イタズラ な Kiss 〜Love in TOKYO#3 (1)
( 相原 琴子 ( あいはら こと こ )) あ … 相原 琴子 です F 組 の ―
これ 読んで くれる ?
( 入江 直樹 ( いりえ なおき )) いら ない
( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) 琴子 を 振る なんて 許せん
これ は 俺 に 対する 挑戦状 や
( 石川 理美 ( いしかわ さとみ )) 住む 所 が 変われば 運気 も 変わる って
きっと いい こと が ある よ
( 琴子 ) ん ? 流れ星 ?
( 一同 ) う おっ
( 琴子 ) 流れ星 に ―
打た れた ?
( 琴子 ) ひょんな こと から お 父さん の 大親友 の 家 に ―
お 世話に なる こと に なった 私 相原 琴子 ―
でも その 家 は …
わあ ! ああ ! ああ …
( 相原 重雄 ( しげお )) どうした ? 琴子
ご挨拶 が 遅く なり ました …
( 琴子 ) 私 の 憧れ の 男の子 ―
入江 直樹 君 の 住む 家 だった のです
( 直樹 ) 一緒に 住んで る なんて 誰 に も 言う な よ
学校 でも 一切 話しかけ ん な
そこ まで 言わ なくっ た って
俺 頭 の 悪い 女 は 嫌いな んだ よ
( 琴子 ) 私 期末 テスト で 入江 直樹 を 負かして やる
じゃーん
返せ
返せ
( 琴子 ) 期末 テスト まで 1 週間 勉強 を 私 に 教えて
( 琴子 ) 期末 テスト まで 1 週間 勉強 を 私 に 教えて
( 入江 紀子 ( のりこ )) もしかして 琴子 ちゃん て
私 が 思って いる 以上 に すごい 子 な の かも
うそ !―
100 番 ?
( 金之助 ) 新しい あいつ の 家 に は 何か 秘密 が ある はず や
え ~!!
( 小森 ( こもり ) じんこ ) 何 ? この 写真
( 金之助 ) お前 が 今 住んで る 所 っ ちゅう の は
入江 直樹 の 家 なんか ?
相原 !
( 琴子 ) 何 ?
いい から 来い !
( 琴子 ) 私 と 入江 君 の 同居 が バレ ―
学校 中 の うわさ に
( 直樹 ) あんた の 友達 って 何 考えて る んだ !―
あんた は 俺 に ラブレター まで 書いた ぐらい だ から ―
うわさ されて も 平気 だろう けど ―
俺 は 迷惑 だ ね
これ 以上 俺 の ペース を 狂わさ ないで くれ
私 …
何で 泣いて んだ ろ ?
( 琴子 ) とっく の 昔 に 振ら れた はず の 入江 君 に ―
どんな 意地悪 言わ れた って ―
へっちゃら だって 思って た のに ―
何で 涙 が 出る んだろう
私 …
やっぱり 入江 君 の こと が 好き な んだ
( 紀子 ) 琴子 ちゃん 遅かった じゃない の
心配 した の よ
すみません
連絡 する の 忘れ ちゃい ました ごめんなさい
♪~
( 琴子 ) 生まれて 初めて 書いた ラブレター ―
決して 読んで もらえ ない ラブレター
いら ない
( 琴子 ) あんな やつ って 分かって る のに ―
やっぱり 好き なんて
おい 風呂 入れ って よ ―
入る ぞ ―
お袋 が 風呂 入れ って
( 琴子 )“ 入江 君 へ ”―
“ 私 は F 組 の 相原 琴子 と いい ます ”―
“ あなた は 私 の こと を 知ら ない でしょう けれど ”―
“ 私 は 知って い ます ”―
“ 入学 式 の 挨拶 を した ”―
“ 入江 君 の 知性 と かっこよさ に 憧れて 2 年間 ”―
“ 初めて 入江 君 を 見た その とき から ”―
“ まるで 流れ星 に 打た れた みたい に ”―
“ 特別 な 気持ち が 私 の 中 で 生まれて ”―
“ 入江 君 の こと が ”―
“ 好き です ”
♪~
やばっ
よっこいしょ
おはよう ございまーす
( 紀子 ) おはよう 琴子 ちゃん
相変わらず 寝ぼすけ だ なあ 琴子 は
たまに は 早起き して 奥さん 手伝ったら どう だい
すいません
いい の よ お 兄ちゃん も 裕樹 も 何にも やら ない んだ から
さあ 早く 朝 御飯 食べ ちゃって
( 琴子 ) はーい
よいしょ ―
いただきまーす
( 重雄 ) なあ 琴子
ん ?
