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イタズラなKiss〜Love in TOKYO, イタズラなKiss〜Love in TOKYO#7 (2)

イタズラ な Kiss 〜 Love in TOKYO #7 (2)

どころ か 入江 は 冷血 男 の まま だった もん ね

う う ~

な~んか つらい 1 週間 に なり そう だ ね

琴子

でも 一生 入江 君 から

逃げ回って る わけに は いか ない もん

テニス も 頑張って

入江 君 の こと も 忘れて み せる

おう !

うんっ !

( テニス 部員 たち ) ファイト ファイト !

はっ !

遅い !

うっ ハァ … ハァ …

( せき込み )

あの … ごめんなさい

授業 が 延び ちゃって それ で …

言い訳 は いい

さあ 練習 する ぞ

( 須藤 ) ちょっと 待て 入江 !

相原 は まだ 実力 テスト に 合格 して い ない

よって ―

テニス の 練習 を させる わけ に は いか ない

球 を 拾って もらわ ない と

だって 試合 は 1 週間 後 な のに

決まり は 決まり だ から なあ

相原 何 ボサッと して んだ ?

球 を 拾って くださーい !

はーい …

( 男子 部員 ) 須藤 先輩 大人気 ない

( 男子 部員 ) 意地 に なって ん の さ

どうしても 入江 に は 負け たく ない んだ ろ

入江 君 ごめん ね ―

ファイト ファイト ~

6… 7… 8…

おお …

9~!

ん ?

う おっ !

おっ 何 する …

目 を つぶる な ―

地面 ばっか 見て 球 拾い する な

しっかり 目 を 開けて

ボール を 見て

それ で 球 が 飛ぶ 方 へ 動け

いい な ?

はい

目 を 開けて

ボール を 見て

目 を 開けて ~

ボール を 見て ~

シャッ !

シャッ !

お~っ

シャッ !

シャーッ …

( 須藤 ) 斗南 ( となん )~!!

( 部員 一同 ) ファイト !!

お疲れさま でした !

( 須藤 ) ちゃんと 片づけろ ~!

おお ー っ !

おお ー っ !

お前 は 今 から 練習 だ

お前 は 今 から 練習 だ

えっ もう くたくた だ よ …

入江 君 の 言う とおり ボール 見て たら

何度 も 何度 も ぶつかっ ちゃう し さ

部活 の 間 お前 の 練習 時間 が ない んだ から

しかたない だ ろ

ほら 今 から 素振り 100 回

お ?

アハッ 雨 だ よ ?

あした から 朝練 も する から その つもり で

あ … 雨 …

( 琴子 ) ほっ ! よっ !

( 直樹 ) もっと 速く

( 琴子 ) えいっ

もっと 肩 を 入れろ

もっと 肩 を 入れろ

( 琴子 ) はいっ !

( 琴子 ) はいっ !

( 琴子 ) はいっ !

戻り が 遅い

戻り が 遅い

( 琴子 ) ほっ !

梅雨 です ね ~

アハハ …

雨 やまない です ね ~

( 直樹 ) うるさい ! 黙って やれ

はい …

はい …

( 直樹 ) はい もう 1 回

( 重雄 ) ただいま ―

なあ 琴子 ―

今日 いい メバル が 入った から さ ―

お前 の 好きな 煮つけ に した んだ けど ―

ちょっと 食べる かい ?

おや ?

( 琴子 の 寝息 )

( 理美 ) あんた 最近 太った んだ から ダイエット した 方 が いい よ ―

今 の 時代 は 低 脂肪 だ から

( 金之助 ) おうっ !

はい 低脂肪 ね

はい 低脂肪 ね

おっ !

おい !

( じんこ ) 金 ちゃん

あれ ? 今日 は 琴子 は どうした ん や ?

金 ちゃん まだ 知ら ない んだ

大変 な こと に なって る よ 琴子

えっ 大変 な こと ?

( 金之助 ) ちゃ っちゃ っちゃ ちゃ っちゃ っちゃ ―

ちゃ っちゃ ら ら ん

フッ …

おはよう

金 ちゃん

んーっ !

( 金之助 ) 聞いた で

朝 も 夜 も

テニス で くたくた な ん やって ?

そんな とき こそ

飯 食わ ん と ―

体 もたん で

( 琴子 ) ありがとう

( 金之助 ) ぱっ !―

ほれ

いただきます

いただきまーす

うーん !

フフッ

おいしい

せや ろ ?

うん

なあ

琴子 が そんなに テニス 頑張る ん は ―

入江 の そば に い たい から なんか ?

自分 ―

やっぱり あの 野郎 の こと 忘れ られ へん の と ちゃう か ?

“ 俺 の 邪魔 だけ は する な ” って 言わ れた んだ よ ね

金 ちゃん 言って くれた じゃない ?

今日 は 琴子 の 新しい バースデー だって

本当に 新しい 自分 に 生まれ変わる ため に は ―

入江 君 に 迷惑 かけ ない ように なら ない と

駄目な 気 が する んだ

今 入江 君 の こと 忘れる って 言って も

それ って ただ の 強がり な んじゃ ない か って …

まあ それ が ―

“ 忘れ られ ない ” って いう こと かも しれ ない んだ けど ね

分かった

今 琴子 は ―

入江 を 乗り越える 旅 の 途中 な ん や

時間 かかる かも しれ へん けど

応援 し たる

金 ちゃん …

その代わり ―

わし も 琴子 を 諦め へん で ―

わし は しつこい から な ~

( 琴子 ) フフッ

覚悟 し とき や

フフッ

金 ちゃん ありがと !

