( 人々 の 悲鳴 )
( 高城 沙 耶 ( た かぎ さ や ) ) ん …
ん ん …
( 銃撃 音 )
( 鞠 川 静香 ( まり か わ しずか ) ) ん … ん ん …
( 銃撃 音 ) ( 人々 の 悲鳴 )
( 銃撃 音 )
( 少年 ) ヒヒヒ …
( 毒 島 冴子 ( ぶ すじ ま さえ こ ) ) ん ~
( ほえ 声 )
( 小室 孝 ( こむ ろ たかし ) ) ひら … ( 平野 ( ひら の ) コータ ) ヤバ い よ
( 孝 ) 確か に これ が …
終わり の 始まり って わけ だ な
♪ ~
~ ♪
( 少年 ) ヒヒヒヒッ ( 銃撃 音 )
ああ …
ハァ ハァ ハァ …
ああ … う わ あ ああ !
( 少年 ) う わ あ ! アアー ! ( ほえ 声 )
確か に 悪化 し て いる な
ち っ 畜生 ひど すぎる
( 平野 ) 小室 ! ( 孝 ) なん だ よ !
撃って どう する つもり な の ?
決まって る だ ろ !
“ 奴 ら ” を 撃って みんな を …
忘れ た の か
“ 奴 ら ” は 音 に 反応 する の だ ぞ 小室 君
そして …
生 者 は 光 と 我々 の 姿 を 目 に し 群がって くる
無論 我々 は 全て の 命 ある 者 を 救う 力 など ない
よく 見 て おけ 慣れ て おく の だ
もはや この 世界 は ただ 男らしく ある だけ で は ―
生き残 れ ない 場所 と 化し た
毒 島 先輩 は もう 少し 違う 考え だ と 思って た
間違える な 小室 君
私 は 現実 が そう だ と 言って いる だけ だ
それ を 好んで など い ない
あっ 外 見る とき は こっそり やって よ
( 孝 ) 地獄 だ …
( 希 里 ( まれ さ と ) あり す ) パパ … ママ は ?
( あり す の 父親 ) ママ と は あと で 会 える
ほら こっち だ
あ …
( 父親 ) お 願い です ! 入れ て ください !
子供 連れ で 逃げ られ ない ん です !
お 願い です ! 中 に 入れ て く だ …
( 住人 ) 来る な ! よそ に 行って くれ !
頼む ! 自分 は どう で も いい ん です !
子供 を ! 娘 を !
う う …
( あり す ) パパ ? ( 父親 ) 開け て くれ !
( 父親 ) 開け て くれ なけ れ ば ドア を 壊す !
パパ !
ドア を 壊す ぞ !
( 住人 ) まっ 待って くれ ! 今 今 開ける
( 開 錠 音 )
ありがたい ! たす か …
( 突き刺す 音 )
あ …
あ … ああ …
( おばあ ちゃん ) なん まい だ ぶ なん まい だ ぶ …
許し て くれ …
許し て くれ …
許し て くれ … 許し て くれ …
( あり す ) パパ … パパ !
パパ …
ゴホッ …
パパ は … 大丈夫 だ から …
隠れ なさい 誰 に も 見つから ない よう に
どこ か に … 隠れ て …
( あり す ) パパ ? パパ ?
イヤ だ … イヤ だ よ ぉ …
パパ と 一緒に いる !
ずっと パパ と 一緒に いる の !
( 泣き声 )
( あり す ) パパー !
くっ …
ロックンロール !
( 銃撃 音 )
あっ …
試射 も し て ない 他人 の 銃 で ―
いきなり ヘッド ショット を きめ られる なんて ―
や っぱ こう いう こと は 天才 だ なぁ 俺
まっ 距離 は 100 も ない けど
( 平野 ) お っ ? ( 銃撃 音 )
( 高城 ) うーん … ( 平野 ) 高城 さん 高城 さ ぁ ー ん
( 銃撃 音 )
( 銃撃 音 )
( 銃撃 音 )
( 銃撃 音 )
( 孝 ) 平野 ( 平野 ) 何 よ ?
撃た ない ん じゃ なかった の か ?
生き残る ため に 他人 は 見捨てる ん じゃ なかった の か ?
小さな 女の子 だ よ !
