桃太郎 -ももたろう
むかし むかし ある ところ に お じいさん と おばあ さん が おりました 。 お じいさん は 毎日 、 山 へ しばかり に おばあ さん は 毎日 、 川 へ せんたく に いきました 。 ある 日 の こと
お ばあさん が 、 いつも の ように 川 で せんたく を して いる と 川上 から もも が ながれて きました 。 おや ?
あま そうな もも じゃ どれ どれ ・・・・ こり ゃぁ 、 うまい !
じいさん に も たん と くわせて やりたいのう ・・・・ お 〜 い 、 うまい もも は 、 こっちゃ こ 〜 い ! にがい もも は 、 あっちゃ いけ 〜! すると こんど は 大きな もも が どん ぶら こ どん ぶら こと ながれて きました 。 おや 、 ま ぁ ! なんと 大きな もも だ こと ! おばあ さん は 、 おおよろこびで 、 もも を ひろい 、 よい しょ と かついで いえ に もって かえりました あ 〜、 いま もどった ぞ 〜 お ぉ 、 まって おった で 。 早く あがり なされ どうした ん じゃ ? お ばあさん ・・・・
きょう 、 川 で せんたく を して おったら 大きな もも が ながれて きて の う ・・・・ じいさん に たべ させたい と おもって ひろって きたん じゃ ・・・・ ほ ぉ ・・・ そりゃ あ 、 ありがたい ! 二 人 は もも を わろう と しました 。 すると ・・・・・
なんと 、 中 から 男 の 赤んぼう が でて きました 。 こりゃ あ 、 たまげた !
なんと ま ぁ 、 かわいらしい 赤子 じゃ のう ! お じいさん と 、 おばあ さん は 、 もも から 生まれた この 赤んぼう を もも たろう と 名づけ 、 二 人 で 、 そだてる こと に しました 。 もも たろう は 、 ごはん や おかず を 、 一 ぱい たべれば 、 一 ぱい だけ 、 二 は い たべれば 、 二 は い だけ 、 三 ばい たべれば 、 三 ばい だけ 、 どんどん むくむく 大きく なりました 。 大きく なった もも たろう は 、 力 もち で 、 かしこく 、
こころ の やさしい 男の子 に なりました 。 お じいさん と おばあ さん は 、 そんな もも たろう を それ は 、 それ は 、 かわいがり 、たいせつに そだてました 。 ある 日 、 もも たろう が 、 まき を わって いる と 一 羽 の とんび が とんで きました 。 もも から うまれた もも たろう よ 〜〜! 山 こえ 〜、 たに こえ 〜、 うみ こえ 〜、 おに が しま へ いけ 〜! おにたいじ に いけ 〜!! じい さま 、 ば あさ ま ! わたし は 大きく なった ので 、 おに が しま に いきます ! なん じゃ と ?!
やめ と くれ ! そんな 、 あぶない こと !!
たべもの を うばったり はたけ や 田んぼ を あらしたり する わるい おに をたいじ したい のです ! なら んっ! 大きく なって も おまえ は 、 まだ 、 子ども じゃ ! お じいさん たち は 、 もも たろう を とめよう と しました が 、 もも たろう の きもち は 、 かわりません 。 しかたない ・・・・。 おに が しま に いく が いい ・・・・。 じゃ が 、 かならず 、 ぶじに かえって きて くれよ ! はい ! やくそく します ! お じいさん と おばあ さん は 、 もも たろう の ため に あたらしい は おりや はかま 、 がんじょうな 金 の わらじ 、 みごとな かたな を ようい しました 。 そして 、 おばあ さん は 、 日本 一 の きび だんご を つくり 、 もも たろう に もた せました これ を たべれば 、 百 人力 ! ありがとう 、 おばあ さま ・・・・
じい さま 、 ば あさ ま ・・・ いって まいります ! こうして もも たろう は 、 おに を たいじ する ため 、 おに が しま へ たび に でた のでした 。 もも たろう が 、 村 はずれ まで くる と ・・・・・ イヌ が やって きました 。 もも たろう さ ん 、 もも たろう さ ん 、 そんな りっぱな かたな を もって いったい どこ へ いき なさる ? おに が しま へ おにたいじ に まいる のだ ! おこし に つけた ふくろ の 中 は ? 日本 一 の きび だんご だ ! これ を たべれば 、 百 人 分 の 力 が つく ! 一 つ ください ! おとも します ! ありがたい !