食い

うん

( 直樹 ) いく ぞ ―

もう 1 回

はい ―

もっと 肩 使って ―

もっと 肩 使って ―

はい

はい

しっかり ボール 見て

そう もう 1 回

はい

消えた か …

お~っ !

しかたない

外 で 素振り する ぞ

これ ボール だ と 思って

押して

そう その イメージ

( 直樹 ) 肩 を もっと 上げろ

( 直樹 ) はい 1…

( 直樹 ) はい 1…

( 琴子 )1!

( 直樹 )2…

( 直樹 )2…

( 琴子 )2!

お前 さ …

適当 に 打た ないで ちゃんと ボール イメージ しろ よ

はい すいません

なるべく 高く 投げる

( 直樹 ) はいっ

( 琴子 ) ほっ !

( 直樹 ) ラケット を 振る の が 遅い

( 琴子 ) はい !

( 直樹 ) もう 1 回 いく ぞ はいっ

( 直樹 ) 走れっ !

( 直樹 ) 走れっ !

( 琴子 ) はいっ !

( 琴子 ) はいっ !

( 琴子 ) はいっ !

( 直樹 ) はい 走れっ !

( 直樹 ) はい 走れっ !

( 直樹 ) はい 走れっ !

( 琴子 ) はいっ !

( 琴子 ) はいっ !

( 直樹 ) もう 1 回 いく ぞ

( 直樹 ) もう 1 回 いく ぞ

( 琴子 ) はいっ !

( 直樹 ) 遅い ―

戻る とき は サイド ステップ で 戻れ

( 琴子 ) はいっ !

( 直樹 ) いく ぞ

( 琴子 ) ほっ !

( 直樹 ) はい 戻る

( 琴子 ) ハァ …!

( 琴子 ) はいっ あっ !

ちゃんと ボール を 見ろ

( 琴子 ) んっ !

( 直樹 ) 走って !

( 直樹 ) 走って !

( 琴子 ) はいっ !

はっ ! んっ ! あっ !

サイド ステップ で 戻る !―

走れっ !

立て !―

はい いく ぞ !

ハァ …

遅い !

( 琴子 ) ああっ …

あのっ すみませ~ん

あらあ …

すみませ~ん !

あの 文学部 キャンパス って どちら でしょう か ?

( 女子 学生 たち ) 文学部 は あっち …

( 紀子 ) ありがとう ~

( じんこ ) 入江 君 の おばさん ?

( 理美 ・ じんこ ) おば さーん !

あら あ じんこ ちゃん に 理美 ちゃん

お 久しぶり

でも 何で そんな 格好 して る んです か ?

( 紀子 ) だって お 兄ちゃん に バレ たら 困る もの

だから ―

ちょっと 変装 して みた の

いやあ … かえって 目立って ます よ

ってか バレバレ です し …

何か … そういう とこ ―

おばさん と 琴子 って 似て ます よ ね

琴子 ちゃん …

何だか しばらく 会え なかったら

琴子 ちゃん が 恋しく なって しまって …

まあ 私 たち も

琴子 と 入江 君 もしかしたら うまく いく ん じゃない か って

ちょっと 思ったり した んです けど ね

何てったって ―

一時 は キス まで した 仲 な わけ だ し

一時 は キス まで した 仲 な わけ だ し

ちょ ちょ ちょっ …

チャック ! チャック !

ね … ねえ キス って …

あの キス ?

(2 人 ) はい ―

“ キス ” です !

キ … キ …

ああっ

ハァハァ …

キス した の ? あの 2 人 !?

はあっ !!

ヤッホー !!

ちょっと おばさん

琴子 に 会って いか なくて いい んです か ?

今 テニス コート に い ます よ !

いい の いい の

もう 学校 なんか で 会う 必要 ない わ

私 は ―

家 に 琴子 ちゃん を 呼び戻す って 決めた から !

えー !?

だって 今 琴子 必死 に 入江 の こと …

入江 君 の こと 忘れ よう として る のに !

忘れる 必要 なんか ない じゃな~い

だって

キス した んだ もの

お 兄ちゃん が 何 と 言おう と もう 駄目 よ

私 は 必ず ―

琴子 ちゃん を 取り戻して みせる わ ~!―

アハハ …

(2 人 ) アハハ … ハハ …

( 直樹 ) はい 1! 2!

もう 1 回

はい

肩 を もっと 上げて

1 で トス

1!

ライン から 出て る ぞ

もう 1 回

( 琴子 ) ハァ …

1! 2!

どこ 狙って んだ

もう 1 回

1! 2!

しっかり ボール を 見ろ

はい 1! 2!

( 琴子 ) おーっ !

あーっ !

入った !

やった ! 入った できた !

入江 君 初めて 入った !―

やったーっ !

ごめんなさい …

( 直樹 ) サーブ なんて ―

テニス 始めた ばっか の 子供 だって 1 日 で できる ように なる ぞ

エヘヘ …

そう だ よ ね ~

エヘヘ …

お前 の 人生 は いちいち 感動 が 多くて いい よ な

へっ ?

時々 羨ましい よ

( 直樹 ) もう 1 回

はい

( 琴子 ) じゃあ お 父さん いって き ます

( 重雄 ) は い いって らっしゃい

あっ 琴子 !

( 重雄 ) ちょっと 待って

( 琴子 ) はい はい !

( 琴子 ) はい !

