16.2.2 秘密の部屋 - The Chamber of Secrets
ひみつの へや|the|chamber||secrets
secret room||||
16.2.2 Kammer des Schreckens - Die Kammer des Schreckens
16.2.2 The Chamber of Secrets
16.2.2 Chambre des secrets - La Chambre des secrets
16.2.2 Komnata tajemnic - Komnata tajemnic
16.2.2 Hemligheternas kammare - Hemligheternas kammare
「 ハリー 、 何 か 言って みろ よ 。
|なん||いって||
Harry|||||
"Harry, say something.
何 か を 蛇 語 で 」 ロン が 言った 。
なん|||へび|ご||||いった
|||snake|||||
「 でも 」 ハリー は 必死で 考えた 。
|||ひっしで|かんがえた
|||desperately|
なんとか 蛇 語 が 話せた の は 、 本物 の ヘビ に 向かって いる とき だけ だった 。
|へび|ご||はなせた|||ほんもの||へび||むかって||||
||||could speak|||real||||||||
小さな 彫物 を じっと 見つめて 、 ハリー は それ が 本物 である と 想 僕 して みた 。
ちいさな|ほりもの|||みつめて|||||ほんもの|||おも|ぼく||
|carving|||||||||||thought|||tried
「 開け 」
あけ
ロン の 顔 を 見る と 、 首 を 横 に 振って いる 。
||かお||みる||くび||よこ||ふって|
||||||||side||shaking|
「 普通の 言葉 だ よ 」
ふつうの|ことば||
ordinary|||you
ハリー は もう 一 度 ヘビ を 見た 。
|||ひと|たび|へび||みた
本物 の ヘビ だ と 思い込もう と した 。
ほんもの||へび|||おもいこもう||
|||||let's try to believe||
首 を 動かして みる と 、 蝋燭 の 明り で 、 彫物 が 動いて いる ように 見えた 。
くび||うごかして|||ろうそく||あかり||ほりもの||うごいて|||みえた
neck||moved|||candle|||at|carving||moving|||
『 開け 』 もう 一 度 言った 。
あけ||ひと|たび|いった
言った はずの 言葉 は 聞こえて こ なかった 。
いった||ことば||きこえて||
said|supposed|||||did not
かわり に 奇妙な シュー シュー と いう 音 が 、 口 から 出た 。
||きみょうな|しゅー|しゅー|||おと||くち||でた
||strange|shoe||||||||
そして 、 蛇口 が 眩 い 白い 光 を 放ち 、 回り はじめた 。
|じゃぐち||くら||しろい|ひかり||はなち|まわり|
|tap||dazzling|bright|white|light||emitted|around|started
次の 瞬間 、 手洗い 台 が 動き出し た 。
つぎの|しゅんかん|てあらい|だい||うごきだし|
|moment|handwashing|table||started|
手洗い 台 が 沈み 込み 、 見る見る 消え去った あと に 、 太い パイプ が むき出しに なった 。
てあらい|だい||しずみ|こみ|みるみる|きえさった|||ふとい|ぱいぷ||むきだしに|
|||sank|sank|quickly|disappeared|||thick|pipe||exposed|
大人 一 人 が 滑り 込める ほど の 太 さ だ 。
おとな|ひと|じん||すべり|こめる|||ふと||
adult||||sliding|can slide|||thickness||
It's thick enough for an adult to slip in.
ハリー は ロン が 息 を 呑む 声 で 、 再び 目 を 上げた 。
||||いき||どん む|こえ||ふたたび|め||あげた
||||breath||gulp|||again|||
Harry raised his eyes again at the sound of Ron's gasp.
何 を すべき か 、 もう ハリー の 心 は 決まって いた 。
なん||す べき|||||こころ||きまって|
what|||quotation particle||||||decided|
「 僕 は ここ を 降りて 行く 」 ハリー が 言った 。
ぼく||||おりて|いく|||いった
||||getting off||||
行か ないで はいら れ ない 。
いか||||
will not go||入ら||not
I can't go without going.
「 秘密の 部屋 」 へ の 入口 が 見つかった 以上 、 ほんの わずかな 、 かすかな 可能 性 でも 、 ジニー が まだ 生きて いる かも しれ ない 以上 、 行か なければ 。
ひみつの|へや|||いりぐち||みつかった|いじょう||||かのう|せい|||||いきて|||||いじょう|いか|
|||||||since|just|slight|faint|possibility|possibility|but|||||||||||
「 僕 も 行く 」 ロン が 言った 。
ぼく||いく|||いった
一瞬 の 空白 が あった 。
いっしゅん||くうはく||
a moment||blank||was
There was a momentary blank.