ん ?
今日 早めに 学校 から 帰って これる か
今日 早めに 学校 から 帰って これる か
うん いい けど 何で ?
いやあ イリ ちゃん ち に は いつも お 世話に なり っぱなし だ から
今夜 の 夕食 は 俺 が 作って みよう か と 思って な
それ で 琴子 に も 手伝って もらおう か と
そっか 今日 お 店 定休日 だ もん ね
そんな 相原 さん お 気遣い なく
いえいえ せめても の 気持ち です
( 入江 重樹 ( しげき )) いやあ アイ ちゃん の 料理 は 天下一品 やけ のう
(2 人 の 笑い声 )
楽しみ だ な 直樹 裕樹 ( ゆうき )
そう だ ね
ごちそうさま いってきます
あ いってらっしゃい
あ いってらっしゃい
( 重樹 ) いってらっしゃい
( 重樹 ) いってらっしゃい
( 重樹 ) いってらっしゃい
( 入江 裕樹 ) いってらっしゃーい
( 入江 裕樹 ) いってらっしゃーい
ほら 琴子 ちゃん も
あ はい
( 琴子 ) 何 ?
パン 付いて た
( ドア が 開く 音 )
( ドア が 閉まる 音 )
何 ? 今 の
( チャイム )
( 銅 蔵 ( どうぞう )) 気 を 付けて
階段 や
階段 や
足元 気 を 付けて
( 銀太郎 ( ぎんたろう )) 下がり ます
もう 金 ちゃん 歩き づらい
って いう か はっきり 言って 迷惑
( 金之助 ) 琴子 の ため や
せめて 学校 だけ でも 入江 の やつ が 近づか ん ように
俺 が 琴子 を 守ら ん と
あ 入江 !―
じゃない …
大丈夫 だって
私 本当に 嫌われて る んだ から
学校 で は 声 かける なって 言わ れて る し
( 銅 蔵 ) 異常 あり ません
( 金之助 ) 了解
( 渡辺 ( わたなべ )) あれ ?
あれ って お前 の 家 に 住んで る 子 じゃない の
何 して ん の ?
知る か
( じんこ ) 入江 の 家 に 偵察 に 行く って
そこ まで する か ? 金 ちゃん
せや けど
お前 ら かて 2 人 の こと 気 に なる ん ちゃ うん ?
(2 人 ) まあ ねえ
( 銅 蔵 ) あの 家 です ね
でかい
( 金之助 たち ) 抜き 足 差し 足 抜き 足 差し 足 ―
抜き 足 差し 足 抜き 足 差し 足 …
ああ こんな の バレ たら 入江 に 怒ら れ そう !
シーッ おる おる
( 重雄 ) おーい 琴子 !
はーい
( 金之助 ) あれ 見え へん
蓋 ! 蓋 !
蓋 ! 蓋 !
あっ 蓋 …
あっ 蓋 …
取って ちゃんと
すごい わ おいし そう
わあ やっぱ さすが や ねえ アイ ちゃん
ねえ これ 何 ?
( 琴子 ) アハッ
それ は 琴子 お 姉ちゃん が 作った 揚げ 出し 豆腐 よ
形 は 悪い けど おいしい わ よ
僕 いら ない
俺 も いら ない
( 紀子 ) あっ こら !―
お 兄ちゃん も 裕樹 も 何て こと 言う の
そう だ よ ー あっ もう そう ほら 席 着いて ね
おのれ あいつ ら 琴子 の 手料理 を !
