地獄 少女 三 鼎 - 18
山河 三 差 路 分かれ 道
守り たい の は 己 か 人 か
常 世 の 闇 か …
非だ の 乱れ は 貢が ない
終わる 事 ない 阿 鼻 の 芸
時に 分け入れ 扉 が 開く
晴らせ ぬ 恨み 晴らし ます
ど 深夜 の 静寂
DJ 丈 太郎 が 送り して ます ~
さって 次 の 出る は
常連 さん だ ね
いつも ありがとう
賽 河原 市 のち ー ちゃん から
えー と 新 コーナー の 提案 だ ね
なに なに タイトル は 「 ちょこっと 地獄 通信
頭 に きた こと や
ギャフン と なった こと を みんな に 聞いて もらって
嫌な 気持ち を 地獄 に 流す コーナー
って 今どき ギャフン か よ
また 読ま れちゃ った
相変わらず 面白い なぁ ち ー ちゃん
それ じゃ またまた 番組 ノベリティ
鈴 ブレス あげちゃ う
やった これ で 五 個 目
それ じゃ また 明日
続き が 聞き たきゃ 夢 まで おいで
四十万 丈 太郎 でした ばい なら ~
お やすみ 丈 太郎
ね ね 昨日 聞いた ?
聞いた
あれ って さ
あの 浜野 さん
間違って たら ごめん ね
浜野 さん って
もし かして ハガキ 職人 のち ー ちゃん ?
やっぱり
賽 河原 市 のち ー ちゃん ?
ち ー ちゃん ?
すごい すごい
あの
昨日 も 採用 さ れた よ ね メール
何 々
浜野 さん が どうした の ?
浜野 さん の メール が ラジオ で 採用 さ れた の
違う
すごい
それ って 何の ラジオ ?
四十万 丈 太郎 の ど 深夜 の しじ まと 番組 だ よ
有名な 番組 な の ?
ええ と
もちろん
ラジオ 界 の 革命 的 番組 って 言わ れて る んだ から
ええ ほんと ?
聴く 聴く そんな ラジオ
あたし も
よ ー し 今日 から みんな で 聴こう よ
こう なったら うち の クラス 全員 シジマニア だ
何 シジマニア って ?
四十万 丈 太郎 のど 深夜 の しじ ま マニア
略して シジマニア !…… だ よ
さすが ち ー ちゃん かっこよかった よ
きょう は ビックリ した なぁ
こんばん は 四十万 丈 太郎 で ~ す
ホントに みんな 聴いて る の か な
シジマニア だって こと ばれちゃ った よ
ねぇ 丈 太郎 シジマニア だって
ちょっと 嬉しかった なぁ
ど 深夜 の しじ ま
今夜 も 深夜 の 静寂に まぎれて
君 の 耳 に 滑り込んじゃ うよ
やっぱり 丈 太郎 の 声 大好き
オープニング あいさつ を 考えて くれた の は
ラジオ ネーム 「 カエル 姫 」
この 人 も よく 読ま れて る な カエル 姫 か
さあ 悩み が あって 眠れ ない 子 も
ちょっと だけ 俺 と 探そう
それ じゃ まずは この コーナー
違う 違う よ
あっ 違う の ?
そっち の メール は 先だって ば
は いはい あっ これ ね
いまだに 作家 に 頭 が 上がら ない DJ
四十万 丈 太郎 二十五 歳 で ~ す
へ へ っ 丈 太郎 ったら また ユメ さん に 怒ら れて る
ね 今日 いい こと あった でしょ
君 に 魔法 を かけた んだ
昨日 より も 今日 今日 より も 明日
月 が 満ちて いく ように
毎日 ちょっと づつ 変身 して いく 魔法
女の子 は 誰 だって 主役
いつ だって シンデレラ に なれる の さ
今夜 は 満月
三 つ 数えて 一緒に 空 を 見上げよう
丈 太郎
さ ぁ 準備 は いい かな
いくよ スリー ツー ワン
きれい
きれいだ よ 丈 太郎
シンデレラ か
最後に お 知らせ ち ー ちゃん が 提案 して くれた
あの コーナー やっちゃ いま ~ す
身の回り で 起こった ちょっと カチン と くる こと
ずーっと 頭 に きて た けど 言え なかった こと
地獄 に 流し たい
や ー な 気持ち を
ジャンジャン 送って きて ちょうだいな ~
なんだい この 軽薄な しゃべり は
乙女 の 間 じゃ 大人気な んだ ぜ
DJ 丈 太郎
今 の 子 は
こんな ふわふわ した 男 が いい の かい
それ じゃ また 明日
続き が 聞き たきゃ 夢 まで おいで
四十万 丈 太郎 でした
ばい なら
わ ろ わ ろ 書けた ?
