Samurai Champloo Episode 21
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旅人 たち に とって 大切 な 道しるべ で あり
永遠 に 輝き 続ける 不滅 の 存在 だ と 考え られ て い た
だからこそ
不吉 な 予兆 と して 恐れ られ て い た
その 輝き を 見 た 者 に は 何 か 悪い こと が 起きる
そう 思わ れ て い た の だ
それ も その はず
多く の 人々 は 地球 が 丸い こと さえ 知ら なかった の だ
( フウ ) あっ 流れ星
ヒマワリ の 匂い の する お 侍 さん が 見つかり ます よう に
無事 に 長崎 に 着け ます よう に
あと は おなか いっぱい 食べ たい よう
( ムゲン ) あ ?
( ジン ) それ は …
ひょっとして マツタケ じゃ ない ?
ああ ?
何 ? 知ら ない の ?
山 の 宝石 って 言わ れ て て 売れ ば 結構 いい お 金 に …
あ あっ !
ちょっと お コラ 吐き なさい よ
( ジン ) キノコ と いう もの は 胞子 に よって 広がる もの だ
つまり 1 つ 見つかれ ば …
あ あっ ! 食べる な っ !
( ムゲン ) み っけ ( フウ ) あ あっ !
( ジン ) こっち に も ( フウ ) あ あっ !
も う っ !
も う っ も う っ … な っ !
ああ … 食った 食った
( ムゲン の せき込む 音 )
( ムゲン ) ああ …
( ジン ) む … 胸焼け が …
( フウ ) ない な い ない ない
ない …
全部 食べ ちゃ って …
あ … そうだ
( ムゲン ) ああ ?
“ キノコ に 用心 しろ ” って 書 い て あった よ
( ジン ) おい !
( ムゲン ) お め え 食って から 言う な よ
( 地響き ) ( 3 人 ) ん ?
はっ ! あ あっ
ああ あ あっ !
( ムゲン ) 痛 ( い て ) え
( ジン ) 無事 か
どこ ?
あっ ジン ?
ムゲン ?
冷た … 何 この 手
まるで 死人 の …
ヒッ …
ヒャアアアッ !
( 風 葉 ( ふう ぱ ) ・ 錆 弐 ( さび に ) ) ギャアアアッ !
( フウ ) キャアアアッ !
( ムゲン ) うりゃ っ
( 風 葉 ・ 錆 弐 ) ああ … N ギャアアアッ !
ええ ?
( フウ ) すごい … 何 ここ ?
( ジン ) 何 か を 発掘 し てる よう だ な
( ムゲン ) ん ?
おい
( 錆 弐 ) お … お ど かさ ない で くれよ
( 風 葉 ) 幽霊 か と 思った ぜ
悪 ( わり ) いな
( 2 人 ) ハア …
( 風 葉 ) 気 を つけ て くれよ
( 琵琶 ( びわ ) の 音色 )
( フウ ) ん ?
( シゲ ) 馬 に は 人 人 に は 馬
落ち 重なり 落ち 重なり
( 琵琶 の 音色 )
( シゲ ) さ ばかり き 深い 谷 ひと つ を
平家 ( へ いけ ) の 勢 ( ぜ い ) 七万 あまり で ぞ
埋め尽くし 厳 泉 ( がん せ ん ) 血 を 流し
死骸 の 山 と な せり
平家 物語 第 七 巻
倶利 伽藍 落 ( くり から おとし )
( シゲ ) 以上 !
これ は これ は
迷い の 旅人 が こんな ところ に たどり着く と は ね
あの … ここ で 何 を ?
さて 客人
この 2 つ の 穴 は 太陽 と 月 を 表し て いる こと を ご存じ か ?
星 々 の 音 を 奏で て いる こと を ご存じ か ?
この 琵琶 を かき鳴らせ
さすれば 夜空 の 星 まで 呼び寄せる
何者 ( もん ) だ よ て め え は
( シゲ ) そう そう 失礼 し た ね
しかし 考え て み れ ば こちら が 先客
迷い 込ま れ た 旅人 から “ 何者 だ ” など と 言わ れる の は
どうにも 筋違い で は あり ます が
まあ いい でしょ う
あいさつ に 序列 を つけ て “ 古い 感性 だ ”
“ 体育 会 系 だ ” と 疎 ま れる の も 心外 だ
( フウ ) 何 が 言い たい の ?
我が 輩 は シゲ
平家 の 血 を 継ぐ 者
平家 の 埋蔵 金 を 発掘 さ せ て い た だい とり ます 次第
( フウ ) 埋蔵 金 ?
こんな とこ に ?
( シゲ ) ある と しか 言え ない
だからこそ ない と 言い 切れ ない
そんな 言葉 を 聞い た こと が あり ます か ?
