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1 - Harry Potter, 9.1 真 夜中 の 決闘

9.1 真 夜中 の 決闘

第 9 章 真 夜中 の 決闘 CHAPTER NINE The Midnight Duel

ダドリー より 嫌な ヤツ が この 世の中 に いる なんて 、 ハリー は 思って も み なかった 。 でも それ は ドラコ ・ マルフォイ と 出会う まで の 話 だ 。 一 年生 で は グリフィンドール と スリザリン が 一緒の クラス に なる の は 魔法 薬学 の 授業 だけ だった ので 、 グリフィンドール 寮生 も マルフォイ の こと で それほど 嫌な 思い を せ ず に すんだ 。 少なくとも 、 グリフィンドール の 談話 室 に 「 お 知らせ 」 が 出る まで は そう だった 。 掲示 を 読んで みんな がっくり した 。

── 飛行 訓練 は 木曜日 に 始まります 。 グリフィンドール と スリザリン と の 合同 授業 です ──

「 そら きた 。 お 望み どおり だ 。 マルフォイ の 目の前 で 箒 に 乗って 、 物笑い の 種 に なる の さ 」

何より も 空 を 飛ぶ 授業 を 楽しみに して いた ハリー は 、 失望 した 。

「 そう なる と は かぎら ない よ 。 あいつ 、 クィディッチ が うまい って いつも 自慢 して る けど 、 口先 だけ だ よ 」 ロン の 言う こと は もっとも だった 。

マルフォイ は 確かに よく 飛行 の 話 を した し 、 一 年生 が クィディッチ ・ チーム の 寮 代表 選手 に なれ ない なんて 残念だ と みんな の 前 で 聞こえ よ がし に 不満 を 言った 。 マルフォイ の 長ったらしい 自慢 話 は 、 なぜ か いつも 、 マグル の 乗った ヘリコプター を 危うく かわした ところ で 話 が 終わる 。 自慢 する の は マルフォイ ばかり で は ない 。 シェーマス ・ フィネガン は 、 子供 の 頃 いつも 箒 に 乗って 、 田舎 の 上空 を 飛び回って いた と いう 。 ロン で さえ 、 聞いて くれる 人 が いれば 、 チャーリー の お 古 の 箒 に 乗って 、 ハンググライダー に ぶつかり そうに なった 時 の 話 を した だろう 。

魔法使い の 家 の 子 は みんな ひっきりなしに クィディッチ の 話 を した 。 ロン も 同室 の ディーン ・ トーマス と サッカー に ついて 、 大 論争 を やら かして いた 。 ロン に して みれば 、 ボール が たった 一 つ しか なくて 、 しかも 選手 が 飛べ ない ゲーム なんて どこ が おもしろい の か わから ない 、 と いう わけだ 。 ディーン の 好きな ウエスト ハム ・ サッカー チーム の ポスター の 前 で 、 ロン が 選手 を 指 で つついて 動かそう と して いる の を ハリー は 見た こと が ある 。

ネビル は 今 まで 一 度 も 箒 に 乗った こと が なかった 。 おばあ さん が 決して 近づか せ なかった から で 、 ハリー も 密かに お ばあさん が 正しい と 思った 。 だいたい ネビル は 両足 が 地面 に 着いて いたって 、 ひっきりなしに 事故 を 起こす のだ から 。

ハーマイオニー ・ グレンジャー も 飛ぶ こと に 関して は ネビル と 同じ ぐらい ピリピリ して いた 。 これ ばっかり は 、 本 を 読んで 暗記 すれば すむ もの で は ない ── だからといって 彼女 が 飛行 の 本 を 読ま なかった わけで は ない 。 木曜日 の 朝食 の 時 ハーマイオニー は 図書 館 で 借りた 「 クィディッチ 今昔 」 で 仕入れた 飛行 の コツ を ウンザリ する ほど 話し まくった 。 ネビル だけ は 、 ハーマイオニー の 話 に 今 しがみついて いれば 、 あと で 箒 に も しがみついて いられる と 思った の か 、 必死で 一言 も 聞き漏らす まい と した 。 その 時 ふくろう 便 が 届き 、 ハーマイオニー の 講義 が さえぎら れた ので みんな ホッと した 。

ハグリッド の 手紙 の 後 、 ハリー に は ただ の 一 通 も 手紙 が 来て いない 。 もちろん マルフォイ は すぐに それ に 気 が ついた 。 マルフォイ の ワシ ミミズク は 、 いつも 家 から 菓子 の 包み を 運んで きた し 、 マルフォイ は スリザリン の テーブル で いつも 得意 げ に それ を 広げて みせた 。

めん ふくろう が ネビル に おばあ さん から の 小さな 包み を 持ってきた 。 ネビル は ウキウキ と それ を 開けて 、 白い 煙 の ような もの が 詰まって いる ように 見える 大きな ビー 玉 ぐらい の ガラス 玉 を みんな に 見せた 。

「『 思いだし 玉 』 だ ! ばあちゃん は 僕 が 忘れっぽい こと 知って る から ── 何 か 忘れて る と 、 この 玉 が 教えて くれる んだ 。 見て て ごらん 。 こういうふうに ギュッと 握る んだ よ 。 もし 赤く なったら ── あれ れ ……」

思いだし 玉 が 突然 真っ赤に 光り だした ので 、 ネビル は 愕然と した 。

「…… 何 か を 忘れて るって こと な んだ けど ……」 ネビル が 何 を 忘れた の か 思い出そう と して いる 時 、 マルフォイ が グリフィンドール の テープル の そば を 通りかかり 、 玉 を ひったくった 。

ハリー と ロン は はじける ように 立ち上がった 。 二 人 と も マルフォイ と 喧嘩 する 口実 を 心 の どこ か で 待って いた 。 ところが マクゴナガル 先生 が サッと 現れた 。 いざこざ を 目ざとく 見つける の は いつも マクゴナガル 先生 だった 。

「 どうした ん です か ? 」 「 先生 、 マルフォイ が 僕 の 『 思いだし 玉 』 を 取った んです 」 マルフォイ は しかめっ面 で 、 すばやく 玉 を テーブル に 戻した 。 「 見て た だけ です よ 」

そう 言う と 、 マルフォイ は クラップ と ゴイル を 従えて スルリ と 逃げた 。

その 日 の 午後 三 時 半 、 ハリー も ロン も 、 グリフィンドール 寮生 と 一緒に 、 始めて の 飛行 訓練 を 受ける ため 、 正面 階段 から 校庭 へ と 急いだ 。 よく 晴れた 少し 風 の ある 日 で 、 足下 の 草 が サワサワ と 波立って いた 。 傾斜 の ある 芝生 を 下り 、 校庭 を 横切って 平坦な 芝生 まで 歩いて 行く と 、 校庭 の 反対 側 に は 「 禁じられた 森 」 が 見え 、 遠く の 方 に 暗い 森 の 木々 が 揺れて いた 。 スリザリン 寮生 は すでに 到着 して いて 、 二十 本 の 箒 が 地面 に 整然と 並べられて いた 。 ハリー は 双子 の フレッド と ジョージ が 、 学校 の 箒 の こと を こぼして いた の を 思い出した 。 高い 所 に 行く と 震え だす 箒 と か 、 どうしても 少し 左 に 行って しまう くせ が ある もの と か 。

