イタズラ な Kiss 〜Love in TOKYO#3 (2)
( 紀子 たち ) 補習 !?
この 前 の テスト で 100 番 だった のに ?
ああ …
期末 は 100 番 だった んです けど …
その 前 の 中間 の 結果 が
思わしくなくて …
今 まで どんだけ 成績 悪かった んだ よ
やっぱり ばか だ
こら !
いってきまーす
全員 F 組 だ ねえ
ん ー これ じゃ いつも の 授業 と 変わら ない よ
( 渋川 ( しぶかわ )) いい か !
お前 たち は はっきり 言って
内部 進学 できる か どう か
ギリギリ の ライン の 上 に 立って る ―
期末 テスト で 100 番 だった 相原 だって 例外 で は ない !
だからこそ この 補習 に は 真剣 に 取り組んで もらい たい ―
斗南 ( となん ) 高校 地獄 の 夏期 講習 始まり ます ―
夏 は 天王山 です
( 琴子 ) これ じゃあ 夏 休み の 思い出 なんて ―
到底 期待 でき ない ね
高校 最後 の 夏 の 思い出 は 宿題 だけ
琴子 が 言った とおり に なり そう
( 金之助 ) ええ や ん か
夏 休み の 間 この 金 ちゃん と 一緒に 過ごせる ん や
最高 の 思い出 や さあ 食い や
空気 を 読み なさい よ 金 ちゃん
琴子 が 一緒に 過ごし たい 人 は あんた じゃない
( じんこ ) まあ でも 補習 ばっかり じゃ それ も 無理 か
お ? でも さっき 入江 の 野郎 見かけた な
ばか 余計 な こと 言う な
ばか 余計 な こと 言う な
あっ えっ …
あっ えっ …
あっ えっ …
えっ うそ … えっ 入江 君 ?
えっ うそ … えっ 入江 君 ?
えっ うそ … えっ 入江 君 ?
えっ ?
えっ うそ … えっ 入江 君 ?
えっ うそ まさ … えっ ま … まさか …
入江 君 が 補習 ?
んな わけ ない でしょ 校庭 見て みなさい よ
あっ
あ そうか そう だ 入江 君 一応 テニス 部 だ もん ね
一応 って 何 よ
ん ? 正式 な 部員 じゃない の
部員 以上 に うまい から 大会 前 だけ 駆り出さ れる みたい
( じんこ たち ) ふーん
そっか
今月 末 高校 テニス の 全国 大会 が ある って 言って た もん ね
何 や と !
何 や と !
いった … 何 ?
いった … 何 ?
あいつ ガリ勉 の 運動 音痴 や なかった ん か !
性格 以外 は パーフェクト な の よ
嫌味 な やつ よ ね
はぁ
でも 部活 で 学校 に 行く なんて 教えて くれ なかった
相変わらず 完全 に アウト オブ 眼中 な んだ ねえ
フッ ええ や ん ええ や ん それ で ええ や ん
( 直樹 ) 人 の 気持ち なんて 分から ない
今日 は 嫌い でも ―
あした は 好きに なって る かも しれ ない から ね
( じんこ ) 何 見とれて ん の よ
えっ ? ん ?
別に
だって 毎日 の 腹筋 と か ランニング と か
ボール 拾い を 全部 飛ばして 勝つ なんて
全然 青春 じゃない
よし 勉強 やる よ 勉強
よし やる よ
( 渋川 ) Mars the red planet has fascinated people ―
from the earliest times .―
Ancient people ―
identified it with the god of war .
( 琴子 ) やっぱり かっこいい なあ ―
テニス の 練習 疲れる だろう なあ ―
家 帰ったら 私 の 手 料理 食べて もらって ー ―
元気 に なって もらって ー ―
フフッ ヒヒッ なんて ね
( 渋川 ) 相原 !―
相原 琴子 !
はい !
( 渋川 ) 今 先生 が 読んで いた 続き 読んで みろ
はい ?
