イタズラ な Kiss 〜Love in TOKYO#7 (1)
( 石川 理美 ( いしかわ さとみ )) 琴子 ( ことこ ) あの 子 見て !
( 相原 ( あいはら ) 琴子 ) 誰 ? あの 美女 ?
( 理美 ) あの 女 ―
どう 見て も 入江 ( いりえ ) 狙い じゃん ―
琴子 今 大ピンチ な んだ よ
( 琴子 ) 金 ( きん ) ちゃん !?
( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) 夜 は 琴子 の おやっさん の 店 で
そんで 昼 は この 学食 で 働く ん や
そこ に おる 魔 の 手 から 琴子 を 助けな あかん から な
( 小森 ( こもり ) じんこ ) 入江 と 同じ クラブ に 入り な よ ―
そしたら 学部 が 違って も ―
入江 と ずっと 一緒に いる こと が できる
( 須藤 ( すどう )) うりゃ ー !
( 須藤 ( すどう )) うりゃ ー !
( 琴子 ) お~っ !
( 琴子 ) お~っ !
( 松本 裕子 ( まつもと ゆうこ )) あなた って 彼 と 同じ 家 に 住んで る んです って ね
でも 彼 の こと 何にも 知ら ない の ね
( 相原 重雄 ( しげお )) また 父さん と 一緒に
2 人 暮らし 戻ろう や
( 琴子 ) お 父さん ―
いい 物件 見つけた らしい んだ
( 入江 直樹 ( なおき )) うち 出て いく の ?
( 琴子 ) そう なったら …―
さみしい ?
やっと 元 の 生活 に 戻れる って 感じ だ ね
( 入江 紀子 ( のりこ )) 嫌 です よ !
琴子 ちゃん が 行っ ちゃう なんて
絶対 嫌 です
( 入江 重樹 ( しげき )) ママ 落ち着いて
( 紀子 ) だって あなた ~
ありがとう ございます 奥さん
でも もう 決めた こと なん で
アイ ちゃん …
気い遣わんで ええ ん よ
うち は ほんとに おって ほしい ん や け ん
生活 費 だって 毎月 入れて もらい よる し
その 言葉 に 甘えて 長居 して し もうた
うーん
こう すれば 琴子 も 直樹 君 の こと 諦めて くれる と 思い ます
そんな
お 兄ちゃん の こと は 私 が 何とか …
( 重雄 ) でも 奥さん
これ は やっぱり 当人 同士 の 問題 です から
私 は …
うち へ 来て くれる 女の子 なら 誰でも いい わけ じゃない んです よ
琴子 ちゃん の ―
あの 明る さ
あの 根性
あの かわいらしさ が …
大好き な んです よ
う うっ
そんなふうに 言って もらえて
琴子 は 本当に 幸せ もん です
すみません
( 紀子 の 泣き声 )
( 入江 裕樹 ( ゆうき )) お 兄ちゃん !
琴子 が 出て いく って
やった ー !
あいつ ったら お 兄ちゃん や 僕 に 迷惑 ばっかり かけて さ
これ で やっと “ 頭 悪い 菌 ” が まき散ら され なくて 済む ね
やった ー ! すごい うれしい
あの ばか 琴子 が だ よ !
♪~
( 紀子 ) じゃ~ん !―
どう かしら !―
女の子 が 欲しくて 欲しくて たまらなかった から ―
こういう の に 憧れて た の よ ね
( 琴子 ) 入江 家 に お 世話に なって 約 1 年 ―
私 と お 父さん は ついに ―
入江 家 を 離れる こと を 決意 した
バイバイ …
( 重樹 ) よっ !