マダム ・ フーチ が 来た 。 白髪 を 短く 切り 、 鷹 の ような 黄色い 目 を して いる 。

「 なに を ボヤボヤ して る んです か 」 開口一番 ガミガミ だ 。 「 みんな 箒 の そば に 立って 。 さあ 、 早く 」

ハリー は 自分 の 箒 を チラリ と 見下ろした 。 古ぼけて 、 小枝 が 何 本 か とんでもない 方向 に 飛び出して いる 。

「 右手 を 箒 の 上 に 突き出して 」 マダム ・ フーチ が 掛け声 を かけた 。

「 そして 、『 上がれ ! 』 と 言う 」

みんな が 「 上がれ ! 」 と 叫んだ 。

ハリー の 箒 は すぐさま 飛び上がって ハリー の 手 に 収まった が 、 飛び上った 箒 は 少なかった 。

ハーマイオニー の 箒 は 地面 を コロリ と 転がった だけ で 、 ネビル の 箒 と きたら ピクリ と も し ない 。

たぶん 箒 も 馬 と 同じで 、 乗り手 が 恐 がって いる の が わかる んだ 、 と ハリー は 思った 。 ネビル の 震え 声 じゃ 、 地面 に 両足 を 着けて いたい 、 と 言って いる の が 見え見え だ 。 次に マダム ・ フーチ は 、 箒 の 端 から 滑り落ち ない ように 箒 に またがる 方法 を やって 見せ 、 生徒 たち の 列 の 間 を 回って 、 箒 の 振り 方 を 直した 。 マルフォイ が ずっと 間違った 握り 方 を して いた と 先生 に 指摘 さ れた ので 、 ハリー と ロン は 大喜びだった 。

「 さあ 、 私 が 笛 を 吹いたら 、 地面 を 強く 蹴って ください 。 箒 は ぐらつか ない ように 押さえ 、 二 メートル ぐらい 浮上 して 、 それ から 少し 前屈み に なって すぐに 降りて きて ください 。 笛 を 吹いたら です よ ── 一 、 二 の ──」

ところが 、 ネビル は 、 緊張 する やら 怖気づく やら 、 一 人 だけ 地上 に 置いてきぼりを食いたくない の やら で 、 先生 の 唇 が 笛 に 触れる 前 に 思いきり 地面 を 蹴って しまった 。

「 こら 、 戻って き なさい ! 」 先生 の 大声 を よそ に 、 ネビル は シャンペン の コルク 栓 が 抜けた ように ヒューッ と 飛んで いった ── 四 メートル ── 六 メートル ── ハリー は ネビル が 真っ青な 顔 で グングン 離れて いく 地面 を 見下ろして いる の を 見た 。 声 に なら ない 悲鳴 を 上げ 、 ネビル は 箒 から 真っ逆さまに 落ちた 。 そして ……

ガーン ── ドサッ 、 ポキッ と いう いやな 昔 を たてて 、 ネビル は 草 の 上 に うつぶせ に 墜落 し 、 草地 に こぶ が できた ように 突っ伏した 。 箒 だけ は さらに 高く 高く 昇り 続け 、「 禁じられた 森 」 の 方 へ ユラユラ 漂い はじめ 、 やがて 見え なく なって しまった 。 マダム ・ フーチ は 、 ネビル と 同じ くらい 真っ青に なって 、 ネビル の 上 に 屈み込んだ 。

「 手首 が 折れて る わ 」

ハリー は 先生 が そう つぶやく の を 開いた 。

「 さあ さあ 、 ネビル 、 大丈夫 。 立って 」

先生 は 他の 生徒 の ほう に 向き直った 。

「 私 が この 子 を 医務 室 に 連れて いきます から 、 その 間 誰 も 動いて は いけません 。 箒 も そのまま に して 置いて おく ように 。 さ も ない と 、 クィディッチ の 『 ク 』 を 言う 前 に ホグワーツ から 出て いって もらいます よ 」 「 さあ 、 行きましょう 」 涙 で グチャグチャ の 顔 を した ネビル は 、 手首 を 押さえ 、 先生 に 抱きかかえられる ように して 、 ヨレヨレ に なって 歩いて いった 。 二 人 が もう 声 の 届か ない ところ まで 行った とたん 、 マルフォイ は 大声 で 笑い 出した 。

「 あいつ の 顔 を 見た か ? あの 大 まぬけ の 」

他の スリザリン 寮生 たち も はやし立てた 。

「 やめて よ 、 マルフォイ 」 パーバティ ・ パチル が とがめた 。

「 ヘー 、 ロングボトム の 肩 を 持つ の ? 」 「 パーバティったら 、 まさか あなた が 、 チビデブ の 泣き虫 小僧 に 気 が ある なんて 知ら なかった わ 」 気 の 強そうな スリザリン の 女の子 、 パンジィ ・ パーキンソン が 冷やかした 。

「 ごらん よ ! 」 マルフォイ が 飛び出して 草むら の 中 から 何 か を 拾い 出した 。 「 ロングボトム の ばあさん が 送って きた バカ 玉 だ 」

マルフォイ が 高々 と さし上げる と 、『 思い出し 玉 』 は キラキラ と 陽 に 輝いた 。

「 マルフォイ 、 こっち へ 渡して もらおう 」

ハリー の 静かな 声 に 、 みんな は おしゃべり を 止め 、 二 人 に 注目 した 。

マルフォイ は ニヤリ と 笑った 。

「 それ じゃ 、 ロングボトム が 後 で 取り に こら れる 所 に 置いて おく よ 。 そうだ な ── 木 の 上 なんて どう だい ? 」 「 こっち に 渡せったら ! 」 ハリー は 強い 口調 で 言った 。 マルフォイ は ヒラリ と 箒 に 乗り 、 飛び上がった 。 上手に 飛べる と 言って いた の は 確かに うそ で は なかった ── マルフォイ は 樫 の 木 の 梢 と 同じ 高 さ まで 舞い上がり 、 そこ に 浮いた まま 呼びかけた 。

「 ここ まで 取り に こい よ 、 ポッター 」

ハリー は 箒 を つかんだ 。

「 ダメ ! フーチ 先生 が おっしゃった でしょう 、 動いちゃ いけないって 。 私 たち みんな が 迷惑 する の よ 」

ハーマイオニー が 叫んだ 。

ハリー は 無視 した 。 ドクン 、 ドクン と 血 が 騒ぐ の を 感じた 。 箒 に またがり 地面 を 強く 蹴る と 、 ハリー は 急 上昇 した 。 高く 高く 、 風 を 切り 、 髪 が なびく 。 マント が はためく 。 強く 激しい 喜び が 押し寄せて くる 。

── 僕 に は 教えて もらわ なくて も できる こと が あった んだ ── 簡単だ よ 。 飛ぶ って なんて 素晴らしい んだ ! もっと 高い ところ に 行こう 。

ハリー は 箒 を 上向き に 引っ張った 。 下 で 女の子 たち が 息 を のみ 、 キャーキャ一 言う 声 や 、 ロン が 感心 して 歓声 を 上げて いる の が 聞こえた 。

ハリー は クルリ と 箒 の 向き を 変え 、 空中 で マルフォイ と 向き合った 。 マルフォイ は 呆然と して いる 。

「 こっち へ 渡せ よ 。 でないと 箒 から 突き落として やる 」

「 へえ 、 そうかい ? 」 マルフォイ は せ せら 笑おう と した が 、 顔 が こわばって いた 。 不思議な こと に 、 どう すれば いい か ハリー に は わかって いた 。 前屈み に なる 。 そして 箒 を 両手 で しっかり と つかむ 。 すると 箒 は 槍 の ように マルフォイ めがけて 飛び出した 。 マルフォイ は 危 く かわした 。 ハリー は 鋭く 一 回転 して 、 箒 を しっかり つかみ なおした 。 下 で は 何 人 か 拍手 を して いる 。