( 重雄 ) おう ―

今日 から 新しい 家 に 入れる から な

( 琴子 ) ああ そう か そう だった ね

( 重雄 ) 間違って この アパート へ 戻って くる な よ ―

新しい 家 だ ぞ

大丈夫だ よ

だって 前 一緒に 見 に 行った じゃん

じゃあ いって き ます

( 重雄 ) はい いってらっしゃい

( 琴子 ) バイバイ ~

大丈夫 かな …

どっこらせ の よっこいしょ の …

金 ちゃん

おう

琴子 !

よいしょ

大丈夫 か ?

うん … 大丈夫

琴子

今日 まで よう 頑張った な

放課後 テニス の 試合 なん やろ ?

うん !

勝てる ように 験担ぎ や

カツサンド

おーっ !!

カツサンド !

金 ちゃん ありがとう !

フフ …

ん ~!

( 松本 ) のんき な もん ね ―

カツサンド なんか 食べて

これ は 験担ぎ で …

( 松本 ) 験担ぎ で なんとか なる なら

試合 で 負ける 人間 なんて い ない わ よ

ねえ

あなた 自分 が 入江 君 に どれ だけ 迷惑 かけて る か

分かって る ?

だから 迷惑 かけ ない よう 私 なり に 頑張って …

その 頑張り が 既に 迷惑 って こと

この 間 の 試合 だって 今日 の 試合 だって

恥 を かく の は 入江 君

あなた の 特訓 の せい で ―

無駄 な 時間 を 過ごして る の も 入江 君 ―

好き な 男 に さんざん 迷惑 かけて ―

よく 平気で い られる わ ね

( 須藤 ) ウィッチ ?

( 直樹 ) ラフ

スムース

サービス !

いい か

この 1 週間 の 練習 を 無駄に する な よ

とにかく 目 を 開けて ボール の 行方 を 見ろ ―

いい な ?

はい

お前 は 1 人 じゃない んだ から

俺 が いる んだ から 怖がる な

はい

ふう …

( 部長 ) 須藤 松本 ―

サービング プレー

おりゃあ !

はっ …

( 須藤 ) フーッ !

( 須藤 ) て やーっ !

( 須藤 ) て やあーっ !

( 須藤 ) ん ああっ !

みんな 当て やがる 俺 の 剛速球 を … あの 素人 が !

でも こっち の コート に 戻って くる わけで も ない し

あっち の 点数 は ボロ 負け です よ

俺 の プライド の 問題 だ あ !

入江 は もう いい 相原 だ ~

相原 を 狙え ~!

はい

ふう …

( 直樹 ) しっかり 目 を 開けて

ボール を 見て ―

それ で 球 が 飛ぶ 方 へ 動け

( 琴子 ) 私 ―

ボール 見る の 怖く なく なって る !

( 須藤 ) おりゃっ !

( 琴子 ) それ に 須藤 さん の ボール も ―

松本 さん の ボール も ―

入江 君 と 比べたら 全然 遅い ―

だから …

よお~し 相原 ~!

これ でも 食らえっ ―

おりゃあっ !!

琴子 !

はいっ !!

( 琴子 ) 見えた !

おお ~

おお ~

須藤 さん の サーブ を 打ち返した

須藤 さん の サーブ を 打ち返した

こんな の できる の 女子 じゃ 松本 くらい じゃない か ?

すごい ぞ 相原

( 拍手 )

やった じゃん

ハァハァハァ …

ラケット を 握った の は …

初めて … 初めて ラケット を 握った の は …

お 母さん の 体 の 中 から 出て きた とき に は …

あ 痛っ !

痛っ !

あ ううっ !

足 ひねった の か ?

ったく 情け ねえ な ―

ここ か ?

( 琴子 ) おおーっ !! 痛いっ !!

こりゃ 無理 だ な

須藤 さん こっち 棄権 し ます

へっ … え えっ ?

えっ !?

棄権 し ちゃって いい の ?

ラケット よろしく

♪~

あの …

ごめんなさい 私 また 負け ちゃって

はなから 勝とう なんて 思って ない さ

えっ ?

( 琴子 ) 神様 ―

ますます 入江 君 が 好き って 言ったら ―

怒り ます か ?

お前 の 家 まだ か ?

うーん おかしい な

こないだ 下見 した とき は 駅 から すぐ 近く だった のに な

多分 あと ちょっと だ と 思う

( 直樹 ) さっき も そう 言って た ぞ

だから タクシー に しろ って …

だって もったいない んだ もん

こっち の 身 に も なれ よ

はーい

ねえ 入江 君

試合 の とき …

私 が 須藤 さん の ボール 打った とき

私 の こと 名前 で 呼んだ よ ね ?

さあ ね

呼んで くれた の 初めて だ よ ね ?

だから 覚えて ねえ よ 試合 に 夢中 だった から

ふーん

おっ !―

あった あれ だ ! 新しい 家 !―

私 の 家 だ !

( チャイム )

じゃあ おやじ さん に よろしく

( 琴子 ) あ … ちょっと 待って !

あの …

お 父さん まだ 家 に いる と 思う し

お茶 でも … いかが ?

ほら お 父さん 入江 君 に きっと 会い たい と 思う し …

お 礼 も し たい と …

分かった 分かった から

だから 離せ !

( 琴子 ) ハハ …

ごめん ね ~

( 戸 が 開く 音 )

( 男性 の 声 ) はい

お … お父さん !

お前 の じいさん ?

知ら ない

あの … 誰 です か ?

