イタズラ な Kiss 〜Love in TOKYO#6 (1)
( 石川 理美 ( いしかわ さとみ )) 卒業 式 の 日 に キス した カップル は 永遠に 結ばれる って いう
( 小森 ( こもり ) じんこ ) あれ 見て !
( 歓声 )
( 相原 琴子 ( あいはら ことこ )) キス !?―
ファースト ・ キス ―
私 3 年間 で この 1 年 が いちばん 楽しかった な ー
( 入江 直樹 ( いりえ なおき )) 俺 は 18 年間 で この 1 年 が いちばん つらかった
( 琴子 ) 私 も 金 ( きん ) ちゃん も 勉強 は 得意 な 方 じゃない けど ―
何か 別 な 得意 な こと を ―
見つけたら いい ん じゃない かな って 思う の
( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) もし 俺 が それ 見つけて 一人前 なったら ―
琴子 は 俺 の こと 好き に なって くれる ん か ?―
あいつ も ようやく ―
誰 が 一番 自分 を 大事 に して くれる か って こと に
気い付いた ん やろ
金 ちゃん お待たせ !
( 渡辺 ( わなたべ )) 入江 と 琴子 ちゃん は 一緒に いる 運命 なん だって
ふざけんな よ
この 冷血 男 !
その 冷血 男 が 好き な んだ ろ ?
( 生徒 たち の 歓声 )
( 琴子 ) 私 入江 君 と キス した んだ よ ね ?
( 笑い声 )
お前 ちょっと 来い
( 生徒 たち の 歓声 )
何 よ !
私 …
入江 君 好き な の もう やめる
ふーん
忘れ ちゃう んだ 俺 の こと
じゃあ 忘れて みろ よ
♪~
( ドア が 開く 音 )
ごめん
あの 日 以来 何か てれくさく って
素直 に なれ なかった んだ
♪~
はっ !
夢 か …
はぁ …
( 琴子 ) あの 日 以来 毎朝 こんな 夢 で 目覚めて しまう ―
だけど 2 度目 の キス どころ か ―
私 と 入江 君 の 関係 は 何も 進展 し ない まま ―
短い 春 休み が 終わって しまい …
ふん !
♪~
( 琴子 ) 私 も 入江 君 も ―
今日 から 大学生
( 直樹 ) おい
( 琴子 ) はい
どこ まで ついてく んだ ?
お前 理工 学部 行く つもり か よ
おっ そうだ 私 文学部 だ
じゃあ ね
それ で 結局 こう やって
理工 学部 まで 入江 の こと のぞき見 し に 来る わけ ?
琴子 高校 時代 から 何も 進歩 して ない ね
安定 の 琴子 クオリティー か …
しかし 理工 学部 って 男 ばっかり だ ね
これ なら 入江 に 悪い虫 も 付か な そう
琴子 も 安心
琴子 あの 子 見て !
♪~
あっ !
だ だ だ … 誰 ? あの 美女
すげえ 男 だらけ の キャンパス で
彼女 の 周り だけ 輝いて 見える
( 松本 裕子 ( まつもと ゆうこ )) 入江 君
(3 人 ) あっ
( 理美 ・ じんこ ) 入江 直樹 !
シャーッ !
選択 科目 何 に する か 決めた ?
いや まだ 決めて ない
( 松本 ) ふーん 何 に しよっ かなあ ?
( 琴子 ) おっと !―
ちょ … ちょっと じんこ ! 理美 !―
ふん ! はっ !
ウフフ フフ ハハハ …
何か用 ?
えっと えっと … 理工 学部 の 机 って
どんな の かな って 思って
駄目 だ こりゃ
うん
この 人 入江 君 の 彼女 ?
まさか
フッ …
( 琴子 )“ まさか ” って ―
キス まで した のに “ まさか ” な の ?―
私 の 大学 生活 一体 どう なっ ちゃう の ?
♪~
( 理美 ・ じんこ ) キス した !?