「 さて 、 私 は ほとんど 必要ない ようです ね 」 ロック ハート が 、 得意の スマイル の 残骸 の よう な 笑い を 浮かべた 。
|わたくし|||ひつような い|||ろっく|はーと||とくいの|すまいる||ざんがい||||わらい||うかべた
||||not necessary||||||special|smile||remnants||||||
「 私 は これ で ――」
わたくし|||
ロック ハート が ドア の 取っ手 に 手 を 掛けた が 、 ロン と ハリー が 、 同時に 杖 を ロック ハート に 向けた 。
ろっく|はーと||どあ||とって||て||かけた||||||どうじに|つえ||ろっく|はーと||むけた
|||||handle||||placed||||||at the same time||||||
「 先 に 降りる んだ 」 ロン が 凄んだ 。
さき||おりる||||すごんだ
ahead||will get off|explanation particle|||threatened
顔面 蒼白 で 杖 も なく 、 ロックハート は パイプ の 入口 に 近づいた 。
がんめん|そうはく||つえ|||||ぱいぷ||いりぐち||ちかづいた
face|pale||||without|||||||
「 君 たち 」 ロック ハート は 弱々しい 声 で 言った 。
きみ||ろっく|はーと||よわよわしい|こえ||いった
|||||feeble|||
「 ねえ 、 君 たち 、 それ が なんの 役に立つ と いう んだ ね ?」
|きみ|||||やく に たつ||||
||||||usefulness||||
ハリー は ロックハート の 背中 を 杖 で 小突いた 。
||||せなか||つえ||こづいた
||||back||||nudged
ロック ハート は 足 を パイプ に 滑り込ま せた 。
ろっく|はーと||あし||ぱいぷ||すべりこま|
|||foot||||slipped|
「 ほんとうに なんの 役 に も ――」 ロック ハート が また 言い かけた が 、 ロン が 押した ので 、 ロックハート は 滑り落ちて 見え なく なった 。
||やく|||ろっく|はーと|||いい|||||おした||||すべりおちて|みえ||
||use||||||||||||pressed||||slipped off|||
すぐ あと に ハリー が 続いた 。
|||||つづいた
|||||followed
ゆっくり と パイプ の 中 に 入り込み 、 それ から 手 を 放した 。
||ぱいぷ||なか||はいりこみ|||て||はなした
||||||entered|||||released
ちょうど 、 果てし の ない 、 ぬるぬる した 暗い 滑り台 を 急 降下 して いく ようだった 。
|はてし|||||くらい|すべりだい||きゅう|こうか|||
|end|||slippery||dark|slide||suddenly|descent|||
あちこち 四方八方 に 枝分かれ して いる パイプ が 見えた が 、 自分 たち が 降りて 行く パイプ より 太い もの は なかった 。
|しほうはっぽう||えだわかれ|||ぱいぷ||みえた||じぶん|||おりて|いく|ぱいぷ||ふとい|||
|everywhere||branching||||||||||going down|||||||
We could see pipes branching in all directions, but none were thicker than the pipes they were descending from.
