結婚 でき ない 男 シーズン 1-1: 一 人 好きで 悪い か (3)
全く の 人 嫌 いって わけで も ない の よ ね
勝手に 人 を 分析 する な よ ( 摩耶 ) したく も なる わ よ
果たして どんな 子供 時代 だった の か
どういう 人生 を 経て ―
こういう キャラクター が 出来上がった の か
何 か トラウマ で も ある の か
老けた な
いい 家 を 作る くせ に どうして 他人 に 興味 を 持とう と し ない の か
ミカン 箱 を 作る のに ミカン を 好きに なる 必要 なんか ない だろう
( ぶつかる 音 )
ちょっと 意地悪だった か なぁ
いい んじゃ ない ッス か ? ( 摩耶 ) ねえ
ああいう 人 って S に 見えて 実は M だったり する から
また ぁ …
あっ そう だ !
あの 先生 今日 そう いえば 誕生日 な んです よ 40 歳 の
そう だ っけ ? 本人 忘れて ん の か な ?
さあ …
あっ … 実は 誰 か 言って くれる の 待って んじゃ ない です か ?
ああ … お 2 人 で 何 か して あげたら どう です か ?
何 か って ? サプライズパーティー と か ?
あいつ が 喜ぶ ?
“ ガキ みたいに 何 やって んだ ? くだら ん ”
やめ とく ? ( 英治 ) やめ とき ましょう か
( 電話 の 着信 音 ) あっ 電話 です よ
よく まあ あの 妹 と 10 年 もって る よ な
紹介 し といて よく そういう こと 言う な “ お 兄ちゃん ”
フフッ … 俺 は ヤダ ね ああいう 気 の 強い タイプ は な
ホレ ちゃ った んだ よ 悪い か ?
あっ そう だ ! 俺 今日 誕生日 だ
な に 急に 思い出して ん の ?
いや ゆっくり 思い出す ほう が おかしい でしょう ?
思い出す とき は 急だ よ 普通 は
はい は いはい 屁理屈 ( へりくつ ) 言い 続けて 40 年
40 か …
( バーテンダー ) 誕生日 の カクテル でも お 作り し ましょう か ?
余計 なお 世話だ 人 の 話 聞か ないで くれる か
失礼 し ました
ハァ … しかし 40 と いえば 人生 の 半分 来ちゃ った んだ な
ああ そう だ … もう 1 軒 行こう か ウーロン 茶 で 我慢 して やる から さ
( メール の 着信 音 ) あっ …
毎晩 この 時間 に なる と 送って くんだ よ
万が一 浮気 しよう と して たら 萎え させる 作戦 な んだ
昔 から やり 方 が ちっとも 変わって ねえ な あいつ は
俺 一生 浮気 は でき ない か なぁ … フフッ … あした 早い し 帰る わ
えっ ?
どうせ 女 と 約束 して んだろう ? な っ ? あんまり 待た せ んな よ
いや … ( 中川 ) ごちそう さん
( ドア の 閉まる 音 )
( ため息 )
スプーン 要り ます か ? ( 信 介 ) 要り ませ ん
ポイント カード は お 持ち です か ? ( 信 介 ) あり ませ ん
( 留守 電 の アナウンス )1 件 です
( 育代 ) 信 介 お 誕生日 おめでとう
あら もう 40 に なっちゃ った の ね
しょうがない わ ね
母さん は 今 友達 と 箱根 に 来て ま ー す
悔しかったら あんた も 一緒に 来る 相手 を 見つける こと ね
それ じゃ
( 信号 音 )
( ろうそく を 吹き 消す 音 )
♪( ハミング )
( ドア チャイム )
あの … 私 隣 の 田村 ( た むら ) みちる の 友人 です
何 か ?
さっき あの 子 から なんか 変な 電話 あって
変な 電話 ? ( 千鶴 ) はい
気 に なって 来た んです けど 全然 返事 ない んです
留守 でしょう
いやいや さっき 電話 して
着 メロ 鳴って たん で いる はずな んです 中 に
… で ?
なんで 俺 が こんな ことし なきゃ …
よし
なんで 俺 が … ハァ …
よい しょ …
よっ … アッ … ウウッ …
ハァ … アアッ ! ハァ … ハァ …
アアッ … ハァ … フゥ …
ハァ ~…
なんだ … 簡単に 侵入 できる な
いる な
( 窓 を たたく 音 )
あの ~…
あの …
( 犬 の ほえる 声 ) 犬 ?
シーッ ! シーッ ! シーッ !
ウーン … ( 信 介 ) あれ ? ちょっと あっ …
あの … ねえ 大丈夫 ?
えっ なに ?
“ なに ?” って … ( みちる ) いた っ …
君 の 友達 が さ 心配 して … チッ … 家 に 来た もん だ から
あっ … ちょっと お 酒 を …
あ ~ あ チッ … 飲み過ぎ だ よ
ハァ … まったく
ウウッ … ウッ …
( せきこみ ) ( 信 介 ) はい
( ドア の 開く 音 )
( 千鶴 ) また 彼 と ケンカ ? ( みちる ) うん … ちょっと ヤケ 酒
“ 犬 も 食わ ない ” って やつ だ よ ねえ ケン ちゃん
ケン ちゃん って 犬 か
じゃ 俺 は … ( みちる ) ありがとう ございました
ああ っ ! しまった 玄関 閉めちゃ った んだ よ
また あそこ 越える の か … ハァ …
( 笛 付き おもちゃ の 鳴る 音 )
お 手数 かけ ました
ハァ … まあ ケンカ する 度 に 仲良く なれば いい んじゃ ない の ?