( 重雄 ) 世話 に なった な
また ね 琴子 ちゃん
( 琴子 ) 実の 娘 の ように 優しく して くださった おじ 様
( 重樹 ) ママ ~
( 琴子 ) おば 様
パパ ~
( 琴子 ) そして ―
入江 君 と も 今日 で ついに お別れ
みんな もう 終わっ ちゃう …
( 重雄 ) 琴子 行く ぞ
( エンジン 音 )
う うっ
ああ …
さあ ここ だ
なーん つって
新しい 家 な ―
前 の 人 が まだ 出て いった ばっかり で
入居 まで に ちょっと 時間 が かかる んだ
だから ここ が それ まで の 仮住まい
だったら 入居 できる まで の 間 くらい
入江 家 に いて も よかった のに
それ じゃあ 琴子 が 吹っ切れ ん だろう ?―
長引かせた って 未練がましく なって ―
つらい 思い する だけ だ ―
こういう とき は スパーッと ―
さっさと やっ ちゃった 方 が いい んだ よ ―
まあ 1 週間 ちょい の こと だ ―
ふう ~
( 琴子 ) 入江 君 の いない 家 ―
今日 から 入江 君 の いない 生活 が 始まる
♪~
(2 人 ) 入江 家 を 出た !?
( 琴子 ) えっ … うん
とりあえず は 新しい 家 に ―
入居 できる まで の 仮住まい だ けど ね
マジ で ?
私 は 一生 居座る と 思って た わ よ
私 も !
でも 家出 たら 琴子 と 入江 の 絆
どんどん なくなっ ちゃう ね
じんこ お 口 チャック !
いい の もう なくなって ―
私 入江 君 の こと 諦めた の
(2 人 ) うっそ ー !?
( じんこ ) どんなに 冷たく されて も 諦め なかった のに ?
だから チャック !
もう 今 まで の 私 と は 違う の
入江 君 の こと 追っかけ ない
理工 学部 の キャンパス だって 行か ない もん
一体 何 が あった わけ ?
実は お 父さん に ね …
痛い とこ 突かれ ちゃって さ
( 重雄 ) 長い 間 見て きた んだ が
肝心 の 直樹 君 の 気持ち が お前 の 方 に さっぱり と も なる と
この 話 そう も いかん わ な
それ で 私 も 考え 直し ちゃって さ
(2 人 ) 琴子 …
だから 今日 から 入江 君 の こと は 忘れる
学生 生活 エンジョイ して それ で …
すてき な 彼氏 見つけて みせる !
( 金之助 ) よう 言う た
うわあ 何 これ ?
金 ちゃん 琴子 ばっかり ずるい !
そう だ よ
“ 金 ちゃん スペシャル ” や
琴子 は ―
生まれ変わった ん や ―
いわば 今日 は ―
琴子 の 新しい 誕生日 や
誕生日 …
( 金之助 ) おう
よーし !
“ ハッピ ~ バースデ ~ トゥー ユ ~” や
ハハ … ありがとう … 金 ちゃん
入江 の こと は わし が 忘れ させ たる さかい
元気 出し や
うん
ふう~っ
( 理美 たち の 拍手 と 歓声 )
( 重樹 ) こうして 裏返して …
ただいま
( 重樹 ) ついて る な このまま …
( 重樹 ) ついて る な このまま …
( 裕樹 ) いい 感じ だ ね
( 重樹 ・ 裕樹 ) 卵 に … ダーン !
そしたら それ を パン粉 に …
(2 人 ) ダーン !
あれ ? どうした の ?
おふくろ は ?
ああ
何 か ママ … 元気 なくて な ―
食欲 も ない し 何にも し たく ない から って ―
かなり 憔悴 ( しょうすい ) して る んだ よ
( 重樹 ) だ から しばらく の 間 我々 で 家事 を 分担 しよう と 思って
分担 ~!
( 重樹 ) あんな ママ の 姿 見る の は 久しぶり だ なあ ―
よし 作ろう 裕樹 な っ !
( 琴子 ) ただいま …
( 時計 の 秒針 の 音 )
♪~
( 紀子 ) おかえりなさ~い
今日 は 琴子 ちゃん の 大好き な ラザニア を 作った の よ !
あー !
ばか 琴子 が 帰って きた ~!
こらっ 裕樹 !
琴子 ちゃん 大学 は どう だい ?
乾杯 ~
( 紀子 ) さあ さあ お 食事 に し ましょう
座って 座って !
おかえり
だーめ !!
( 琴子 ) もう 決めた んだ から ―
入江 君 の こと は 忘れる って ―
入江 家 に は 戻ら ない って
( 飲み物 を 吸う 音 )
ねえ お 兄ちゃん
ママ どうした んだろう ?
