イタズラ な Kiss 〜Love in TOKYO#6 (2)
この 部 に 絶対 入ろう って 憧れて た んです
よろしくお願いします
( 部長 ) うーん …
( 須藤 ) いい じゃない です か 部長 !
熱意 が ある 人 は 大歓迎 です よ ―
君 名前 は ?
相原 琴子 です
相原 琴子 です
うーん 琴子 ちゃん ! 入って 入って
うーん 琴子 ちゃん ! 入って 入って
僕 は 新人 担当 の 須藤 です
今 から ね ちょうど 新入生 の 歓迎 会 を する ところ な んだ ―
どうぞ どうぞ うん
( 部長 ) うん お前 こっち 来い
( 部長 ) うん お前 こっち 来い
ああ
( 部長 ) じゃあ そろそろ 説明 し ます か ね ―
分かんない こと あったら ね 全部 須藤 君 まで …
( 須藤 ) あっ 携帯 番号 以外 は 教え ます 0120…
( 紀子 ) どう ?
おおー すごい これ 私 に です か ?
琴子 ちゃん が テニス を やる なんて うれしい じゃない
私 も 若いころ は 結構 上手 な プレーヤー だった の よ
そう だった んです か ?
そう よ 最初 に お 兄ちゃん に テニス を 教えた の は ―
私 な んです から ウフッ
ねえ お 兄ちゃん お 兄ちゃん ほら ―
琴子 ちゃん の ウエア かわいい でしょう ―
ねえ どう ? ウフフフ
エヘヘヘ …
格好 から 入ら ない 方 が いい と 思う よ
ふ ふーん 順調 じゃない フフ
ふ ふーん 順調 じゃない フフ
おおっ ? え ?
おおっ ? え ?
だって お 兄ちゃん と 琴子 ちゃん が 同じ クラブ に 入る なんて
2 人 は ラブ ラブ って ところ ?
いや 全然 です よ
入江 君 モテる し
え ?
はぁ …
おば 様
入江 君 って やっぱり
美人 で 頭 が いい 人 が 好み な んです か ?
まさか お 兄ちゃん に そんな 女 が ?
まあ お 兄ちゃん って 案外 モテる の ね
あんな 無愛想 な のに
あっ 大丈夫 よ 琴子 ちゃん
とにかく いつも 理工 学部 に 通って
アタック ある の み !
どんな 女 が 相手 だろう と
お 兄ちゃん に は 琴子 ちゃん が 一番 ウフフ
ハハ … そんな
私 は 2 人 と 一緒に 暮らして きて
ずーっと 見て た んだ から 分かる の
ねっ 頑張って !
うん そう そう そう
はい これ ラケット 持って
はい これ ラケット 持って
おっ
おっ
おっ
そう よ ポーズ とって
そう よ ポーズ とって
わあ 似合う わ ―
やって そう はい レシーブ !―
そう そう じゃあ 今度 ボレー !
フフ
イヒヒヒ
よし この 勢い で 恋 も ゲット
チュッ
ウフフ いい わ 琴子 ウ~ン
( 松本 ) 何 して る の ?
( 琴子 ) はっ !
ふん !
サーブ
そう 琴子 ナイス
シャッ シューッ
フッ … フフ … ハハ …
( 部長 ) えー では 新入生 の 皆さん ―
今日 は 初日 と いう こと で 軽い テスト を し ます ―
皆さん の 実力 を 見せて もらう 程度 です が ―
頑張って ください
( 部員 一同 ) はい
( 琴子 ) 何 ? テスト なんて 聞いて ない
( 部長 ) 皆さん の 相手 は 新人 担当 3 年 の 須藤 が し ます
須藤 です よろしく お願いしまーす
( 部員 一同 ) よろしく お願いします
はぁ 須藤 さん なら 安心 だ
まだまだ 分かって ない な
ん ? 何 が ?
( グリップ が きしむ 音 )
何か 須藤 さん 変わった
じゃあ ワダ から
( ワダ ) え えっ 俺 から ?
( 須藤 ) アイウエオ 順 だ と 思って 油断 して た の か
この アマチン が !
