は 　 魔 王 に 心 を 奪わ れて しまった が → ひと|たび||ま|おう||こころ||うばわ|||

もう 迷う こと は ない 。 |まよう|||

よし 。　 倒す ぞ 　 魔 王 を 。 |たおす||ま|おう|

うん 。 うむ 。

行き ましょう 。 いき|