17.2.1 スリザリンの継承者 - The Heir of Slytherin
スリザリン の けいしょう しゃ|the|heir||slytherin
the Heir of Slytherin||||
17.2.1 Das Erbe von Slytherin - Das Erbe von Slytherin
17.2.1 The Heir of Slytherin
17.2.1 L'héritier de Serpentard - L'héritier de Serpentard
17.2.1 De erfgenaam van Slytherin - De erfgenaam van Slytherin
17.2.1 Dziedzic Slytherinu - Dziedzic Slytherinu
17.2.1 Slytherins arvtagare - Slytherins arvtagare
リドル は フォークス と 「 組 分け 帽子 」 を からかう ように 、 チラッ と 見て その 場 を 離れた 。
||||くみ|わけ|ぼうし||||||みて||じょう||はなれた
riddle||Fawkes||||||to tease||glanced||||place||left
Riddle glanced away from the scene, as if to make fun of Forks and the "grouping hat."
里德尔戏谑地看了福克斯和分院帽一眼就离开了。
ハリー は 感覚 の なくなった 両足 に 恐怖 が 広がって いく の を 感じ ながら 、 リドル を 見つめた 。
||かんかく|||りょうあし||きょうふ||ひろがって||||かんじ||||みつめた
||sensation|||both feet||fear||spread||||||||
Harry stared at Riddle, feeling the spread of fear on his desensitized legs.
リドル は 一 対 の 高い 柱 の 間 で 立ち止まり 、 ずっと 上 の 方 に 、 半分 暗闇 に 覆われて いる スリザ リン の 石像 の 顔 を 見上げた 。
||ひと|たい||たかい|はしら||あいだ||たちどまり||うえ||かた||はんぶん|くらやみ||おおわ れて|||りん||せきぞう||かお||みあげた
||one|pair|||pillar|||||||||||darkness||covered||Slytherin|Slytherin||statue||||
Riddle stopped between a pair of tall pillars and looked up all the way up to the face of a half-darkened stone statue of Slytherin.
横 に 大きく 口 を 開く と 、 シュー シュー と いう 音 が 漏れた 。
よこ||おおきく|くち||あく||しゅー|しゅー|||おと||もれた
side|||||||||||||leaked
ハリー に は リドル が 何 を 言って い る の か わかった 。
|||||なん||いって|||||
Harry knew what Riddle was saying.
『 スリザリン よ 。
ホグワーツ 四 強 の 中 で 最強の 者 よ 。
|よっ|きょう||なか||さいきょうの|もの|
Hogwarts|four|strong||||strongest|person|
Hogwarts, the strongest of the four.
われ に 話した まえ 』 ハリー が 向き を 変えて 石像 を 見上げた 。
||はなした||||むき||かえて|せきぞう||みあげた
I||||||direction||changed|statue||
Speak to us. ”Harry turned around and looked up at the statue.
フォークス も ハリー の 肩 の 上 で 揺れた 。
||||かた||うえ||ゆれた
||||||||shook
Forks also shook on Harry's shoulders.
スリザリン の 巨大な 石 の 顔 が 動いて いる 。
||きょだいな|いし||かお||うごいて|
|||||||moving|
恐怖 に 打ちのめさ れ ながら 、 ハリー は 石像 の 口 が だんだん 広がって 行き 、 ついに 大きな 黒い 穴 に なる の を 見て いた 。
きょうふ||うちのめさ|||||せきぞう||くち|||ひろがって|いき||おおきな|くろい|あな|||||みて|
fear||overwhelmed||||||||||||finally||black|||||||
何 か が 、 石像 の 口 の 中 で うごめいて いた 。
なん|||せきぞう||くち||なか|||
|||||||||crawling|
何 か が 、 奥 の 方 から ズルズル と 這い 出して きた 。
なん|||おく||かた||ずるずる||はい|だして|
|||deep||direction||sliding||crawled||
Somehow, I crawl out from the back.
ハリー は 「 秘密の 部屋 」 の 暗い 壁 に ぶつかる まで 、 あとずさり した 。
||ひみつの|へや||くらい|かべ|||||
|||||dark|wall||||backed up|
目 を 固く 閉じた とき 、 フォークス が 飛び立ち 、 翼 が 頬 を 擦る の を 感じた 。
め||かたく|とじた||||とびたち|つばさ||ほお||かする|||かんじた
eye||firmly|closed||||took off|wing||cheek||rubbed|||
When I closed my eyes tightly, I felt Forks fly away and my wings rubbed my cheeks.