俺 は 意表 を 突く 男 な の さ
ワダ コート へ 来い
( 須藤 ) うりゃー !
何 ボサッと して る んだ ! こらーっ !
( 須藤 ) 体 で 来い よ ! もっと !―
( 須藤 ) 体 で 来い よ ! もっと !―
〝 鬼 の 須藤 〞 って いう んだ ぜ
( 須藤 ) 体 で 来い よ ! もっと !―
次 ! ヤノ 入れ !
( ヤノ ) はい
( 須藤 ) おら あ !
( 須藤 ) 走れ !
( 須藤 ) 走れ !
須藤 さん ラケット 握った とたん
須藤 さん ラケット 握った とたん
人格 が 変わる って
小学生 の ころ から 有名な んだ よ
普段 は あんな ん だ けど
( 須藤 ) 次 ! テラモト 入れ
( テラモト ) は … はい
ううーっ …
( 須藤 ) うっ !
おらっ
あっ
お ー 松本 さん すごい
だって あいつ 高校 時代 女子 シングルス で ベスト 4 だ もん
( 直樹 ) あいつ 勉強 の 成績 も 優秀だ から ―
行こう 思えば どの 大学 に だって 行けた んだ
斗南 の テニス 部 は 名門 だ から な
何で 入江 君 が そんな こと 知って ん の ?
相談 受けた んだ よ 大学 進学 の とき に
何せ 全国 大会 で 高 1 の とき から 一緒 だ から な
( 須藤 ) えーい !
( 琴子 ) 私 は 高校 1 年生 の とき は ―
入江 君 と 知り合い じゃなかった ―
ただ 見て た だけ ―
って こと は … 松本 さん の 方 が 入江 君 歴 長い じゃない !
負け ちゃい そう
( 部長 ) おお 松本 さすが だ 大した もん だ
ありがとう ございます
次 !
入江 直樹
入れ
はい
ついに この 日 が 来た な
そう です ね お手柔らかに
お前 に 手 を 柔らか に する わけない だろ
( 須藤 ) ダーッ !
( 部員 一同 ) おお ー !
おお 入江 君 すごーい
( 部長 ) はーい そこ まで 入江 コート から 出て
( 須藤 ) 待て 入江 ! もう 1 回 だ !
( 部長 ) 須藤 今日 は テスト だ から
やだ もう 1 回 だ !
( 男子 部員 ) すごい な 入江 直樹 うわさ どおり だ
( 男子 部員 ) いや でも 見ろ よ 須藤 さん の 顔
( 男子 部員 ) ああ … 怒らし ちゃった
次 の 子 が 災難 だ な
ぐっ …
次 ! 相原 琴子 入れ !
はーい ! う う う … ああ …
( 須藤 ) ノコノコ 歩く な !
はーい !
あのう !
私 テニス 初めて な んです けど
じゃかあしい ! いく ぞ !
はーい !
( 須藤 ) おんどりゃー !
ギャーッ !―
おお ! う うっ …―
キャーッ ! うわっ !
キャーッ ! うわっ !
何 な の ? あの 子
何 な の ? あの 子
( 須藤 ) お … おい 逃げる な ! ラケット を 持て !
目 を 開けろ ! いく ぞ !
( 琴子 ) は はい !―
おお う うっ おお …
( 須藤 ) うりゃー !
( 琴子 ) おおーっ !
おっ !
( 男子 部員 ) 大変 だ 相原 が 気絶 して る ぞ
はぁ …
( 琴子 ) おっ おお …
おお 痛 た た た …
おお 痛 た た た …
はい
おお 痛 た た た …
大丈夫 ? 琴子 ちゃん
ハハ …
相変わらず 琴子 は ダセえ よ な
( 紀子 ) 裕樹 !
琴子 ちゃん あした の 練習 休んだら ?
いや うち の クラブ 新入生 の 欠席 厳禁 な んです よ
大丈夫 すぐ 慣れ ます から
( 紀子 ) 女の子 な んだ から 無理 し ちゃ 駄目 よ
( 紀子 ) 女の子 な んだ から 無理 し ちゃ 駄目 よ
はぁ …
( 紀子 ) 女の子 な んだ から 無理 し ちゃ 駄目 よ
( 琴子 ) はい
( 紀子 ) 他 に けが して る とこ ない ?