その パイプ は 曲がりくねり ながら 、 下 に 向かって 急 勾配 で 続いて いる 。
|ぱいぷ||まがりくねり||した||むかって|きゅう|こうばい||つづいて|
|||winding||down||||slope||continuing|
ハリー は 学校 の 下 を 深く 、 地下 牢 より も 一層 深く 落ちて 行く の が わかった 。
||がっこう||した||ふかく|ちか|ろう|||いっそう|ふかく|おちて|いく|||
||||||deeply|under|prison|||even more|deeper|falling||||
あと から 来る ロン が カーブ を 通る たび に ドスン ドスン と 軽く ぶつかる 音 を たてる の が 聞こえ た 。
||くる|||かーぶ||とおる|||どすん|どすん||かるく||おと|||||きこえ|
|||||curve||passes|||thud|||lightly|lightly collided|||sound||||
底 に 着陸 したら どう なる のだろう と 、 ハリー が 不安に 思い はじめた その とき 、 パイプ が 平ら に なり 、 出口 から 放り出さ れ 、 ドスッ と 湿った 音 を たてて 、 暗い 石 の トンネル の じめじめ し た 床 に 落ちた 。
そこ||ちゃくりく||||||||ふあんに|おもい||||ぱいぷ||たいら|||でぐち||ほうりださ||||しめった|おと|||くらい|いし||とんねる|||||とこ||おちた
bottom||landing|if||||quotation particle|||anxiously|||||||flat|||||thrown||thud||wet||||dark|stone||tunnel||damp|||floor||fell
トンネル は 立ち上がる に 十分な 高さ だった 。
とんねる||たちあがる||じゅうぶんな|たか さ|
||||sufficient|height|
ロック ハート が 尐 し 離れた ところ で 、 全身 ベトベト で 、 ゴースト の ように 白い 顔 を して 立ち上がる ところ だった 。
ろっく|はーと||||はなれた|||ぜんしん|べとべと||ごーすと|||しろい|かお|||たちあがる||
|||||distant|||whole body|sticky|at||||||||||
ロン も ヒユーッ と 降りて きた ので 、 ハリー は パイプ の 出口 の 脇 に よけた 。
||||おりて|||||ぱいぷ||でぐち||わき||
||sliding||came down|||||||||||stepped aside
Ron also came down, so Harry moved to the side of the pipe exit.
「 学校 の 何 キロ も ずーっと 下 の 方 に 違いない 」 ハリー の 声 が トンネル の 闇 に 反響 した 。
がっこう||なん|きろ|||した||かた||ちがいない|||こえ||とんねる||やみ||はんきょう|
school||||||||direction|||||||||||echoed|
「 湖 の 下 だ よ 。
こ||した||
lake||||
"It's under the lake.
たぶん 」 暗い ぬるぬる した 壁 を 目 を 細めて 見回し ながら 、 ロン が 言った 。
|くらい|||かべ||め||ほそめて|みまわし||||いった
probably|dark|slimy||wall||||squinting|||||
二 人 と も 、 目の前 に 続く 闇 を じっと 見つめた 。
ふた|じん|||めのまえ||つづく|やみ|||みつめた
||||||continued||||
「 ルーモス !< 光 よ >」 ハリー が 杖 に 向かって 呟く と 、 杖 に 灯り が 点った 。
|ひかり||||つえ||むかって|つぶやく||つえ||ともり||つ った
lumos|light|light||||||murmured||||light||lit
"Rumos! <Light>" Harry muttered at the wand, and the wand was lit.
「 行こう 」 ハリー が あと の 二 人 に 声 を かけ 、 三 人 は 歩き 出した 。
いこう|||||ふた|じん||こえ|||みっ|じん||あるき|だした
"Let's go," Harry called out to the other two, and the three started walking.
足音 が 、 湿った 床 に ピシャッピシャッ と 大きく 響いた 。
あしおと||しめった|とこ||||おおきく|ひびいた
||wet|||splashing|||echoed
トンネル は 真っ暗で 、 目 と 鼻 の 先 しか 見え ない 。
とんねる||まっくらで|め||はな||さき||みえ|
||pitch black||||||||
The tunnel is pitch black and you can only see the tip of your eyes and nose.
杖 灯り で 湿っぽい 壁 に 映る 三 人 の 影 が 、 おどろおどろしかった 。
つえ|ともり||しめっぽい|かべ||うつる|みっ|じん||かげ||おどろ お どろ しかった
staff|light||damp|wall||projected||||shadow||ominous
「 みんな 、 いい かい 」 そろそろ と 前進 し ながら 、 ハリー が 低い 声 で 言った 。
|||||ぜんしん|||||ひくい|こえ||いった
|||||advance|||||low|||
「 何 か が 動く 気配 を 感じたら 、 すぐ 目 を つぶる んだ ......」
なん|||うごく|けはい||かんじたら||め|||
|||moves|sign||felt||||to close|
しかし 、 トンネル は 墓場 の ように 静まり返って いた 。
|とんねる||はかば|||しずまりかえって|
|||graveyard|||silently|
最初に 耳慣れ ない 音 を 聞いた の は 、 ロン が 何 か を 踏んづけた バリン と いう 大きな 音 で 、 それ は ネズミ の 頭蓋 骨 だった 。
さいしょに|みみなれ||おと||きいた|||||なん|||ふんづけた||||おおきな|おと||||ねずみ||ずがい|こつ|
first|not accustomed||||||||||||stepped on|crack||||||it||||skull|bone|
ハリー が 杖 を 床 に 近づけて よく 見る と 、 小さな 動物 の 骨 が そこら 中 に 散らばって いた 。
||つえ||とこ||ちかづけて||みる||ちいさな|どうぶつ||こつ|||なか||ちらばって|
||||floor||brought closer|||||animal||bone|||||scattered|
ジ ニー が 見つかった とき 、 どんな 姿 に なって いる だろう ...... そんな 思い を 必死で 振り切り なが ら 、 ハリー は 暗い トンネル の カーブ を 、 先頭 に 立って 曲がった 。
|||みつかった|||すがた||||||おもい||ひっしで|ふりきり|な が||||くらい|とんねる||かーぶ||せんとう||たって|まがった
locomotive||||||appearance||||||thought||desperately|shaking off|||||dark|||curve||front|||turned
What would he look like when Genie was found ... While desperately shaking off that thought, Harry took the curve of the dark tunnel and turned to the front.