いっしょに おに を こらしめよう ! イヌ は 、 きび だんご を もらって たべ もも たろう の おとも に なりました 。 もも たろう と イヌ が 山 の 中 まで は いって いく と 、 こんど は 、 サル が やって きました 。 もも たろう さ ん 、 もも たろう さ ん 、 そんな りっぱな わらじ を はいて 、 いったい どこ へ いき なさる ? おに が しま へ おにたいじ に まいる のだ ! おこし に つけた ふくろ の 中 は ? 日本 一 の きび だんご だ ! これ を たべれば 、 百 人 分 の 力 が つく ! 一 つ ください ! おとも します ! ありがたい !
いっしょに おに を こらしめよう ! サル は 、 きび だんご を もらって たべ 、 もも たろう の おとも に なりました 。 もも たろう と イヌ と サル が 、 たに を こえて いく と ・・・・ こんど は 、 キジ が とんで きました 。 もも たろう さ ん 、 もも たろう さ ん 、 そんな りっぱな のぼり を もって いったい どこ に いき なさる ? おに が しま へ おにたいじ に まいる のだ ! おこし に つけた ふくろ の 中 は ? 日本 一 の きび だんご た ! これ を たべれば 、 百 人 分 の 力 が つく ! 一 つ ください ! おとも します ! ありがたい !
いっしょに おに を こらしめよう ! キジ も きび だんご を もらって たべ 、 もも たろう の おとも に なりました 。 もも たろう たち は 、 いく つ も の 山 を こえ 、 たに を こえ ・・・・・ うみ に でて おに が しま を めざしました 見えた ぞ ! お にがし まだ !
もも たろう たち は 、 ついに おに が しま に たどりついた のでした 。 しま の 入口 に は 、 たかくて 大きな もん が ありました 。 まずは 、 キジ が 空 から 中 の ようす を 見て きました 。 おに ども は 、 ごろごろ と ひるね を して います 。 つぎに サル が ひ ょい ひょいと もん を のりこえ 中 から かんぬき を あけます 。 そして イヌ が おもい とびら を おし ひらきました 。 やい !! 日本 一 の もも たろう が 、 わるい お にら を せい ばいし に まいった ! かくご しろ !
おどろいた おに ども が 、 目 を さまし もも たろう たち に おそいかかって きます 。 もも たろう は 、 むかって くる おに を つぎつぎ に たおしました 。 キビ だんご を たべて つよく なった イヌ 、 サル 、 キジ に とっても おに は てき では ありません !! おに のたいしょう は 、 やかた の おく で さかもり を して いました 。 おやかた さま ! たいへんです ! もも たろう と なのる もの が のりこんで きました ! もも たろう ? なんだ ? それ は !
わたし が 、 もも から 生まれた もも たろう だ ! おまえ を せい ばいする ! わっはっは ! この わし に かなう と でも おもって いる の か ! たいしょう は 、 大きな かな ぼう を ふりまわしました 。 しかし 、 もも たろう も まけ ず に かたな を ふりかざします 。 な 、 なんと !!
ど 、 どうか ・・・ いのち だけ は 、 お たすけ ください !! もう 人びと を くるしめる こと は し ない と ちかう か ? ちかいます ! にどと しません !! ほんとうだ な ?
ほんとうです ぅ 〜〜!
よし ! ならば いのち だけ は 、 たすけて やろう ! ゆるして もらった おれい に おに は 、 もって いた たからもの を もも たろう に さしだしました 。 もも たろう たち は また うみ を こえ 、 たに を こえ 、 山 を こえ 、 うち に かえって きました 。 かえって きた もも たろう を お じいさん と おばあ さん は 、 おおよろこびで むかえました 。 もも たろう は 、 もちかえった たからもの を 村 の みんな に わけ 、 イヌ 、 サル 、 キジ に は 、 ごちそう して あげました 。 それ から おに が しま の おに は 、 あらわれ ず 、 もも たろう は 、 お じいさん 、 おばあ さん と いつまでも しあわせに くらしました 。 めでたし めでたし 。