失礼 な !―

そっち こそ 誰 だ ?

私 この 家 の 者 です けど

ここ は 私 の 家 だ

( 琴子 ) うっそ ? いや ―

合って る と 思う んだ けど

私 1 回 ここ に 来て ます …

( 男性 ) とにかく ―

ここ は 私 の 住まい だ

はあ ?

どういう こと ?

♪~

( 紀子 ) 何 言って ん の

キス した くせ に

( 金之助 ) キス や と ー !

お 兄ちゃん と デート し ちゃい なさい !―


イタズラ な Kiss 〜 Love in TOKYO #7 (2) いたずら||||| Schelmischer Kuss - Liebe in TOKYO #7 (2) Mischievous Kiss - Love in TOKYO #7 (2)

どころ か 入江 は 冷血 男 の まま だった もん ね ||いりえ||れいけつ|おとこ|||||

う う ~

な~んか つらい 1 週間 に なり そう だ ね |ん か||しゅうかん|||||

琴子 ことこ

でも 一生 入江 君 から |いっしょう|いりえ|きみ|

逃げ回って る わけに は いか ない もん にげまわって||||||

テニス も 頑張って てにす||がんばって

入江 君 の こと も 忘れて み せる いりえ|きみ||||わすれて||

おう !

うんっ !

( テニス 部員 たち ) ファイト ファイト ! てにす|ぶいん||ふぁいと|ふぁいと

はっ !

遅い ! おそい

うっ ハァ … ハァ …

( せき込み ) せきこみ

あの … ごめんなさい

授業 が 延び ちゃって それ で … じゅぎょう||のび|||

言い訳 は いい いい わけ||

さあ 練習 する ぞ |れんしゅう||

( 須藤 ) ちょっと 待て 入江 ! すとう||まて|いりえ

相原 は まだ 実力 テスト に 合格 して い ない あいはら|||じつりょく|てすと||ごうかく|||

よって ―

テニス の 練習 を させる わけ に は いか ない てにす||れんしゅう|||||||

球 を 拾って もらわ ない と たま||ひろって|||

だって 試合 は 1 週間 後 な のに |しあい||しゅうかん|あと||

決まり は 決まり だ から なあ きまり||きまり|||

相原 何 ボサッと して んだ ? あいはら|なん|ボサッ と||

球 を 拾って くださーい ! たま||ひろって|くださ - い

はーい … は - い

( 男子 部員 ) 須藤 先輩 大人気 ない だんし|ぶいん|すとう|せんぱい|だい にんき|

( 男子 部員 ) 意地 に なって ん の さ だんし|ぶいん|いじ|||||

どうしても 入江 に は 負け たく ない んだ ろ |いりえ|||まけ||||

入江 君 ごめん ね ― いりえ|きみ||

ファイト ファイト ~ ふぁいと|ふぁいと

6… 7… 8…

おお …

9~!

ん ?

う おっ !

おっ 何 する … |なん|

目 を つぶる な ― め|||

地面 ばっか 見て 球 拾い する な じめん||みて|たま|ひろい|| Just look at the ground and don't pick up the ball

しっかり 目 を 開けて |め||あけて

ボール を 見て ぼーる||みて

それ で 球 が 飛ぶ 方 へ 動け ||たま||とぶ|かた||うごけ

いい な ?

はい

目 を 開けて め||あけて

ボール を 見て ぼーる||みて

目 を 開けて ~ め||あけて

ボール を 見て ~ ぼーる||みて

シャッ !

シャッ !

お~っ

シャッ !

シャーッ …

( 須藤 ) 斗南 ( となん )~!! すとう|と みなみ|と なん

( 部員 一同 ) ファイト !! ぶいん|いちどう|ふぁいと

お疲れさま でした ! お つかれ さま|

( 須藤 ) ちゃんと 片づけろ ~! すとう||かたづけろ

おお ー っ ! |-|

おお ー っ ! |-|

お前 は 今 から 練習 だ おまえ||いま||れんしゅう|

お前 は 今 から 練習 だ おまえ||いま||れんしゅう|

えっ もう くたくた だ よ …

入江 君 の 言う とおり ボール 見て たら いりえ|きみ||いう||ぼーる|みて|

何度 も 何度 も ぶつかっ ちゃう し さ なんど||なんど|||ちゃ う||

部活 の 間 お前 の 練習 時間 が ない んだ から ぶかつ||あいだ|おまえ||れんしゅう|じかん||||

しかたない だ ろ

ほら 今 から 素振り 100 回 |いま||そぶり|かい

お ?

アハッ 雨 だ よ ? |あめ||

あした から 朝練 も する から その つもり で ||あさ ね||||||

あ … 雨 … |あめ

( 琴子 ) ほっ ! よっ ! ことこ||

( 直樹 ) もっと 速く なおき||はやく

( 琴子 ) えいっ ことこ|え いっ

もっと 肩 を 入れろ |かた||いれろ

もっと 肩 を 入れろ |かた||いれろ

( 琴子 ) はいっ ! ことこ|は いっ

( 琴子 ) はいっ ! ことこ|は いっ

( 琴子 ) はいっ ! ことこ|は いっ

戻り が 遅い もどり||おそい

戻り が 遅い もどり||おそい

( 琴子 ) ほっ ! ことこ|

梅雨 です ね ~ つゆ||

アハハ …

雨 やまない です ね ~ あめ|やま ない||

( 直樹 ) うるさい ! 黙って やれ なおき||だまって|

はい …

はい …

( 直樹 ) はい もう 1 回 なおき|||かい

( 重雄 ) ただいま ― しげお|

なあ 琴子 ― |ことこ

今日 いい メバル が 入った から さ ― きょう||めばる||はいった||

お前 の 好きな 煮つけ に した んだ けど ― おまえ||すきな|につけ||||

ちょっと 食べる かい ? |たべる|

おや ?