ハリー は 「 僕 を 一 人 に し ないで !」 と 叫び たかった 。
||ぼく||ひと|じん|||||さけび|
||||||||||screamed|
Harry says, "Don't leave me alone!" I wanted to yell, "I'm not going to let them get away with that!
しかし 、 蛇 の 王 の 前 で 、 不死鳥 に 勝ち 目 など ある だろう か ?
|へび||おう||ぜん||ふしちょう||かち|め||||
|snake||king||||phoenix||defeated|||||
But in front of the King of Snakes, is there any chance of winning the phoenix?
何 か 巨大な もの が 部屋 の 石 の 床 に 落ち 、 床 の 振動 が 伝わって きた 。
なん||きょだいな|||へや||いし||とこ||おち|とこ||しんどう||つたわって|
|||||||stone||||fell|||vibration||conveyed|
Something huge fell on the stone floor of the room, and the vibration of the floor was transmitted.
何 が 起こって いる の か ハリー に は わかって いた 。
なん||おこって||||||||
感覚 で わかる 。
かんかく||
sensation||
You can understand it by feeling.
巨大な 蛇 が スリザリン の 口 から 出て きて 、 とぐろ を 解いて いる の が 目 に 見える ような 気 が した 。
きょだいな|へび||||くち||でて||||といて||||め||みえる||き||
|snake||||||||coil||uncoiling||||||||||
A giant snake came out of Slytherin's mouth, and I felt like I could see it unraveling.
リドル の 低い シューッ と いう 声 が 聞こえて きた 。
||ひくい||||こえ||きこえて|
||low|swoosh||||||
I heard Riddle's low swooshing voice.
「 あいつ を 殺せ 」
||ころせ
バジリスク が ハリー に 近づいて くる 。
||||ちかづいて|
埃っぽい 床 を ズルッズルッ と ずっしり した 胴体 を 滑らせる 音 が 聞こえた 。
ほこり っぽい|とこ||||||どうたい||すべらせる|おと||きこえた
dusty|||sliding||heavily||body||sliding|||
ハリー は 目 を しっかり 閉じた まま へ 手 を 伸ばし 、 手探り で 横 に 走って 逃げよう と した 。
||め|||とじた|||て||のばし|てさぐり||よこ||はしって|にげよう||
||||||||||stretched|groping||side||running|let's escape||
Harry reached out with his eyes closed and groped sideways to try to escape.
リド ル の 笑う 声 が する ......。
|||わらう|こえ||
ハリー は 躓き 、 石 の 床 で したたかに 顔 を 打ち 、 ロ の 中 で 血 の 味 が した 。
||つまずき|いし||とこ|||かお||うち|||なか||ち||あじ||
||stumbled|||||hard|||hit|||||blood||taste||
Harry stumbled, struck his face on the stone floor, and tasted blood in the b.
毒 蛇 は すぐ そば まで 来て いる 。
どく|へび|||||きて|
poison|||||||
近づく 昔 が 聞こえる 。
ちかづく|むかし||きこえる
approach|long ago||
I can hear the old days approaching.
ハリー の 真上 で 破裂 する ような シャーッシャーッ と いう 大きな 音 が し た 。
||まこと じょう||はれつ||||||おおきな|おと|||
||right above||burst|||a loud noise|||||||
There was a loud screaming noise just above Harry that burst.
何 か 重い もの が ハリー に ぶつかり 、 その 強烈な 衝撃 で ハリー は 壁 に 打ちつけられた 。
なん||おもい|||||||きょうれつな|しょうげき||||かべ||うちつけ られた
||heavy|||||hit||intense|shock||||wall||hit
Something heavy slammed into Harry, and the forceful impact knocked him against the wall.
今にも 毒 牙 が 体 に ズブリ と 突き刺さる か と 覚悟 した とき 、 ハリー の 耳 に 狂った ような シュー シュー と いう 音 と 、 何 か が のた打ち 回って 、 柱 を 叩きつけて いる 音 が 聞こえた 。
いまにも|どく|きば||からだ||||つきささる|||かくご|||||みみ||くるった||しゅー|しゅー|||おと||なん|||のたうち|まわって|ちゅう||たたきつけて||おと||きこえた
|poison|fang||||suddenly||pierced|||prepared|||||ear||crazy||shoe||||||something|||thrashing||pillar||slammed||||
When I was ready to pierce my body with poisonous fangs, I heard Harry's crazy swooshing sound and the sound of something slamming around and slamming the pillars.