助ける ん でしょ ? 僕 は ここ から 援護 する から
( 宮本 麗 ( みや もと れい ) ) 孝 ? ( 孝 ) 小さな 子 を 助け に 行く
だっ だったら 私 も 一緒に
( 孝 ) いや 玄関 で 見張って て くれ
向こう へ は バイク で 乗り込む
( 麗 ) でも … ( 毒 島 ) 行か せ て やれ
男子 の 一言 な の だ
すいません ぶ す じ … 冴子 さん
僕 どう も こう いう 人間 らしい です
知って い た よ もちろん
ここ は 何 が あって も 守る 安心 し て 行って こい
( 麗 ) 孝 ( 孝 ) ん ?
( 麗 ) これ ぐらい は 持っていって
うん
( 毒 島 ) 銃 を 過信 する な
撃て ば “ 奴 ら ” は 群がって くる
( 孝 ) どのみち バイク で 音 が 出 ます よ
( 毒 島 ) そう だ しかし バイク は 動く ため に 音 を 出す の だ
だが 銃声 が 轟 ( と どろ ) く とき 君 は 動 い て い ない
孝 ( エンジン 音 ) ( バイク の 走行 音 )
( 高城 ) 一体 なん の 騒ぎ よ
いい こと が あった の
何 よ ?
私 たち は まだ 人間 だって 分かった の よ
( 銃撃 音 )
( 銃撃 音 )
( 銃撃 音 )
( 平野 ) リロード !
( 銃撃 音 )
( 孝 ) あれ か !
あっ … う あっ !
いって ぇ …
った く アニメ み たい に は いか ねえ な
( 犬 の ほえ 声 )
( うなり 声 )
( 銃撃 音 ) ( 孝 ) ほんと 天才 だ よ
当然 !
( 犬 の うなり 声 ) ( あり す ) やめ て … 来 ない で …
私 悪い こと 何 も し て ない のに …
( あり す ) ママ ! パパ ! ( ほえ 声 )
いや あ ああ !
( 孝 ) う っ ! ( ほえ 声 )
え ?
よく 頑張った な ! もう ちょっと 我慢 だ !
( 高城 ) 先生 ! ちょっと 起き て ! 静香 先生 !
ん … ん ん …
はえ ? もう 朝 ごはん ?
ボケ てる 場合 じゃ ない の よ !
は へ ! ひ ゃっ ひ ゃ め て ~
小さな 子 を いじめる な !
お 兄ちゃん 後ろ !
な っ …
くっ !
( 発砲 音 )
ありがとう 助かった よ
( あり す ) う う … ( ほえ 声 )
( 高城 ) 平野 ! ( 平野 ) ん ? 高城 さん !
しっ 静香 先生 ! ?
( 鞠 川 ) は あい ( 平野 ) あ は っ !
逃げ出す 準備 よ !
こんな 大 騒ぎ を 起こし とい て ここ に い られる わけない じゃ ない
あんた も いつ でも 動 ける よう に し とい て
はっ はい !
( 高城 ) 宮本 そこ は 毒 島 先輩 に 任せ て あんた も 手伝って
静香 先生 は もう いい から とりあえず なんか 着 て
あっ ! 寒い と 思ったら …
で 車 の 準備 !
今 なら 車 に 乗り 込 め る な
“ 奴 ら ” は 小室 君 に 引きつけ られ て いる
げ っ ! どう する つもり よ
あれ じゃ バイク 使って も 戻って こ れ ない わ
なら … 迎え に 行って あげる しか ない ん じゃ ない ?
あ …
あっ あの 先生 ヘン な こ と 言った ?
車 の キー と か は ある ん だ し …
いや 名案 だ
て か それ しか ない わ 決まり ね
小室 を 助け た あ と 川向こう に 脱出 !
さあ 準備 し て !
( あり す ) お 兄ちゃん … ( 孝 ) ん ?
( あり す ) パパ 死 ん じゃ った の ?
あ … お 兄ちゃん ?
あ …
君 を 守 ろ う と し て 死 ん だ ん だ 立派 な パパ だ
あ …
う っ う う …
パ … パパ …
( 泣き声 )
すごい 量 に なっちゃ っ た わ ね
全部 積 め る かしら
( 麗 ) それ より どう やって 積む か よ 途中 で “ 奴 ら ” が 来 たら …
ネトゲ の 盗賊 み たい に こっそり やる しか ない わ よ
( 毒 島 ) で は そう しよ う
え ? 何 これ ?
