Bakemonogatari Episode 9
( 阿 良 々 木 ( あら ら ぎ ) ) 僕 が 千 石 撫子 ( せんごく な で こ ) に 最後 に 会った の は
6 年 以上 も 前 の こと だ
だから 僕 は 千 石 と 再会 し た とき
最初 彼女 が 誰 な の か すぐ に は 分から なかった
( 神原 ( かん ば る ) ) フフッ
ハア
( 息切れ )
( 阿 良 々 木 ) お ? ( 神原 ) あ …
( 息切れ )
( 阿 良 々 木 ) もし 僕 が もっと 早く 彼女 に 気付 い て い れ ば
この 物語 は あんな 結末 に は なら なかった の かも しれ ない
( 千 石 ) あ …
( 阿 良 々 木 ) だ けど そんな 後悔 は 彼女 に 対し て も 怪 異 ( か いい ) に 対し て も
きっと 何 の 意味 も ない の だ ろ う
♪ ~
~ ♪
( 阿 良 々 木 ) 今 の 女の子 …
( 神原 ) こんな 山道 で 人間 と すれ違う と は 意外 だ な
それ に 随分 と かわいい 女の子 だった
いい から 登る ぞ
それ と 足 の ほう 気 を つけ と け よ
虫 刺され は ともかく この 山 やたら 蛇 が 出る らしい から
うん
ところで 阿 良 々 木 先輩 昨日 聞き そびれ た の だ が
この 山 で 一体 何 を する の だ ろ う
( 阿 良 々 木 ) 仕事 だ よ 忍野 ( おし の ) から の
この 山 の 上 に
今 は もう 使わ れ て ない 小さな 神社 が ある そう な ん だ けど
そこ の 本殿 に お札 を 1 枚 貼って き て くれ って さ
( 神原 ) そんな の 忍野 さん が 自分 で やれ ば いい の で は ない の か ?
あの 人 は 基本 的 に 暇 な の だ ろ う ?
( 阿 良 々 木 ) まあ 仕事 だ よ
僕 は あいつ に 世話 に なった とき
しゃれ に なら ない よう な 多額 の 借金 を し ち まって る から な
お前 だって そう な ん だ ぜ 神原
( 神原 ) え ?
( 阿 良 々 木 ) あいつ は あれ でも 専門 家 な ん だ
ロハ で 力 を 貸し て くれる ほど
甘く は ない さ
( 神原 ) ああ それ で …
( 神原 ) ところで 阿 良 々 木 先輩
今日 の こと に つい て 戦場 ヶ 原 ( せ ん じょ う が はら ) 先輩 は 何 か 言って い た の か ?
( 阿 良 々 木 ) ん ? いや 別に
神原 お前 に は 何 か 言って た か ?
( 神原 ) ん ~
“ 目いっぱい かわい がって もらって き なさい ” と 言わ れ た
( 阿 良 々 木 ) う …
( 神原 ) それ と こう も 言わ れ た
“ 阿 良 々 木 くん から 粗相 を 受け たら 私 に 逐一 報告 なさい ”
“ あの 男 に 山 に 埋め られる か 海 に 沈め られる か ”
“ 嫌い な ほう を 選ば せ て あげる ”
( 阿 良 々 木 ) 嫌い な ほう を 選ば せる ん だ !
ああ そう だ 神原
戦場 ヶ 原 の 話 で 思い出し た けど あいつ もう すぐ 誕生 日 だ ろ ?
( 神原 ) うん 7 月 7 日 だ
( 阿 良 々 木 ) それ で 誕生 日 を 祝って やろ う と 思う ん だ けど
最初 の 1 回 は にぎやか な ほう が いい と 思って さ
知り合い を 呼 ん で
軽く 誕生 パーティー でも 開 い て やり たい な って
いや … 戦場 ヶ 原 先輩 と し て は
阿 良 々 木 先輩 と 2 人 きり で 過ごし たい ん じゃ ない だ ろ う か
( 阿 良 々 木 ) そんな 殊勝 な 女 か ? あいつ が
( 阿 良 々 木 ) なあ 神原
( 神原 ) 何 だ 阿 良 々 木 先輩
( 阿 良 々 木 ) その 左手 どんな 調子 だ ?