うん … ごめん ね ありがとう もう 大丈夫だ から さ
それ じゃ 行く ね ( みちる ) うん
じゃあ ね ( みちる ) うん
ハァ … ここ 犬 飼って いい んだ っけ ?
ハァ … アッ … ああ …
まったく
( 倒れる 音 )
ハァ … チッ … また か !
ウウッ … よい しょ あれ ? あれ ?
アアッ !
( 隊員 ) 急性 アルコール 中毒 の 患者 搬送 中
中川 病院 に 向かい ます ( 信 介 ) 中川 病院 ?
だいぶ 飲ま れた んです か ? ご 主人 ( 信 介 ) 結婚 なんか して ませ ん よ !
あっ いや … それ より どこ か ほか の 病院 ない で す かね ?
何 か 問題 でも ? ( みちる ) ああ … ウウッ …
あっ … やっぱり どこ でも いい です 早く 行って あげて ください
( 夏美 ) 漫画 喫茶 で 彼 と ラブ ラブ だった じゃ ない
どうして ヤケ 酒 なんか …
うち の 犬 ケン って いう んです けど 前 の 彼 氏 の 名前 な んです
その 人 と 別れた あと ―
寂し さ 紛らわそう と 思って その 子 飼って
今夜 彼 に うっかり その こと しゃべっちゃ って
“ もう 関係ない ” って 言った んだ けど
“ 関係ない なら 名前 変えろ ” と か 言わ れて
私 でき なくて
フフッ … 犬 の 名前 が 原因 で 男 と 別れた なんて バカ みたい
あと で 笑えて いい んじゃ ない ?
笑える こと ばっかり って いう の も 悲しい です よ
前 の 彼 と 別れた の だって … ( 夏美 ) なに ?
あっ … また 今度 話し ます ( 夏美 ) あっ そう
私 … なんか 免許 持って ない のに
路上 に 出て きちゃ った ような 気 が し ます
あっちこっち で ぶつかって ばっかり
人生 や 恋愛 の 運転 免許 なんて ない んだ し
先生 は 安全 運転 し そうな 感じ です ね
フフッ … 私 は … ハァ … 長い こと 車庫 に 入った まま かも
えっ ? ( 夏美 ) あっ … また 今度 話す
はい
そう いえば お 隣 さん は ? ( 真理 ) 帰ら れ ました よ
私 お礼 言って なかった
この 間 保険 証 持って なかった から って 今日 …
はい … 桑野 信 介 39 歳 ( みちる ) 初めて フルネーム 知った
ああ あの 人 今日 誕生日 な んだ
えっ ? ( 夏美 ) 今日 で 40 歳 か
誕生日 あと 30 分 で 終わり だ けど
桑野 さん さ 誰 か に 祝って もらって る かな ?
ないない ! 自業自得
ちょっと は 変わら ない と ダメな の あの 人 は
“ いい 仕事 を しよう ”
う ~ ん …
違う な
( 携帯 電話 の 着信 音 )
はい ( 夏美 ) 中川 総合 病院 の 早坂 ( はやさ か ) です
どうして この 番号 を ?
( 夏美 ) クラブ 活動 中 の 副 院長 に 電話 して 聞き ました
よ … 余計な こと を
ああ あの 子 どう です か ? ( 夏美 ) 今 代わり ます ね
ご 心配 お かけ し ました もう 大丈夫です
ああ いえいえ いえ … この 間 と お あいこ って いう か
あの … 今日 お 誕生日 な んでしょう ?
えっ ?
ああ … ああ そう でした
お 誕生 会し ませ ん ? 患者 さん から もらった ケーキ が ある んです
今 みんな で 食べよう か って 言って た とこ な んです
なるほど … ついでに 呼んで みる か って 感じ です か
まあ そう です
フッ … 結構です
( 夏美 ) 人 が 親切に 誘って あげて る のに
親切 ハハッ …
どうして そんな いつ も トゲトゲ して る んです か ?
( 信 介 ) あなた も ね ―
もう 少し かわいい 性格 に なったら 結婚 でき ます よ
あなた に は 言わ れ たく あり ませ ん
私 は ね 結婚 でき ない んじゃ なくて し ない んです
ああ そう です か … なんか むなしい 会話
そう です ね ( 夏美 ) それ じゃ
それ じゃ
あれ ? ( 夏美 ) えっ ?
あた たた … いて え ああ 痛い ( 夏美 ) どう し ました ?
ウワーッ … いや また 腹 が …
ほら ちゃん と 治さ ない から … そんなに 痛み ます ?
いやいや 大丈夫です … いた っ …
ああ … いや 大丈夫です …
いて て て …
やっぱり … ダメだ
( うめき声 )
あれ ? あなた さっき …
( 耳打ち )
あっ 中川 病院 です ね ?
目 を 診 ます ね
はい
失恋 して も 腹 は 減る
ウ ~ ン
中川 呼んで もらえ ます か ? ( 夏美 ) いま せ ん
何度 言ったら 分かる んです か ?
なら … なら この 間 の 点滴 だけ …
おい 無視 する の か !
医者 の 言う こと を 無視 する から そういう こと に なる んです
“ 泣きついて きて も 知り ませ ん よ ” って 言い ました よ ね
別に 泣きついて なんか ない
あっ … いて て て て …
泣きついて る でしょう ? どう 見て も
アアッ … ( 夏美 ) はい 横 に なって ください
ちくしょう …
アアッ ! アッ !
検査 し ます から ( 信 介 ) あっ … あっ … ウッ …
ちょっと 待てよ ! ( 夏美 ) いいかげんに し なさい !
カッコ ばっかり つけ ず に 意地 ばっかり 張ら ず に
少し は 素直に なって も 損 は し ませ ん
お 誕生日 おめでとう ございます
ウウッ … クッ …
( 泣き声 )
力 抜いて ください