「 クラップ も ゴイル も ここ まで は 助け に こない ぞ 。 ピンチ だ な 、 マルフォイ 」

マルフォイ も ちょうど 同じ こと を 考えた らしい 。

「 取れる もの なら 取る が いい 、 ほら ! 」 と 叫んで 、 マルフォイ は ガラス 玉 を 空中 高く 放り投げ 、 稲妻 の ように 地面 に 戻って いった 。 ハリー に は 高く 上がった 玉 が 次に 落下 し はじめる の が 、 まるで スローモーション で 見て いる ように よく 見えた 。 ハリー は 前屈み に なって 箒 の 柄 を 下 に 向けた 。 次の 瞬間 、 ハリー は 一直線 に 急 降下 し 、 見るみる スピード を 上げて 玉 と 競走 して いた 。 下 で 見て いる 人 の 悲鳴 と 交じり 合って 、 風 が 耳元 で ヒューヒュー 鳴った ── ハリー は 手 を 伸ばす ── 地面 スレスレ の ところ で 玉 を つかんだ 。 間一髪 で ハリー は 箒 を 引き上げ 、 水平に 立てなおし 、 草 の 上 に 転がる ように 軟 着陸 した 。 「 思いだし 玉 」 を しっかり と 手のひら に 握りしめた まま 。

「 ハリー ・ ポッター …! 」 マクゴナガル 先生 が 走って きた 。 ハリー の 気持 は 、 今しがた の ダイビング より なお 速い スピード で しぼんで いった 。 ハリー は ブルブル 震え ながら 立ち上った 。

「 まさか ── こんな こと は ホグワーツ で 一 度 も ……」 マクゴナガル 先生 は ショック で 言葉 も 出 なかった 。 メガネ が 激しく 光って いる 。

「…… よくも まあ 、 そんな 大それた こと を …… 首 の 骨 を 折った かも しれ ない のに ──」

「 先生 、 ハリー が 悪い んじゃ ない んです ……」

「 お だまり なさい 。 ミス ・ パチル ──」

「 でも 、 マルフォイ が ……」

「 くどい です よ 。 ミスター ・ ウィーズリー 。 ポッター 、 さあ 、 一緒に いらっしゃい 」

マクゴナガル 先生 は 大股 に 城 に 向かって 歩き 出し 、 ハリー は 麻痺 した ように トボトボ と ついて いった 。 マルフォイ 、 クラップ 、 ゴイル の 勝ち誇った 顔 が チラリ と 目 に 入った 。 僕 は 退学 に なる んだ 。 わかって る 。 弁解 し たかった が 、 どういう わけ か 声 が 出 ない 。 マクゴナガル 先生 は 、 ハリー に は 目 も くれ ず 飛ぶ ように 歩いた 。 ハリー は ほとんど かけ足 に なら ない と ついて いけなかった 。

── とうとう やって しまった 。 二 週間 も もた なかった 。 きっと 十 分 後 に は 荷物 を まとめる ハメ に なって いる 。 僕 が 玄関 に 姿 を 現したら 、 ダーズリー 一家 は なんて 言う だろう ?

正面 階段 を 上がり 、 大理石 の 階段 を 上がり 、 それ でも マクゴナガル 先生 は ハリー に 一言 も 口 を きか ない 。 先生 は ドア を グイッ と ひねる ように 開け 、 廊下 を 突き進む 。 ハリー は 惨めな 姿 で 早 足 で ついていく …… たぶん 、 ダンブルドア の ところ に 連れて いく んだろう な 。 ハリー は ハグリッド の こと を 考えた 。 彼 も 退学 に は なった けど 、 森 の 番人 と して ここ に いる 。 もしかしたら ハグリッド の 助手 に なれる かも しれ ない 。 ロン や 他の 子 が 魔法使い に なって いく の を そば で 見 ながら 、 僕 は ハグリッド の 荷物 を かついで 、 校庭 を は い ず り 回って いる んだ …… 想像 する だけ で 胃 が よじれる 思い だった 。

マクゴナガル 先生 は 教室 の 前 で 立ち止まり 、 ドア を 開けて 中 に 首 を 乗っ込んだ 。 「 フリットウィック 先生 。 申し訳 ありません が 、 ちょっと ウッド を お 借り できません か 」 ウッド ? ウッド つて 、 木 の こと ? 僕 を 叩く ため の 棒 の こと か な 。 ハリー は わけ が わから なかった 。

ウッド は 人間 だった 。 フリットウィック 先生 の クラス から 出て きた の は たくましい 五 年生 で 、 何ごと だろう と いう 顔 を して いた 。

「 二 人 と も 私 に ついて いらっしゃい 」

そう 言う なり マクゴナガル 先生 は どんどん 廊下 を 歩き 出した 。 ウッド は 珍しい もの でも 見る ように ハリー を 見て いる 。

「 お 入り なさい 」

マクゴナガル 先生 は 人気 の ない 教室 を 指し示した 。 中 で ピーブズ が 黒板 に 下品な 言葉 を 書きなぐ つて いた 。

「 出て いき なさい 、 ピーブズ ! 」 先生 に 一喝 されて ピーブズ の 投げた チョーク が ゴミ 箱 に 当たり 、 大きな 音 を たてた 。 ピーブズ は 捨て ぜ り ふ を 吐き ながら スイーッ と 出て いった 。 マクゴナガル 先生 は その 後ろ から ドア を ピシャリ と 閉めて 、 二 人 の 方 に 向きなおった 。

「 ポッター 、 こちら 、 オリバー ・ ウッド です 。 ウッド 、 シーカー を 見つけました よ 」 狐 に つまま れた ようだった ウッド の 表情 が ほころんだ 。

「 本当です か ? 」 「 間違い ありません 」 先生 は きっぱり と 言った 。 「 この 子 は 生まれつき そう な んです 。 あんな もの を 私 は 初めて 見ました 。 ポッター 、 初めて な んでしょう ? 箒 に 乗った の は 」

ハリー は 黙って うなずいた 。 事態 が どう なって いる の か 、 さっぱり わから なかった が 、 退学 処分 だけ は 免れ そうだ 。 ようやく 足 に も 感覚 が 戻って きた 。 マクゴナガル 先生 が ウッド に 説明 して いる 。

「 この 子 は 、 今 手 に 持って いる 玉 を 、 十六 メートル も ダイビング して つかみました 。 かすり傷 ひと つ 負わ ず に 。 チャーリー ・ ウィーズリー だって そんな こと できません でした よ 」 ウッド は 夢 が 一挙に 実現 した と いう 顔 を した 。

「 ポッター 、 クィディッチ の 試合 を 見た こと ある かい ? 」 ウッド の 声 が 興奮 して いる 。

「 ウッド は グリフィンドール ・ チーム の キャプテン です 」 先生 が 説明 して くれた 。

「 体格 も シーカー に ぴったり だ 」

ウッド は ハリー の 回り を 歩き ながら しげしげ 観察 して いる 。

「 身軽 だ し …… すばしこい し …… ふさわしい 箒 を 持た せ ない と いけません ね 、 先生 ── ニンバス 2000 と か 、 クリーンスイープ の 7 番 なんか が いい です ね 」 「 私 から ダンブルドア 先生 に 話して みましょう 。 一 年生 の 規則 を 曲げられる か どう か 。 是が非でも 去年 より は 強い チーム に しなければ 。 あの 最終 試合 で スリザリン に ペシャンコ に されて 、 私 は それ から 何 週間 も セブルス ・ スネイプ の 顔 を まともに 見られません でした よ ……」 マクゴナガル 先生 は メガネ ご し に 厳格な 目つき で ハリー を 見た 。

「 ポッター 、 あなた が 厳しい 練習 を 積んで いる と いう 報告 を 聞きたい もの です 。 さ も ない と 処罰 に ついて 考え 直す かも しれません よ 」 それ から 突然 先生 は にっこり した 。