( 神原 ) うん ?
ああ 忍野 さん の 話 で は 20 歳 まで に 治る そう だ
( 阿 良 々 木 ) そりゃ よかった な
20 歳 過ぎりゃ
また バスケットボール が できる って こと じゃ ない か
そう だ な
あ …
( 神原 ) う うん …
( 阿 良 々 木 ) ん ?
( 神原 ) ハア
( 阿 良 々 木 ) どう し た 神原
少し 疲れ た と いう か
( 阿 良 々 木 ) 疲れ た ?
じゃあ ど っか その 辺 で 休む か
どこ か 座 れ そう な 場所 は …
( 神原 ) それ より 阿 良 々 木 先輩 食事 に し ない か ?
( 阿 良 々 木 ) 食事 ?
うん 気分 が 悪い とき は
大抵 おなか いっぱい ご飯 を 食べ れ ば 治る の だ
分かった じゃあ 神原
お前 は その 重箱 を 広げ られ そう な 場所 探し て くれよ
その 間 に 僕 は この お札 貼って くる から
( 神原 ) うむ 申し訳ない が 仕事 の ほう は
阿 良 々 木 先輩 に 任せる こと に する
( 阿 良 々 木 ) じゃ
( 阿 良 々 木 ) お …
( 阿 良 々 木 ) どこ か で 会った 気 が する ん だ よ な あの 娘 ( こ )
でも 中学生 くらい の 女の子 と
知り合う 機会 なんて
妹 なら まだしも そう そう ない し …
ん ? 妹 ?
あっ これ が 本殿 かな ?
う お !
これ で よ しっと
お ~ い 神原
神原 !
神原 ? 神原 !
神原 !
ヒャッ !
あっ ああ 何 だ 阿 良 々 木 先輩 か
( 阿 良 々 木 ) おいおい 何 だ と は ご 挨拶 だ な
( 神原 ) あ … 申し訳ない
つい 気 が 動転 し て しまって
( 阿 良 々 木 ) 顔色 が 悪い ぞ 大丈夫 か ?
そんなに 気分 が 悪い ん だったら さっき の 本殿 の 縁側 と か
軽く 掃除 すれ ば 横 に な れ そう だった ぞ
( 神原 ) いや 阿 良 々 木 先輩 そう じゃ なく て …
あれ を 見て くれ
え ?
あ …
あっ あ …
あ …
( 阿 良 々 木 ) あれ は 千 石 撫子 ?
( 羽 川 ( はね かわ ) ) これ と これ かな
あっ その 本 は あんまり ため に なら ない かも
効率 を 求める なら そっち の 本 の ほう が いい と 思う
それにしても 阿 良 々 木 くん が
参考 書 選び を 手伝って ほしい って 言い出す なんて
ちょっと びっくり
( 阿 良 々 木 ) うん 僕 も そろそろ 進路 の こと を 視野 に 入れよ う か と 思って
進路 ?
( 阿 良 々 木 ) この 間 戦場 ヶ 原 と そんな 話 を し て さ
それ から あいつ の 志望 校 を 聞い た ん だ が
( 羽 川 ) ああ 戦場 ヶ 原 さん は 確か 地元 の 国立 でしょ ?
推薦 で 行く はず よ ね
お前 は 何でも 知って る な
( 羽 川 ) 何でも は 知ら ない わ よ 知って る こと だけ
それ で 阿 良 々 木 くん
ひょっとして 戦場 ヶ 原 さん と 同じ 大学 を 目指す って こと ?