( 琴子 の 寝息 ) ことこ||ねいき

( 理美 ) あんた 最近 太った んだ から ダイエット した 方 が いい よ ― り び||さいきん|ふとった|||だいえっと||かた|||

今 の 時代 は 低 脂肪 だ から いま||じだい||てい|しぼう||

( 金之助 ) おうっ ! きんのすけ|

はい 低脂肪 ね |てい しぼう|

はい 低脂肪 ね |てい しぼう|

おっ !

おい !

( じんこ ) 金 ちゃん じん こ|きむ|

あれ ? 今日 は 琴子 は どうした ん や ? |きょう||ことこ||||

金 ちゃん まだ 知ら ない んだ きむ|||しら||

大変 な こと に なって る よ 琴子 たいへん|||||||ことこ

えっ 大変 な こと ? |たいへん||

( 金之助 ) ちゃ っちゃ っちゃ ちゃ っちゃ っちゃ ― きんのすけ||||||

ちゃ っちゃ ら ら ん

フッ …

おはよう

金 ちゃん きむ|

んーっ ! ん -っ

( 金之助 ) 聞いた で きんのすけ|きいた|

朝 も 夜 も あさ||よ|

テニス で くたくた な ん やって ? てにす|||||

そんな とき こそ

飯 食わ ん と ― めし|くわ||

体 もたん で からだ|もた ん|

( 琴子 ) ありがとう ことこ|

( 金之助 ) ぱっ !― きんのすけ|

ほれ

いただきます

いただきまーす いただき ま - す

うーん !

フフッ

おいしい

せや ろ ? せ や|

うん

なあ

琴子 が そんなに テニス 頑張る ん は ― ことこ|||てにす|がんばる||

入江 の そば に い たい から なんか ? いりえ|||||||

自分 ― じぶん

やっぱり あの 野郎 の こと 忘れ られ へん の と ちゃう か ? ||やろう|||わすれ|||||ちゃ う|

“ 俺 の 邪魔 だけ は する な ” って 言わ れた んだ よ ね おれ||じゃま||||||いわ||||

金 ちゃん 言って くれた じゃない ? きむ||いって||じゃ ない

今日 は 琴子 の 新しい バースデー だって きょう||ことこ||あたらしい|ばーすでー|

本当に 新しい 自分 に 生まれ変わる ため に は ― ほんとうに|あたらしい|じぶん||うまれかわる|||

入江 君 に 迷惑 かけ ない ように なら ない と いりえ|きみ||めいわく|||よう に|||

駄目な 気 が する んだ だめな|き|||

今 入江 君 の こと 忘れる って 言って も いま|いりえ|きみ|||わすれる||いって|

それ って ただ の 強がり な んじゃ ない か って … ||||つよ がり|||||

まあ それ が ―

“ 忘れ られ ない ” って いう こと かも しれ ない んだ けど ね わすれ|||||||||||

分かった わかった

今 琴子 は ― いま|ことこ|

入江 を 乗り越える 旅 の 途中 な ん や いりえ||のりこえる|たび||とちゅう|||

時間 かかる かも しれ へん けど じかん|||||

応援 し たる おうえん||

金 ちゃん … きむ|

その代わり ― そのかわり

わし も 琴子 を 諦め へん で ― ||ことこ||あきらめ||

わし は しつこい から な ~

( 琴子 ) フフッ ことこ|

覚悟 し とき や かくご|||

フフッ

金 ちゃん ありがと ! きむ||あり が と

食い くい

うん

( 直樹 ) いく ぞ ― なおき||

もう 1 回 |かい

はい ―

もっと 肩 使って ― |かた|つかって

もっと 肩 使って ― |かた|つかって

はい

はい

しっかり ボール 見て |ぼーる|みて

そう もう 1 回 ||かい

はい

消えた か … きえた|

お~っ !

