イタズラ な Kiss 〜 Love in TOKYO #8 (1)
( 須藤 ( すどう )) よーし 相原 ( あいはら )
これ でも 食らえっ ―
おりゃ あっ !!
( 入江 直樹 ( いりえ なおき )) 琴子 ( ことこ )!
( 入江 直樹 ( いりえ なおき )) 琴子 ( ことこ )!
( 相原 琴子 ) はいっ !!
( 相原 琴子 ) はいっ !!
( 琴子 ) 見えた !
やった じゃん
やった じゃん
ウフ … あ 痛っ !
ウフ … あ 痛っ !
痛っ ! あ う うっ !
足 ひねった の か ?
( 琴子 ) うん
( 直樹 ) ここ か ?
( 直樹 ) ここ か ?
( 琴子 ) おおーっ !! 痛いっ !!
( 琴子 ) おおーっ !! 痛いっ !!
( 琴子 ) 神様 ―
ますます 入江 君 が 好き って 言ったら ―
怒り ます か ?
お前 の 家 まだ か ?
うーん おかしい な
おっ !―
あった あれ だ 新しい 家 !
( 男性 ) はい
( 琴子 ) 誰 です か ? 私 この 家 の 者 です けど
ここ は 私 の 家 だ
うっそ ー !
( 男性 ) とにかく
ここ は 私 の 住まい だ
どういう こと ?
ごめん 入江 君 …
そんな 足 で ほったらかし といたら
また おふくろ に 怒ら れる から な
とりあえず おやじ さん と 連絡 が 取れる まで 家 で
でも
お 父さん どこ 行っ ちゃった んだろう
( ドア が 開く 音 )
( 入江 裕樹 ( ゆうき )) お 兄ちゃん
大変 だ よ ! また 僕 の 部屋 が …―
こいつ だ よ
こいつ の せい で うっ …
( ドア が 開く 音 )
( ドア が 開く 音 )
( 入江 紀子 ( のりこ )) おかえりなさい お 兄ちゃん ―
( 入江 紀子 ( のりこ )) おかえりなさい お 兄ちゃん ―
そして 琴子 ちゃん 一緒 だ と 思って た わ
何か 今日 入居 できる はず の 家 が 別 の 人 の もの に なって て
お 父さん に 連絡 して も 全然 つながら ない し …
琴子 ちゃん の お 父さん
今 不動産屋 さん に 出かけて らっしゃる わ
へ ? 一体 何 が あった んです か ?
それ が ね 何だか 契約 上 の ミス だった らしくて
新しい 家 琴子 ちゃん の お 父さん より も
1 日 早く 契約 した 方 が いらっしゃった みたい な の
え ?
( 店員 ) 本当に 申し訳 ございません ―
系列 会社 の 方 で 先 に 契約 して いた みたい で
そ … そんな
( 紀子 ) ほら 家具 や 大きな 荷物 なんか は ―
今日 うち から 新しい 家 に 移す こと に なって た でしょ ?―
それ も 駄目 に なった みたいで ―
朝 から 引っ越し屋 さん に 電話 したり ―
不動産屋 さん に 電話 したり で
ずーっと バタバタ して らした から
それ で 琴子 ちゃん の 電話 も 通じ なかった ん じゃない かしら
じゃあ 私 と お 父さん
また 住む 家 なくした って こと です か ?
どう しよう …
あら また うち に 戻って くれば いい じゃない の
あ …
でも …
( 紀子 ) 相原 さん も 琴子 ちゃん も うち に 住めば いい じゃない の
フフッ
だって 私 たち 家族 に なる んです から
は ?
まだ そんな ばか な こと 言って ん の か よ
そっち こそ 何 言って ん の
キス した くせ に
おおっ
私 は 言って ない 私 は 言って ない
私 は 言って ない !
( 裕樹 ) うそ でしょ
うそ でしょ お 兄ちゃん !
( 紀子 ) ったく もう 2 人 と も そんな そぶり も 見せ ないで フッ
もう 親 を はめ ちゃう なんて もう 人 が 悪い ったら フフフ …
何で おば 様 が その こと を ?
情報 を 制する もの は 世界 を 制する の よ !
オホホホホ … オホホホホ …
( 紀子 ) はい
はい そうです
では そういう こと で
よろしく お 願い いたし ます
ウフッ
はぁ
ふう
( ノック )
はい
( ドア が 開く 音 )
琴子 ちゃん が 戻って きて くれて 本当に うれしい わ ウフフ
自分 の お うち に 戻って きた 感想 は いかが ?
違う んです おば 様
私 と 入江 君 は おば 様 が 思って る ような 関係 じゃなくて …
新しい 家 が 見つかり しだい すぐ 私 たち 出て いき ます から
でも 新しい お うち 見つかる かしら ねえ
え ?
フフッ とにかく
私 は 琴子 ちゃん を お 嫁 に もらう って
改めて 決意 した の
だって 琴子 ちゃん と お 兄ちゃん は
キス した 仲 な んです もの フフフフッ
だから 違う んです
それ は ちょっと した 間違い で
はぁ …
私 たち
手 も つないだ こと ない し
それどころか
デート も した こと ない し …
そんな 弱気 で どう す ん の よ 琴子 ちゃん !