( 阿 良 々 木 ) まだ あいつ に は 言う な よ 変 な 期待 持た せ たく ねえ し
ところで 阿 良 々 木 くん
( 阿 良 々 木 ) 何 だ よ 改まって
( 羽 川 ) 阿 良 々 木 くん 学校 で 昨日
す さん だ 神社 跡 に 行った って 話 を し て くれ た じゃ ない
その 続き な ん だ けど …
神社 跡 で 5 等分 に さ れ た 蛇 の 死体 を 見つけ て
それ から どう し た の ?
( 阿 良 々 木 ) え ? ああ その 話 か
別に 一応 その 蛇 は 神原 と 2 人 で 穴 掘 って 埋め て やった ん だ
けど それ から さ その 辺 を 散策 し て たら
蛇 の 死体 だらけ で
( 羽 川 ) 死体 だらけ ?
( 阿 良 々 木 ) うん ばらばら に 刻ま れ た 死体 だらけ
結局 すぐ に 山 を 下り て さ それ から 近く の 公園 で
神原 が 作って き た と いう お 弁当 を いただ い た
( 羽 川 ) へえ
( 阿 良 々 木 ) それ で その お 弁当 が やけに おいしく て びっくり し た ん だ が
聞い て み れ ば おばあ ちゃん に 手伝って もらった ん だって さ
まあ 大変 だった ね 阿 良 々 木 くん
ああ 蛇 を あんな ふう に 殺す なんて
ど っか 儀式 めい て て さ 考え させ られ た ぜ
場所 が 神社 跡 って いう の も 何 か な
ああ ひょっとして 羽 川 あそこ に 神社 が あった の 知って た ?
( 羽 川 ) うん 北 白 蛇 ( きたし ら へび ) 神社 よ ね
“ 蛇 ” か … て こと は
そう 蛇 神 ( へび が み ) 信仰 って 感じ な の か な
私 も そこ まで 詳しい わけ じゃ ない ん だ けれど
( 阿 良 々 木 ) 蛇 神 信仰 を し て た 場所 で 蛇 殺 しか や っぱ 儀式 めい てる な
一応 忍野 に 報告 し て おい た ほう が いい の か な
( 羽 川 ) 阿 良 々 木 くん
私 が 言って いる の は そう いう こと じゃ なく て
神原 さん の こと 大変 だった ね って
うん ?
か ん ば る さ ん の こ と
大変 だった ね って 言って る ん だ よ
( 阿 良 々 木 ) 神原 の こと ?
あ … ああ そう だ な 突然 体調 崩す から さ
何 だった の か と 思った けど で も 大事 なく て よかった よ
そう いう こと じゃ なく
彼女 の 後輩 と 仲良し すぎる の って 問題 ない ?
ある 程度 仲良し な の は いい と 思う ん だ けど
腕 を 組む の は マズ い でしょ
( 阿 良 々 木 ) しょうが ねえ だ ろ 人 懐っこい ヤツ な ん だ よ
そんな 言葉 が 言い訳 に なる と 思う ?
それ は …
でも な 僕 戦場 ヶ 原 から 言わ れ てる ん だ よ な
神原 の ほう も
僕 の 世話 に なる よう 言わ れ てる みたい だ し
そう ね
それ は こんな 感じ じゃ ない ?
( 阿 良 々 木 ) え ?
えっ え …
はい どうぞ
え ? え ? え …
( 心臓 の 鼓動 )
あ …
ハッ !
て 感じ か な
あと 1 秒 って 感じ だった ? 阿 良 々 木 くん
いっ いや 何 言って ん だ よ
阿 良 々 木 くん て 弱く て 薄い の よ ね
阿 良 々 木 くん て 誰 に でも 優しい じゃ ない ?
