Ranpo Kitan : Game of Laplace Episode 1
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( 小林 ) ん … 。
あっ 。
ああ … 。
( 小林 ) 先生 … ?
《 その 日 初めて 退屈 じゃ なく なった 》
( パトカー の サイレン )
( 加賀 美 ) ご苦労さま です 。
( 加賀 美 ) 彼 が そう か ? ( 警察 官 ) はい 。
( 加賀 美 ) 後 は 私 が 。 ( 警察 官 ) はっ 。
( 加賀 美 ) 君 協力 し て くれる ね ? 重要 参考人 と し て 。
容疑 者 じゃ ない ん です か ?
( 加賀 美 ) 断定 は でき ない 。
君 が 利用 さ れ て いる と いう 線 も ある から ね 。
≪ ( 羽柴 ) 通し て ください ! ≪ ( 警察 官 ) おい 君 !
( 羽柴 ) 小林 !
羽柴 君 。 ( 警察 官 ) 君 !
お前 が 犯人 な わけな い だ ろ ! うん 。
でも どう しよ う 。 目 が 覚め たら こう なって て … 。
お前 が 先生 を 殺す 理由 が ない だ ろ !
( 警察 官 ) 君 かばう よう なら 君 も 連行 する が ?
構い ませ ん よ 。 俺 も 行き ます 。
( 警察 官 ) 何 な ん だ ? 君 は 。 そ っ そ いつ の 友達 です よ 。
( 中村 ) それ は 理由 に なら ない なあ 。
僕 は クラス 委員 で 生徒 会長 です 。
他 の 生徒 たち に 事態 を 説明 する 必要 が あり ます 。
これ なら 理由 に なる でしょ ?
( 中村 ) 君 先生 方 より 真面目 だ な 。
( 中村 ) 事件 に 関わって も ろくな こと ない ん だ から
気楽 に い こ う よ ~。
( 警察 官 ) さあ 。 ちょ っ … 。
( 明智 ) 騒がしい な 。 ( 警察 官 ) こら
生徒 は 立ち入り 禁止 だ 。 ( 加賀 美 ) ああ いい ん だ 。
( 警察 官 ) はっ ? ( 加賀 美 ) 彼 は 私 が 呼 ん だ ん だ 。
彼 は 許可 証 を 持った 探偵 だ よ 。
( 警察 官 ) あっ 失礼 し まし た !
宮 付き の … 。 探偵 ?
頭痛 が ひどい 。
フム 教師 の バラバラ 死体 か 。
派手 だ な … これ は いい 。
( 加賀 美 ) 生徒 の 前 で 不謹慎 だ ぞ 明智 君 。
少年 災難 だ な 。
えっ 。
いえ 。 証明 すれ ば いい ん です よ ね ?
( 明智 ) 君 が 犯人 で ない と … か ?
誰 が 犯人 か … です 。
≪ ( ドア の 開く 音 )
話 を 聞か せ て くれ て ありがとう 。
いえ 。 凶器 を 僕 が 握って い た ん です 。
疑わ れる の は 当然 です 。
君 は いやに 冷静 な ん だ な 。 そう です か ?
まだ 小林 を 疑って る ん です か ?
今 の ところ 警察 は ね 。
私 は そう 思い たく ない が … 。 ( 中村 ) 14 歳 だったら
犯人 が 判明 する まで は 拘束 さ れ て た わけ だ が ね 。
気 を 付け ます 。 行 こ う ご 両親 が 待って る 。
うん 。
しかし ホント に い い ん すか ね 。
一 番 の 容疑 者 を 帰し ちゃ って 。
これ は 明智 君 の 指示 です 。 ( 中村 ) あ ~ 探偵 さん の ね 。
それ に 私 は 中学生 が 担任 を 殺す なんて
信じ たく あり ませ ん 。
ハァ 今どき やっちゃ う 子 は やっちゃ う っ しょ ?
あんまり 理想 ばかり でも … 。 ( 加賀 美 ) ええ 。
あっ いや 意見 が 過ぎ まし た 加賀 美 刑事 !
取り繕わ ない で ください 中村 さん 。
( 生徒 ) 結局 犯人 見つかって ない ん だ ろ ?
( 生徒 ) で も 教室 に い た 生徒 って … 。
( 生徒 ) おい あれ ! ( 生徒 ) あっ マジ か よ … 。
( 生徒 ) 意外 と 早く 授業 を 再開 する ん だ な 。
( 生徒 ) 新しい 先生 気 が 重い だ ろ う な 。
おはよう !