確かに いきなり 信じろ と いう の も 酷 な 話 で は あり ます もの ねえ
では これ を
見る が いい
この 家系 図 こそ が 平家 の 子孫 で ある 証拠
だからこそ この 埋蔵 金 を 頂く 権利 が ある ので 候 ( そう ろう )
平家 の 財宝 が 埋まって いる の は 承知 の とおり
そして それ が 記さ れ た の が ここ …
あぶり出し か …
ウソ くさ っ
ほうほう そう やって 何でも 半信半疑
など と いう もの が ある と でも いう の だ ろ う か
そんな 世代 間 断絶 を 生み出す の は ささい な ひと言 な ん だ よ
お嬢さん
ぐう う …
( フウ ) 感じ 悪い 行 こ
( シゲ ) そうそう …
他人 を 一面 的 に 捉える こと が 今どき の あり よう だ もの な
しかたない …
でも 食べ て いく に は 先立つ もの が 必要 で は ない の かい ?
探し 始め て 早 5 年
現れ し 旅人
これ も 何 か の 縁
どう かな ? 人手 不足 の 我ら を 手伝う と いう の は
いくら 出す ?
発見 の 際 に は 埋蔵 金 の 1 割
その 金 一 国 の 再興 を 可能 に する 価値 が あり や
ああ ?
1 割 でも 相当 な 額 だ な
待って よ
早く 長崎 に …
( シゲ ) 長崎 に 行く なら なおのこと
腹 が 減って は 戦 も でき ぬ
働か ざる 者 食う 寝る 遊ぶ と 言う で は ない か
まっ し ゃ あ ねえ なあ
うん
え ー
さっそく 彼ら に 案内 さ せよ う
頼 ん だ よ 錆 弐 風 葉
( 錆 弐 ・ 風 葉 ) はい 親方
( フウ ) ああ もう どうして こう なっちゃ う の かしら
ちょっと の あいだ だけ だ から ね
( シゲ ) そう 急が ず と も ゆっくり し て ゆく と よい
ここ から は 逃げ られ ない の だ から …
( フウ ) な あん か うさんくさい わ ね あの シゲ って 男
数 日 分 の 宿 代 と 食費 が 浮く の は 確か だ
財宝 が 出りゃ あ そのまま ばっ くれよ う ぜ
あの 地図 も ちょっと 怪しい し
( おなか が 鳴る 音 )
とりあえず 何 か 食らう もん
( 風 葉 ) あ … いや …
( ムゲン ) 何 か あん だ ろ !
( 錆 弐 ) これ だったら …
ああ …
( フウ ) ちょっと 待ち なさい よ !
う っ … う う っ …
何 これ !
わさび です
か ああ あっ
いん石 など に 付着 し た 生命 体 だった と も 言わ れ て いる
誰 に も 否定 でき ない の で ある
( シゲ ) 彼 は 自称 超 能力 者 の 辺 太 ( ぺ ん た )
彼 に よって 導き 出さ れ た 埋蔵 金 の 場所
その 行く手 を 岩盤 が 阻む 場所 に は 発 破 を 仕掛け …
ある と しか 言え ない !
( 爆発 音 )
った く こき使い や がって ん ん …
( ジン ) うむ …
( フウ ) 自分 たち の せい じゃ ん
( 風 葉 ) もう 少し の 辛抱 です よ
あの 岩盤 の 向こう に 反応 が ある そう な ん で …
あれ ? あの 右手 たしか …
( フウ ) 切り落とさ れ た はず じゃ なかった っけ ?
気のせい かな …
( 爆発 音 ) ( フウ ) ん ?
( ムゲン ) ふ ー ぬ っ
ハア …
( フウ ) ねえ あれ から 何 日 たった ん だ ろ う …
( ジン ) うむ 数 日 の 気 も する が 数 か月 の 気 も する
こうして いる と 時 が たつ の を 忘れ ち まう
我ら が ここ で 過ごし た 5 年 あまり
今 の 世 を のうのうと 治め て いる 源氏 ( げ ん じ ) の 天下 も 終わる
源氏 ?
った く 何 が “ いざ 鎌倉 ( かまくら ) ” だって え の
頼 朝 ( より と も ) の 野郎 が いい 気 に なり や がって
鎌倉 ?
あの … N 今 って 徳川 ( とく がわ ) の 時代 で …
( 錆 弐 ) う っし ゃ あ ちょっくら 休憩 する か
( 風 葉 ) ああ
やっぱり ここ の 人 たち ちょっと 怪しく ない ?
大体 わさび なんて よく 食べ られる わ
たしか …
わさび に は 殺菌 や 防腐 効果 が ある らしい が …
( フウ ) ん ?