こんなに ハガキ を 書いて どう する んです 姫
あい より たくさん 投稿 する の
もう 三十 枚 です よ
あと 何 枚 同じ もの を 書く んです か ?
あと 百 枚 !
ち ー ちゃん すごい
ち ー ちゃん の 考えた 新 コーナー が 始まる ん よ
丈 太郎 に 認め られた 証拠 だ よ
そんな
ゆず き も 聴いた でしょう
うん コーナー の 内容 に は
ちょっと ビックリ した けど ね
浜野 先輩
私 ?
先輩
鈴 ブレス って を 見せて もらい でも いい です か ?
えっ これ ?
浜野 先輩
今 でも 放送 部 に 入って くれ ませ ん か ?
ええ と それ は ちょっと
浜野 先輩 が 入って くだされば
みんな 喜び ます
お 願い する 浜野 先輩
うん ちょっと 考え とく ね
それ じゃあ 失礼 し ます
そう 言えば 浜野
お前 ラジオ で メール 読ま れた って ?
ど 深夜 の なんとか って
俺 も 中学 の 頃 は よく 投稿 した けど な
一 度 も 採用 さ れ なかった
お前 才能 ある んだ な
その 調子 だ 頑張れよ
ち ー ちゃん
バイバイ ち ー ちゃん
今日 も 絶対 ラジオ 聴く ね
これ って シンデレラ の 魔法 ?
シンデレラ の 魔法 ~ シンデレラ の 魔法 ~
あの 浜野 知 理子 さん
は ~ い
わたし B 組 の 志村 要って い い ます
あの ラジオ 聴いて …
あなた も 聴いて みて ね ど 深夜 の しじ ま
きっと 面白い から
うん 知って る わたし カエル 姫 だ よ
え ぇ ーーー ! あなた が あの カエル 姫
わ ぁ ー 本当 !
昨日 の 聴いた ?
あっ 聴いた
採用 さ れた よ ね
そう な の
これ
さすが カエル 姫 すごい 鈴 ブレス の 数
ずっと 気 に なって た んだ
ち ー ちゃん って どんな 子 だろう って
わたし も 気 に なって た
だって いつも カエル 姫 採用 さ れて る から
わたし 初めて ち ー ちゃん の
お 便り が 採用 さ れた 時 の こと
覚え てるよ
昨日 丈 太郎 が 夢 に 出て き ました
二 人 で 遊園地 を デート する 夢 です
丈 太郎 は 観覧 車 に 乗る 時
優しく 手 を 握って くれ ました って
実は その 日 わたし も 同じ 夢見た の
それ から ずっと
ち ー ちゃん の こと 気 に する ように なって …
わたし ち ー ちゃん の お 便り 大好きだ よ
わたし も カエル 姫 の お 便り すごい 好き
ホント ? ありがとう 嬉しい
丈 太郎 の かけて くれた シンデレラ の 魔法
すごい よ
こんな 質問 来て ます
ええ と 丈 太郎 の 好きな 女の子 の 仕草 は ?
好きな 仕草 か そう だ なぁ …
やっぱり
お 風呂 上 り に 濡れた 髪 を ふく 仕草 かな
ちょっと ユメ さん 笑わ ないで よ
ちなみに シャンプー は フローラル 系 が 好き
って 言って も
女の子 は いつ だって
お 菓子 みたいに あま ~ い 香り が する けど ね
あま ~ い 香り
なん なんだい 今 の 甘ったるい トーク
女心 を 掴む 基本 話術 って とこ だ
小手先 の 技 だけ で どうも 心 が ない なぁ
次 は ラジオネーム きく り さん から の お 便り です
やった ぁ ー あい より 先 に 採用 だ ぁ ー う ひ ひ ひ …
そんな こと あった んだ
うん ドキドキ しちゃ った
わたし って ば
なんで そんな 時 に 落ちちゃ って た んだ ろ
一生 の 不覚
受験 勉強 疲れ ?
そう かも
それ で ね 昨日 眠れ なかった から
なんで こんなに 丈 太郎 の トーク が
好き か を 考えて みた んだ
なんか さ 丈 太郎 の 言葉 に は 嘘 が 無い んだ よ ね
丈 太郎 が 自分 で 考えて
自分 で 選んで 伝えて くれる 言葉 だ から
だから わたし たち の 胸 に 響く んじゃ ない か な
わたし 丈 太郎 に ありがとう って 言い たい
わたし と 出会って くれて ありがとう
シンデレラ の 魔法 かけて くれて ありがとう って
ねぇ ち ー ちゃん
二 人 で 丈 太郎 に 会い に 行か ない
か か 要 ちゃん わたし 緊張 して きちゃ った
やっぱり 無理だ よ 入り 待ち なんて
もう ち ー ちゃん しっかり
丈 太郎 に ありがとう って 言う んでしょ
だって
木内 ユメ さん !