しかたない

外 で 素振り する ぞ がい||そぶり||

これ ボール だ と 思って |ぼーる|||おもって

押して おして

そう その イメージ ||いめーじ

( 直樹 ) 肩 を もっと 上げろ なおき|かた|||あげろ

( 直樹 ) はい 1… なおき|

( 直樹 ) はい 1… なおき|

( 琴子 )1! ことこ

( 直樹 )2… なおき

( 直樹 )2… なおき

( 琴子 )2! ことこ

お前 さ … おまえ|

適当 に 打た ないで ちゃんと ボール イメージ しろ よ てきとう||うた|||ぼーる|いめーじ||

はい すいません

なるべく 高く 投げる |たかく|なげる

( 直樹 ) はいっ なおき|は いっ

( 琴子 ) ほっ ! ことこ|

( 直樹 ) ラケット を 振る の が 遅い なおき|らけっと||ふる|||おそい

( 琴子 ) はい ! ことこ|

( 直樹 ) もう 1 回 いく ぞ はいっ なおき||かい|||は いっ

( 直樹 ) 走れっ ! なおき|はしれっ

( 直樹 ) 走れっ ! なおき|はしれっ

( 琴子 ) はいっ ! ことこ|は いっ

( 琴子 ) はいっ ! ことこ|は いっ

( 琴子 ) はいっ ! ことこ|は いっ

( 直樹 ) はい 走れっ ! なおき||はしれっ

( 直樹 ) はい 走れっ ! なおき||はしれっ

( 直樹 ) はい 走れっ ! なおき||はしれっ

( 琴子 ) はいっ ! ことこ|は いっ

( 琴子 ) はいっ ! ことこ|は いっ

( 直樹 ) もう 1 回 いく ぞ なおき||かい||

( 直樹 ) もう 1 回 いく ぞ なおき||かい||

( 琴子 ) はいっ ! ことこ|は いっ

( 直樹 ) 遅い ― なおき|おそい

戻る とき は サイド ステップ で 戻れ もどる|||さいど|すてっぷ||もどれ

( 琴子 ) はいっ ! ことこ|は いっ

( 直樹 ) いく ぞ なおき||

( 琴子 ) ほっ ! ことこ|

( 直樹 ) はい 戻る なおき||もどる

( 琴子 ) ハァ …! ことこ|

( 琴子 ) はいっ あっ ! ことこ|は いっ|

ちゃんと ボール を 見ろ |ぼーる||みろ

( 琴子 ) んっ ! ことこ|

( 直樹 ) 走って ! なおき|はしって

( 直樹 ) 走って ! なおき|はしって

( 琴子 ) はいっ ! ことこ|は いっ

はっ ! んっ ! あっ !

サイド ステップ で 戻る !― さいど|すてっぷ||もどる

走れっ ! はしれっ

立て !― たて

はい いく ぞ !

ハァ …

遅い ! おそい

( 琴子 ) ああっ … ことこ|

あのっ すみませ~ん |すみ ませ|

あらあ … あら あ

すみませ~ん ! すみ ませ|

あの 文学部 キャンパス って どちら でしょう か ? |ぶんがくぶ|きゃんぱす||||

( 女子 学生 たち ) 文学部 は あっち … じょし|がくせい||ぶんがくぶ||

( 紀子 ) ありがとう ~ としこ|

( じんこ ) 入江 君 の おばさん ? じん こ|いりえ|きみ||

( 理美 ・ じんこ ) おば さーん ! り び|じん こ||さ - ん

あら あ じんこ ちゃん に 理美 ちゃん ||じん こ|||り び|

お 久しぶり |ひさしぶり

でも 何で そんな 格好 して る んです か ? |なんで||かっこう|||ん です|

( 紀子 ) だって お 兄ちゃん に バレ たら 困る もの としこ|||にいちゃん||||こまる|

だから ―

ちょっと 変装 して みた の |へんそう|||

いやあ … かえって 目立って ます よ いや あ||めだって||

ってか バレバレ です し … って か|||

何か … そういう とこ ― なん か||

おばさん と 琴子 って 似て ます よ ね ||ことこ||にて|||

琴子 ちゃん … ことこ|

何だか しばらく 会え なかったら なんだか||あえ|

琴子 ちゃん が 恋しく なって しまって … ことこ|||こいしく||

まあ 私 たち も |わたくし||

琴子 と 入江 君 もしかしたら うまく いく ん じゃない か って ことこ||いりえ|きみ|||||じゃ ない||

ちょっと 思ったり した んです けど ね |おもったり||ん です||

何てったって ― なんてったって

一時 は キス まで した 仲 な わけ だ し ひと じ||きす|||なか|||| I was a friend who even kissed at one point

一時 は キス まで した 仲 な わけ だ し ひと じ||きす|||なか||||

ちょ ちょ ちょっ …

チャック ! チャック ! ちゃっく|ちゃっく

ね … ねえ キス って … ||きす|

あの キス ? |きす

(2 人 ) はい ― じん|

“ キス ” です ! きす|

キ … キ …

ああっ

ハァハァ …

キス した の ? あの 2 人 !? きす||||じん

はあっ !! は あっ

ヤッホー !!

ちょっと おばさん

琴子 に 会って いか なくて いい んです か ? ことこ||あって||||ん です|

今 テニス コート に い ます よ ! いま|てにす|こーと||||

いい の いい の

もう 学校 なんか で 会う 必要 ない わ |がっこう|||あう|ひつよう||

私 は ― わたくし|

家 に 琴子 ちゃん を 呼び戻す って 決めた から ! いえ||ことこ|||よびもどす||きめた|

えー !?

だって 今 琴子 必死 に 入江 の こと … |いま|ことこ|ひっし||いりえ||

入江 君 の こと 忘れ よう として る のに ! いりえ|きみ|||わすれ||と して||

忘れる 必要 なんか ない じゃな~い わすれる|ひつよう|||じゃ な|

だって

キス した んだ もの きす|||

お 兄ちゃん が 何 と 言おう と もう 駄目 よ |にいちゃん||なん||いおう|||だめ|

私 は 必ず ― わたくし||かならず

琴子 ちゃん を 取り戻して みせる わ ~!― ことこ|||とりもどして||

アハハ …

(2 人 ) アハハ … ハハ … じん||

( 直樹 ) はい 1! 2! なおき|

もう 1 回 |かい

はい

肩 を もっと 上げて かた|||あげて

1 で トス |とす

1!

ライン から 出て る ぞ らいん||でて||

もう 1 回 |かい

( 琴子 ) ハァ … ことこ|

1! 2!

どこ 狙って んだ |ねらって|

もう 1 回 |かい

1! 2!

しっかり ボール を 見ろ |ぼーる||みろ

はい 1! 2!