( 生徒 ) 羽柴 君 。 ( 生徒 ) あの … 。
先生 を バラバラ に し た の って … 。
大丈夫 だ よ 。 警察 に は 僕 も 立ち会った 。
小林 の こと は ぬれぎぬ だ よ 。
( 生徒 ) う っ うん … 。 ( 生徒 ) 羽柴 君 が そう 言う なら 。
気 に する な 。 みんな 不安 な だけ だ 。
ありがとう 気 に し て ない よ 。 なら いい けど … 。
みんな の 不安 は 分かる よ 。
容疑 者 と 一緒に いる ん だ から 。
大丈夫 だ よ 。 真 犯人 を 見つけ さえ すれ ば
それ で 気 に も さ れ なく なる よ 。
≪ ( 戸 の 開く 音 )
( 花 菱 ) ハーイ 皆さん 席 に 着 い て ください ね 。
新しい 先生 です か ?
( 花 菱 ) ええ 。 あなた が クラス 委員 の 羽柴 君 ?
えっ あっ はい 。 ( 花 菱 ) 今日 から
皆さん の 担任 に なり ます 。 花 菱 で ー す どうぞ よろしく ね 。
大変 な 事件 だった けど みんな で 乗り越え て いき ま しょ う ね 。
《 犯人 が わざわざ 死体 を 目立つ 形 に し た の は
先生 に 殺さ れる 理由 が ある の だ と 伝え たい から 》
気 が 付い たら 朝 だった 。
僕 は 教室 で 眠って い て … 。
いや 眠ら さ れ て いた ん だ 。
それ は そう だ ね 。
こんな 所 で 一夜 を 明かす 理由 は ない もの 。
犯人 は 僕 に ぬれぎぬ を 着せる こと が できる 人 。
そう だ ね 。 たぶん 僕 か 先生 の 知り合い … 。
≪ 小林 。
面白い な 新しい 先生 。
( 花 菱 ) 皆さん 優秀 な の で 授業 の 遅れ も すぐ に … 。
そう … だ ね 。
( チャイム )
( 花 菱 ) 小林 く ー ん 大変 だった わ ね 。
私 信じ てる から 。
この クラス に 悪い 子 なんて い ない って 。
ありがとう ござい ます 花 菱 先生 。
( 花 菱 ) あっ ごめんなさい 。
で っ で ~ 私 最初 小林 君 の こと 女の子 か と 思っちゃ っ た 。
よく そう 言わ れ ます 。 ( 生徒 ) ねえ ちょっと ヤバ い よ ね 。
( 生徒 ) 男の子 な の に ずるい よ ね 。
( 星野 ) 小林 君 は 小学校 でも よく 間違わ れ て た よ ね 女子 に 。
そう な の ? 小林 君 。
あー ん もう カワイイ ! 若い ! 嫉妬 し ちゃ う !
ちょ っ ! 先生 何 やって る ん す か ! ?
ウフフ 。 私 クラス 担任 持つ の 初めて だ から 緊張 し てる の 。
それ じゃあ まった ね ~ 。 ( 生徒 ) 先生 その お 洋服
すごく カワイイ です ね 。 ( 花 菱 ) え ~ ホント ? うれしい !
( 星野 ) 新しい 先生 変 な 人 だ ね 。
そう だ ね 。 で も いい 人 みたい で よかった よ 。
うん 。 プレッシャー を 克服 しよ う と
頑張って る ん だ ね 。 そう か … 。
殺人 事件 の あった クラス の 担任 だ もん ね 。
( 星野 ) 先生 が あんな 形 に さ れ ちゃ って … 。
ああ … いい 先生 だった のに … 。
( 星野 ) つらい けど 頑張 ろ う ね 小林 君 羽柴 君 。
うん また あした 。
何 だ よ ? 寄り たい 所 って 。
ありがとう 付き合って くれ て 。 あっ ああ … 。
今日 決心 し た ん だ 。 えっ ? 何 を ! ?
行って みる ん だ 。 いや どこ に だ よ ! ?
あの 人 の 所 に 。
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ハァ ハァ … エレベーター 直し て くれ … わ っ 。
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すみません すみません ! すみません !
小林 が こんなに 積極 的 な の 初めて 見 た … 。
すみません !
帰る … か ?
