イタズラ な Kiss 〜 Love in TOKYO #7 (2)
どころ か 入江 は 冷血 男 の まま だった もん ね
う う ~
な~んか つらい 1 週間 に なり そう だ ね
琴子
でも 一生 入江 君 から
逃げ回って る わけに は いか ない もん
テニス も 頑張って
入江 君 の こと も 忘れて み せる
おう !
うんっ !
( テニス 部員 たち ) ファイト ファイト !
はっ !
遅い !
うっ ハァ … ハァ …
( せき込み )
あの … ごめんなさい
授業 が 延び ちゃって それ で …
言い訳 は いい
さあ 練習 する ぞ
( 須藤 ) ちょっと 待て 入江 !
相原 は まだ 実力 テスト に 合格 して い ない
よって ―
テニス の 練習 を させる わけ に は いか ない
球 を 拾って もらわ ない と
だって 試合 は 1 週間 後 な のに
決まり は 決まり だ から なあ
相原 何 ボサッと して んだ ?
球 を 拾って くださーい !
はーい …
( 男子 部員 ) 須藤 先輩 大人気 ない
( 男子 部員 ) 意地 に なって ん の さ
どうしても 入江 に は 負け たく ない んだ ろ
入江 君 ごめん ね ―
ファイト ファイト ~
6… 7… 8…
おお …
9~!
ん ?
う おっ !
おっ 何 する …
目 を つぶる な ―
地面 ばっか 見て 球 拾い する な
しっかり 目 を 開けて
ボール を 見て
それ で 球 が 飛ぶ 方 へ 動け
いい な ?
はい
目 を 開けて
ボール を 見て
目 を 開けて ~
ボール を 見て ~
シャッ !
シャッ !
お~っ
シャッ !
シャーッ …
( 須藤 ) 斗南 ( となん )~!!
( 部員 一同 ) ファイト !!
お疲れさま でした !
( 須藤 ) ちゃんと 片づけろ ~!
おお ー っ !
おお ー っ !
お前 は 今 から 練習 だ
お前 は 今 から 練習 だ
えっ もう くたくた だ よ …
入江 君 の 言う とおり ボール 見て たら
何度 も 何度 も ぶつかっ ちゃう し さ
部活 の 間 お前 の 練習 時間 が ない んだ から
しかたない だ ろ
ほら 今 から 素振り 100 回
お ?
アハッ 雨 だ よ ?
あした から 朝練 も する から その つもり で
あ … 雨 …
( 琴子 ) ほっ ! よっ !
( 直樹 ) もっと 速く
( 琴子 ) えいっ
もっと 肩 を 入れろ
もっと 肩 を 入れろ
( 琴子 ) はいっ !
( 琴子 ) はいっ !
( 琴子 ) はいっ !
戻り が 遅い
戻り が 遅い
( 琴子 ) ほっ !
梅雨 です ね ~
アハハ …
雨 やまない です ね ~
( 直樹 ) うるさい ! 黙って やれ
はい …
はい …
( 直樹 ) はい もう 1 回
( 重雄 ) ただいま ―
なあ 琴子 ―
今日 いい メバル が 入った から さ ―
お前 の 好きな 煮つけ に した んだ けど ―
ちょっと 食べる かい ?
おや ?
( 琴子 の 寝息 )
( 理美 ) あんた 最近 太った んだ から ダイエット した 方 が いい よ ―
今 の 時代 は 低 脂肪 だ から
( 金之助 ) おうっ !
はい 低脂肪 ね
はい 低脂肪 ね
おっ !
おい !
( じんこ ) 金 ちゃん
あれ ? 今日 は 琴子 は どうした ん や ?
金 ちゃん まだ 知ら ない んだ
大変 な こと に なって る よ 琴子
えっ 大変 な こと ?
( 金之助 ) ちゃ っちゃ っちゃ ちゃ っちゃ っちゃ ―
ちゃ っちゃ ら ら ん
フッ …
おはよう
金 ちゃん
んーっ !
( 金之助 ) 聞いた で
朝 も 夜 も
テニス で くたくた な ん やって ?
そんな とき こそ
飯 食わ ん と ―
体 もたん で
( 琴子 ) ありがとう
( 金之助 ) ぱっ !―
ほれ
いただきます
いただきまーす
うーん !