( 琴子 ) あー 多分 もう 大丈夫 だ と …―
ああ 後 筋肉 痛 で
( 琴子 と 紀子 の 笑い声 )
( ため息 )
大将 これ は どう し ましょう か ?
ああ 洗って 皮 むい と いて くれ
はい
あっ なあ 金之助
はい
お前 大学 で 昼間 バイト して んだ ろ ?
はい
どう だい ? 大学 で の 琴子 の 様子 は
ああ … 高校 時代 と 変わら ん と 思い ます けど
いや 変わら ん て こと は ない だろ あいつ も いい 年頃 な んだ し
そのう … そのう …
か … ああ ボーイフレンド と か
そんな もん 悪い虫 が つか へん よう に
わし が 見 張っ とり ます
いや … 直樹 君 は ?
ハハハ …
大将 大丈夫 でっせ
あの 男 の 魔 の 手 から は わし が 必ず 守り ます
それ に 大学 に なって 何か 校舎 も ちゃう みたい で
高校 時代 より も ずーっと
2 人 の 距離 も 遠く なって る 気 し ます わ
まあ 正義 は 勝つっ ちゅう こと です な
フフッ …
なあ 金之助 … 君
はい
ちょっと 伝言 頼ま れて くれ ない か ?
( 琴子 ) 痛っ …
( 理美 ) 琴子 顔 大丈夫 ? おい
痛い よ !
( 理美 ) ハハハハ
聞いた よ 斗南 の テニス 部 って 超 体育会系 な ん でしょ ?
あまり の 厳し さ に 新入 部員 ほとんど 辞め ちゃう から
毎年 残る の 2~3 人 だって
えっ … 琴子 ほんとに 続け られる の ?
入江 君 の そば に いる ため だ もん 頑張る !
( 金之助 ) やめて まえ
はい はい はい はい よいしょ
はい はい はい はい よいしょ
金 ちゃん
はい はい はい はい よいしょ
( 琴子 ) おお ~
( 金之助 ) フフフ
( じんこ ) 金 ちゃん 琴子 だけ ずるい !
何 や うるさい な ケツプリ ホイホイ !
フフフ …
“ 金 ちゃん スペシャル ” や
う~ん
なあ 琴子
ん ?
テニス なんか やめて まえ
琴子 の かわいい 顔 傷つけて まで
そんな もん やる こと あら へん
せっかく 入った んだ から 頑張り たい の
“ 途中 で 何か を 投げ出す の は よく ない ” って
お 父さん に 教え られて きた し
琴子 …
な … 何て けなげ な
ヘヘヘ
( 金之助 の 泣き声 )
あ そうそう
そう いえば おやっさん から 伝言 預かって る で
“ 今夜 あい 原 に 来て くれ ” って
何で ?
何で やろ ?
“ 折り入って 話し たい こと が ある ” って 言う とった けど
ふーん
まあ 食い や うん
うん
うん
( 金之助 ) うん
いただきまーす
お前 ら どさくさ に 紛れて 食い 過ぎ や !
( 理美 ・ じんこ ) てへっ !
( 理美 ・ じんこ ) てへっ !
いや 〝 てへっ 〞 や あら へん
いや 〝 てへっ 〞 や あら へん
( 理美 ) あーん
( 理美 ) あーん
しかも 〝 LOVE 〞
しかも 〝 LOVE 〞
うまっ ! うまっ !
うまっ ! うまっ !
しかも 俺 の 〝 LOVE 〞…
しかも 俺 の 〝 LOVE 〞…
( 須藤 ) こら 何 して る !
ボサボサ する な !
( 部員 一同 ) はい
もっと 腰 を 落とせ !
( 部員 一同 ) はい …
( 須藤 ) ほんとに お前 ら は 気合い が 足 ん ねえ な ―
そんな やつ この テニス 部 に は いり ません !―
辞め ちまえ !―
えっ 辞め たい ん か ?