ん ?
( じんこ )63…
たるんで いた 罰 と して 校庭 10 周 !
え えっ !
10 周 ?
はい ペース 落ちて る ー !
( 琴子 ) わあー !
♪~
( 琴子 ) ハァ ハァ …
( 琴子 ) ハァ
( せき込み )
相原 あと 1 周 !
ん ?
お ?
痛い
( 直樹 ) ああ ごめん
わざと じゃない よ
補習 終わった んじゃない の ?
放っといて よ 走り たく なった の
( 渋川 ) こら 相原 ! 夫婦げんか して る な !
ああ あ …
あっ ああーっ
( 紀子 ) はい
あら 琴子 ちゃん 日焼け ?
体育 の 補習 も あった の ?
エヘヘ えーっと それ は …
琴子 の やつ 補習 さぼって その 罰 と して
校庭 走ら された んだ ぜ
何で あんた が そんな こと 知って ん の ?
蛇 の 道 は 蛇 だ
じゃ ? じゃ … 砂利 道 ?
はぁ んな こと も 知ら ねえ の か よ ばっか じゃない の
裕樹 いいかげん に し なさい もう
( 重樹 ) まあ まあ 夏 な んだ し 日焼け も いい じゃない か
ほんと よ ねえ
毎年 夏 は 山 か 海 に バカンス に 出かける のに
今年 は つまらない わ あ
え ?
( 重樹 ) あっ あれ ? アイ ちゃん から 何も 聞いて ない か な ?―
あの ね まっ 実は ね ―
我々 2 人 の 中学 ん とき の 同窓 会 が あって ね
久しぶりに 九州 に 帰る んだ よ
へえ そう な んです か
だから 家族 旅行 は お預け な の
( 琴子 ) おば 様 も 九州 に 行ったら いい のに
だって あなた たち を 放って いく わけ に は いか ない もの
しゅん ま ちぇ ん ね ー
ごちそうさま でした
ごちそうさま
おば 様 私 も お 手伝い し ます
ありがとう 琴子 ちゃん
じゃあ 洗い 物 お 願い しよっ かな
はーい
その 間 に 琴子 ちゃん と お 兄ちゃん の ―
あした の お 弁当 の 準備 を し なくっちゃ
いつも ありがとう ございます
朝 早い から 下ごしらえ だけ でも ね
あの おば 様
ん ?
今度 私 に お 料理 を 教えて いただけ ません か ?
いい けど 琴子 ちゃん に は プロ の お 父さん が いる じゃない の
そう な んです けど
何て いう か 家庭 的 な って いう か
お袋 の 味 を 覚え たい なあ なんて
入江 家 の 味 を 覚え たい ん じゃない の ?
アハハ … フフ …
ねえ 琴子 ちゃん て
本当 は 今 でも お 兄ちゃん の こと 好き でしょ ?
おっ … 何で そう 思う んです かあ ?
そんな の 見て れ ば 分かる わ よ
ねえ やっぱり うち に お 嫁 に 来たら いい のに
入江 君 と 私 じゃ 釣り合わ ない です よ
あの ね
私 と パパ が 結婚 した とき 19 歳 だった の
自分 で 言う の も 何 だ けど
求婚 者 は たくさん いて ねえ
みーんな ハンサムで お 金持ち の 若者 ばかり
そんな 中 パパ は ご覧 の とおり の 見た目 だし ―
年 も ずーっと 上 ―
当時 は 会社 を 興した ばかりで 貧乏
私 の 両親 も 交際 に は 大反対 だった わ
でも おば 様 は おじ 様 を 選んだ んです よ ね
何で です か ?
パパ は 誰 より も 誠実 で ―
誰 より も 真面目 で ―
そして 私 を 思って くれた から
パパ は 私 の 家柄 と か お 金 と か 若さ じゃなくて
私 自身 を 好き に なって くれた の ―
何だか 琴子 ちゃん を 見て る と
あの ころ の パパ を 思い出し ちゃう の よ ねえ
( クラッカー が 鳴る 音 )
( 重樹 たち ) おめでとう !