もう 我慢 でき なかった 。
|がまん||
|patience||
I couldn't stand it anymore.
ハリー は できる だけ 細く 目 を 開け 、 何 が 起こって いる の か 見よう と した 。
||||ほそく|め||あけ|なん||おこって||||みよう||
||||as||||||was happening||||||
Harry opened his eyes as narrowly as he could and tried to see what was happening.
巨大な 蛇 だ 。
きょだいな|へび|
giant|snake|
テラテラ と 毒々しい 鮮緑 色 の 、 樫 の 木 の ように 太い 胴体 を 、 高々 と 宙 に くねら せ 、 その 巨大な 鎌 首 は 酔った ように 柱 と 柱 の 間 を 縫って 動き回って いた 。
||どくどくしい|せんみどり|いろ||かし||き|||ふとい|どうたい||たかだか||ちゅう|||||きょだいな|かま|くび||よった||ちゅう||ちゅう||あいだ||ぬって|うごきまわって|
glossy||poisonous|vivid green|||oak||tree||||body||highく||air||twisted||||sickle|neck||drunk||pillar||||||zigzagging|moving around|
A terra terra and a poisonous bright green, oak-tree-thick torso, twisted high in the air, and its giant sickle neck sewn between pillars as if drunk.
ハリー は 身震い し 、 蛇 が こちら を 見たら 、 すぐに 目 を つぶろう と 身構えた その とき 、 ハリー は いったい 何 が 蛇 の 気 を 逸ら せて いた の か を 見た 。
||みぶるい||へび||||みたら||め||||みがまえた||||||なん||へび||き||はやら||||||みた
||shudder||snake||||||||to close||prepared||||||||snake||||逸らす||||||
Harry shuddered, and when the snake looked at him, he immediately set himself to close his eyes, and Harry saw what was distracting the snake.
フォークス が 、 蛇 の 鎌 首 の 周り を 飛び回り 、 バジリスク は サーベル の ように 長く 鋭い 毒 牙 で 狂った ように 何度 も 空 を 噛んで いた 。
||へび||かま|くび||まわり||とびまわり||||||ながく|するどい|どく|きば||くるった||なんど||から||かんで|
fox||||sickle|||||flying around|||saber||||sharp|poison|fang||crazy||||||biting|
フォークス が 急 降下 した 。
||きゅう|こうか|
||sudden|descent|
長い 金色 の 嘴 が 何 か に ズブリ と 突き刺さり 、 急に 見え なく なった 。
ながい|きんいろ||くちばし||なん|||||つきささり|きゅうに|みえ||
|||beak|||||suddenly||pierced|suddenly|||
A long golden beak pierced something and suddenly disappeared.
その 途端 、 どす黒い 血 が 吹き出し ボタボタ と 床 に 降り注いだ 。
|とたん|どすぐろい|ち||ふきだし|||とこ||ふりそそいだ
|at that moment|pitch-black|||gushed|dripping||||poured down
As soon as he did so, a gush of black blood came out and poured onto the floor.
毒 蛇 の 尾 が のたうち 、 あやうく ハリー を 打ち そうに なった 。
どく|へび||お||||||うち|そう に|
poison|||tail||thrashing|almost|||struck||
The tail of the poisonous snake was about to hit Harry.
ハリー が 目 を 閉じる 間 も なり 蛇 は こちら を 振り向いた 。
||め||とじる|あいだ|||へび||||ふりむいた
||||closed||||||||turned around
As Harry closed his eyes, the snake turned around.
ハリー は 真 正面 から 蛇 の 頭 を ―― そ して 、 その 目 を 見た 。
||まこと|しょうめん||へび||あたま|||||め||みた
||direct|directly|||||||||||
Harry looked straight at the snake's head--and saw his eyes.
大きな 黄色い 球 の ような 目 は 、 両眼 と も 不死鳥 に 潰されて いた 。
おおきな|きいろい|たま|||め||りょうがん|||ふしちょう||つぶさ れて|
|yellow|ball|||||both eyes|||phoenix||crushed|
The big yellow sphere-like eyes were crushed by phoenixes in both eyes.
おびただしい 血 が 床 に 流れ 、 バジリスク は 苦 痚 に のたうち 回って いた 。
|ち||とこ||ながれ|||く||||まわって|
numerous|||||flow|||pain|pain||writhing||
Lots of blood spilled to the floor, and the basilisk was in pain.