ハンドル 逆 だ し … えっ え ~ と …
( 泣き声 )
大きな 声 を 出し ちゃ いけ ない よ
“ 奴 ら ” が 寄って くる から ね
逃げ られ ない の ?
( 孝 ) 道路 に いっぱい いる ん だ
道路 じゃ ない とこ を 逃げ れ ば いい のに
空 でも 飛べ って の か ? あ …
( 平野 ) 荷物 を 積み 込 ん で 小室 と 女の子 を 助け て 脱出 …
って の は いい けど あの 数 じゃ ハン ヴィー でも …
助け出す に は 戦車 でも 持ち出さ ない と …
ん …
それとも 小室 が なんとか し て 逃げ出し て くれ ない と …
なるほど !
( 平野 ) よく やる よ 小室 !
( 孝 ) 道路 を 見る な
塀 だけ 見 て 歩く …
塀 だけ 見 て 歩く …
塀 だけ 見 て …
う わ っ !
( 孝 ) やっ やめ … ( あり す ) ダ ~ メ !
( 孝 ) ありがとう 怖く ない か ?
( あり す ) 怖い ! お 兄ちゃん は ?
( 孝 ) 怖く ない … ワケ ない ( あり す ) エヘッ
( 高城 ) 平野 は ? ( 麗 ) え ? まだ 2 階 じゃ ない の ?
った く すごい ん だ か 鈍い ん だ か …
う わ っ !
え ?
( 平野 ) えっ あの … どう し た の ?
( 高城 ) 楽し そう ね あんた
( 平野 ) 大した こと ない よ 小 室 に 比べ たら
( 孝 ) あっ あの さ もう 一 度 言って くれ
( あり す ) おし っこ
( 孝 ) 我慢 は ? ( あり す ) えー と 無理
( 孝 : つぶやく 声 で ) 世界 が たった 一 日 で ぶち 壊れ て
ワケ の 分 かん ない 連中 と 戦わ なきゃ いけ なく て
おまけに なんか ヒーロー じみ た こと まで …
( あり す ) お っ お 兄ちゃん !
もう 我慢 でき ない よ !
( 孝 ) よし そこ で し ちゃ い なさい
( あり す ) いい の ?
( 孝 ) お 兄ちゃん が 全て 許す
う っ …
あっ あ は は … ハァ …
( うなり 声 )
( 2 人 ) あっ !
ん !
( 孝 ) クソッ
どこ まで 行け ば …
( 車 の 走行 音 )
あっ !
( ほえ 声 )
う わ っ いっぱい !
と いって も 逃げる わけ に は いか ない ん だ から
とつげき い いい !
( 平野 ) あっ … あ あっ !
( 孝 ) むっ むちゃくちゃ やる な …
孝 早く !
無理 言う な って !
( 高城 ) 平野 時間 を 稼 い で ! ( 平野 ) ヤ ! ボール !
( 平野 ) ハッ ! ( 銃撃 音 )
ハハハハッ !
( 銃撃 音 )
ガッチャ !
ハァー !
小室 君 !
( 麗 ) 孝 ! ( 高城 ) 小室 !
( 銃撃 音 )
お 兄ちゃん の お 友達 ?
ああ 大事 な 友達 だ よ
ブー !
川向こう 行き の 最終 便 だ 乗る か ね ?
もちろん !
♪ ~
~ ♪
( 平野 ) 要 救助 者 確保 !
( 高城 ) 先生 ! ( 鞠 川 ) は い は ~ い
( 孝 ) う わ っ ( 平野 ) おっと !
( あり す ) う わ っ ( 平野 ) ゴホッ
( あり す ) ご っ ごめんなさい ( 平野 ) お っ アハ … アハハ …
( 孝 ) こう し て 僕ら は 脱出 し た
もちろん それ は 悪夢 の よう な 毎日 の ―
たった 一 日 が 終わった と いう こと に 過ぎ ない の だった
そして 僕ら は なんとか し て 川 を 渡り ―
家族 と 再会 し なけ れ ば なら ない
( 平野 ) 希 里 ( まれ さ と ) あり す ちゃん 小学 2 年生
( 麗 ) ダメ ! 止め て ー !
( 毒 島 ) 小室 君 ! 私 が 支える !
( 希 里 あり す ) イヤ ! ひと り に し ない で !
( 平野 ) チュニジア に いる の か な 俺 …