ちょ … ちょっと 2 人 と も 声 が 大きい って ば
これ が 大きな 声 を 出さ ず に い られる か って いう の
あの 入江 が … キス !?
でも さっき の 態度 ―
とても そう に は 見え なかった けど
え へっ … そう な の
フッ ざまあ見ろ
はぁ
私 も 入江 君 の 気持ち 全然 分かんない んだ よ ね
そんな 弱気 で どう す ん の よ
だって 琴子 は 大切 な ファースト ・ キス を
入江 に ささげた ん でしょ
そう だ よ ここ は 強気 で いか ない と
だって 私 たち 大学 1 年生 な んだ よ
しかも 今 は 春 出会い の 季節
うかうか して る と 入江 あの 美女 に 取られ ちゃう よ
( 相原 重雄 ( しげお )) いらっしゃいませ
( 入江 重樹 ( しげき )) アイ ちゃ~ん
( 入江 重樹 ( しげき )) アイ ちゃ~ん
( 重雄 ) アハハハ
( 重雄 ) アハハハ
( 重雄 ) アハハハ
お 言葉 に 甘えて 来て し もうた よ
いや 今日 は ね 直樹 君 と 琴子 の 入学 祝い だ から
さあ 奥 の 席 へ
( 重樹 ) ああ ありがとう よし お邪魔 しよう
( 重雄 ) いらっしゃい
( 重雄 ) いらっしゃい
( 入江 紀子 ( のりこ )) ああ 楽しみ ね ―
( 入江 紀子 ( のりこ )) ああ 楽しみ ね ―
( 入江 紀子 ( のりこ )) ああ 楽しみ ね ―
( 小田原 ( おだわら )) こちら の 奥 の 方 へ
( 小田原 ( おだわら )) こちら の 奥 の 方 へ
はい
センス の いい すてき な お 店 ね
( 重樹 ) でしょ ~ アイ ちゃん に 聞いた んだ けど ね ―
この 紙 も ね 最高 級 の 和紙 を 使って ん だって よ
( 紀子 ) あら ほんと ?
( 紀子 ) あら ほんと ?
( 重樹 ) うん 汚せない よ
( 重樹 ) うん 汚せない よ
( 紀子 と 重樹 の 笑い声 )
( 重樹 ) この お 箸 も これ も 最高 級 の 箸 だ から ―
( 重樹 ) この お 箸 も これ も 最高 級 の 箸 だ から ―
( 紀子 ) まあ
( 紀子 ) まあ
( 紀子 ) まあ
まあ 汚せない よ
まあ 汚せない よ
( 紀子 たち の 笑い声 )
( 入江 裕樹 ( ゆうき )) 食べれない よ
( 紀子 ) フフフ そんな …
( 裕樹 たち の 笑い声 )
( 店員 ) いらっしゃいませ
金 ちゃん !?
あら やだ あなた 雰囲気 違う じゃない
全然 分かん なかった わ
こっち の 方 が すてき よ
いや 奥さん ありがとう ございます
でも 何で 金 ちゃん が “ あい 原 ” に ?
ああ … わし 板前 目指して
この 店 で 修行 させて もらう こと に なった んです
そっか 金 ちゃん 前 から お 料理 上手 だ もん ね
プロ から 見れば わし の 料理 なんか 全然 や けど な
そや けど 頑張って 琴子 の おやっさん 超えて
日本一 の 料理 人 に なった る ―
お前 に は 絶対 負け へん
ヘヘッ 一人前 の 職人 なって
ぎょうさん 稼いで 琴子 さらい に 行く から ―
覚悟 しとけ よ !
( 琴子 ) エヘヘ
( 小田原 ) 金之助 ! いつまで 油 売って んだ
はい すいません 今 すぐ
琴子 これ 頼む な
琴子 これ 頼む な
( 琴子 ) うん
琴子 これ 頼む な
ああ ~ こんな 段差 が あっちゃ お 客 さん に 出せ ない よ
すいません
すいません
ちょっと 貸して みろ ほら
ちょっと 貸して みろ ほら
1 個 1 個 丁寧に
はい
はい
な ?