そう いう の って 戦場 ヶ 原 さん から 見 たら
結構 不安 だ と 思う の よ ね
( 阿 良 々 木 ) 不安 って
戦場 ヶ 原 さん と し て は あんまり 阿 良 々 木 くん に
神原 さん と 仲良く し て ほしく ない ん じゃ ない か な
違う か
仲良く し て も いい むしろ 仲良く し て ほしい ん だ けど
けじめ は ちゃんと つけ て ほしい と いう か
戦場 ヶ 原 さん と 神原 さん と を 比べ た 上 で
ちゃんと 自分 を 選び 取って ほしい って 感じ な の か な
何 だ そりゃ 訳 分か ん ねえ ぞ
( 羽 川 ) 戦場 ヶ 原 さん も ジレンマ じゃ ない の か な
阿 良 々 木 くん は 大事 な 彼 氏 だ し 神原 さん は 大事 な 後輩 だ し
まあ 戦場 ヶ 原 さん ツンデレ だ から
その 行動 原理 は
一辺倒 で 理解 しよ う と し ちゃ
いけ ない と 思う よ
常に 裏 を 読ま なく ちゃ
阿 良 々 木 くん も 戦場 ヶ 原 さん が 大事 なら
ちょっと し た 誘惑 で 揺ら い じゃ ダメ だ と 思う な
誰 に でも 優しい って やっぱり 無責任 だ から ね
ああ 身 に 染み て 分かった よ
そう いえ ば 羽 川 は どこ に 進学 する ん だ ?
や っぱ 東京 か ? それとも 海外 の 大学 と か 行く の か ?
え ? 私 進学 し ない よ ?
は ?
進学 し ない の ?
( 羽 川 ) うん 私 卒業 し たら 旅 に 出る の
たっ 旅 ?
2 年 くらい かけ て 世界 中 を 見 て こよ う かな って
私 知識 ばかり に 依 ( よ ) って る ところ が ある から ね
いろんな 経験 積 ん だ ほう が いい と 思って さ
学校 の 先生 と か に は まだ 秘密 に し て おい て ね
言ったら きっと びっくり し ちゃ う ん じゃ ない か と 思う から
びっくり する どころ の 騒ぎ じゃ 済ま ない と 思う ぜ
( 羽 川 ) 痛 ( い た ) …
( 阿 良 々 木 ) うん ? どう し た
( 羽 川 ) いや ちょっと 頭痛 が
( 阿 良 々 木 ) 頭痛 ?
( 羽 川 ) ああ 大丈夫 大丈夫
ちょっと 前 から たま に ある ん だ 急に 頭 が 痛む の
おいおい 大丈夫 じゃ ねえ だ ろ それ
何なら 家 まで 送 ろ う か ?
いや いい 家 は …
ああ そう だった な
う うん でも ちょっと ごめん 先 に 帰る ね
( 阿 良 々 木 ) ああ じゃ
( 羽 川 ) うん
うん ?
( 阿 良 々 木 ) 千 石 ?
これ は …
( 息切れ )
神原 か
ちょっと 手伝って ほしい こと が ある ん だ けど
あ …
で 一体 何 の 用 な の だ ?
( 阿 良 々 木 ) 昨日 この 階段 を 登る 途中 で すれ違った 女の子 覚え てる か ?
うん ちっちゃ く て かわいらしい 女の子 だった
( 阿 良 々 木 ) あいつ どこ か で 見 た こ と ある と 思った ん だ けど さ
さっき 本屋 で 見かけ て はっきり し た
下 の 妹 の 旧友 みたい な ん だ
なんと !
で その 子 が 今日 も ここ の 神社 に 来 て いる と ?
そう いう こと だ 多分 な
お前 に 頼み って いう の は その …
昔 の 知り合い と は いえ 声 掛け づらく て な
向こう は 僕 の こと なんか 覚え て ない だ ろ う から
変 な ナンパ み たい に な っち まい そう だ し
思春期 入り たて の 女の子 の 防衛 本能 って 割と 怖い し
経験 が あり そう な 物言い だ な
まあ なく は ない
そこ へ いく と 神原 お前 は 年下 の 女の子 に 強 そう だ から な
なにせ 学校 一 の スター な ん だ から
なるほど 阿 良 々 木 先輩 の 言い たい こと は 分かった
確か に 私 は 年下 の 女の子 に は 強い ぞ
だ ろ う な お前 を 呼 ん で 正解 だった よ
阿 良 々 木 先輩 が そう 言う 以上
もちろん 手伝う に やぶさか で は ない が
この 件 に は 当然 昨日 の あれ を 含 ん で いる の だ ろ う ?