した こと なければ
これ から すれば いい じゃない の フフッ
ちょっと した 間違い で キス が できる なら
デート だって 弾み で でき ちゃう はず よ ウフフ
そんな むちゃ な …
琴子 ちゃん
お 兄ちゃん と デート し ちゃい なさい
それ が あなた の ミッション な の よ !
フフッ 頑張って ね
ウフフ ウフフフフ
ウフッ
( 琴子 ) 成り行き で 入江 君 と の 初 デート を 命じ られて しまった 私 ―
そりゃ 私 だって できる もの なら ―
入江 君 と デート し たい ―
でも ―
彼 は そんな 気 ゼロ な のに …
一体 どう したら いい の ?
♪~
( 小森 ( こもり ) じんこ ・ 石川 理美 ( いしかわ さとみ )) また 一緒に 暮らし はじめた ?
( 琴子 ) う う … うん
なぜか おば 様 に キス した こと ばれ ちゃって て さ
( 理美 ・ じんこ ) あ ああ …
もしかして 2 人 しゃべった の ?
もう 何で よ
ちょっと した 弾み ?
( 理美 ) てへっ
( 理美 ) てへっ
( 琴子 ) 弾み って
( 琴子 ) 弾み って
( 琴子 ) 弾み って
( じんこ ) ごめん ごめん …
( じんこ ) ごめん ごめん …
( じんこ ) ごめん ごめん …
( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) キス や と ー !
( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) キス や と ー !
琴子 お前 入江 の 野郎 と キス した ん か ?
琴子 お前 入江 の こと 諦める ん や なかった ん か ?
金 ちゃん ごめん …
あー あ 金 ちゃん に は ちょっと 刺激 強 すぎた ね
はあ でも かえって よかった の かも
理美 ?
だって 琴子 入江 の こと 全然 諦め られて ない じゃん ―
はぁ
( 理美 ) 琴子 自分 でも 気 が 付いて る ん でしょ ?―
たとえ ライバル が いて も どんな 障害 が あって も ―
入江 へ の 気持ち は 変わら ない って ―
だったら 金 ちゃん も さっさと 諦めて ―
次 へ 進んだ 方 が いい
はぁ
でも そういう 私 も
入江 君 に 相手 に されて ない んだ けど ね
はぁ
( 琴子 ) はっ うわさ を すれば
( 琴子 ) よいしょ さっ !
すっ
( 松本 裕子 ( まつもと ゆうこ )) 入江 君 !―
今度 の 日曜日 一緒に 映画 に 行か ない ?
チケット 2 枚 ある の
( 琴子 ) 何 ?―
松本 裕子 の やつ も 入江 君 と の 初 デート を 狙って る わけ ?―
うわー 勝てる 気 が し なーい
う おっ 何 やって る んです か ? 須藤 先輩
う お っ 何 やって る んです か ? 須藤 先輩
いやいや 相原 こそ 何で いんだ よ ? ここ に
いやいや 相原 こそ 何で いんだ よ ? ここ に
あっ あっ あ ~ 入江 の こと 見て た の か ー
そういう 須藤 先輩 も もしかして 松本 さん の こと を ?
もしかして 松本 さん の こと が
す … す … 好き ー !
す … す … 好き ー !
うわあっ !
(2 人 ) おお っ
( 須藤 ) 相原
やだ 昼間 っから こんな 所 で
( 須藤 ) あっ あっ あっ いや あっ …
( 須藤 ) あっ あっ あっ いや あっ …
( 琴子 ) あっ あの あの ―
こ こ こ これ は 違う の ! あの これ は えっと …
あ … やっぱり あの うわさ は 本当 だった の ね
へ ? うわさ ?
あ 相原 さん と 須藤 先輩 が 怪しい って うわさ
えっ … え えっ ?
う … 適当 な こと 言わ ないで よ
だって あなた みんな に
“ 入江 君 の こと 諦める ” って 言って た じゃない
それ って 須藤 先輩 が 原因 な んでしょ ?
テニス 部内 じゃ 結構 な 評判 よ
え えっ ? そう な の ?
おお 違う 違う 違う
あ 入江 君 あの これ は ね 誤解 な の 誤解 あの 違う の
別に 俺 に は 関係 ない し ―
あ 松本 ―
さっき の 返事 だ けど
日曜 暇 だ から いい よ 映画
ほんと ? ありがと
♪~
( 琴子 ) はぁ
痛 ( いて ) て て て …
もう 須藤 先輩 の せい です よ
急に 体重 かけて くる から
相原 が 足 けが して ん の 忘れて て ほんと すまん
でも 知ら なかった な
俺 たち の 仲 が テニス 部内 で
そんなに うわさ に なって る なんて な
ハッハッハ …
フフ なって る わけない じゃない です か
松本 さん の 出任せ です よ 入江 君 に 自分 を 印象づける ため の
松本 は そんな つまらん うそ を つく ような 女 じゃない !