「 あなた の お 父 さま が どんなに お 喜び に なった こと か 。 お 父 さま も 素晴らしい 選手 でした 」

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9.1 真 夜中 の 決闘 まこと|よなか||けっとう |||поединок true|midnight||duel 9.1 Mitternachtsduell 9.1 Midnight duel 9.1 Duelo de medianoche 9.1 Pojedynek o północy 9.1 Duelo da meia-noite 9.1 Midnattsduell 9.1 Gece yarısı düellosu 9.1 午夜决斗 9.1 午夜決鬥

第 9 章 真 夜中 の 決闘 CHAPTER NINE The Midnight Duel だい|しょう|まこと|よなか||けっとう|chapter|nine|the|midnight|duel ||||||ГЛАВА|||полуночный|поединок chapter|chapter|true|||duel|CHAPTER|nine||Midnight|duel Chapter 9 Midnight Duel CHAPTER NINE The Midnight Duel

ダドリー より 嫌な ヤツ が この 世の中 に いる なんて 、 ハリー は 思って も み なかった 。 ||いやな|やつ|||よのなか||||||おもって||| |||||||||||||||не думал |||||||||||||||nicht gedacht ||disagreeable|guy|||world|||such a|||||| Harry never thought that there was a guy in the world who was worse than Dudley. でも それ は ドラコ ・ マルフォイ と 出会う まで の 話 だ 。 ||||||であう|||はなし| ||||||встреча|||| ||||||meet|||| But that was until I met Draco Malfoy. 一 年生 で は グリフィンドール と スリザリン が 一緒の クラス に なる の は 魔法 薬学 の 授業 だけ だった ので 、 グリフィンドール 寮生 も マルフォイ の こと で それほど 嫌な 思い を せ ず に すんだ 。 ひと|ねんせい|||||||いっしょの|くらす|||||まほう|やくがく||じゅぎょう|||||りょうせい|||||||いやな|おもい||||| |||||||||||||||фармацевтика|||||||студенты общеж|||||||||||||обошлось |||||||||||||||||||war|||||||||||||||| ||||||||same|||||||pharmaceutical science|||||||Gryffindor student||||||that much|unpleasant||||||able to manage In the first grade, Gryffindor and Slytherin were in the same class only in the magic pharmacy class, so the Gryffindor dormitory students didn't have to worry too much about Malfoy. 少なくとも 、 グリフィンドール の 談話 室 に 「 お 知らせ 」 が 出る まで は そう だった 。 すくなくとも|||だんわ|しつ|||しらせ||でる|||| по крайней мере|||комната для обсуждений||||объявление|||||| at least|||conversation|common room|||information|||||| At least that was the case until the "Notice" appeared in Gryffindor's lounge. 掲示 を 読んで みんな がっくり した 。 けいじ||よんで||| объявление||||разочарованно| notice||reading||disheartened| Everyone was disappointed when I read the bulletin board.

── 飛行 訓練 は 木曜日 に 始まります 。 ひこう|くんれん||もくようび||はじまり ます полет|обучение||четверг|| flight|training||Thursday|| ── Flight training will begin on Thursday. グリフィンドール と スリザリン と の 合同 授業 です ── |||||ごうどう|じゅぎょう| |||||совместный|| |||||joint|class| This is a joint class with Gryffindor and Slytherin ──

「 そら きた 。 look| "There, that's it. お 望み どおり だ 。 |のぞみ|| |wish|as you wished|is You're right where you want to be. マルフォイ の 目の前 で 箒 に 乗って 、 物笑い の 種 に なる の さ 」 ||めのまえ||そう||のって|ものわらい||しゅ|||| ||||метла|||предмет насмешек||объект насмеш|||| ||||broom|locative particle|riding|mockery|laughter|seed|||| I'm going to ride a broomstick in front of Malfoy and become a laughingstock."

何より も 空 を 飛ぶ 授業 を 楽しみに して いた ハリー は 、 失望 した 。 なにより||から||とぶ|じゅぎょう||たのしみに|||||しつぼう| всего более||||летать||||||||разочарован| above all||sky||fly|class|||||||disappointed| Harry, der sich mehr als auf alles andere auf die Flugstunden gefreut hatte, war enttäuscht. Above all, Harry, who was looking forward to the class flying in the sky, was disappointed.

「 そう なる と は かぎら ない よ 。 ||||не обязательно|| so||||necessarily||y "It doesn't always happen. あいつ 、 クィディッチ が うまい って いつも 自慢 して る けど 、 口先 だけ だ よ 」 ||||||じまん||||くちさき||| ||||||хвастаться||||пустые слова||| |Quidditch||good|||brag||||just talk||| He's always proud of his good Quidditch, but he's just his mouth. " ロン の 言う こと は もっとも だった 。 ||いう|||| |||||most appropriate| Ron was right.

マルフォイ は 確かに よく 飛行 の 話 を した し 、 一 年生 が クィディッチ ・ チーム の 寮 代表 選手 に なれ ない なんて 残念だ と みんな の 前 で 聞こえ よ がし に 不満 を 言った 。 ||たしかに||ひこう||はなし||||ひと|ねんせい|||ちーむ||りょう|だいひょう|せんしゅ|||||ざんねんだ||||ぜん||きこえ||||ふまん||いった ||||||||||один|||||||представитель команды||||||||||||||как будто|||| ||certainly||flying||||||||||||dormitory|captain|player|||||disappointing||||||audibly||it seemed||complaint|| Malfoy did talk a lot about flying, and complained in front of everyone that it was a pity that the first graders couldn't be the dormitory representatives of the Quidditch team. マルフォイ の 長ったらしい 自慢 話 は 、 なぜ か いつも 、 マグル の 乗った ヘリコプター を 危うく かわした ところ で 話 が 終わる 。 ||ながったらしい|じまん|はなし|||||||のった|へりこぷたー||あやうく||||はなし||おわる ||долгий||||||||||вертолёт||чуть не|избегал||||| ||tedious|boast||||||Muggle||ridden|helicopter||almost|avoided|||||ends Malfoy's lengthy bragging story ends, for some reason, always at risk of dodging a helicopter with a Muggle on it. 自慢 する の は マルフォイ ばかり で は ない 。 じまん|||||||| brag|||||||| Malfoy isn't the only one to brag about. シェーマス ・ フィネガン は 、 子供 の 頃 いつも 箒 に 乗って 、 田舎 の 上空 を 飛び回って いた と いう 。 |||こども||ころ||そう||のって|いなか||じょうくう||とびまわって||| Шеймус Финег|||||||метла|||деревня||над деревней||летал вокруг||| Seamus|Finnegan||child||time||broom||riding|countryside||skies||flying around||| Seamus Finnigan said that when he was a kid, he used to ride a broom and fly over the countryside. ロン で さえ 、 聞いて くれる 人 が いれば 、 チャーリー の お 古 の 箒 に 乗って 、 ハンググライダー に ぶつかり そうに なった 時 の 話 を した だろう 。 |||きいて||じん||||||ふる||そう||のって||||そう に||じ||はなし||| ||||||||||||||||параплан|||||||||| ||even|listening||||if|Charlie|||old||broom||riding|hang glider||collide|||||||| If only Ron would have listened, I would have told him the story of the time I rode Charlie's old broomstick and almost hit a hang glider.