では テニス 高校 大会 ―
直樹 の 優勝 を 祝って
乾杯 !
( 一同 ) 乾杯 !
ああ …
さあ さあ さあ …
座って 座って いただき ましょう
いや あ しかし すごい ね 直樹 君 は
勉強 が できる だけ じゃなくて テニス が 得意 なんて ね
しかも 3 年 連続 優勝 なんだろう ?
ええ まあ
いやあ 練習 に 明け暮れて る わけじゃない んだろう に
感心 した よ
簡単 です よ
相手 の 癖 と か 早く 見つけて 頭 で 計算 すれば
大体 どこ に 飛んで くる か 分かり ます から
ほう
ねえ お 兄ちゃん て かわいく ない でしょう ?
( 重樹 と 紀子 の 笑い声 )
いや いや 頭 が いい んでしょう
顔 は 似て ない けど ―
そういう とこ は イリ ちゃん に そっくり たい
( 重樹 と 紀子 の 笑い声 )
いや いや 俺 は これほど じゃなかっ たろう もん て
だって 覚え とろう ? 中学 時代 の 俺 を
そう やった か ?
ああ
いやあ しかし 懐かし か ねえ
うん 楽しみ や ねえ あした の 同窓 会
うん
九州 帰る の 久しぶり たい
みんな 変わっ とる やろ のう
うん
キヨマサ は 来る や ろ か …
(2 人 ) いってきまーす
( 紀子 たち ) いってらっしゃーい
相原 さん お 洋服 似合って ます よ ー
( 重雄 ) てれ ます ね
お 気 を 付けて
じゃあ ね ー
( 重雄 ) はーい
パパ たち まるで 遠足 に 行く 小学生 みたい だった わ ね
お 父さん お 店 が 忙しくて 帰省 する の 久しぶり だ から
きっと 楽しみ に して た んだ と 思い ます
( 電話 の 着信 音 )
はい 入江 で ございます
えっ 本当 です か ?―
は … はい すぐ 伺い ます はい ―
あっ どうしよう …
大変 だ わ
どうした の ?
おばあ ちゃん が けが した らしい の
幸い 大した こと は ない んだ けど 今夜 は 入院 で
それ で 私 病院 に 付き添い に 行か ない と
そうして あげて ください
ありがとう 琴子 ちゃん
じゃあ お 兄ちゃん と 2 人 で 家 の こと よろしく ね
あ … はい
えっ ? 2 人 !?
裕樹 は 連れ てく わ
お 兄ちゃん も 琴子 ちゃん も あした 学校 でしょ ?
だから …
分かった いい よ
急いで 支度 して
( 琴子 ) って こと は ―
この 家 に 入江 君 と 二人きり ?―
すっごく 緊張 する けど ―
でも これ は …
( 紀子 ) 裕樹 行く わ よ
はーい
( 琴子 ) 今度 こそ ―
入江 君 に 私 の 手 料理 を 食べて もらえる ―
チャーンス !
最高の 夏 休み の 思い出 ―
作っ ちゃう もん ね ー だ
ん ?―
ビフテック ・ アン …
ボワ ? ん ? ブフ ? ブルジョハーズ ブルジョワーズ
フフフ これ だ
( せき込み )
何 だ ? これ
( 直樹 の せき込み )
入江 君 …
う うっ
それ は ?
ビフテック ・ アン ・ ブルジョワーズ
ああ …
エヘヘ … エヘヘ …
ああ ああ …
ねえ レシピ 見 なくて いい の ?
さっき 見た だ ろ
1 回 見れば 覚え られる から
おお …
ん ~ いい 匂い
( 裕樹 ) それ で おばあ ちゃん は ?―
行か なくて いい の ?