ああ
須藤 先輩 って 本当に 松本 さん が 好きな んです ね
相原 ちょっと 相談 が ある んだ けど
うん その 何 だ
君 は 入江 が 好き
俺 は 松本 が 好き
松本 は 入江 が 好き これ じゃ いかん と 思わ ん か ?
それ じゃあ 誰も 幸せ に な ん ない です もん ね !
そこで だ
そこで だ
( 琴子 ) はい
( 琴子 ) はい
( 琴子 ) はい
2 人 で 協定 を 結んで だ な
2 人 で 協定 を 結んで だ な
それぞれ が 協力 し合う って の は どう だろう ?
協力 どんな ?
例えば …
え えっ うそっ
え えっ
( 理美 ・ じんこ ) 入江 の デート を 尾行 する !?
シーッ ! 金 ちゃん に 聞こえたら どう す ん の !
ティッシュ ティッシュ ティッシュ 女子 力 アップ
ティッシュ ティッシュ ティッシュ 女子 力 アップ
大丈夫 今日 金 ちゃん お 休み みたい よ ―
大丈夫 今日 金 ちゃん お 休み みたい よ ―
ん ?
ん ?
琴子 どうした の ?―
琴子 どうした の ?―
ティッシュ ティッシュ よし
はぁ よかった
( 理美 ) でも デート 尾行 なんか して どう す ん の ?
うーん 分か ん ない けど さ
2 人 が どうにか なっちゃ ったら どう しよう って 思って
そう 思う と ただただ 心配 で さ
なっさけない わ ね ー !
理美 !
だって そう じゃない
松本 裕子 に おめおめ と
初 デート を 奪わ れた の も そう だ けど
あげく の 果て に それ を 尾行 する だ なんて !
あげく の 果て に それ を 尾行 する だ なんて !
( ハウリング )
( ハウリング )
( ハウリング )
それ じゃあ まるで 須藤 先輩 と 琴子 が
それ じゃあ まるで 須藤 先輩 と 琴子 が
デート する ような もん だ よ !
デート する ような もん だ よ !
( ハウリング )
( ハウリング )
( ハウリング )
何か 変 な 音 し ない ?
何か 変 な 音 し ない ?
じんこ 今 大事 な 話
お 口 チャック !
( じんこ ) 飲む ? アップル ティー 飲む ?
( 琴子 ) オレンジジュース
須藤 先輩 と 琴子 が デート や と ?
どう なって る ん や
( 理美 ) そんな いい の ?
( 琴子 ) うーん しかたない じゃん 恋 なんて そんな もん よ
琴子 新た な 恋 に 落ちた ん か ?
あの ひげ の おやじ と
( 琴子 ) デート は うーん 映画 銀座 ( ぎんざ )
( 理美 ) ああ 烏森 ( からすもり )?
( 琴子 ) 新橋 ( しんばし )
銀座
烏森 新橋 …
場所 なんて どう で も いい よ はぁ …―
映画 デート ロマン … なあ
はぁ … デート
映画 銀座
烏森 新橋 …
ロマン …
デート 映画
銀座 烏森 新橋 ロマン …
あー さっぱり 分から へん ! もう 頭 が 変に なり そう やあ
( 小田原 ( おだわら )) おい 金之助 何 やって んだ もう お前 店 開い ちまう ぞ !
すいません 兄貴
何 だ よ ? それ
分から ん のです わ !
暗号 か ?
デート 映画 銀座
烏森 新橋 ロマン
頭 こんがらがり ます やろ ?
フッ なるほど ねえ フッ
えっ ? 兄貴 分かった んです か ?
お前 が デート 行く の か ?
いえ
いえ
だろう なあ お前 みたいな のに
だろう なあ お前 みたいな のに
こんな 大人 の エロい デート できる わけ ねえ もん な ―
えっと …
エ … エ … エ …
エ … エ … エロい ?
えっ ? えっ …
( 相原 重雄 ( しげお )) 琴子 すまねえ
あれ から ありとあらゆる 不動産屋 回って みた んだ が
どういう わけ か いい 物件 が 見つかって も ―
僅差 で 別 の 人 に 契約 が 決ま っちまって
ふーん そっか
はぁ とことん ついて ねえ な
まあ とにかく
すぐに は 新しい 家 見つかり そう も ない んだ
だから しばらく の 間
入江 家 に また 世話 に なる しか ない
そんな
お 父さん が 頭 下げる ような こと じゃない でしょ ね
いやあ でも
あれほど 決心 して 入江 家 を 出た のに
お前 に も つらい 思い を させて る ん じゃない か と 思って さ
( 直樹 ) さっき の 返事 だ けど
日曜 暇 だ から いい よ 映画
ほんと ?―
ありがと
ああ やっぱり なあ
違う の お 父さん
ん ?
あの ね
私 …
やっぱり 入江 君 の こと 好きな んだ
いや だ けど 直樹 君 の 気持ち が …
それ は 関係ない と 思う
フフ
そりゃあ 入江 君 が 私 の こと 好き に なる なんて