「 ハリー 、 あそこ に 何 か ある ......」
|||なん||
"Harry, there's something over there ..."
ロン の 声 が かすれ 、 ハリー の 肩 を ギュッと つかんだ 。
||こえ|||||かた||ぎゅっと|
||||faltered|||shoulder||tight|grabbed
三 人 は 凍りついた ように 立ち止まって 、 行く手 を 見つめた 。
みっ|じん||こおりついた||たちどまって|ゆくて||みつめた
|||frozen|||way||
トンネル を ふさぐ ように 、 何 か 大きくて 曲線 を 措 いた もの が あった 。
とんねる||||なん||おおきくて|きょくせん||そ||||
||block|||||curve||placed||||
There was something big and curved, like blocking a tunnel.
輪郭 だけ が かろうじて 見える 。
りんかく||||みえる
outline|||barely|
Only the contour is barely visible.
その もの は じっと 動か ない 。
||||うごか|
||||does not move|
「 眠って いる の かも しれ ない 」
ねむって|||||
sleeping|||||
ハリー は 息 を ひそめ 、 後ろ の 二 人 を テラリ と 振り返った 。
||いき|||うしろ||ふた|じん||||ふりかえった
||breath||held||||||quietly||looked back
Harry held his breath and looked back at the two behind him.
ロック ハート は 両手 で しっかり と 目 を 押さえて いた 。
ろっく|はーと||りょうて||||め||おさえて|
|||both hands||||||pressed|
Lockhart was holding his eyes firmly with both hands.
ハリー は また 前方 を 見た 。
|||ぜんぽう||みた
Harry|||front||looked
Harry also looked forward.
心臓 の 動 博 が 痚 い ほど 速く なった 。
しんぞう||どう|はく|||||はやく|
heart||movement|beat||pain|||fast|
ゆっくり と 、 ぎりぎり 物 が 見える 程度 に 、 できる かぎり 目 を 細く して 、 その 物体 に じりじり と 近寄った 。
|||ぶつ||みえる|ていど||||め||ほそく|||ぶったい||||ちかよった
||just barely||||程度|locative particle||as much as possible|||narrowly|||object||gradually||approached
Slowly, I narrowed my eyes as much as possible so that I could see the object, and I approached the object.
ハリー は 杖 を 高く 掲げ 杖 灯り が 照らし出した の は 、 巨大な 蛇 の 抜け殻 だった 。
||つえ||たかく|かかげ|つえ|ともり||てらしだした|||きょだいな|へび||ぬけがら|
|||||raised||light||illuminated||||snake||shed|
毒々しい 鮮やかな 緑色 の 皮 が 、 トンネル の 床 に とぐろ を 巻いて 横たわって いる 。
どくどくしい|あざやかな|みどりいろ||かわ||とんねる||とこ||||まいて|よこたわって|
poisonous|vivid|green||skin||||floor||coil||coiled|lying|
脱皮 した 蛇 は ゆうに 六 メートル は ある に 違いない 「 なんて こった 」 ロン が 力なく 言った 。
だっぴ||へび|||むっ|めーとる||||ちがいない|||||ちからなく|いった
shedding||snake||easily|||||||||||weakly|
後ろ の 方 で 急に 何 か が 動いた 。
うしろ||かた||きゅうに|なん|||うごいた
||||||||moved
ギルデロイ ・ ロックハート が 腰 を 抜かして いた 。
|||こし||ぬかして|
|||waist||fainted|
Gilderoy Lockhart was sitting down.