≪ ( ドア の 開く 音 )
来る な よ 。
来 まし た 。
なぜ ここ が 分かった ?
警察 に 呼ば れ た とき 刑事 さん の 携帯 の
着信 ナンバー を 見 まし た 。
あの 電話 番 号 だったら この 辺り です 。
調べ て み たら ずいぶん 前 に 閉店 し て いる お 店 だった ん です ね 。
でも 不動産 に 聞い たら ここ に 事務 所 が 入って る って 。
それ で 特定 し た の か ? ほとんど 勘 です 。
でも 来 たら きっと ここ だって 感じ た ん です 。
勘 か … 。 あっ 小林 !
俺 が 携帯 電話 だったら 分から なかった な 。
おい 靴 脱げ 。 あの 日 一 度 も 携帯 電話 を
手 に 取ら なかった から 持って ない 人 だ と 思い まし た 。
フン よく 見 て いる な 。
確か に 携帯 は 嫌い だ な 。 パソコン は ある のに ?
ない と シムシティ が でき ない だ ろ 。
あれ 全部 事件 の 資料 です か ?
動かす な よ 。 ああ 見え て 定 位置 な ん だ 。
分かり ます 。 定 位置 な ん だ 。
ずいぶん 古い 椅子 です ね 。
前 の オーナー が 置 い て いった 物 だ 。
趣味 が 良かった の は それ だけ だ な 。
それ しか ない 。 別 の 物 が 飲み たかったら 持参 しろ 。
フン 。
あの あなた 歌舞伎 町 高校 の 明智 さん … です よ ね ?
俺 も あれ から 調べ まし た 。 都市 伝説 に なって る ん です ね 。
高校 入試 で オール 100 点 。
入学 式 の 後 一 度 も 登校 し て こ ない のに
退学 に なら ない 。
宮内 庁 公認 特定 未 成年 不 登校 許可 。
はっ ? 宮内 庁 ? 俺 が 学校 に 行か ない の は
政府 から 許可 さ れ て いる から だ 。
病気 … なん です か ? 極めて 健康 だ よ 。
じゃあ 心 の 病気 な ん です か ?
そう 見える か ? あっ いや … 。
俺 は 政府 に 才能 を 提供 する こと で 特別 な 待遇 を 受け て いる 。
才能 ? 探偵 と し て の 頭脳 。
そう 。 一般 人 で 知って る やつ は 少ない が
この 国 に は 戦前 から 様々 な 特別 許可
秘密 結社 が 存在 する 。
もちろん 公 に は し ない 。 たとえ バレ て て も
はっきり と えこひいき で 憲法 違反 だ から な 。
でも 実在 する 。
そう し ない と 才能 や 能 力 が ある 人間 を
埋もれ させ て しまう こと に なる から な 。
まっ そう いう 人間 を 都合 よく 抱え込 ん で
利用 し たい 方便 だ な 。 非常識 だ … 。
常識 なんて いくら でも 恣意 的 に
操作 する こと が できる ん だ 。
なあ 羽柴 坊ちゃん 。
一 度 見 た 資料 は 忘れ ない 。
大 コングロマリット 羽柴 財団 の 御 曹司 羽柴 壮 二 。
君 だって 家 を 継げ ば
いずれ 社会 の 仕組み を 教え られる だ ろ う さ 。
嫌 でも ね 。
継ぎ ます よ 。 で も 俺 は
そんな 後ろ暗い もの に は 関わり ませ ん 。
そうかい 。 で 用 が ある の は そっち な ん だ ろ う ?
何 し に 来 た ?
明智 さん 僕 を 助手 に … 。 募集 し て ない 。
小林 ! お 金 は 要り ませ ん 。
ボランティア も 募集 し て ない 。 分かったら 帰れ 。
初めて … 面白い な って 思った ん です 。
いくら 推理 ゲーム を し た り 本 を 読 ん で も 満たさ れ ない 。
何 を やって も 退屈 だ 。 空虚 だ 。
だけど 先生 が 殺さ れ て 僕 が 疑わ れ て い て … 。
この 状況 が 楽しい ん です ! 小林 … 。
楽しい ? カワイイ こと を 言う じゃ ない か 。
でも な 好奇心 に 殺さ れる ぞ 。
今 の まま 生き て て も 仕方ない です よ 。
何 言って ん だ よ … 。
フン 。
ハァ 。
《 いくら 薬 を 飲 ん でも 痛み が 消え ない 》
[ スピ ー カ ] ♪ ( 音楽 )
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《 生き て て も 仕方なかった 》
小林 少年 君 は 依然 疑わ れ て いる 。
でも あなた は 僕 が 犯人 だ と 思って い ない の でしょ う ?