魔法使い の 家 の 子 は みんな ひっきりなしに クィディッチ の 話 を した 。 まほうつかい||いえ||こ||||||はなし|| |||||||без остановки||||| |||||||nonstop||||| All the children in the Wizard's house talked about Quidditch incessantly. ロン も 同室 の ディーン ・ トーマス と サッカー に ついて 、 大 論争 を やら かして いた 。 ||どうしつ|||||さっかー|||だい|ろんそう|||| ||в одной комнате||Дин|Томас||||||дебаты|||| ||roommate||Dean|Thomas||soccer||||debate||conducting|caused| Ron also had a big argument with his roommate, Dean Thomas, about soccer. ロン に して みれば 、 ボール が たった 一 つ しか なくて 、 しかも 選手 が 飛べ ない ゲーム なんて どこ が おもしろい の か わから ない 、 と いう わけだ 。 ||||ぼーる|||ひと|||||せんしゅ||とべ||げーむ||||||||||| |||если посмотреть|||||||||||||||||||||||| long|||if tried|||just|||||and also|player||can't jump|||||||||||||that's why For Ron, he has only one ball, and he doesn't know what's interesting about a game where players can't fly. ディーン の 好きな ウエスト ハム ・ サッカー チーム の ポスター の 前 で 、 ロン が 選手 を 指 で つついて 動かそう と して いる の を ハリー は 見た こと が ある 。 ||すきな|うえすと|はむ|さっかー|ちーむ||ぽすたー||ぜん||||せんしゅ||ゆび|||うごかそう||||||||みた||| |||Уэст Хэм||||||||||||||||двигать||||||||||| Dean|||waist|ham||||poster||||||player||point||poking|trying to move||||||||||| Harry sah einmal, wie Ron einen Spieler vor einem Poster von Deans Lieblings-Fußballteam aus West Ham anstupste und versuchte, ihn dazu zu bringen, sich zu bewegen. Harry once saw Ron poking a player with his finger in front of a poster of Dean's favorite West Ham soccer team, trying to move him.

ネビル は 今 まで 一 度 も 箒 に 乗った こと が なかった 。 ||いま||ひと|たび||そう||のった||| |||||||broom||||| Neville had never ridden a broom before. おばあ さん が 決して 近づか せ なかった から で 、 ハリー も 密かに お ばあさん が 正しい と 思った 。 |||けっして|ちかづか|||||||ひそかに||||ただしい||おもった ||||приближаться|||||||втайне||||правильной||думал |||never|approach|||||||secretly||grandmother||right|| Harry secretly thought Grandmother was right because she never let him near her. だいたい ネビル は 両足 が 地面 に 着いて いたって 、 ひっきりなしに 事故 を 起こす のだ から 。 |||りょうあし||じめん||ついて|||じこ||おこす|| |||обе ноги||||касались||без остановки|аварии|||| mostly|||both legs||ground||touching|calmly|relentlessly|accident||cause||so Neville is usually having accidents all the time, even when both feet are on the ground.

ハーマイオニー ・ グレンジャー も 飛ぶ こと に 関して は ネビル と 同じ ぐらい ピリピリ して いた 。 |||とぶ|||かんして||||おなじ||ぴりぴり|| ||||||по поводу|||||||| |||flying|||regarding||||||on edge|| Hermione Granger was as nervous as Neville about flying. これ ばっかり は 、 本 を 読んで 暗記 すれば すむ もの で は ない ── だからといって 彼女 が 飛行 の 本 を 読ま なかった わけで は ない 。 |||ほん||よんで|あんき||||||||かのじょ||ひこう||ほん||よま|||| ||||||запоминание||достаточно||||||||книге о пол|||||||| this||(topic marker)||||memorization|if you do|finished|||||just because|she||aviation||||read||reason|| This is not something that can be done by reading and memorizing books - that doesn't mean she didn't read books about flying. 木曜日 の 朝食 の 時 ハーマイオニー は 図書 館 で 借りた 「 クィディッチ 今昔 」 で 仕入れた 飛行 の コツ を ウンザリ する ほど 話し まくった 。 もくようび||ちょうしょく||じ|||としょ|かん||かりた||こんじゃく||しいれた|ひこう||こつ|||||はなし| ||завтрак|||||библиотека|||||Квиддич||узнала|||секреты полета||до тошноты||||говорила без умол Thursday||breakfast|||||library|library||borrowed||past and present||bought|flying||tips||fed up||to the extent||non-stop At breakfast on Thursday, Hermione babbled on ad nauseam about the flying tips she had picked up from the library's copy of Quidditch: Then and Now. ネビル だけ は 、 ハーマイオニー の 話 に 今 しがみついて いれば 、 あと で 箒 に も しがみついて いられる と 思った の か 、 必死で 一言 も 聞き漏らす まい と した 。 |||||はなし||いま|||||そう||||いら れる||おもった|||ひっしで|いちげん||ききもらす||| ||||||||цеплялся|||||||цеплялся||||||изо всех сил|слово||не пропустить||| ||||||||clinging||||broom|||clinging|able to stay|||||desperately|||miss a word|would not|| Only Neville, perhaps thinking that if he hung on to Hermione's story now, he could hang on to his broomstick later, was too desperate to hear a single word. その 時 ふくろう 便 が 届き 、 ハーマイオニー の 講義 が さえぎら れた ので みんな ホッと した 。 |じ||びん||とどき|||こうぎ||||||ほっと| |||письмо||прибыли|||лекция||была прервана||||| ||owl|delivery||was delivered|||lecture||interrupted||||relieved| At that time, an owl flight arrived and Hermione's lecture was interrupted, so everyone was relieved.

ハグリッド の 手紙 の 後 、 ハリー に は ただ の 一 通 も 手紙 が 来て いない 。 ||てがみ||あと||||||ひと|つう||てがみ||きて| |||||Гарри||||||||||| ||letter||||||||not a single|letter|also|||came| After Hagrid's letter, Harry didn't receive a single letter. もちろん マルフォイ は すぐに それ に 気 が ついた 。 ||||||き|| |Malfoy||||||| Of course Malfoy soon noticed it. マルフォイ の ワシ ミミズク は 、 いつも 家 から 菓子 の 包み を 運んで きた し 、 マルフォイ は スリザリン の テーブル で いつも 得意 げ に それ を 広げて みせた 。 ||わし|みみずく|||いえ||かし||つつみ||はこんで|||||||てーぶる|||とくい|||||ひろげて| ||ястреб|совиный хищ|||||||||||||||||||с гордостью|||||| ||I|owl|||||sweets||wrapping||carrying||and||||||||proud|looking||||spread|showed Malfoy's Eagle Mizuk always carried a candy wrap from his house, and Malfoy always proudly spread it out at Slytherin's table.

めん ふくろう が ネビル に おばあ さん から の 小さな 包み を 持ってきた 。 |||||||||ちいさな|つつみ||もってきた face|owl|||||||||package|| A barn owl brought a small parcel from her aunt to Neville. ネビル は ウキウキ と それ を 開けて 、 白い 煙 の ような もの が 詰まって いる ように 見える 大きな ビー 玉 ぐらい の ガラス 玉 を みんな に 見せた 。 ||うきうき||||あけて|しろい|けむり|||||つまって|||みえる|おおきな||たま|||がらす|たま||||みせた ||excited|||||white|smoke|||||crammed|||||beads|marble|||glass|glass ball|||| Neville excitedly opened it and showed everyone a glass ball about the size of a large marble that appeared to be filled with what looked like white smoke.

「『 思いだし 玉 』 だ ! おもいだし|たま| воспоминание|| recollection|ball| It's "Remembrance Balls." ばあちゃん は 僕 が 忘れっぽい こと 知って る から ── 何 か 忘れて る と 、 この 玉 が 教えて くれる んだ 。 ||ぼく||わすれ っぽい||しって|||なん||わすれて||||たま||おしえて|| grandma||||prone to forget|||||||forget||||ball||tells|| My grandma knows I'm forgetful, so if I forget something, this ball will tell me. 見て て ごらん 。 みて|| ||look Look at it. こういうふうに ギュッと 握る んだ よ 。 |ぎゅっと|にぎる|| like this|tightly|grip|| I hold it tightly like this. もし 赤く なったら ── あれ れ ……」 |あかく||| If it turns red ── that ... "

思いだし 玉 が 突然 真っ赤に 光り だした ので 、 ネビル は 愕然と した 。 おもいだし|たま||とつぜん|まっかに|ひかり|||||がくぜんと| remember|ball|(subject marker)|suddenly|bright red|shone|started to shine||||in astonishment| Neville was stunned when the remembrance ball suddenly glowed bright red.