「 立て 」 ロン が 、 ロックハート に 杖 を 向け 、 きつい 口調 で 言った 。
たて|||||つえ||むけ||くちょう||いった
||||||||strict|tone||
ロック ハート は 立ち上がり ―― ロン に 跳び かかって 床 に 殴り 倒した 。
ろっく|はーと||たちあがり|||とび||とこ||なぐり|たおした
||||||jumped||||hit|knocked down
Rock Heart stood up-jumping on Ron and knocking him down on the floor.
ハリー が 前 に 飛び出した が 、 間に合わ なかった 。
||ぜん||とびだした||まにあわ|
||||||did not make it|
ロック ハート は 肩 で 息 を し ながら 立ち上がった 。
ろっく|はーと||かた||いき||||たちあがった
|||shoulder||sigh||||
Rock Heart stood up, breathing on his shoulders.
ロン の 杖 を 握り 、 輝く ような スマイル が 戻って いる 。
||つえ||にぎり|かがやく||すまいる||もどって|
||||gripped|shining||smile||returning|
「 坊や たち 、 お 遊び は これ で おしまい だ ! 私 は この 皮 を 尐 し 学校 に 持って 帰り 、 女の子 を 救 うに は 遅 過ぎた と みんな に 言おう 。
ぼうや|||あそび||||||わたくし|||かわ||||がっこう||もって|かえり|おんなのこ||すく|||おそ|すぎた||||いおう
boy|||play|||||||||skin|||||||home|||save|||late|||||
君 たち 二 人 は ズタズタ に なった 無残な 死骸 を 見て 、 哀れ に も 気 が 狂った と 言おう 。
きみ||ふた|じん||ずたずた|||むざんな|しがい||みて|あわれ|||き||くるった||いおう
|||||tattered|||miserable|corpse|||pitiful|||||went crazy||to say
Let's say that the two of you were pitifully crazy when they saw the shredded corpse.
さあ 、 記憶 に 別れ を 告げる が いい !」
|きおく||わかれ||つげる||
|memory||farewell||to告げる||good
Now, say goodbye to your memory! "
ロック ハート は スペロテープ で 張りつけた ロン の 杖 を 頭上 に かざし 、 一声 叫んだ 。
ろっく|はーと||||はりつけた|||つえ||ずじょう|||ひとこえ|さけんだ
|||spiro tape||pasted|||||above||raised|a声|
「 オフリビエイト !< 忘れよ >」
|わすれよ
liberate|let's forget
杖 は 小型 爆弾 なみ に 爆発 した 。
つえ||こがた|ばくだん|||ばくはつ|
||small|bomb|like||exploded|
ハリー は 蛇 の とぐろ を 巻いた 抜け殻 に 躓き 、 滑り ながら 、 両手 で さっと 頭 を 覆って 逃げた 。
||へび||||まいた|ぬけがら||つまずき|すべり||りょうて|||あたま||おおって|にげた
||snake||coil||coiled|shell||stumbled|slipped||||quickly|||covered|ran away
Harry stumbled on a shell wrapped around a snake's tongue, slipping, and quickly covered his head with both hands and ran away.
トンネル の 天井 から 、 大きな 塊 が 、 雷 の ような 轟音 を 上げて バラバラ と 崩れ落ちて きた の だ 。
とんねる||てんじょう||おおきな|かたまり||かみなり|||ごうおん||あげて|ばらばら||くずれおちて|||
||ceiling|||chunk||thunder|||roaring sound|||scattered||collapsed|||
From the ceiling of the tunnel, a large mass fell apart with a thunderous roar.
次の 瞬間 、 岩 の 塊 が 固い 壁 の ように たちふさがって いる の を ジッと 見 ながら 、 ハリー は たった 一 人 で そこ に 立って いた 。
つぎの|しゅんかん|いわ||かたまり||かたい|かべ|||||||じっと|み|||||ひと|じん||||たって|
|moment|rock||mass||hard|wall|||blocking||||||||||||||||
At the next moment, Harry stood alone there, staring at the rock mass blocking it like a hard wall.