これ に は いろいろ と 理由 が ある の よ 裕樹
あの 2人 って なかなか 奥手 でしょう ?
この 辺り で ちょっと 意識 さ せ 合い たくて ね
で パパ たち が 旅行 に 行く の を きっかけ に ―
邪魔者 は 消えよう と 思って
( 裕樹 ) じゃあ おばあ ちゃん が けが した って いう の は ?
もちろん うそ よ 電話 は ただ の セールス
ママ 迫真 の 演技 だった でしょ ?
何 だって ?
帰る
あら じゃ これ は いら ない の ?
ウフフ
わっ すごい
レシピ の 写真 と 全く 一緒
いただきます
いただきます
ん ~ おいひい
( 琴子 ) 私 の 手 料理 じゃなくて ―
入江 君 の 手 料理 に なっ ちゃった けど ―
入江 君 と 二人っきり で すてき な 食事 ―
私 たち まるで ―
新婚 さん みたい
ごめん ね 入江 君 に 作って もらっ ちゃって
じゃあ 琴子 に は とびきり 甘い デザート を もらおう か な
♪~
( 直樹 ) おい
食器 ぐらい お前 が 洗え よ
後 キッチン も 元通り に しとけ よ
うん 分かった
あっ 入江 君 これ から 宿題 ?
よかったら 一緒に やら ない ?
宿題 ?
そんな の 夏 休み の 初日 に 全部 やった よ
えっ ? 初日 ?
すごっ …
まさか まだ やって ない と か ?
アハハ … その まさか の まさか な んだ よ ねえ
あんた なら どう あがいて も 徹夜 で 1 週間 は かかる よ
えっ
まあ 頑張り な よ
やばい もう 10 時 だ よ
キッチン 片づけたら 遅く なっ ちゃった よ
はぁ やる か
分から ない
英語 に しよ 英語 なら 分かる さ
結局 最後 まで 勉強 に 追わ れる 夏 休み か
ふう …
古典 と 世界 史 と 英語 は なんとか 書きなぐった けど さ
数学 と 物理 は もう 無理 ! 限界
ふう …
( 琴子 ) 神様 仏様 ごめんなさい
( 琴子 ) 私 ―
追い詰め られた 犯人 の ような 気分 な んです
♪~
回答 を ちょっぴり ―
見 させて もらい まーす
はあっ
セーフ
入江 君 の ノート ノート …
あった ー
数学 と 物理
お 借り しまーす
はあっ
何 して んだ よ
夜中 に ひと の 部屋 で ごそごそ と
何でもない の 何でも
じゃあ おやすみ
そう は いか ない よ
ああ …
あっ あの …
これ は … えっと …
フフ あの …
分かって る よ
夜ばい し に 来た んだ ろ ?
えっ ―
ちょっ … 違う 何 言って ん の !
( 直樹 ) 何 が 違う の ?
こんな 夜中 に 男 の 部屋 に 忍び込んで くる の は ―
それ 以外 ない だろ ?
安心 し な よ
恥 かかせ ない から
は … 恥 って …
あっ それ って そ … そういう こと ?
家 に は 俺 たち 以外 誰も い ない し ね
あっそ … そんな …
あいつ だって 言って た だろ
“ 天才 だって いつ ケダモノ に なる か 分から ない ” って
あーっ 待って !
私 …
入江 君 の こと は 好き だ けど
私 たち まだ 早い と 思う の
まずは 健全 な おつきあい から
ハッハッハッ …
“ 健全 な おつきあい ” だって
そっか
お前 まだ 俺 の こと 好き な んだ
からかった の ?
安心 しろ よ
健全 も 何も おつきあい する つもり ない から
みんな に 言って やる ―
入江 君 に 襲わ れた って
学校 中 に 言い触らして やる
( 直樹 ) 言えば ?
ん ?
( 直樹 ) こんだけ うわさ されて る んだ から ―