「 違う !」 リドル が 叫ぶ 声 が 聞こえた 。
ちがう|||さけぶ|こえ||きこえた
different|||screamed|||
"No!" I heard Riddle screaming.
「 鳥 に かまう な ! ほって おけ ! 小僧 は 後ろ だ ! 匂い で わかる だろう ! 殺せ !」
ちょう||||||こぞう||うしろ||におい||||ころせ
||don't care about||leave|leave|boy||||smell||||
盲目の 蛇 は 混乱 して 、 ふらふら して は いた が 、 まだ 危険だった 。
もうもくの|へび||こんらん||||||||きけんだった
blind|||confusion||unsteadily||||||dangerous
The blind snake was confused and fluttering, but still dangerous.
フォークス が 蛇 の 頭上 を 輪 を 描き ながら 飛び 、 不思議な 旋律 を 歌い ながら バジリスク の 鱗 で 覆わ れた 鼻面 を あちこち 突 ついた 。
||へび||ずじょう||りん||えがき||とび|ふしぎな|せんりつ||うたい||||うろこ||おおわ||はなづら|||つ|
||||above||circle||drawing||flew|mysterious|melody||||||scale||covered||snout|||touched|
Forks flew over the snake's head in a ring, singing a mysterious tune and poking around the basilisk's scaled nose.
バジリスク の 潰れた 目 から は 、 ドクドク と 血 が 流れ 続けて いた 。
||つぶれた|め|||||ち||ながれ|つづけて|
||squashed||||gushing||||flowed||
「 助けて 。
たすけて
help
助けて 。
たすけて
誰 か 、 誰 か !」 ハリー は 夢中で 口走った 。
だれ||だれ||||むちゅうで|くちばしった
||||||desperately|blurred
バジリスク の 尾 が 、 また 大きく 一 振り して 床 の 上 を 掃いた 。
||お|||おおきく|ひと|ふり||とこ||うえ||はいた
||tail|||||swing||||||swept
ハリー が 身 を かわした その とき 、 何 か 柔らかい もの が ハリー の 顔 に 当たった 。
||み|||||なん||やわらかい|||||かお||あたった
||body||dodged|||||soft|||||||
When Harry passed away, something soft hit Harry's face.
バジリスク の 尾 が 、「 組 分け 帽子 」 を 吹き飛ばして ハリー の 腕 に 放って よこした のだ 。
||お||くみ|わけ|ぼうし||ふきとばして|||うで||はなって||
||tail||||||blew off|||arm||sent||
The basilisk's tail blew off the "grouping hat" and threw it on Harry's arm.
ハリー は それ を しっかり つかんだ 。
||||firmly|caught
もう これ しか 残されて いない 。
|||のこさ れて|
already|||remained|not there
最後 の 頼みの綱 だ 。
さいご||たのみのつな|
last||last hope|
ハリー は 帽子 を ぐ いっと かぶり 、 床 に ぴったり と 身 を 促せた 。
||ぼうし|||||とこ||||み||うなが せた
||||||put on|floor||exactly||||prompted
Harry put on his hat and urged him to fit snugly on the floor.
その 頭上 を 掃く ように 、 バジリスク の 尾 が また 通り過ぎた 。
|ずじょう||はく||||お|||とおりすぎた
|above||sweeping|||||||
The tail of the basilisk passed over his head like a sweep.
「 助けて ............ 助けて ......」 帽子 の 中 で しっかり と 目 を 閉じ 、 ハリー は 祈った 。
たすけて|たすけて|ぼうし||なか||||め||とじ|||いのった
|||||||||||||prayed
「 お 願い 、 助けて 」
|ねがい|たすけて
答え は なかった 。
こたえ||
しかし 、 誰 か の 見え ない 手 が ぎゅっと 絞った か の ように 、 帽子 が 縮んだ 。
|だれ|||みえ||て|||しぼった||||ぼうし||ちぢんだ
||||||hand||tight|squeezed||||hat||shrunk
But the hat shrank, as if someone's invisible hand had squeezed tightly.