( 阿 良 々 木 ) まあ そう だ
( 神原 ) じゃあ そう いう こと な ん だ な
うん
( 神原 ) やれやれ
( 荒い 息 )
( 阿 良 々 木 ) 千 石 ! ( 千 石 ) ハッ
( 阿 良 々 木 ) やめろ 千 石 !
暦 ( こよみ ) お にいちゃん …
( 千 石 ) “ 「 ともだち 」 2 年 1 組 千 石 撫子 ”
“ 私 は あまり お 友達 が い ませ ん ”
“ でも ら ら ちゃん は 私 と 遊 ん で くれ ます ”
“ ら ら ちゃん が 遊 ぼ う と 言って くれ た とき は ”
“ とても うれしい です ”
“ それ と ら ら ちゃん に は 6 年生 の お 兄さん が い ます ”
“ お 兄さん の 名前 は 暦 と いって … ”
( 阿 良 々 木 ) さっ 入って
( 千 石 ) 部屋 変わった ん だ ね
ああ 1 人 部屋 に なった
妹 たち は 2 人 と も 前 と 同じ 部屋 だ よ
しばらく し たら 帰って くる と 思う けど 会って いく か ?
( ドア が 閉まる 音 )
ふむ ここ が 阿 良 々 木 先輩 の 部屋 か
ハハッ 男の子 の 部屋 に 入る の は 初めて だ
さて それ で は エロ 本 でも 探す か
それ は 男 友達 が 男 友達 の 部屋 に 遊び に 来 た とき に
発生 する イベント だ ろ う が
いい から お前 は その 辺 に 座って ろ !
( 神原 ) しかし 阿 良 々 木 先輩 の 好み を 把握 し て おく こと は
私 に とって 無益 だ と は 思わ ない
僕 に とって は 無益 どころ か 有害 だ
( 神原 ) そう つまり 有害 図書 を
お前 が 生き た 有害 図書 だ
そこ に 座る か 窓 から 飛び降りる か 2 つ に 1 つ だ 神原
フフッ 阿 良 々 木 先輩 の 好み など
以前 阿 良 々 木 先輩 を ストーキング し て い た 際 に
きちんと 洗って ある
ここ 最近 阿 良 々 木 先輩 が どんな エロ 本 を 購入 し た か は
完全 に つか ん で いる の だ
何 ! そんな まさか
あの とき 店 内 に は 誰 も い なかった はず だ
僕 は ちゃんと 確認 し た ぞ
( 神原 ) なかなか マニアック な 好み を お 持ち で
( 阿 良 々 木 ) 選択肢 は 1 つ だ 窓 から 飛び降りろ !
( 神原 ) あんな プレイ を 迫ら れ れ ば 大抵 の 女の子 は
窓 から 飛び降り て でも 逃げる だ ろ う
ハハハッ しか し 無論 私 なら ば
余裕 で こな せる よう な 造作 も ない プレイ だ が な
( 阿 良 々 木 ) 誇らし げ だ !
( 千 石 ) フフ フッ
( 2 人 ) うん ?
フッ
暦 お にいちゃん それ に 神原 さん
少し 後ろ を 向 い て い て もら え ます か ?
もう いい です こっち を 向 い て ください
( 2 人 ) う っ
( 阿 良 々 木 ) あっ ああ …
あっ !
( 阿 良 々 木 ) ブルマー ?