( 琴子 ) おーっ ! ことこ|お -っ

あーっ !

入った ! はいった

やった ! 入った できた ! |はいった|

入江 君 初めて 入った !― いりえ|きみ|はじめて|はいった

やったーっ ! やった -っ

ごめんなさい …

( 直樹 ) サーブ なんて ― なおき|さーぶ|

テニス 始めた ばっか の 子供 だって 1 日 で できる ように なる ぞ てにす|はじめた|||こども||ひ|||よう に||

エヘヘ …

そう だ よ ね ~

エヘヘ …

お前 の 人生 は いちいち 感動 が 多くて いい よ な おまえ||じんせい|||かんどう||おおくて|||

へっ ?

時々 羨ましい よ ときどき|うらやま し い|

( 直樹 ) もう 1 回 なおき||かい

はい

( 琴子 ) じゃあ お 父さん いって き ます ことこ|||とうさん|||

( 重雄 ) は い いって らっしゃい しげお||||

あっ 琴子 ! |ことこ

( 重雄 ) ちょっと 待って しげお||まって

( 琴子 ) はい はい ! ことこ||

( 琴子 ) はい ! ことこ|

( 重雄 ) おう ― しげお|

今日 から 新しい 家 に 入れる から な きょう||あたらしい|いえ||いれる||

( 琴子 ) ああ そう か そう だった ね ことこ||||||

( 重雄 ) 間違って この アパート へ 戻って くる な よ ― しげお|まちがって||あぱーと||もどって|||

新しい 家 だ ぞ あたらしい|いえ||

大丈夫だ よ だいじょうぶだ|

だって 前 一緒に 見 に 行った じゃん |ぜん|いっしょに|み||おこなった|じゃ ん

じゃあ いって き ます

( 重雄 ) はい いってらっしゃい しげお||いって らっしゃい

( 琴子 ) バイバイ ~ ことこ|

大丈夫 かな … だいじょうぶ|

どっこらせ の よっこいしょ の … どっこ ら せ||よっこ いしょ|

金 ちゃん きむ|

おう

琴子 ! ことこ

よいしょ よい しょ

大丈夫 か ? だいじょうぶ|

うん … 大丈夫 |だいじょうぶ

琴子 ことこ

今日 まで よう 頑張った な きょう|||がんばった|

放課後 テニス の 試合 なん やろ ? ほうかご|てにす||しあい||

うん !

勝てる ように 験担ぎ や かてる|よう に|げん かつぎ|

カツサンド

おーっ !! お -っ

カツサンド !

金 ちゃん ありがとう ! きむ||

フフ …

ん ~!

( 松本 ) のんき な もん ね ― まつもと||||

カツサンド なんか 食べて ||たべて

これ は 験担ぎ で … ||げん かつぎ|

( 松本 ) 験担ぎ で なんとか なる なら まつもと|げん かつぎ||||

試合 で 負ける 人間 なんて い ない わ よ しあい||まける|にんげん|||||

ねえ

あなた 自分 が 入江 君 に どれ だけ 迷惑 かけて る か |じぶん||いりえ|きみ||||めいわく|||

分かって る ? わかって|

だから 迷惑 かけ ない よう 私 なり に 頑張って … |めいわく||||わたくし|||がんばって

その 頑張り が 既に 迷惑 って こと |がんばり||すでに|めいわく||

この 間 の 試合 だって 今日 の 試合 だって |あいだ||しあい||きょう||しあい|

恥 を かく の は 入江 君 はじ|||||いりえ|きみ

あなた の 特訓 の せい で ― ||とっくん|||

無駄 な 時間 を 過ごして る の も 入江 君 ― むだ||じかん||すごして||||いりえ|きみ

好き な 男 に さんざん 迷惑 かけて ― すき||おとこ|||めいわく|

よく 平気で い られる わ ね |へいきで||||

( 須藤 ) ウィッチ ? すとう|

( 直樹 ) ラフ なおき|らふ

スムース すむーす

サービス ! さーびす

いい か

この 1 週間 の 練習 を 無駄に する な よ |しゅうかん||れんしゅう||むだに|||

とにかく 目 を 開けて ボール の 行方 を 見ろ ― |め||あけて|ぼーる||ゆくえ||みろ

いい な ?

はい

お前 は 1 人 じゃない んだ から おまえ||じん|じゃ ない||

俺 が いる んだ から 怖がる な おれ|||||こわがる|

はい

ふう …

( 部長 ) 須藤 松本 ― ぶちょう|すとう|まつもと

サービング プレー |ぷれー

おりゃあ ! おりゃ あ

はっ …

( 須藤 ) フーッ ! すとう|

( 須藤 ) て やーっ ! すとう||や -っ

( 須藤 ) て やあーっ ! すとう||や あーっ

( 須藤 ) ん ああっ ! すとう||

みんな 当て やがる 俺 の 剛速球 を … あの 素人 が ! |あて|や がる|おれ||かたし そっきゅう|||しろうと| Everyone guesses my fastball ... that amateur!