固くて ずしり と 重い もの が ハリー の 頭 の てっぺん に 落ちて きた 。
かたくて|||おもい|||||あたま||||おちて|
firmly|heavily||heavy||||||||||
ハリー は 危うく ノックアウト さ れ そうに なり 、 目 から 火花 を 飛ばし ながら 、
||あやうく|のっくあうと|||そう に||め||ひばな||とばし|
||almost|knockout|||||||||sparking|
Harry was almost knocked out, fluttering sparks from his eyes,
帽子 の てっぺん を つかんで ぐ いっと 脱いだ 。
ぼうし|||||||ぬいだ
hat||||grabbed|||took off
何 か 長くて 固い もの が 手 に 触れた 。
なん||ながくて|かたい|||て||ふれた
||long|hard|||||touched
帽子 の 中 から 、 眩 い 光 を 放つ 銀 の 剣 が 出て きた 。
ぼうし||なか||くら||ひかり||はなつ|ぎん||けん||でて|
hat||||dazzling||||emitted|silver|||||
柄 に は 卵 ほど も ある ルビー が 輝いて いる 。
え|||たまご||||るびー||かがやいて|
handle|||egg||||ruby||shining|
A ruby, which is as big as an egg, is shining on the handle.
「 小童 を 殺せ ! 鳥 に かまう な ! 小童 は すぐ 後ろ だ ! 匂い だ ―― 嗅ぎ 出せ !」
しょう わらべ||ころせ|ちょう||||しょう わらべ|||うしろ||におい||かぎ|だせ
child|||||pay attention to|||||||smell||smell|
"Kill the little child! Don't give a bird! The little child is right behind! It smells--Smell it!"
ハリー は すっくと 立って 身構えた 。
|||たって|みがまえた
||suddenly||prepared
バジリスク は 胴体 を ハリー の 方 に 捻り ながら 柱 を 叩き つ け 、 とぐろ を くねら せ ながら 鎌 首 を もたげた 。
||どうたい||||かた||ねじり||はしら||たたき||||||||かま|くび||
||body||||||twisted||pillar|||||coil||twisted|||sickle|head||raised
バジリスク の 頭 が ハリー 目がけて 落ちて くる 。
||あたま|||めがけて|おちて|
|||||at|falling|
Basilisk's head falls towards Harry.
巨大な 両眼 から 血 を 流して いる の が 見える 。
きょだいな|りょうがん||ち||ながして||||みえる
huge|both eyes||||flowing||||
丸ごと ハリー を 飲み込む ほど 大きく 口 を カツ と 開けて いる の が 見える 。
まるごと|||のみこむ||おおきく|くち||かつ||あけて||||みえる
whole|||swallow|||||snap||opened||||
You can see that the mouth is open enough to swallow the whole Harry.
ずらり と 並んだ 、 ハ リー の 剣 ほど 長い 鋭い 牙 が 、 ヌメヌメ と 毒々しく 光って ......。
||ならんだ||||けん||ながい|するどい|きば||||どくどくしく|ひかって
in a row||lined up|||||||sharp|fang||slimy||poisonously|glowing
バジリスク が やみくもに ハリー に 襲いかかって きた 。
|||||おそいかかって|
||recklessly|||attacked|
ハリー は 危うく かわし 、 蛇 は 壁 に ぶつかった 。
||あやうく||へび||かべ||
||almost|avoided|snake||wall||
再び 襲って きた 。
ふたたび|おそって|
again|attacked|
今度 は 、 裂けた 舌 先 が ハリー の 脇腹 に 打ち 当たった 。
こんど||さけた|した|さき||||わきばら||うち|あたった
||torn|tongue|tip||Harry||side||hit|hit
ハリー は 諸手 で 剣 を 、 高々 と 掲げた 。
||もろて||けん||たかだか||かかげた
||both hands||||highく||raised
三 度 目 の 攻撃 は 、 狙い 違わ ず 、 まともに ハリー を 捉え て いた 。
みっ|たび|め||こうげき||ねらい|ちがわ|||||とらえ||
three||||attack||aim|did not miss||directly|||captured||was hitting
The third attack did not miss the aim and caught Harry decently.
ハリー は 全体 量 を 剣 に 乗せ 、 剣 の 鍔 まで 届く ほど 深く 、 毒 蛇 の 口 蓋 に ズブリ と 突き刺した 。
||ぜんたい|りょう||けん||のせ|けん||つば||とどく||ふかく|どく|へび||こう|がい||||つきさした
||whole|amount||||placed|sword||guard||reached||deeply|poison|||mouth|lid||deeply||stabbed
Harry put the whole amount on the sword, deep enough to reach the brim of the sword, and pierced the snake's mouth with a stab.