ええ と
あ あの
わたし たち ど 深夜 の しじ まで
メール を 読んで もらって
それ で
あぁ も しか して 丈 太郎 の 入り 待ち ?
うん うん そ っか
ファン の 入り 待ち と は
丈 太郎 も 人気者 に なった の ね
あの ユメ さん
わたし 将来 ラジオ の 構成 作家 に なり たい んです
ユメ さん は わたし の 憧れ な んです
いつか ユメ さん みたいな
作家 に なり たい と 思って い ます
そ っか
ねぇ 作家 って どんな 仕事 だ と 思って る ?
ええ と それ は
わかん ない よ ね
わたし も あなた くらい の 頃 は そう だった
具体 的な こと なんて な ー んに も わかん ない まま
ただ 漠然と 作家 に なり たい って 思って たよ
ユメ さん も です か
あ そうそう これ あげる
未来 へ の 第 一 歩
わたし の 書いた 台本 だ よ まずは 知る こと ね
嬉しい ありがとう ございます
台本 ?
好きな 女の子 の 仕草
それ は ズバリ
お 風呂 上 り の 濡れた 髪 を ふく 仕草
それ って 昨日 丈 太郎 が しゃべった とこ
うん それ が 作家 の 仕事 よ
台本 初めて 見た ?
はい こう 言う のな んだ よ 台本 って
でも 本当に もらって いい のです か ?
ええ いい わ よ
あの どういう こと な んです か ?
どういう こと って ?
どうして 丈 太郎 が しゃべった こと が
ここ に 書いて ある んです か ?
あぁ あの ね
ど 深夜 の しじ ま は 完全 台本 な んだ
完全 … 台本
DJ の セリフ を 一言 一 句 書き上げる
大変だ けど
作家 と して は とても やりがい が ある 番組 な んだ
四十万 丈 太郎 って キャラクター を
作り上げて いく んだ から ね
あなた の 目 が 本気 だって 思った から
今日 は 特別
いつか 一緒に 番組 作れたら いいね
ありがとう ございます
わたし 絶対 構成 作家 に なり ます
それ じゃ あね
ああ すごい あたし 倒れ そう
完全 台本
それ じゃあ 続いて いって みよう
また 来た ねえ カエル 姫 から
ええ と 何 々
今日 は とても 素敵な こと が あり ました
それ じゃ あまた 明日
続き が 聞き たきゃ 夢 まで おいで
四十万 丈 太郎 でした ばい なら ~
ち ー ちゃん !
骨 女
あ いよ お 嬢
受け取り なさい
あなた が 本当に 怨み を 晴らし たい と 思う なら
その 赤い 糸 を 解けば いい
糸 を 解けば
私 と 正式に 契約 交わした こと に なる
恨み の 相手 は 速やかに 地獄 へ 流さ れる わ
ただし 怨み を 晴らしたら
あなた 自身 に も 代償 を 支払って もらう
人 を 呪わ ば 穴 二 つ
契約 を 交わしたら あなた の 魂 は 地獄 へ 落ちる
地獄
死んだ 後 の 話した けど ね
極楽 浄土 に は 行け ず
あなた の 魂 は 痛み と 苦し み を 味わい ながら
永遠に 彷徨う こと に なる わ
あと は あなた が 決める こと よ
聴いた ? 昨日 の ど 深夜 の しじ ま
ユメ さん の 完全 台本 の おかげ で 面白かった よ ねぇ
ど 深夜 の しじ ま は 丈 太郎 の 番組 だ よ
そう だ けど さ ま
ユメ さん あって の 人気 って 感じ じゃ ない
ホント
丈 太郎 って ば
優秀な 作家 に 出会えて ラッキーだ よ ねぇ
丈 太郎 ~
な ~ ん か 昨日 は 今 まで と 違う 意味 で
ドキドキ しちゃ った ねっ
どうした の ち ー ちゃん
要 ちゃん 完全 台本 の こと 誰 か に 言った ?
え う うん
そ っか
良かった
怨み 聞き届けたり
え な なに ?
この 怨み 地獄 へ 流し ます
今夜 の オープニング あいさつ を 考えて くれた の は …
ええ と あっ 採用 率 高い なぁ ち ー ちゃん だ
いつも ありがとう
さあ まずは お 待た せ し ました
新 コーナー 「 ちょこっと 地獄 通信 」
あなた の 恨み 晴らし ます
名前 は ?
ナキリカオリ
華道 の 跡取り な んだ な
生まれながら に 人生 を 決め られて る なんて
わたし は 嫌だった
だから 家 を 出て 一 人 で 生きて きた
でも わたし は 知って しまった の
わたし の 身体 に 流れる
あの 抗 う こと の でき ない 本能 を
定め … か