まさか …
あの ばか 琴子 が い なく なった せい じゃない よ ね ?
裕樹
お前 自分 の 部屋 が ある だ ろ ?
せっかく 取り戻した んだ から こっち に 入り浸る な よ
そう な んだ けど
何か 癖 で さ
ついつい お 兄ちゃん の 部屋 に 入っ ちゃう んだ よ ね
お やすみ なさい
( じんこ ) って か さあ ―
入江 の こと 諦めた ん なら テニス 部 行く 必要 なくない ?
( 理美 ) はぁ ~
これ は ―
私 の 意地 です !
勝負 !!―
サービス エース !―
て いっ
( 須藤 )95~!
( 部員 たち )95~!
( 須藤 )96!
( 部員 たち )96~!
( 須藤 )97~
98! 99!
( 琴子 ) おおーっ !
ひいっ ! ぷーっ
100~!
100! ほっ !
( 部員 たち ) ハァ ハァ …
( 須藤 ) お前 ら …―
よく やった !―
バタバタ と 辞めて いく 部員 が 多い 中 で ―
厳しい 訓練 を 耐え 抜いた 君 たち は ―
俺 の 誇り だ ー !!
褒美 を やろう
今日 は ついに
お前たち を コート に 入れて やる
うそ !
ほんと です か !?
( 部員 たち の 歓声 )
やった ー ! あー !!
( 琴子 ) ファイト ファイトー !―
ファイト ファイトー !
ファイト ファイト …
う おっ !
ファイト ファイト
う おっと !
もう コート に 入れて やる って 球拾い じゃん か ~
う おっ !
( 琴子 ) う おっ
誰 ~?
懲り ず に 続いて る みたい じゃない
でも ―
私 だったら とても 我慢 でき ない わ
毎日 毎日 基礎 練習 に 球拾い
入江 君 も 来 ない と いう のに ね
別に ―
入江 君 の ため に やって る わけ じゃない から
あら そう
おっ !
( 部員 たち ) ファイト ファイトー !
( 琴子 ) もう …!―
何 だ よ 球拾い ―
う う …
ちょっと !
あなた ボール 踏んで る わ よ テニス マン として …
( 直樹 ) お前 ―
まだ 球拾い して る んだ
入江 君 ! 何で ここ に ?
俺 テニス 部 だ から
だって 練習 に は 出る こと ない って …
出たら 悪い の か よ ?
( 松本 ) 入江 君 こっち こっち ―
一緒に 練習 し ましょ
( ホイッスル )
( 部長 ) はーい サーブ 練習 終了 !―
次 ボレー アンド ストローク
( 部員 たち ) はーい ファイトー
駄目 !
入江 君 の こと なんか 忘れる って 決意 した のに
( 琴子 ) 何 よ こっち の 気 も 知ら ないで ―
私 は 何とか 忘れ よう と 頑張って る のに
( 須藤 ) お ~! 入江 ~!
珍しい じゃない か お前 が 練習 に 来る なんて
さては ~―
( 電気 が 走る 音 )
( 電気 が 走る 音 )
あっ
俺 と 勝負 し に 来た んだ な
そう だろ ー !
( 直樹 ) いい です けど ―
また 恥 かかせ ちゃ 悪い かな と 思って ―
どう し ます ? やめ ます か
そこ まで 余裕 が ある ん なら
こっち の 条件 全て の んで 勝負 して くれる ん だろう な ?
いい です よ
じゃあ この 試合 は ダブルス で 勝負 を する
俺 は 松本 裕子 と 組んで お前 は ―
相原 琴子 と 組む んだ
えっ ? 私 !?
( 直樹 ) 冗談 じゃない
( 男子 部員 ) うわあ ―
須藤 さん プライド も 何も ない
( 男子 部員 ) そこ まで して 入江 を 負かし たい の か
何 が 不満 な んだ ?
松本 も 1 年 の 女子 相原 も 1 年 の 女子
実に 公平な 組み合わせ じゃ ない か
どこ が 公平 な んだ
不公平 も いい ところ だ ―
あんな やつ と 組んで 勝てる やつ が いたら
世界 チャンピオン に だって なれる ぞ
入江 君 そこ まで 言う ?