生暖かい 血 が ハリー の 両腕 を どっぷり と 濡らした とき 、 肘 の すぐ 上 に 焼けつく ような 痚 み が 走った 。
なまあたたかい|ち||||りょううで||||ぬらした||ひじ|||うえ||やけつく|||||はしった
lukewarm|||||both arms||thoroughly||soaked||elbow|||||burning||pain|||
When Harry's arms were drenched with warm blood, a burning sensation ran through his body just above the elbow.
長い 毒 牙 が 一 本 ハリー の 腕 に 突き刺さり 、 徐々に 深く 食い込んで 行く ところ だった 。
ながい|どく|きば||ひと|ほん|||うで||つきささり|じょじょに|ふかく|くいこんで|いく||
|poison|fang||||||arm||pierced|gradually|deeply|digging in|||
A long poisonous fang pierced Harry's arm, gradually and deeply digging into it.
毒 牙 の 破片 を ハリー の 腕 に 残した まま 牙 が 折れ 、 バジリスク は ドッと 横 様 に 床 に 倒れ 、 ヒクヒク と 痙攣 した 。
どく|きば||はへん||||うで||のこした||きば||おれ|||どっと|よこ|さま||とこ||たおれ|||けいれん|
poison|fang||fragment||||arm||remained||||broke|basilisk||suddenly||side||||fell|twitching||twitching|
ハリー は 壁 に もたれた まま 、 ズルズル と 崩れ落ちた 。
||かべ||もた れた||ずるずる||くずれおちた
||wall||leaned||sliding||collapsed
体中 に 毒 を 撒き散らして いる 牙 を しっかり つかみ 、 力 の かぎり ぐ いっと 引き抜いた 。
たいちゅう||どく||まきちらして||きば||||ちから|||||ひきぬいた
throughout||poison||scattering|||||grasp|||limit|||pulled out
I firmly grasped the fangs that scattered the poison all over my body and pulled them out as much as I could.
しかし 、 もう 遅 過ぎる こと は わかって いた 。
||おそ|すぎる||||
||late|||||
傷口 から ズキズキ と 、 灼熱 の 痚 み が ゆっくり 、 しかし 確実に 広がって いった 。
きずぐち||||しゃくねつ|||||||かくじつに|ひろがって|
wound||throbbing||burning|||||slowly|but|surely||went
牙 を 捨て 、 ローブ が 自分 の 血 で 染まって いく の を 見つめた とき から 、 もう ハリー の 目 は 霞 み はじめて いた 。
きば||すて|||じぶん||ち||そまって||||みつめた||||||め||かすみ|||
fang||discard|robe||||||stained||||||||||||mist|||
「 秘密の 部屋 」 が ぼんやり した 暗 色 の 渦 の 中 に 消え去り つつ あった 。
ひみつの|へや||||あん|いろ||うず||なか||きえさり||
|||vaguely||dark|||whirlpool||||disappearing||
The "secret room" was disappearing into a vague dark vortex.
真 紅 の 影 が スッ と 横切った 。
しん|こう||かげ||||よこぎった
true|deep red||shadow||suddenly||crossed
A crimson shadow crossed quickly.
そして ハリー の 傍ら で カタカタ と 静かな 爪 音 が 聞こえた 。
|||かたわら||かたかた||しずかな|つめ|おと||きこえた
|||beside||clicking||quiet|claw|||
「 フォークス 」 ハリー は もつれる 舌 で 呟いた 。
||||した||つぶやいた
Fox|||tangled|tongue||muttered
「 君 は すばらしかった よ 、 フォークス 」
きみ||||
||wonderful||
毒 蛇 の 牙 が 貫いた 腕 の 傷 に 、 フォークス が その 美しい 頭 を 預ける の を ハリー は 感じた 。
どく|へび||きば||つらぬいた|うで||きず|||||うつくしい|あたま||あずける|||||かんじた
poison|snake||||pierced|arm||wound|||||beautiful|head||rested|||||
足音 が 響く の が 聞こえ 、 ハリー の 前 に 暗い 影 が 立った 。
あしおと||ひびく|||きこえ|||ぜん||くらい|かげ||たった
||echoes||||||||dark|shadow||
Harry heard footsteps echoing, and a dark shadow stood in front of him.
「 ハリー ・ ポッター 、 君 は 死んだ 」 上 の 万 から リドル の 声 が した 。
||きみ||しんだ|うえ||よろず||||こえ||
||||died|||||||||
「 死んだ 。
しんだ
ダンブルドア の 鳥 に さえ それ が わかる らしい 。
||ちょう||||||
Dumbledore||||||||seems
Even the birds of Dumbledore seem to know it.