( 神原 ) ああ 阿 良 々 木 先輩
あれ は “ たまたま ” 私 が 持って い た もの を 貸し た の だ
( 阿 良 々 木 ) ほう 神原 後輩
お前 は “ たまたま ” ブルマー を 所持 し て いる こと が ある の か
レディ と し て 当然 の たし なみだ
いや 変態 も 同然 の たくらみ だ
下着 を 見せ たく ない って いう
千 石 の 気持ち は 分から なく は ない けど
それ に し た って ブルマー と は …
ん ? 何 だ それ
( 神原 ) う ~ ん …
緊縛 ( きん ば く ) の 痕 に 似 て いる な
うん ?
( 阿 良 々 木 ) これ は … うろこ の 跡 ?
魚 か ? いや この 場合 魚 じゃ なく て は虫類
蛇 か ?
( 千 石 ) 暦 お にいちゃん
暦 お にいちゃん は もう 大人 だ から 撫子 の 裸 を 見 て
いやらしい 気持ち に なったり は し ない ん だ よ ね ?
( 阿 良 々 木 ) え ?
あ … ああ !
そんな の 当たり 前 じゃ ない か なあ 神原
( 神原 ) しかし どう だ ろ う 阿 良 々 木 先輩
この 場合 少女 の 裸 に 全く 興味 が ない と 言う ほう が
女の子 に 対し て は 失礼 な 気 が する の だ が
なるほど
訂正 し よ う 千 石 の 裸 に 少し は いやらしい 気持ち に なったり は する
( 千 石 ) う …
( 千 石 の 泣き声 )
こら 神原 ! お前 の 言う とおり に し たら
女子 中学生 を 泣か し ち まった じゃ ねえ か よ
( 神原 ) あんな ストレート に 言う と 誰 が 思う
( 阿 良 々 木 ) なあ 千 石
撫子 撫子 こんな 体 嫌 だ
あっ 千 石 …
嫌 だ よ 助け て よ 暦 お にいちゃん
♪ ~
~ ♪
( 火 憐 ( かれん ) ) 火 憐 だ ぜ ( 月 火 ( つき ひ ) ) 月 火 だ よ
( 火 憐 ) て こんなに 言って る に も 関わら ず !
( 月 火 ) 言って る に も 関わら ず
( 火 憐 ) 私 の 名前 を 純情 可憐 の 可憐 だ と 思って る ヤツ の なんて 多い こと
( 月 火 ) 多い こと !
( 火 憐 ) 私 の 名前 は 火 憐 で あって 可憐 じゃ なく て 火 憐 だ !
火 憐 の 火 は 可 じゃ なく て 火 な ん だ !
( 月 火 ) 全く 伝わって こ ない な ~
( 火 憐 ) 月 火 ちゃん は そう いう の ねえ の ?
( 月 火 ) ある か ない か と 言え ば ある ね
( 火 憐 ) ある なら 言っちゃ え !
( 月 火 ) 私 の 名前 を
松尾 芭蕉 ( まつ お ばしょう ) の 句 だ と 思って いる 人 の なんて 多い こと !
( 火 憐 ) 多い こと ?
( 月 火 ) “ 暑き 日 を 海 に 入れ た り 最上 川 ( もが み が わ ) ”
私 を 海 に 入れ ない で !
( 火 憐 ) その 句 を 知ら ない
( 月 火 ) この 句 を 知ら ない ?
( 火 憐 ) 現代 編 クイズ !
( 月 火 ) 現代 編 ?
( 火 憐 ) 現代 は 100 年 に 1 度 の 大 不況
( 月 火 ) 真面目 な 話 だ !
( 火 憐 ) だったら 100 年 に 99 度 は 大 盛況 !
( 月 火 ) 前向き だ ね
( 火 憐 ・ 月 火 ) 次回 「 な で こ スネイク 其 ノ 貳 ( その に ) 」
( 火 憐 ) まっ 1 年 1 度 と は 限ら ねえ けど
( 月 火 ) 1 度 が 100 年 続く かも ね