「 ローン !」 ハリー が 叫んだ 。
ろーん|||さけんだ
loan|||
「 大丈夫 か ! ロン !」
だいじょうぶ||
「 ここ だ よ !」 ロン の 声 は 崩れ落ちた 岩石 の 影 から ぼんやり と 聞こえた 。
|||||こえ||くずれおちた|がんせき||かげ||||きこえた
|||||||collapsed|rock||shadow||vaguely||
「 僕 は 大丈夫だ 。
ぼく||だいじょうぶだ
でも こっち の バカ は ダメだ - 杖 で 吹っ飛ば さ れた 」
|||ばか||だめだ|つえ||ふっとば||
||||||staff||blew away||
But not this idiot over here - he blew me away with his cane."
ドンと 鈍い 音 に 続いて 「 アイタッ !」 と 言う 大きな 声 が 聞こえた 。
どんと|にぶい|おと||つづいて|||いう|おおきな|こえ||きこえた
with a bang|dull|||following|ouch||||||
I heard a loud bang and a dull sound followed by a loud voice saying "Aita!".
ロン が ロック ハート の むこう 脛 を 蹴飛ばした ような 音 だった 。
||ろっく|はーと|||すね||けとばした||おと|
||||||shin||kicked|||
It sounded like Ron kicked the shin over the rock heart.
「 さあ 、 どう する !」 ロン の 声 は 必死だった 。
|||||こえ||ひっしだった
|||||||desperate
「 こっち から は 行け ない よ 。
|||いけ||
何 年 も かかって しまう ......」
なん|とし|||
what||||will take
It will take years ... "
ハリー は トンネル の 天井 を 見上げた 。
||とんねる||てんじょう||みあげた
巨大な 割れ目 が できて いる 。
きょだいな|われめ|||
huge|crack|||is
There is a huge crack.
ハリー は これ まで 、 こんな 岩石 の 山 の ような 大きな もの を 、 魔法 で 砕いて みた こと が なかった 。
|||||がんせき||やま|||おおきな|||まほう||くだいて||||
|||||rock||||||||||smashed||||
Harry has never tried to crush such a big rocky mountain with magic.
初めて それ に 挑戦 する に は 、 タイミング が よい と は 言え な い ―― トンネル 全体 が 潰れたら どう する ?
はじめて|||ちょうせん||||たいみんぐ|||||いえ|||とんねる|ぜんたい||つぶれたら||
for the first time|||challenge|||topic marker|timing|||||||||whole||collapsed||
It's not the right time to try it for the first time-what if the entire tunnel collapses?
岩 の むこう から 、 また 「 ドン 」 が 聞こえ 、「 アイタッ !」 が 聞こえた 。
いわ|||||||きこえ|||きこえた
rock|||||bang|||ouch||
From the other side of the rock, I heard "Don" and "Aita!".
時間 が むだに 過ぎて 行く 。
じかん|||すぎて|いく
time||wasted||
Time goes by in vain.
ジニー が 『 秘密の 部屋 』 に 連れ 去られて から 何 時間 も たって いる ―― ハリー に は 道 は 一 つ しかない こと が わかって いた 。
||ひみつの|へや||つれ|さら れて||なん|じかん|||||||どう||ひと||しか ない||||
|||||taken|taken|||||passed||Harry|||way||||only||||
It's been hours since Ginny was taken to the Secret Room-I knew that Harry had only one way.
「 そこ で 待って て 」 ハリー は ロン に 呼びかけた 。
||まって||||||よびかけた
||||||||called
「 ロック ハート と 一緒に 待って いて 。
ろっく|はーと||いっしょに|まって|
僕 が 先 に 進む 。
ぼく||さき||すすむ
||ahead||will advance
一 時間 たって 戻ら なかったら ......」
ひと|じかん||もどら|
||after||
もの言い た げ な 沈黙 が あった 。
ものいい||||ちんもく||
speech||||silence||existed
There was an unspeakable silence.
「 僕 は 尐 し でも ここ の 岩石 を 取り崩して みる よ 」 ロン は 、 懸命に 落ち着いた 声 を 出そう と し て いる ようだった 。
ぼく|||||||がんせき||とりくずして|||||けんめいに|おちついた|こえ||だそう|||||
|||||||||dismantling|||||with all one's might|calm|||trying to let out|||||
"I'll try to tear down the rocks here," Ron seemed to be trying hard to make a calm voice.
「 そう すれば 君 が ―― 帰り に ここ を 通れる 。
||きみ||かえり||||とおれる
||||return||||can pass
"That way you can walk through here on your way home.