金 ちゃん 聞こえ ちゃう って
( 理美 ) 何 やって ん の
( 重樹 ) じゃあ 私 が ―
琴子 ちゃん の 作った もの を いただこう か な ?
フフ …
私 が 食べたら ちゃんと 2 人 と も いただく んだ ぞ
ねえ ?
ん ~
んっ …
( 裕樹 ) う う … うっ …
げっ まっじい …
んーっ …
( 重雄 ) ああ やっぱり
そんな こと ない そんな こと ない よ
うまい よ うまい うん うん
イリ ちゃん 気 い 遣わん でえ えて
こいつ は 昔 から 料理 音痴 で
ん ー もう 俺 の 娘 と は 思え ん たい
このまんま やったら ―
嫁 に もらって くれる とこ ある ん やろ か
う う ごめんなさい
あら 平気 です よ
琴子 ちゃん は うち で もらう から
えっ えっ …
えっ えっ …
( 理美 ) へっ ?
( 理美 ) へっ ?
( 理美 ) へっ ?
えっ …
えっ …
今 … 今 何て 言う た !?
だから 琴子 ちゃん は
お 兄ちゃん の お 嫁 さん に なったら いい じゃない の
ああ …
反対 !
僕 反対
そう です よ 勝手に 決め ないで ください
ひと の 人生 で 遊ぶ な よ
( 紀子 ) あら そう ?―
琴子 ちゃん は 絶対 ―
お 兄ちゃん の タイプ だ と 思う のに な
そ … そう な んです か ?
んな わけない だろ
真っ平 だ よ
こっち だって 真っ平 ごめん よ
ハハハ … ええ で
琴子 よう 言う た な ハハハ
アハハ … ハハハ
へえ そう な んだ
あんな 熱い メッセージ を くれた のに
“ はじめ まして 入江 君 ”
“ 私 は F 組 の 相原 琴子 と いい ます ”
“ あなた は 私 の こと を 知ら ない でしょう けれど ”―
“ 私 は 知って い ます ”―
“ 入学式 の 挨拶 を した ”―
“ 入江 君 の 知性 と かっこよさ に 憧れて ”…
何 すんだ よ !
ひどい 手紙 見た の ?
だって 俺 に 書いた んだ ろ
だから って 暗記 する こと ない じゃない !
1 回 読んだら 覚える んだ から しかたねえ だろ !
だから って みんな の 前 で 言う こと ない でしょ !
ねえ ちょっと 待って 待って ねえ どういう 意味 ?
えっ 琴子 ちゃん て も しか して
お 兄ちゃん の こと ずーっと 好き だった の ?
ほら
はっきり 言え よ
ラブレター 書いた の
え … ほんと か ? 琴子
じゃあ 私 の 提案 て …
夢 じゃない ん じゃない の ?
でも それ は 前 の 話 で 一緒に 暮らす 前 の 話 です
だから 今 は もう …
そんな こと 言わ ないで
また お 兄ちゃん の こと 好き に なったら いい じゃない の
ねえ パパ
ん ? ん … そうだ な
うん うん 2 人 が それ で いい なら
( 金之助 ) ちょっと 待った あ !
開けん かい !
だ … 誰 だ ? あの 子 たち は
金 ちゃん ?
( 金之助 ) おい ! 琴子 ! 開け ー !
あの 子 たち 私 の 同級生 です
( 重樹 ) えっ ?
( 琴子 ) ちょっと ひと んち で 何 やって ん の ?
ごめん 金 ちゃん が 琴子 の 様子 を どうしても 知り たい って …
( 銅蔵 ) すいません
( じんこ ) 上がる の ?