鳥 が 何 を して いる か 、 見える かい 泣いて いる よ 」
ちょう||なん|||||みえる||ないて||
|||||||can see||||you
You can see what the bird is doing, you're crying. "
ハリー は 瞬き した 。
||まばたき|
||blink|
Harry blinked.
フォークス の 頭 が 一瞬 はっきり 見え 、 すぐ また ぼやけた 。
||あたま||いっしゅん||みえ|||
Fox||||a moment||saw|||blurred
真珠 の ような 涙 が ポロポロ と 、 その つや や かな 羽毛 を 伝って 滴り 落ちて いた 。
しんじゅ|||なみだ||ぽろぽろ||||||うもう||つたって|したたり|おちて|
pearl|||||dripping|||luster|||feathers||along|dripping|dripped|
「 ハリー ・ ポッター 、 僕 は ここ に 座って 、 君 の 臨終 を 見物 さ せて もらおう 。
||ぼく||||すわって|きみ||りんじゅう||けんぶつ|||
||I||||sitting|||death||watch|||
"Harry Potter, I'll sit here and see your death.
ゆっくり やって れ 。
slowly||please
僕 は 急ぎ は し ない 」
ぼく||いそぎ|||
||will not hurry|||
ハリー は 眠かった 。
||ねむかった
||sleepy
Harry was sleepy.
周り の もの が すべて クルクル と 回って いる ようだった 。
まわり|||||くるくる||まわって||
|||||quickly||||
「 これ で 有名な ハリー ・ ポッター も おしまい だ 」 遠く の 方 で リドル の 声 が する 。
||ゆうめいな||||||とおく||かた||||こえ||
||famous||||||far||||||||
「 たった 一 人 、『 秘密の 部屋 』 で 、 友人 に も 見捨てられ 、 愚かに も 挑戦 した 闇 の 帝王 に 、 遂 に 敗北 して 。
|ひと|じん|ひみつの|へや||ゆうじん|||みすて られ|おろかに||ちょうせん||やみ||ていおう||すい||はいぼく|
||||||friend|||abandoned|foolishly||challenge||||king||finally||defeat|defeated
"Only one person, in the'Secret Room', was finally defeated by the Emperor of Darkness, who was abandoned by his friends and foolishly challenged.
もう すぐ 、『 穣 れた 血 』 の 恋しい 母親 の 元 に 戻れる よ 、 ハリー ......。
||みのる||ち||こいしい|ははおや||もと||もどれる||
||harvest||||dear|mother||||||
Soon, I'll be back to my missed mother in "Blood Blood", Harry ...
君 の 命 を 、 十二 年 延ばした だけ だった 母親 に ...... しかし 、 ヴォルデモート 卿 は 結局 君 の 息の根 を 止めた 。
きみ||いのち||じゅうに|とし|のばした|||ははおや||||きょう||けっきょく|きみ||いきのね||とどめた
||||||prolonged|||mother||||||after all|||breath||stopped
そう なる こと は 、 君 も わかって いた はずだ 」
||||きみ||||
―― これ が 死ぬ と いう こと なら 、 あんまり 悪く ない ―― ハリー は 思った 。
||しぬ||||||わるく||||おもった
this||to die||||if||||||
-- If this means I'm going to die, that can't be too bad, Harry thought.
痚 み さえ 薄らいで いく ......
|||うすらいで|
sickness|||fading|
Even the itch is fading ...
しかし 、 これ が 死ぬ と いう こと な の か ? 真っ暗闇に なる どころ か 、『 秘密の 部屋 』 が また はっきり と 見え 出した 。
|||しぬ|||||||まっくらやみに||||ひみつの|へや|||||みえ|だした
||||||||||pitch darkness||locative particle|||||again||||started
But does this mean that he will die? Far from being pitch black, the "secret room" is clearly visible again.
ハリー は 頭 を プルプル ッと 振って みた 。
||あたま|||ッ と|ふって|
||||shaking|quotation particle|shook|
Harry shook his head.
フォークス が そこ に いた 。
ハリー の 腕 に その 頭 を 休めた まま だ 。
||うで|||あたま||やすめた||
||arm|||||rested||
傷口 の 周り が 、 ぐるり と 真珠 の ような 涙 で 覆われて いた ―― しかも 、 その 傷 さえ 消えて い る 。
きずぐち||まわり||||しんじゅ|||なみだ||おおわ れて||||きず||きえて||
wound||||around||pearl|||||covered||moreover||wound||||
The area around the wound was covered with tears like pearls-and even the wound had disappeared.