フフッ
おいしい
せや ろ ?
うん
なあ
琴子 が そんなに テニス 頑張る ん は ―
入江 の そば に い たい から なんか ?
自分 ―
やっぱり あの 野郎 の こと 忘れ られ へん の と ちゃう か ?
“ 俺 の 邪魔 だけ は する な ” って 言わ れた んだ よ ね
金 ちゃん 言って くれた じゃない ?
今日 は 琴子 の 新しい バースデー だって
本当に 新しい 自分 に 生まれ変わる ため に は ―
入江 君 に 迷惑 かけ ない ように なら ない と
駄目な 気 が する んだ
今 入江 君 の こと 忘れる って 言って も
それ って ただ の 強がり な んじゃ ない か って …
まあ それ が ―
“ 忘れ られ ない ” って いう こと かも しれ ない んだ けど ね
分かった
今 琴子 は ―
入江 を 乗り越える 旅 の 途中 な ん や
時間 かかる かも しれ へん けど
応援 し たる
金 ちゃん …
その代わり ―
わし も 琴子 を 諦め へん で ―
わし は しつこい から な ~
( 琴子 ) フフッ
覚悟 し とき や
フフッ
金 ちゃん ありがと !
食い
うん
( 直樹 ) いく ぞ ―
もう 1 回
はい ―
もっと 肩 使って ―
もっと 肩 使って ―
はい
はい
しっかり ボール 見て
そう もう 1 回
はい
消えた か …
お~っ !
しかたない
外 で 素振り する ぞ
これ ボール だ と 思って
押して
そう その イメージ
( 直樹 ) 肩 を もっと 上げろ
( 直樹 ) はい 1…
( 直樹 ) はい 1…
( 琴子 )1!
( 直樹 )2…
( 直樹 )2…
( 琴子 )2!
お前 さ …
適当 に 打た ないで ちゃんと ボール イメージ しろ よ
はい すいません
なるべく 高く 投げる
( 直樹 ) はいっ
( 琴子 ) ほっ !
( 直樹 ) ラケット を 振る の が 遅い
( 琴子 ) はい !
( 直樹 ) もう 1 回 いく ぞ はいっ
( 直樹 ) 走れっ !
( 直樹 ) 走れっ !
( 琴子 ) はいっ !
( 琴子 ) はいっ !
( 琴子 ) はいっ !
( 直樹 ) はい 走れっ !
( 直樹 ) はい 走れっ !
( 直樹 ) はい 走れっ !
( 琴子 ) はいっ !
( 琴子 ) はいっ !
( 直樹 ) もう 1 回 いく ぞ
( 直樹 ) もう 1 回 いく ぞ
( 琴子 ) はいっ !
( 直樹 ) 遅い ―
戻る とき は サイド ステップ で 戻れ
( 琴子 ) はいっ !
( 直樹 ) いく ぞ
( 琴子 ) ほっ !
( 直樹 ) はい 戻る
( 琴子 ) ハァ …!
( 琴子 ) はいっ あっ !
ちゃんと ボール を 見ろ
( 琴子 ) んっ !
( 直樹 ) 走って !
( 直樹 ) 走って !
( 琴子 ) はいっ !
はっ ! んっ ! あっ !
サイド ステップ で 戻る !―
走れっ !
立て !―
はい いく ぞ !
ハァ …
遅い !
( 琴子 ) ああっ …
あのっ すみませ~ん
あらあ …
すみませ~ん !
あの 文学部 キャンパス って どちら でしょう か ?
( 女子 学生 たち ) 文学部 は あっち …
( 紀子 ) ありがとう ~
( じんこ ) 入江 君 の おばさん ?
( 理美 ・ じんこ ) おば さーん !
あら あ じんこ ちゃん に 理美 ちゃん
お 久しぶり
でも 何で そんな 格好 して る んです か ?