( 小田原 ) スーッと
はい
ありがとう ございました
ありがとう ございました
( 紀子 ) おいしかった です
( 紀子 ) おいしかった です
金 ちゃん
( 金之助 ) おお
自分 の やる べき 道 見つけた んだ ね
すごい ね 頑張って ね
おう 琴子 も 大学 頑張り や
( 琴子 ) フフ 頑張る フフッ ―
じんこ も ね 理美 も ね …
♪~
あっ
包丁 の 刃 で 押し出す ように な
はい
全然 厚い よ まだ
はい
んっ
フン フン フン …
( 直樹 ) 風呂 どうぞ
あの 入江 君
何 ?
あのう 今日 の 理工 学部 の 女 の 人 って …
ああ 松本 裕子 ?
えっ もう フルネーム で 覚えた の ?
1 回 聞いたら 忘れ ない から
おお … アハハ
あのう もしかして その 松本 さん て 入江 君 の こと …
あれ ? やきもち 焼いて る の ?
アハハ そんな こと
そう だ よ な 確かに 松本 って 美人 だ よ な ―
スタイル も いい し
それ に 頭 も いい
あいつ 全国 模試 で 5 位 に なった こと ある んだ って
えっ 何で そんな 人 が うち の 大学 に ?
さあ ね 他 に 目的 で も ある ん じゃない ?
あれ ? お前 俺 の こと 忘れる ん じゃなかった っけ ?―
ああ そう そう 俺 たち キス まで した 仲 だ っけ ?
忘れ られ なく なった ? 俺 の こと
( 琴子 ) も … もしかして 2 度目 ?
フッ …
ん ?
( 琴子 ) 私 から かわれてる んだ ―
入江 君 は キス した こと なんて 何とも 思って ない んだ
悔しい !
( じんこ ) あいつ 松本 裕子 って いう の か
美人 の 上 に 頭 も いい なんて
まるで “ 女 版 入江 ” って 感じ だ ね
まあ 入江 に お 似合い って いっ ちゃ お 似合い だ よ ね
ちょっと 不吉 な こと 言わ ないで よ
でも ちゃんと 現実 見つめ ない と
あの 女 どう 見て も 入江 狙い じゃん
琴子 あんた 今 大 ピンチ な んだ よ
( 琴子 の 泣き声 )
( 理美 ) 食って 元気 出せ よ
( じんこ ) 何 食べよ っかな ?
琴子 琴子 ?
( 琴子 ) は ?
まだ 注文 して なかった の ?
ああ ボーッと して た ごめん
何 やって る の ? 先 に 行っ とく から ね
うん
えーっと A ランチ が ハンバーグ
B ランチ が エビ フライ か えーっと …
( 直樹 ) 声 に 出さ ない と 考え られ ない の か よ
俺 A ランチ
えっと 私 は …
F ランチ は ない ぞ
私 も A ランチ
( 調理 員 ) A ランチ 2 つ
何 だ ? この 差 は
( 調理 員 ) 何 や お客さん 文句 あり まん の か ?―
わし の 公平 な 盛りつけ に ケチ つける と は
ええ 度胸 や ない か
金 ちゃん !?
シャーッ
( 琴子 ) 何 して る の ?
自分 の 道 を 見つけた ん じゃなかった の ?
お 父さん の 店 で 働く んでしょ ?
そやで 夜 は 琴子 の お やっ さん の 店 で
そんで 昼 は この 学食 で 働く ん や
学生 相手 の リーズナブル な 味 と
一流 の 料亭 の 味 を 同時に マスター する ん や
すごい やろ
それ に そこ に おる 魔 の 手 から 琴子 を 助け な あかん から な
どう や 天才 君 驚いて 声 も 出 まい
ああ 感心 する ね
男 が 女 に 合わせて よく 人生 決め られる よ な
いや ~ でき ない でき ない
何 や と ?