「 鳥 め 、 どけ 」 突然 リドル の 声 が した 。
ちょう|||とつぜん|||こえ||
bird||get out of the way|suddenly|||||
Bird, get out of the way! Suddenly, I heard Riddle's voice.
「 そいつ から 離れろ 。
そい つ||はなれろ
||離れろ
Stay away from him.
聞こえ ない の か 。
きこえ|||
どけ !」
move
ハリー が 頭 を 起こす と 、 リドル が ハリー の 杖 を フォークス に 向けて いた 。
||あたま||おこす||||||つえ||||むけて|
Harry||||lift|when||||||||||
鉄砲 の ような バーン と いう 音 が して 、 フォークス は 金色 と 真 紅 の 輪 を 描き ながら 、 再び 舞い 上がった 。
てっぽう||||||おと|||||きんいろ||まこと|くれない||りん||えがき||ふたたび|まい|あがった
gun|||||||||||||real|deep red||ring||traced||again|danced|rose
With the sound of a scissor-like burn, Forks soared again, drawing a ring of gold and crimson.
「 不死鳥 の 涙 ......」 リドル が 、 ハリー の 腕 を じっと 見つめ ながら 低い 声 で 言った 。
ふしちょう||なみだ|||||うで|||みつめ||ひくい|こえ||いった
phoenix||tears|||||arm|||||low|||
「 そうだ ...... 癒し の 力 ...... 忘れて いた ......」 リドル は ハリー の 顔 を じっと 見た 。
そう だ|いやし||ちから|わすれて||||||かお|||みた
|healing|||||||||||fixedly|
「 しかし 、 結果 は 同じだ 。
|けっか||おなじだ
|result||
むしろ この 方 が いい 。
||かた||
一 対 一 だ 。
ひと|たい|ひと|
one|pair||is
One on one.
ハリー ・ ポッター ...... 二 人 だけ の 勝負 だ ......」 リドル が 杖 を 振り上げた 。
||ふた|じん|||しょうぶ||||つえ||ふりあげた
||||||duel||||||raised
激しい 羽音 と ともに 、 フォークス が 頭上 に 舞い戻って 、 ハリー の 膝 に 何 か を ポトリ と 落とし た ―― 日記 だ 。
はげしい|はおと|||||ずじょう||まいもどって|||ひざ||なん|||||おとし||にっき|
heavy|wingbeat|||||above||returned|||knee|||||dropped|||||
Along with the violent humming, Forks flew back overhead and dropped something on Harry's lap--a diary.
ほんの 一瞬 、 ハリー も 杖 を 振り上げた まま の リドル も 、 日記 を 見つめた 。
|いっしゅん|||つえ||ふりあげた|||||にっき||みつめた
just|a moment|||||raised|||||||
そして 、 何も 考え ず 、 ためらい も せず 、 まるで 初め から そう する つもりだった か の ように 、 ハリー は そば に 落ちて いた バジリスク の 牙 を つかみ 、 日記 帳 の 真芯 に ズブリ と 突き 立てた 。
|なにも|かんがえ||||せ ず||はじめ||||||||||||おちて||||きば|||にっき|ちょう||ま しん||||つき|たてた
||||hesitation||||beginning||||intended||||||||||||fang||grabbed|diary|notebook||center||plunged||stabbed|stuck
恐ろしい 、 耳 を つんざく ような 悲鳴 が 長々 と 響いた 。
おそろしい|みみ||||ひめい||ながなが||ひびいた
terrible|ear||pierce||scream||for a long time||echoed
A terrifying, deafening scream echoed for a long time.
日記帳 から インク が 激流 の ように ほ と ば しり 、 ハリー の 手 の 上 を 流れ 、 床 を 浸した 。
にっき ちょう||いんく||げきりゅう|||||||||て||うえ||ながれ|とこ||ひたした
notebook||||torrent|||sprinkled|||spilled|||||||flow|||soaked
Ink spilled from the diary like a torrent, flowing over Harry's hands and immersing the floor.
リドル は 身 を 振り 、 悶え 、 悲鳴 を あげ ながら のたうち 回って ...... 消えた 。
||み||ふり|もだえ|ひめい|||||まわって|きえた
riddle||||shook|squirmed|scream||||writhing|around|disappeared