でも こっち の コート に 戻って くる わけで も ない し |||こーと||もどって|||||

あっち の 点数 は ボロ 負け です よ ||てんすう|||まけ||

俺 の プライド の 問題 だ あ ! おれ||ぷらいど||もんだい||

入江 は もう いい 相原 だ ~ いりえ||||あいはら|

相原 を 狙え ~! あいはら||ねらえ

はい

ふう …

( 直樹 ) しっかり 目 を 開けて なおき||め||あけて

ボール を 見て ― ぼーる||みて

それ で 球 が 飛ぶ 方 へ 動け ||たま||とぶ|かた||うごけ

( 琴子 ) 私 ― ことこ|わたくし

ボール 見る の 怖く なく なって る ! ぼーる|みる||こわく|||

( 須藤 ) おりゃっ ! すとう|おり ゃっ

( 琴子 ) それ に 須藤 さん の ボール も ― ことこ|||すとう|||ぼーる|

松本 さん の ボール も ― まつもと|||ぼーる|

入江 君 と 比べたら 全然 遅い ― いりえ|きみ||くらべたら|ぜんぜん|おそい

だから …

よお~し 相原 ~! よ お||あいはら

これ でも 食らえっ ― ||くら えっ

おりゃあっ !! おりゃ あっ

琴子 ! ことこ

はいっ !! は いっ

( 琴子 ) 見えた ! ことこ|みえた

おお ~

おお ~

須藤 さん の サーブ を 打ち返した すとう|||さーぶ||うちかえした

須藤 さん の サーブ を 打ち返した すとう|||さーぶ||うちかえした

こんな の できる の 女子 じゃ 松本 くらい じゃない か ? ||||じょし||まつもと||じゃ ない|

すごい ぞ 相原 ||あいはら

( 拍手 ) はくしゅ

やった じゃん |じゃ ん

ハァハァハァ …

ラケット を 握った の は … らけっと||にぎった||

初めて … 初めて ラケット を 握った の は … はじめて|はじめて|らけっと||にぎった||

お 母さん の 体 の 中 から 出て きた とき に は … |かあさん||からだ||なか||でて||||

あ 痛っ ! |つうっ

痛っ ! つうっ

あ ううっ ! |う うっ

足 ひねった の か ? あし|||

ったく 情け ねえ な ― った く|なさけ||

ここ か ?

( 琴子 ) おおーっ !! 痛いっ !! ことこ|おお -っ|いたいっ

こりゃ 無理 だ な |むり||

須藤 さん こっち 棄権 し ます すとう|||きけん||

へっ … え えっ ?

えっ !?

棄権 し ちゃって いい の ? きけん||||

ラケット よろしく らけっと|

♪~

あの …

ごめんなさい 私 また 負け ちゃって |わたくし||まけ|

はなから 勝とう なんて 思って ない さ はな から|かとう||おもって||

えっ ?

( 琴子 ) 神様 ― ことこ|かみさま

ますます 入江 君 が 好き って 言ったら ― |いりえ|きみ||すき||いったら

怒り ます か ? いかり||

お前 の 家 まだ か ? おまえ||いえ||

うーん おかしい な

こないだ 下見 した とき は 駅 から すぐ 近く だった のに な こない だ|したみ||||えき|||ちかく|||

多分 あと ちょっと だ と 思う たぶん|||||おもう

( 直樹 ) さっき も そう 言って た ぞ なおき||||いって||

だから タクシー に しろ って … |たくしー|||

だって もったいない んだ もん

こっち の 身 に も なれ よ ||み||||

はーい は - い

ねえ 入江 君 |いりえ|きみ

試合 の とき … しあい||

私 が 須藤 さん の ボール 打った とき わたくし||すとう|||ぼーる|うった|

私 の こと 名前 で 呼んだ よ ね ? わたくし|||なまえ||よんだ||

さあ ね

呼んで くれた の 初めて だ よ ね ? よんで|||はじめて|||

だから 覚えて ねえ よ 試合 に 夢中 だった から |おぼえて|||しあい||むちゅう||

ふーん ふ - ん

おっ !―

あった あれ だ ! 新しい 家 !― |||あたらしい|いえ

私 の 家 だ ! わたくし||いえ|

( チャイム ) ちゃいむ

じゃあ おやじ さん に よろしく

( 琴子 ) あ … ちょっと 待って ! ことこ|||まって

あの …

お 父さん まだ 家 に いる と 思う し |とうさん||いえ||||おもう|

お茶 でも … いかが ? おちゃ||

ほら お 父さん 入江 君 に きっと 会い たい と 思う し … ||とうさん|いりえ|きみ|||あい|||おもう|

お 礼 も し たい と … |れい||||

分かった 分かった から わかった|わかった|

だから 離せ ! |はなせ

( 琴子 ) ハハ … ことこ|

ごめん ね ~

( 戸 が 開く 音 ) と||あく|おと

( 男性 の 声 ) はい だんせい||こえ|

お … お父さん ! |お とうさん

お前 の じいさん ? おまえ||

知ら ない しら|

あの … 誰 です か ? |だれ||

失礼 な !― しつれい|

そっち こそ 誰 だ ? ||だれ|

私 この 家 の 者 です けど わたくし||いえ||もの||

ここ は 私 の 家 だ ||わたくし||いえ|

( 琴子 ) うっそ ? いや ― ことこ||

合って る と 思う んだ けど あって|||おもう||

私 1 回 ここ に 来て ます … わたくし|かい|||きて|

( 男性 ) とにかく ― だんせい|

ここ は 私 の 住まい だ ||わたくし||すまい|

はあ ? は あ

どういう こと ?

♪~

( 紀子 ) 何 言って ん の としこ|なん|いって||

キス した くせ に きす|||

( 金之助 ) キス や と ー ! きんのすけ|きす|||-

お 兄ちゃん と デート し ちゃい なさい !― |にいちゃん||でーと||ちゃ い|