( 紀子 ) だって お 兄ちゃん に バレ たら 困る もの
だから ―
ちょっと 変装 して みた の
いやあ … かえって 目立って ます よ
ってか バレバレ です し …
何か … そういう とこ ―
おばさん と 琴子 って 似て ます よ ね
琴子 ちゃん …
何だか しばらく 会え なかったら
琴子 ちゃん が 恋しく なって しまって …
まあ 私 たち も
琴子 と 入江 君 もしかしたら うまく いく ん じゃない か って
ちょっと 思ったり した んです けど ね
何てったって ―
一時 は キス まで した 仲 な わけ だ し
一時 は キス まで した 仲 な わけ だ し
ちょ ちょ ちょっ …
チャック ! チャック !
ね … ねえ キス って …
あの キス ?
(2 人 ) はい ―
“ キス ” です !
キ … キ …
ああっ
ハァハァ …
キス した の ? あの 2 人 !?
はあっ !!
ヤッホー !!
ちょっと おばさん
琴子 に 会って いか なくて いい んです か ?
今 テニス コート に い ます よ !
いい の いい の
もう 学校 なんか で 会う 必要 ない わ
私 は ―
家 に 琴子 ちゃん を 呼び戻す って 決めた から !
えー !?
だって 今 琴子 必死 に 入江 の こと …
入江 君 の こと 忘れ よう として る のに !
忘れる 必要 なんか ない じゃな~い
だって
キス した んだ もの
お 兄ちゃん が 何 と 言おう と もう 駄目 よ
私 は 必ず ―
琴子 ちゃん を 取り戻して みせる わ ~!―
アハハ …
(2 人 ) アハハ … ハハ …
( 直樹 ) はい 1! 2!
もう 1 回
はい
肩 を もっと 上げて
1 で トス
1!
ライン から 出て る ぞ
もう 1 回
( 琴子 ) ハァ …
1! 2!
どこ 狙って んだ
もう 1 回
1! 2!
しっかり ボール を 見ろ
はい 1! 2!
( 琴子 ) おーっ !
あーっ !
入った !
やった ! 入った できた !
入江 君 初めて 入った !―
やったーっ !
ごめんなさい …
( 直樹 ) サーブ なんて ―
テニス 始めた ばっか の 子供 だって 1 日 で できる ように なる ぞ
エヘヘ …
そう だ よ ね ~
エヘヘ …
お前 の 人生 は いちいち 感動 が 多くて いい よ な
へっ ?
時々 羨ましい よ
( 直樹 ) もう 1 回
はい
( 琴子 ) じゃあ お 父さん いって き ます
( 重雄 ) は い いって らっしゃい
あっ 琴子 !
( 重雄 ) ちょっと 待って
( 琴子 ) はい はい !
( 琴子 ) はい !
( 重雄 ) おう ―
今日 から 新しい 家 に 入れる から な
( 琴子 ) ああ そう か そう だった ね
( 重雄 ) 間違って この アパート へ 戻って くる な よ ―
新しい 家 だ ぞ
大丈夫だ よ
だって 前 一緒に 見 に 行った じゃん
じゃあ いって き ます
( 重雄 ) はい いってらっしゃい
( 琴子 ) バイバイ ~
大丈夫 かな …
どっこらせ の よっこいしょ の …
金 ちゃん
おう
琴子 !
よいしょ
大丈夫 か ?
うん … 大丈夫
琴子
今日 まで よう 頑張った な
放課後 テニス の 試合 なん やろ ?
うん !
勝てる ように 験担ぎ や
カツサンド
おーっ !!
カツサンド !
金 ちゃん ありがとう !
フフ …
ん ~!
( 松本 ) のんき な もん ね ―
カツサンド なんか 食べて
これ は 験担ぎ で …
( 松本 ) 験担ぎ で なんとか なる なら
試合 で 負ける 人間 なんて い ない わ よ
ねえ
あなた 自分 が 入江 君 に どれ だけ 迷惑 かけて る か
分かって る ?
だから 迷惑 かけ ない よう 私 なり に 頑張って …
その 頑張り が 既に 迷惑 って こと
この 間 の 試合 だって 今日 の 試合 だって
恥 を かく の は 入江 君
あなた の 特訓 の せい で ―
無駄 な 時間 を 過ごして る の も 入江 君 ―
好き な 男 に さんざん 迷惑 かけて ―
よく 平気で い られる わ ね
( 須藤 ) ウィッチ ?
( 直樹 ) ラフ
スムース
サービス !
いい か
この 1 週間 の 練習 を 無駄に する な よ
とにかく 目 を 開けて ボール の 行方 を 見ろ ―
いい な ?