フッ そう だ な 。 あれ から 1 週間
そろそろ 犯人 が しびれ を 切らし て アピール を 始める ころ だ ろ う 。
アピール ? この 事件 の 犯人 に は
承認 欲求 が ある 。 えっ ?
教師 を あんな ふう に し た の は 見せしめ の ため だ 。
制裁 の つもり な ん だ ろ う 。 だ が その 後 騒が れる 様子 も ない 。
犯人 に し て み れ ば 面白く ない だ ろ う さ 。
なぜ 騒ぎ に なって ない の か ?
報道 規制 し た ん です か ! ? 徹底 し て な 。
手 を 回し て 一切 報道 さ せ ない よう に し た 。
学校 も すぐ に 通常 運転 に なった だ ろ ?
特例 の 許可 って やつ です か ?
小林 を 学校 に 戻し た の も そう な ん です ね ?
OK 話 が 早い 。
あと な 誰 か が あおり でも し ない かぎり
意外 と 騒が ない もん な ん だ よ 日本 人 って の はな 。
自分 に 関係 の ない こと は 視野 に 入ら ない 。
知覚 し て ない の だ から そもそも 興味 も 持た ない 。
冷たい です ね 。 君 みたい な 熱い タイプ の 方 が
特別 だ 。
俺 も 事件 の 事情 なんて どう で も いい 。
俺 が 探偵 なんて やって いる 理由 は 一 つ 。
異常 犯罪 の リアル 謎解き 。 これ 以上 に 面白い ゲーム は ない 。
最低 だ 。 ありがとう … ん っ ?
小林 ? フッ 。
壊れる ぞ 。 壊れ たい です … 。
よし 君 を 試す ゲーム を しよ う 。
本当 に 真 犯人 が いる の だ と し たら 解決 し て みせろ 。
そし たら 君 の 勝ち で いい 。
もし それ が でき たら 俺 が 許可 し なく て も
君 が 知ら ない 非常識 の 世界 から お呼び が 掛かって
少し は その モヤモヤ し た 退屈 の か せ から
逃れ られる かも な 。
非常識 だ … 。
小林 こんな 所 二 度 と 来 ちゃ 駄目 だ !
失礼 し まし た ! ああ 言い 忘れ て い た が
小林 君 君 あらためて 逮捕 状 が 出 て いる ぞ 。
殺さ れ た 君 ら の 先生 な どう も 殺人 鬼 だった らしい 。
小林 少年 君 は 共犯 者 と し て 疑わ れ て いる 。
≪ ( ノック )
通報 し た ん です か ! ? さっき メール で な 。
容疑 者 が 訪ね て き た ん だ 。 当然 だ ろ ?
おい ! 靴 脱げよ !
( 加賀 美 ) 小林 君 残念 だ … 。 加賀 美 さん … 。
( 中村 ) 君 の 指紋 が 付い た 凶器 が
被害 者 の 実家 から 大量 に 発見 さ れ て ね ~ 。
被害 者 の 実家 ? 先生 の … です か ?
これ だ な 。
何 だ ? それ … 。
( 中村 ) 殺さ れ た 担任 教師 の 実家 から ね … 。
( 加賀 美 ) その ガレージ から 新た に 大量 の 死体 と
凶器 が 発見 さ れ た 。 人間 椅子 … 。
( 加賀 美 ) 君 たち の 元 担任 は 被害 者 以前 に 加害 者 だった ん だ 。
( 中村 ) 自宅 で 日曜 大工 に 励む 大量 殺人 者 だった わけ だ … 。
小林 君 信じ たく は ない が 見過ごす こと は でき ない 。
小林 !
その こと 知って い て 僕ら を 足止め し て い た ん です か !
足止め と は 聞き 捨て なら ない な 。 俺 は 帰れ と 言った 。
でも 食い下がって ここ に 残った の は 君 ら の 方 だ 。
それ に ゲーム は 難易 度 が 高 けれ ば 高い ほど 楽しい だ ろ ?
あんた は … 。 そう です ね 楽しい です 。
何 言って る ん だ ?
ゲーム … 。 スタート だ 。
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