後 は お 二人 で ごゆっくり
ハハハハ
金 ちゃん 様 の 愛 の 力 を 前 に ビビった か
なあ 琴子 あっ …
はぁ
( じんこ ) でも ある 意味 金 ちゃん は 正しい よ
人 って さ そば に いる 異性 の こと が
気 に なって しまう もん だ もん
♪~
( じんこ ) 琴子 も 金 ちゃん 見習わ ない と ね
だ ね 同じ 大学 と は いって も 入江 は 理工 学部
琴子 は 文学部
キャンパス も 違う し
高校 時代 と 同じ って わけにはいかない よ
同じ 理工 学部 の 松本 裕子 の 方 が はるかに 有利
しかも スタイル 抜群 の 美女 だ し ね
そんな …
( 須藤 ( すどう )) おお ! いた いた いた 入江 ~
( 直樹 ) 須藤 さん お疲れさま です
お疲れ
誰 あの おじさん ?
知ら ない
ん ? 先輩 ?
いや 教授 かな ?
俺 が ここ に 来た 理由 は 分かって んだろう な ?
ぜひ … ううん 何なら ぜ し
我が うん クラブ へ
俺 クラブ に 入る 気 は ない んで
うーん ! そういう こと 言う な よ
俺 と お前 は 小学校 から の つきあい じゃない か
放課後 待って る から な
な ? うん
うん フフフフ …
アディオース ! ハハハハハ
琴子 チャンス 到来 だ よ
入江 と 同じ クラブ に 入り な よ
そしたら 学部 が 違って も
入江 と ずっと 一緒に いる こと が できる
入江 と ずっと 一緒に いる こと が できる
うーん !
うーん !
うーん !
そう だ よ ! 松本 裕子 を 蹴散らす チャンス だ よ
そう だ よ ! 松本 裕子 を 蹴散らす チャンス だ よ
そっか ! フフッ そうしよう
( じんこ ) アハハ
あ むっ ! あっ エビフライ もらい
( じんこ ) あいよ
( 琴子 ) うん うまい うまい うまい ―
うまーい !
入江 君 クラブ 入る の ?
何の クラブ に 入る の かな ?
お前 に は 教え ない
何で よ
だって お前 一緒に 入って き そう だ もん な
そっ そんな こと …
はぁ 見透か された わ ね
さすが 天才
でも 諦め ない もん よし !
( じんこ ・ 理美 ) よし !
♪~
( 琴子 ) あの ひげ の おじさん ―
“ 今日 の 放課後 待って る ” って 言って た もん ね ―
だったら 尾行 すれば どの クラブ か 分かる はず
♪~
( 琴子 ) しかし いろんな クラブ が ある の ね ―
入江 君 一体 何 部 に 入る つもり なん だろう ?
あっ
ん ?
あそこ か !
入部 希望 です !
はぁ … アニメ 研究 会 ?
ウフフ あのう 入江 君 は ?
( 部員 ) 入江 ?
( 部員 ) それ 誰 ?
( 部員 ) 今 入って きて すぐ 出てった 男 の 人 じゃない ?
お ?
あーっ !
ああ ー うっ あっ …
アハハハ おおっ
失礼 しまーす ウフフ
♪~
おおっ !―
ああ はぁ …
おおっ
あっ !
( 松本 ) 遅い じゃない !
一緒に 行こう って 言った でしょ
別に あんた が 勝手に 言って た だけ だろ
あら
でも どうせ 同じ クラブ に 入る んだ から いい じゃない ?
“ 同じ クラブ ”!?
入り ましょう
よし !
すいません 私 も 入部 希望 です !
( 部長 ) えーと 君 は 誰 だ っけ ? 紹介 は ?
アハハ あの う 紹介 と か は ない んです けど
どうしても この 部 に …
ウフッ テニス 部 に 入り たい んです !
ああ 斗南 ( となん ) 大学 に 入ったら