「…… 何 か を 忘れて るって こと な んだ けど ……」 なん|||わすれて|る って|||| "... I mean I forgot something ..." ネビル が 何 を 忘れた の か 思い出そう と して いる 時 、 マルフォイ が グリフィンドール の テープル の そば を 通りかかり 、 玉 を ひったくった 。 ||なん||わすれた|||おもいだそう||||じ|||||||||とおりかかり|たま|| ||||forgot|||trying to remember|||||||||table||by||walking by|ball||snatched As Neville was trying to remember what he had forgotten, Malfoy walked by the Gryffindor table and snatched the ball.

ハリー と ロン は はじける ように 立ち上がった 。 ||||||たちあがった ||||jumped|| Harry and Ron stood up to pop. 二 人 と も マルフォイ と 喧嘩 する 口実 を 心 の どこ か で 待って いた 。 ふた|じん|||||けんか||こうじつ||こころ|||||まって| ||||||fight||excuse|||||||| Both of them were waiting for an excuse to fight with Malfoy. ところが マクゴナガル 先生 が サッと 現れた 。 ||せんせい||さっと|あらわれた however||||swiftly|appeared But then Professor McGonagall shows up. いざこざ を 目ざとく 見つける の は いつも マクゴナガル 先生 だった 。 ||めざとく|みつける|||||せんせい| quarrel||keenly|to spot|||||| It was always McGonagall who was on the lookout for trouble.

「 どうした ん です か ? " What happened ? 」 「 先生 、 マルフォイ が 僕 の 『 思いだし 玉 』 を 取った んです 」 せんせい|||ぼく||おもいだし|たま||とった| |||I||memory|||took| Teacher, Malfoy took my 'Rememberall'. マルフォイ は しかめっ面 で 、 すばやく 玉 を テーブル に 戻した 。 ||しかめ っ おもて|||たま||てーぶる||もどした Malfoy||scowling||quickly|||||put back Malfoy scowled and quickly returned the ball to the table. 「 見て た だけ です よ 」 みて|||| I was just looking.

そう 言う と 、 マルフォイ は クラップ と ゴイル を 従えて スルリ と 逃げた 。 |いう||||||||したがえて|||にげた |||||clapped||Goyle||following|smoothly||ran With that, Malfoy slips away with Krapp and Goyle in tow.

その 日 の 午後 三 時 半 、 ハリー も ロン も 、 グリフィンドール 寮生 と 一緒に 、 始めて の 飛行 訓練 を 受ける ため 、 正面 階段 から 校庭 へ と 急いだ 。 |ひ||ごご|みっ|じ|はん||||||りょうせい||いっしょに|はじめて||ひこう|くんれん||うける||しょうめん|かいだん||こうてい|||いそいだ |||afternoon|||half||||||Gryffindor student|||for the first time||flying|training||to receive|in order to|front|stairs||school yard|||hurried At 3:30 that afternoon, Harry and Ron hurried down the front stairs to the schoolyard for their first flying lesson with the Gryffindor housemates. よく 晴れた 少し 風 の ある 日 で 、 足下 の 草 が サワサワ と 波立って いた 。 |はれた|すこし|かぜ|||ひ||あしもと||くさ||||なみだって| |was sunny|||||||ground||grass||rustling||rippling| It was a sunny, slightly windy day, and the grass was rustling beneath my feet. 傾斜 の ある 芝生 を 下り 、 校庭 を 横切って 平坦な 芝生 まで 歩いて 行く と 、 校庭 の 反対 側 に は 「 禁じられた 森 」 が 見え 、 遠く の 方 に 暗い 森 の 木々 が 揺れて いた 。 けいしゃ|||しばふ||くだり|こうてい||よこぎって|へいたんな|しばふ||あるいて|いく||こうてい||はんたい|がわ|||きんじ られた|しげる||みえ|とおく||かた||くらい|しげる||きぎ||ゆれて| slope||there|lawn||down|schoolyard||cross|level|lawn|||||schoolyard||opposite|side|||forbidden||||distance||||dark|||trees||swaying| I walked down the sloping lawn and across the schoolyard to the flat lawn. On the other side of the schoolyard, I saw the Forbidden Forest, and in the distance, the trees of the dark forest swayed. スリザリン 寮生 は すでに 到着 して いて 、 二十 本 の 箒 が 地面 に 整然と 並べられて いた 。 |りょうせい|||とうちゃく|||にじゅう|ほん||そう||じめん||せいぜんと|ならべ られて| |dormitory student|||arrival||||sticks||brooms||ground||neatly|lined| The Slytherins had already arrived, and twenty brooms were neatly arranged on the ground. ハリー は 双子 の フレッド と ジョージ が 、 学校 の 箒 の こと を こぼして いた の を 思い出した 。 ||ふたご||||じょーじ||がっこう||そう||||||||おもいだした ||twins||||||school||broom||||knocked over||'s|| Harry remembered that his twins, Fred and George, had spilled the broom at school. 高い 所 に 行く と 震え だす 箒 と か 、 どうしても 少し 左 に 行って しまう くせ が ある もの と か 。 たかい|しょ||いく||ふるえ||そう||||すこし|ひだり||おこなって||||||| ||||||||||||влево||||||||| |place||||tremble|starts to shake|broom|||for some reason||left||to go||habit||||| A broom that trembles when it gets to high places, or a broom that has a habit of going a little to the left.

マダム ・ フーチ が 来た 。 |||きた madam|Fooch||came Madame Hooch is here. 白髪 を 短く 切り 、 鷹 の ような 黄色い 目 を して いる 。 しらが||みじかく|きり|たか|||きいろい|め||| седые волосы||коротко||орел|||желтые|||| white hair||short|cut|hawk|||yellow|||| He has short gray hair and yellow eyes like a hawk.

「 なに を ボヤボヤ して る んです か 」 開口一番 ガミガミ だ 。 ||ぼやぼや|||||かいこういちばん|がみがみ| ||бормочешь|||||в первую очередь|| ||daydreaming|||||first thing said|angrily| "What are you sick of?" 「 みんな 箒 の そば に 立って 。 |そう||||たって |метла|||| everyone|broom|||| "Everyone stands by the broom. さあ 、 早く 」 |はやく |quickly

ハリー は 自分 の 箒 を チラリ と 見下ろした 。 ||じぶん||そう||ちらり||みおろした ||one's self||broom||glanced||looked down Harry glanced down at his broom. 古ぼけて 、 小枝 が 何 本 か とんでもない 方向 に 飛び出して いる 。 ふるぼけて|こえだ||なん|ほん|||ほうこう||とびだして| weathered|twig||what|counter for long objects||unbelievable|direction||jutting out| It's old and there are some twigs sticking out in crazy directions.

「 右手 を 箒 の 上 に 突き出して 」 マダム ・ フーチ が 掛け声 を かけた 。 みぎて||そう||うえ||つきだして||||かけごえ|| right hand||broom||||sticking out|madam|Fouche||chant||called "Stick your right hand on the broom," Madame Hooch called out.

「 そして 、『 上がれ ! |あがれ |go up "And then, 'Up! 』 と 言う 」 |いう

みんな が 「 上がれ ! ||あがれ Everyone said, "Come on up! 」 と 叫んだ 。 |さけんだ |yelled Shouted.

ハリー の 箒 は すぐさま 飛び上がって ハリー の 手 に 収まった が 、 飛び上った 箒 は 少なかった 。 ||そう|||とびあがって|||て||おさまった||とびあがった|そう||すくなかった ||broom||immediately|jumped up|||||settled||jumped|broom||not many Harry's broom immediately jumped up and fell into Harry's hand, but few brooms jumped up.