あれ ? あの 人 たち たしか …
腐って る ?
まさか …
体 が 腐 ん ない よう に わさび を ?
( フウ ) ヒイッ
どう です ?
ここ は 浮き世 を 忘れる に は もってこい の 場所 でしょ ?
あんた たち 何者 な の ?
( シゲ ) お やおや
これ は いきなり 哲学 的 な 問いかけ です ねえ
いったい 私 は 何者 な の か …
私 も それ を 知り たい と 思って た ところ です よ
( 辺 太 ) 親方 や っぱ 人手 が 足り ませ ん
うん しかたがない
応援 を 呼ぶ と し ます か
失礼 …
ああ … バテ た バテ た
( ムゲン の せき込む 声 )
ああ …
また 胸焼け が …
あ … ああ
( ムゲン の せき込む 声 )
あ … そう いえ ば あの とき …
( フウ ) まさか …
二 人 が 食べ た の は マツタケ じゃ なかった ん じゃ …
怪しい … あんた ら も ?
( ムゲン の せき込む 声 ) ( フウ ) ヒイッ
ああ ? 何 だ あいつ
( ジン ) そう いえ ば 気 に なって いた ん だ が …
( ムゲン ) あん ?
( ジン ) あの 平家 の 家系 図 なんか おかしく ない か ?
( ムゲン ) さあ な それ なら こん 中 に ある ぜ
調べ て みる か
( カラス の 鳴き声 )
ハア … ハア … ハア …
( ムゲン ) あみだ くじ み て え だ な
( シゲ ) うむ …
( おなか が 鳴る 音 )
( ムゲン ) ああ … しっか し 腹 減った
これ でも 食う か
はっ
キャアアアッ
( フウ ) ああ …
イヤアッ
キャアアアッ
ハアッ ハアッ ハアッ
キャアアアッ
イヤアアッ
( フウ ) た … 助け て
キャアアアッ
もう ヤダ … もう ヤダ … N もう ヤダ ヤダ …
( フウ ) ハア … ハア … ハア …
あっ
( ジン ・ ムゲン ) ん ん ?
キャアアアッ
あ … あ …
う …
あなた 方 に も 死 ん で もらう ほか ない よう です
( ムゲン ) そういう こと かい
最初 っ から 言って くれ れ ば いつ でも 相手 して やった のに よっ !
( ムゲン ) や あっ !
オラ どう し た もう おしめ え か ?
って あれ ?
( ムゲン ) 何 だ …
なんで 死な ねえ ん だ ?
どう なって ん だ よ ?
ん ?
う わ っ コラッ
彼ら は もう 死 ん で ます から ね
殺す こと など 不可能 です よ
なあ に 大丈夫
あなた も すぐに よみがえら せ て あげ ます から
( ムゲン ) 大丈夫 じゃ ねえ よっ
オラッ
危ない 危ない
首 の 皮 一 枚 で つながり まし た よ
( ジン ) なに ? まさか …
キャッ !
はっ
源 氏 の やつ ら に 一 泡 吹かせ て やり ま しょ う
( ムゲン ) う う … う わ っ
う う … う っ う っ あ ああ …
何 言って ん の よ
今 は 江戸 時代 な ん だ から ね !
平家 も 源氏 も ない ん だ から ね !
何 だ と ?
あんた ら 5 年 の つもり が 5 百 年 も 掘って ん じゃ ない の ?
自分 たち が とっくに 死 ん でる って 分かって ん の ?
( シゲ ) フッ …
フハハハハッ
ハハハハッ
ピーチク パーチク 言って る の やら
( ジン ) ちょっと 待て ( シゲ ) ん ?
これ を よく 見ろ
( ジン ) ここ の とこ
ん ?
( フウ ) つながって ない じゃ ん って こと は …
( シゲ ) え ?
( ムゲン ) 赤 の 他人 じゃ ねえ か よ
そう お前 は 平家 の 子孫 じゃ ない
ウソ ?
つながって … ない
( ムゲン ) 他人 だ 他人
( フウ ) 残念 で し た
そんな … ここ まで 掘った のに
あんなに も こんなに も 頑張った のに …
それ が 全部 すべて が ムダ ?
そんな あっ !
あ …
あ …
つながって いよ う が いま い が 関係 な いっ つ う か
そもそも 俺 たち 血 自体 が もう ない 体 な わけ だ し
今 まで どおり の おつきあい と いう わけ に は …
いき ませ ん か …
だ ね …
( 琵琶 の 音色 )
お粗末 !
( 子ども ) あ … キノコ !
( 父親 ) うむ …
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ぐ わ あ ああ あっ !