( 部員 たち ) 辞め ません …
( 須藤 ) だろ ?―
川 は 流れて ます 森 は 生きて ます ―
僕ら は みんな …
( 部員 一同 ) 生きて ます …
( 須藤 ) そう だろ ?―
よし 休憩 はい 休憩 終わり
( 男子 部員 ) うそ …
( 男子 部員 ) うそ …
( 須藤 ) いい か ? お前 ら に 休む 暇 など ない !―
( 須藤 ) いい か ? お前 ら に 休む 暇 など ない !―
次 腹筋 100 回 !
( 部員 一同 ) はい …
( 須藤 ) 返事 !
( 部員 一同 ) はい !
( 須藤 ) はい 1!―
はい 下がって ない 1!
( 琴子 ) これ が テニス 部 ? 基礎 練習 ばかり じゃない ―
それ に 一緒に 入った はず の 入江 君 も 松本 裕子 も い ない し ―
一体 どう なって ん の ?
一体 どう なって ん の ?
痛い !
いて っと
おっと 痛っ …
おっと 痛っ …
( 松本 ) あら ごめんなさい 琴子 さん
( 松本 ) あら ごめんなさい 琴子 さん
投げて くださる ?
ちょ … ちょっと ―
よっこいしょ っと おおっ
ちょっと あんた よっこいしょ
新入生 な のに 何で コート 入って 球 打って ん の ?
基礎 練習 は ?
( 松本 ) あら 知ら なかった の ?
斗南 の テニス 部 は 実力 第一
だから 昨日 の テスト に 合格 すれば
新入生 だって 優先 的 に コート で 練習 させて もらえる の よ
えっ そう な の ?
じゃあ もしかして 入江 君 も ?
入江 君 は 更に 特別 な の
“ 気 が 向いた とき と 試合 だけ に は 出る ” と いう ―
条件 付き で 入部 した の よ
うそ … じゃあ 練習 に は 来 ない って こと ?
( 琴子 ) じゃあ 私 は 何 の ために テニス 部 に ?
あっ 聞いた わ よ
あなた って 彼 と 同じ 家 に 住んで る んです って ね
でも 彼 の こと 何にも 知ら ない の ね
まあ その 程度 の 仲 って こと かしら
( 須藤 ) 相原 ! 何 を サボって る !
お前 は 罰 と して グラウンド 100 周 だ !
( 男性 客 ) ごちそうさま でした
( 重雄 ・ 小田原 ) ありがとう ございました
( 金之助 ) おう 琴子 よう 来た な
( 小田原 ) おう 金之助 ―
いつ 持ち場 を 離れて いい って 言った ?
洗い もん たまって んだ ろ
すいません 兄貴
ほな また 学校 で うん
おおっ …
どうした ? 琴子
あ … ちょっと 筋肉痛 で
えっ ?
( 琴子 ) それ より 話 って なあ に ? お父さん
ああ
ちょっと 個室 借りる ぞ
( 小田原 ) はい
う おっ …
大丈夫 か ?
大丈夫 か ?
( 琴子 ) おおう …―
( 琴子 ) おおう …―
痛 て て …―
お おっと
( 琴子 ) おおー ! おいし そう
いただきまーす
うん !
うん うん 運動 した 後 だ と 一段 と おいしい
お前 球技 苦手 だろ ?
うん
興味 なんか ない くせに 何で テニス なんか
それ は 直樹 君 の ため か ?
フフ 何 よ 急に 改まって
なあ 琴子
入江 家 に お 世話に なって そろそろ 1 年 に なる な
これ は いろいろ 考えた んだ が
やっぱり このまま 入江 家 の 好意 に 甘え っぱなし は
いかん と 思う んだ よ ―
うん それ は イリ ちゃん や 奥さん
お前 の こと を 随分 かわいがって くれて る し
正直 俺 も お前 と 直樹 君 が … ね
将来 もしかしたら …
なんて こと も 考えたり した んだ が
お父さん …
うん … だけど 長い 間 見て きた んだ が