はい
お前 は 1 人 じゃない んだ から
俺 が いる んだ から 怖がる な
はい
ふう …
( 部長 ) 須藤 松本 ―
サービング プレー
おりゃあ !
はっ …
( 須藤 ) フーッ !
( 須藤 ) て やーっ !
( 須藤 ) て やあーっ !
( 須藤 ) ん ああっ !
みんな 当て やがる 俺 の 剛速球 を … あの 素人 が !
でも こっち の コート に 戻って くる わけで も ない し
あっち の 点数 は ボロ 負け です よ
俺 の プライド の 問題 だ あ !
入江 は もう いい 相原 だ ~
相原 を 狙え ~!
はい
ふう …
( 直樹 ) しっかり 目 を 開けて
ボール を 見て ―
それ で 球 が 飛ぶ 方 へ 動け
( 琴子 ) 私 ―
ボール 見る の 怖く なく なって る !
( 須藤 ) おりゃっ !
( 琴子 ) それ に 須藤 さん の ボール も ―
松本 さん の ボール も ―
入江 君 と 比べたら 全然 遅い ―
だから …
よお~し 相原 ~!
これ でも 食らえっ ―
おりゃあっ !!
琴子 !
はいっ !!
( 琴子 ) 見えた !
おお ~
おお ~
須藤 さん の サーブ を 打ち返した
須藤 さん の サーブ を 打ち返した
こんな の できる の 女子 じゃ 松本 くらい じゃない か ?
すごい ぞ 相原
( 拍手 )
やった じゃん
ハァハァハァ …
ラケット を 握った の は …
初めて … 初めて ラケット を 握った の は …
お 母さん の 体 の 中 から 出て きた とき に は …
あ 痛っ !
痛っ !
あ ううっ !
足 ひねった の か ?
ったく 情け ねえ な ―
ここ か ?
( 琴子 ) おおーっ !! 痛いっ !!
こりゃ 無理 だ な
須藤 さん こっち 棄権 し ます
へっ … え えっ ?
えっ !?
棄権 し ちゃって いい の ?
ラケット よろしく
♪~
あの …
ごめんなさい 私 また 負け ちゃって
はなから 勝とう なんて 思って ない さ
えっ ?
( 琴子 ) 神様 ―
ますます 入江 君 が 好き って 言ったら ―
怒り ます か ?
お前 の 家 まだ か ?
うーん おかしい な
こないだ 下見 した とき は 駅 から すぐ 近く だった のに な
多分 あと ちょっと だ と 思う
( 直樹 ) さっき も そう 言って た ぞ
だから タクシー に しろ って …
だって もったいない んだ もん
こっち の 身 に も なれ よ
はーい
ねえ 入江 君
試合 の とき …
私 が 須藤 さん の ボール 打った とき
私 の こと 名前 で 呼んだ よ ね ?
さあ ね
呼んで くれた の 初めて だ よ ね ?
だから 覚えて ねえ よ 試合 に 夢中 だった から
ふーん
おっ !―
あった あれ だ ! 新しい 家 !―
私 の 家 だ !
( チャイム )
じゃあ おやじ さん に よろしく
( 琴子 ) あ … ちょっと 待って !
あの …
お 父さん まだ 家 に いる と 思う し
お茶 でも … いかが ?
ほら お 父さん 入江 君 に きっと 会い たい と 思う し …
お 礼 も し たい と …
分かった 分かった から
だから 離せ !
( 琴子 ) ハハ …
ごめん ね ~
( 戸 が 開く 音 )
( 男性 の 声 ) はい
お … お父さん !
お前 の じいさん ?
知ら ない
あの … 誰 です か ?
失礼 な !―
そっち こそ 誰 だ ?
私 この 家 の 者 です けど
ここ は 私 の 家 だ
( 琴子 ) うっそ ? いや ―
合って る と 思う んだ けど
私 1 回 ここ に 来て ます …
( 男性 ) とにかく ―
ここ は 私 の 住まい だ
はあ ?
どういう こと ?
♪~
( 紀子 ) 何 言って ん の
キス した くせ に
( 金之助 ) キス や と ー !
お 兄ちゃん と デート し ちゃい なさい !―