入江 が なんぼ 天才 や 言う た か て 男 や
いつ ケダモノ に 変わる か 分から へん
見て みい ! 来て 正解 や
さっき から 聞い とっ たら 好き勝手 抜かし や が って
( 裕樹 ) て か お前 誰 だ ?
ああ ?
あっ あ … ああ …
ヘヘ ヘヘ …
入江 家 の 皆さん お初 に お目にかかり ます
私 金 ちゃん こと 池沢 金之助 です
琴子 の クラスメート です
( 裕樹 ) って こと は ばか だ
何 や て !?
( 紀子 ) こら ! 裕樹
琴子 と 僕 は クラス でも 評判 の ホット な 関係 なん です わ
ちょっと 金 ちゃん ! 適当 な こと 言わ ないで よ
あら 琴子 ちゃん て モテる の ねえ
そう な んです
何か すいません
せや から ―
変 な ちょっかい 出さん と いて もらえる か
結婚 なんか お 話 に も なら へん で
なあ 入江 君
そんな こと 分かんない よ
え ?
何 や それ どういう 意味 や ?
人 の 気持ち なんて 分から ない
今日 は 嫌い でも ―
あした は 好きに なって る かも しれ ない から ね
何 や と ?
やっぱり お前 琴子 に 気 が ある ん か ?
さあ ね ―
けど 彼女 は あんた より 俺 に 気 が ある って こと を 忘れる な よ ―
じゃ 俺 は 2 階 に 行く ので ごゆっくり
( 琴子 ) 何 ? 今 の ―
どういう 意味 ?―
これ って もし かして ―
期待 して も いい って こと な の か なあ ―
そんな 中 ―
私 たち の 高校 最後 の 夏 休み が 始まろう と して いた
( じんこ ) ん ー でも さ
高校 最後 の 夏 休み くらい 何か すてき な 思い出 欲しい よ ね
だけど うち ら 一応 受験生 だ し
ん ~ それ でも ! ねえ ?
ねえ だって ―
高校 最後 の 夏 の 思い出 が 宿題 だけ じゃねえ
琴子 は いい じゃない
夏 休み の 間中 入江 と 一緒に い られる んだ から
何も 起こんない よ
( じんこ ) ん ー 分から ない よ ―
この 前 は あんな 情熱 的 な 告白 を !
あんな の 売り言葉 に 買い 言葉 でしょ
まあ ねえ
入江 ったら 琴子 の 手料理 も 食べて なかった し ねえ
私 料理 苦手 だ から さあ
( 理美 ) そういう 問題 じゃ ない
男 は 気 に なる 女 の 手料理 を 食べ たい もの な の よ
たとえ それ が どんな 味 でも ね
そう だ よ 一緒に 住んで る んだ から ―
手料理 食べ させる くらい 楽勝 でしょ
せめて その くらい の 思い出 この 夏 に 作っ ちゃい なさい よ !
おっ …
ああ 手料理 かあ
ああ あんな ん 言わ れて 心配 で たまらん わ
せや かて 毎日 見張り に 行く わけ に も いかん し
学校 が 休み の 間 入江 の 野郎 は 毎日 琴子 と 一緒に おる わけ や し
確かに 女 って やつ は 近く に いる 男 に なびき ます から ね
ああ ?
ああ ?
こら
何て こと 言う んだ
何て こと 言う んだ
いや …
兄貴 負け ちゃ 駄目です
兄貴 も 入江 に 負け ない ぐらい ―
いつも 琴子 姉さん の そば に い なくちゃ
おはよう ございまーす
( 一同 ) おはよう
琴子 ちゃん 今日 から 夏 休み じゃない の ?
フフ … アハ …
あの ちょっと …
学校 に 行か なくちゃ いけなくて
夏 休み な のに どうして ?
ウフ …
あっ あの …
その … えっ と …
( 玄関 の チャイム )
裕樹 お願い ね
( 裕樹 ) はーい
( 金之助 ) 入江 家 の 皆 さーん
おはよう ございます
私 金 ちゃん が 琴子 さん の 補習 の お迎え に 参り ました