だ から ハリー ――」
「 それ じゃ 、 また あと で ね 」 ハリー は 震える 声 に 、 なんとか 自信 を 叩きこむ ように 言った 。
||||||||ふるえる|こえ|||じしん||たたきこむ||いった
||||||||||||confidence||instill||
そして 、 ハリー は たった 一 人 、 巨大な 蛇 の 皮 を 越えて 先 に 進んだ 。
||||ひと|じん|きょだいな|へび||かわ||こえて|さき||すすんだ
|||||||snake||skin||over|||advanced
ロン が 力 を 振りしぼって 、 岩石 を 動かそう と して いる 音 も やがて 遠く なり 、 聞こえ なく なった 。
||ちから||ふりしぼって|がんせき||うごかそう||||おと|||とおく||きこえ||
||||with all one's might|rock||to move||||||eventually|far||||
トンネル は くねくね と 何度 も 曲がった 。
とんねる||||なんど||まがった
||wobbly||||bent
The tunnel was winding and winding many times.
体中 の 神経 が きりきり と 不快に 痚 んだ 。
たいちゅう||しんけい||きり きり||ふかいに||
throughout||nerve||sharply||unpleasantly|ached|ached
ハリー は トンネル の 終わり が 来れば よい と 思い ながら も 、 その とき に 何 が 見つかる か を 思う と 、 恐ろしく も あった 。
||とんねる||おわり||くれば|||おもい||||||なん||みつかる|||おもう||おそろしく||
||||end|||||||||||||would be found|||||terribly||
Harry wished the end of the tunnel would come, but was scared to think of what he would find at that time.
また もう 一 つ の 曲り角 を そっと 曲がった 途端 、 遂に 前方 に 固い 壁 が 見えた 。
||ひと|||まがりかど|||まがった|とたん|ついに|ぜんぽう||かたい|かべ||みえた
|||||corner||gently|bent|at that moment|finally|ahead||solid|||
As soon as I gently turned another corner, I finally saw a hard wall in front of me.
二 匹 の ヘビ が 絡み合った 彫刻 が 施して あり 、 ヘビ の 目 に は 輝く 大粒の エメラルド が 嵌め込んで あった 。
ふた|ひき||へび||からみあった|ちょうこく||ほどこして||へび||め|||かがやく|おおつぶの|||はめこんで|
|||snake||entwined|sculpture||applied|present||||||sparkling|large|||set into|
The sculpture was intertwined with two snakes, and the eyes of the snake were inlaid with large, shining emeralds.
ハリー は 近づいて 行った 。
||ちかづいて|おこなった
喉 が カラ カラ だ 。
のど||から|から|
throat||dry|dry|
今度 は 石 の ヘビ を 本物 だ と 思い込む 必要 は な かった 。
こんど||いし||へび||ほんもの|||おもいこむ|ひつよう|||
next time||||||real thing|||to convince oneself|necessity|||
This time I didn't have to assume that the stone snake was real.
ヘビ の 目 が 妙に 生き生き して いる 。
へび||め||みょうに|いきいき||
||||strangely|lively||
The snake's eyes are strangely lively.
何 を すべき か 、 ハリー に は 想像 が ついた 。
なん||す べき|||||そうぞう||
||should|||||imagination||
咳払い を し た 。
せきばらい|||
clearing of throat|||
すると エメラルド の 目 が チラチラ と 輝いた ようだった 。
|||め||ちらちら||かがやいた|
|||||twinkling||sparkled|
『 開け 』 低く 幽かな シュー シュー と いう 音 だった 。
あけ|ひくく|ゆう かな|しゅー|しゅー|||おと|
|low|faint|shoe|||||
壁 が 二 つ に 裂け 、 絡み合って いた ヘビ が 分かれ 、 両側 の 壁 が 、 スルスル と 滑る ように 見え な く なった 。
かべ||ふた|||さけ|からみあって||へび||わかれ|りょうがわ||かべ||するする||すべる||みえ|||
wall|||||tore|entwined||||separated|both sides||||||slid|||||
The wall split in two, the intertwined snakes split, and the walls on both sides disappeared as if they were slipping.
ハリー は 頭 の てっぺん から 足 の つま先 まで 震え ながら その 中 に 入って 行った 。
||あたま||||あし||つまさき||ふるえ|||なか||はいって|おこなった
||||top||foot||toe||||||||went
Harry quivered from the top of his head to the toes of his feet and went into it.