ハーマイオニー の 箒 は 地面 を コロリ と 転がった だけ で 、 ネビル の 箒 と きたら ピクリ と も し ない 。 ||そう||じめん||||ころがった|||||そう|||ぴくり|||| ||||ground||rolled||rolled|||||broom|||not even|||| Hermione's broom just rolls on the ground, and Neville's broom doesn't make any sense.

たぶん 箒 も 馬 と 同じで 、 乗り手 が 恐 がって いる の が わかる んだ 、 と ハリー は 思った 。 |そう||うま||おなじで|のりて||こわ||||||||||おもった |broom|also|horse||the same|rider||afraid|||||||||| Maybe the broom is the same as the horse, and Harry thought he could see that the rider was scared. ネビル の 震え 声 じゃ 、 地面 に 両足 を 着けて いたい 、 と 言って いる の が 見え見え だ 。 ||ふるえ|こえ||じめん||りょうあし||つけて|い たい||いって||||みえみえ| ||trembling|||ground||both feet||attached|||||||obvious| Neville's quivering voice, I can see him saying that he wants to put his feet on the ground. 次に マダム ・ フーチ は 、 箒 の 端 から 滑り落ち ない ように 箒 に またがる 方法 を やって 見せ 、 生徒 たち の 列 の 間 を 回って 、 箒 の 振り 方 を 直した 。 つぎに||||そう||はし||すべりおち|||そう|||ほうほう|||みせ|せいと|||れつ||あいだ||まわって|そう||ふり|かた||なおした ||||||end||slipped off|||||straddle|method|||show|student|||line||space||going|broom||sweep|way||adjusted Madame Hooch then showed him how to straddle the broom so that it wouldn't slip off the edge of the broom, and went around between the students' lines to fix the broom's swing. マルフォイ が ずっと 間違った 握り 方 を して いた と 先生 に 指摘 さ れた ので 、 ハリー と ロン は 大喜びだった 。 |||まちがった|にぎり|かた|||||せんせい||してき||||||||おおよろこびだった ||all along|wrong|grip||||||||pointing out||||||||overjoyed Harry and Ron were overjoyed as the teacher pointed out that Malfoy had been holding the wrong grip all the time.

「 さあ 、 私 が 笛 を 吹いたら 、 地面 を 強く 蹴って ください 。 |わたくし||ふえ||ふいたら|じめん||つよく|けって| |||flute||blow|ground||strong|kicking| "Now, when I blow the whistle, kick the ground hard. 箒 は ぐらつか ない ように 押さえ 、 二 メートル ぐらい 浮上 して 、 それ から 少し 前屈み に なって すぐに 降りて きて ください 。 そう|||||おさえ|ふた|めーとる||ふじょう||||すこし|まえかがみ||||おりて|| broom||shaky|||press|two|two meters||surfacing|to||||leaning forward|||right away|get off|| Hold the broom so that it does not wobble, ascend about two meters, then lean forward a little and come down immediately. 笛 を 吹いたら です よ ── 一 、 二 の ──」 ふえ||ふいたら|||ひと|ふた| flute||blew||||| If you blow the whistle.

ところが 、 ネビル は 、 緊張 する やら 怖気づく やら 、 一 人 だけ 地上 に 置いてきぼりを食いたくない の やら で 、 先生 の 唇 が 笛 に 触れる 前 に 思いきり 地面 を 蹴って しまった 。 |||きんちょう|||おじけづく||ひと|じん||ちじょう||おいてきぼり を くい たく ない||||せんせい||くちびる||ふえ||ふれる|ぜん||おもいきり|じめん||けって| but|||nervous||quotation particle|become frightened|quotation particle||||ground||wanting to be left behind||||||lips||flute|locative particle|touch|before||with all one's strength|ground||kicked| However, Neville was nervous and scared, and he didn't want to leave him alone on the ground, so he kicked the ground with all his might before his lips touched the whistle.

「 こら 、 戻って き なさい ! |もどって|| hey|||please "Come back! 」 先生 の 大声 を よそ に 、 ネビル は シャンペン の コルク 栓 が 抜けた ように ヒューッ と 飛んで いった ── 四 メートル ── 六 メートル ── ハリー は ネビル が 真っ青な 顔 で グングン 離れて いく 地面 を 見下ろして いる の を 見た 。 せんせい||おおごえ||||||||こるく|せん||ぬけた||||とんで||よっ|めーとる|むっ|めーとる|||||まっさおな|かお||ぐんぐん|はなれて||じめん||みおろして||||みた ||loud声|object marker|away||||champagne||cork|cork||popped||whoosh||flew||||||||||pale|||steadily|moving||ground||looking down|||| Despite the teacher's yell, Neville whizzed away like a champagne cork popped—four meters—six meters—Harry looked down at the ground as Neville, pale and tumbling away. I saw you 声 に なら ない 悲鳴 を 上げ 、 ネビル は 箒 から 真っ逆さまに 落ちた 。 こえ||||ひめい||あげ|||そう||まっさかさまに|おちた voice||||scream||let out|||broom||headfirst|fell With a muffled scream, Neville fell head over heels from his broom. そして ……

ガーン ── ドサッ 、 ポキッ と いう いやな 昔 を たてて 、 ネビル は 草 の 上 に うつぶせ に 墜落 し 、 草地 に こぶ が できた ように 突っ伏した 。 ||||||むかし|||||くさ||うえ||||ついらく||くさち||||||つ っ ふくした thud|thud|snap|||unpleasant|past|(object marker)|reliving|||grass||||on his stomach||crashed||grassland||bump||||collapsed Thud... crash... snap. Neville collapsed face down on the grass, as if a bump had formed in the grass. 箒 だけ は さらに 高く 高く 昇り 続け 、「 禁じられた 森 」 の 方 へ ユラユラ 漂い はじめ 、 やがて 見え なく なって しまった 。 そう||||たかく|たかく|のぼり|つづけ|きんじ られた|しげる||かた||ゆらゆら|ただよい|||みえ||| |||further|||rising|continued|forbidden|||||swaying|drifting||eventually|||| The broom soared higher and higher, gradually drifting towards the forbidden forest until it disappeared from view. マダム ・ フーチ は 、 ネビル と 同じ くらい 真っ青に なって 、 ネビル の 上 に 屈み込んだ 。 |||||おなじ||まっさおに||||うえ||くっみこんだ madam|Fudge||||||pale||||||hunched Madame Hooch turned as pale as Neville, bending over him.

「 手首 が 折れて る わ 」 てくび||おれて|| wrist||broken|| "You have a broken wrist."

ハリー は 先生 が そう つぶやく の を 開いた 。 ||せんせい||||||あいた |||||mutter|||opened Harry opened the teacher's tweet.

「 さあ さあ 、 ネビル 、 大丈夫 。 |||だいじょうぶ 立って 」 たって

先生 は 他の 生徒 の ほう に 向き直った 。 せんせい||たの|せいと||||むきなおった |||||direction||faced The teacher turned to the other students.