だって 本当 の こと だ わ
( 須藤 ) どんな 条件 でも 受けて立つ って 言った の は
お前 な んだ ー !―
松本 相原 ! コート に 入れ
気の毒 と は 思う けど
試合 に は 手 を 抜か ない 主義 な の
あしからず
エヘヘ …
無理 だ よ ね
無理 無理 … ねえ 無理 無理 …
( 須藤 ) どう する ? 入江 ~
このまま 棄権 する か
勝負 を 目の前 に して 逃亡 する か ―
男 として 情けない ~!―
なあ ? 裕子 ~
( 直樹 ) いい か ?
お前 は ボール は 打た なくて いい から
へっ ?
ほんとに や ん の ?
しかたない だろ
ここ まで 来て 後 に 引ける か よ
とにかく お前 は 立って る だけ で いい から
絶対 に 俺 の 邪魔 だけ は する な よ
( 琴子 ) 俺 の 邪魔 だけ は する な …
( 風 の 音 )
( 琴子 ) 何か …―
高校 の とき から ずっと 入江 君 に ―
そう 言わ れて る ような 気 が する よ
サービング プレー
フッフッフッ …―
おらっ !
( 琴子 ) うっ … ハハッ …
( 部長 ) フィフティーン ラブ
おらっ !
おおっ !
うっ !
( 須藤 ) おらっ !
( 琴子 ) と おっ ! うわっ !
( 琴子 ) と おっ ! うわっ !
( 須藤 ) よっしゃ ー
( 須藤 ) よっしゃ ー
ああっ
お~っ !
ゲーム
( 琴子 ) 痛い … よっこいしょっ
あ …
( 琴子 ) 邪魔 し ない 邪魔 し ない 邪魔 し ない 邪魔 し ない …
( 須藤 ) 本気で 来い よ ~
うっ !
ほっ !
うわっ !
ほっ ほっ ほっ !
ハァ …
( 琴子 ) ひい ~
( 琴子 ) ほっ !
( 須藤 ) おらっ !
( 琴子 ) あっ ちょっ うっ
あっ う う …
( 直樹 ) ハァ … ハァ …
痛いっ …
ハァ … ハァ …
おらっ !
( 須藤 ) これ でも 食らえ ー !!
( 直樹 ) どけっ ! 俺 が 打つ
おっ ?
あれ ?
( 部長 ) ゲーム セット ―
ウォン バイ 須藤 松本
ゲーム カウント
シックス トゥー ツー
( 須藤 ) ガハハ よっしゃ ~!
いや ~ 残念 残念
惜しかった ね ~ 入江 ハハハ
しかし あれ だ ね
君 たち は なかなか いい コンビ だ ね
どう だい ?
来週 辺り また この 組み合わせ で 試合 でも する か ?
いい です よ
えっ ?
本気 か ? 入江
やめ とき ます か ?
また 須藤 さん に 恥 かかせ ちゃう かな ?
いい だろう ! よし !
じゃあ 来週 同じ 時間 に 再試合 だ
いい な ? 松本 !
相原 ~!!
はい はい …
へっ ?
うっそ でしょ ~!
(2 人 ) えっ !
入江 と ダブルス 組む こと に なった !?
うん …
しかも 一緒に テニス の 練習 なんて
えっ 琴子 大丈夫 ?
あんた せっかく 入江 の こと 忘れる って 決めた のに
毎日 練習 で 顔 突き合わせて …
忘れ られる ?
無理 無理 無理 無理 …
う う …
ごめん
正直 ―
自信 ない …
だ よ ね
キス まで した 仲 だ もん ね
まあ―
でも 考え よう によって は チャンス じゃない ?
一緒に 何か を やってのける って こと で
入江 の 気持ち も 変わる かも
( 琴子 ) 無理 無理
だって 試合 の 相手 私 の 力 じゃ 絶対 かなわない 人 たち だ もん
それ に さ
私 入江 君 と 一緒に いろいろ やってきた もん
高校 の とき も テスト 勉強 教えて もらったり
夏 休み の 宿題 手伝って もらったり
それなのに
入江 君 の 気持ち 全然 変わ ん なかった
だ ね ~