「 私 が この 子 を 医務 室 に 連れて いきます から 、 その 間 誰 も 動いて は いけません 。 わたくし|||こ||いむ|しつ||つれて|いき ます|||あいだ|だれ||うごいて||いけ ませ ん |||||medical affairs|office||will bring|||||||moving|| I will take this child to the infirmary, so no one should move in the meantime. 箒 も そのまま に して 置いて おく ように 。 そう|||||おいて|| broom|||||left|leave it|as Leave the broom as it is. さ も ない と 、 クィディッチ の 『 ク 』 を 言う 前 に ホグワーツ から 出て いって もらいます よ 」 ||||||||いう|ぜん||||でて||もらい ます| politeness marker|||if|Quidditch||Quidditch|||||||||will receive| Otherwise, you'll be asked to leave Hogwarts before saying the 'Q' in Quidditch. 「 さあ 、 行きましょう 」 |いき ましょう |let's go " alright, let's go " 涙 で グチャグチャ の 顔 を した ネビル は 、 手首 を 押さえ 、 先生 に 抱きかかえられる ように して 、 ヨレヨレ に なって 歩いて いった 。 なみだ||||かお|||||てくび||おさえ|せんせい||だきかかえ られる||||||あるいて| tears||soggy|||||||wrist||held|||picked up|||weakened|||| Neville, who had a messy face in tears, held his wrist down and walked in a sloppy manner so that he could be held by the teacher. 二 人 が もう 声 の 届か ない ところ まで 行った とたん 、 マルフォイ は 大声 で 笑い 出した 。 ふた|じん|||こえ||とどか||||おこなった||||おおごえ||わらい|だした |||already|voice||out of reach||||went|just as|||||| As soon as the two of them went to a place where their voices could no longer be heard, Malfoy burst out laughing loudly.

「 あいつ の 顔 を 見た か ? ||かお||みた| "Did you see his face? あの 大 まぬけ の 」 |だい|| ||idiot| That idiot."

他の スリザリン 寮生 たち も はやし立てた 。 たの||りょうせい|||はやしたてた ||dormitory student|||chattered The other Slytherin boarders cheered him on.

「 やめて よ 、 マルフォイ 」 パーバティ ・ パチル が とがめた 。 |||Pansy|Pavarti||reprimanded "Don't do that, Malfoy," reproached Parvati Patil.

「 ヘー 、 ロングボトム の 肩 を 持つ の ? |||かた||もつ| hey|Longbottom||shoulder||has|nominalizer "Hey, do you have a crush on Longbottom's shoulder?" 」 「 パーバティったら 、 まさか あなた が 、 チビデブ の 泣き虫 小僧 に 気 が ある なんて 知ら なかった わ 」 パーバティ ったら||||||なきむし|こぞう||き||||しら|| said Parvati||||chubby||crybaby|young boy|||||what||| "Pavarti, I never knew you had a thing for the crybaby little chubby kid." 気 の 強そうな スリザリン の 女の子 、 パンジィ ・ パーキンソン が 冷やかした 。 き||きょうそうな|||おんなのこ||||ひやかした mood||seeming strong|||girl|Pansy|Parkinson||teased The strong-willed Slytherin girl, Pansy Parkinson, teased.

「 ごらん よ ! look|(used to get someone's attention) "Look! 」 マルフォイ が 飛び出して 草むら の 中 から 何 か を 拾い 出した 。 ||とびだして|くさむら||なか||なん|||ひろい|だした ||rushed out|grassland|||||||picked up| Malfoy jumped out and picked something out of the grass. 「 ロングボトム の ばあさん が 送って きた バカ 玉 だ 」 ||||おくって||ばか|たま| ||||sent|||| "It's a stupid ball sent by old lady Longbottom."

マルフォイ が 高々 と さし上げる と 、『 思い出し 玉 』 は キラキラ と 陽 に 輝いた 。 ||たかだか||さしあげる||おもいだし|たま||きらきら||よう||かがやいた ||high||held up||remembered|||||sun||shone Malfoy held it up high, and the 'memory ball' shone brightly in the sun.

「 マルフォイ 、 こっち へ 渡して もらおう 」 |||わたして| |||to hand|let me "Malfoy, let's get him over here."

ハリー の 静かな 声 に 、 みんな は おしゃべり を 止め 、 二 人 に 注目 した 。 ||しずかな|こえ||||||とどめ|ふた|じん||ちゅうもく| ||quiet|||||||stopped||||attention| At Harry's soft voice, everyone stopped talking and turned their attention to the two of them.

マルフォイ は ニヤリ と 笑った 。 ||||わらった ||sneered|| Malfoy grinned.

「 それ じゃ 、 ロングボトム が 後 で 取り に こら れる 所 に 置いて おく よ 。 ||||あと||とり||||しょ||おいて|| ||||||taken|locative particle|will come||||to place|putting it| "Then, put the long bottom in a place where you can get it later. そうだ な ── 木 の 上 なんて どう だい ? そう だ||き||うえ||| ||tree||||| Well, how about on a tree? 」 「 こっち に 渡せったら ! ||わたせ ったら ||was able to hand "If you can give it to me!" 」 ハリー は 強い 口調 で 言った 。 ||つよい|くちょう||いった |||tone|| Harry said in a strong tone. マルフォイ は ヒラリ と 箒 に 乗り 、 飛び上がった 。 ||ひらり||そう||のり|とびあがった ||lightly||broom||got on|jumped Malfoy rode on a broom and jumped up. 上手に 飛べる と 言って いた の は 確かに うそ で は なかった ── マルフォイ は 樫 の 木 の 梢 と 同じ 高 さ まで 舞い上がり 、 そこ に 浮いた まま 呼びかけた 。 じょうずに|とべる||いって||||たしかに|||||||かし||き||こずえ||おなじ|たか|||まいあがり|||ういた||よびかけた skillfully|able to fly||||||certainly|lie||||||oak||||treetop|quotation particle|||||soared|||hovered|floating|called It was certainly not a lie to say that he could fly well ── Malfoy soared to the same height as the treetops of the oak tree and called out while floating there.

「 ここ まで 取り に こい よ 、 ポッター 」 ||とり|||| here||fetch|||okay| "Come here, Potter"

ハリー は 箒 を つかんだ 。 ||そう|| ||||grabbed Harry grabbed his broom.

「 ダメ ! だめ no フーチ 先生 が おっしゃった でしょう 、 動いちゃ いけないって 。 |せんせい||||うごいちゃ|いけない って Hoochi|||said||move|you shouldn't Mr. Hooch said, you shouldn't move. 私 たち みんな が 迷惑 する の よ 」 わたくし||||めいわく||| ||||troubled||| We're all getting annoyed, you know"

ハーマイオニー が 叫んだ 。 ||さけんだ ||yelled Hermione shouted.

ハリー は 無視 した 。 ||むし| ||ignored| Harry ignored her. ドクン 、 ドクン と 血 が 騒ぐ の を 感じた 。 |||ち||さわぐ|||かんじた thump|thump||blood||racing|||sensed Dokun, I felt the blood making noise with Dokun. 箒 に またがり 地面 を 強く 蹴る と 、 ハリー は 急 上昇 した 。 そう|||じめん||つよく|ける||||きゅう|じょうしょう| ||straddle|ground|||kicked||||steep|ascend| Harry soared as he straddled his broomstick and kicked hard on the ground. 高く 高く 、 風 を 切り 、 髪 が なびく 。 たかく|たかく|かぜ||きり|かみ|| ||wind||cut|hair||flow High, high, cutting the wind, hair fluttering. マント が はためく 。 まんと|| ||flutters The cape flutters. 強く 激しい 喜び が 押し寄せて くる 。 つよく|はげしい|よろこび||おしよせて| strongly|intense|joy||rushing|coming Strong and intense joy is coming.

── 僕 に は 教えて もらわ なくて も できる こと が あった んだ ── 簡単だ よ 。 ぼく|||おしえて|||||||||かんたんだ| I|||told|to receive||||||||easy| ──There was something I could do without being taught ── It's easy. 飛ぶ って なんて 素晴らしい んだ ! とぶ|||すばらしい| fly|||wonderful| How wonderful it is to fly! もっと 高い ところ に 行こう 。 |たかい|||いこう Let's go higher.

ハリー は 箒 を 上向き に 引っ張った 。 ||そう||うわむき||ひっぱった ||||upward||pulled Harry pulled the broom upwards. 下 で 女の子 たち が 息 を のみ 、 キャーキャ一 言う 声 や 、 ロン が 感心 して 歓声 を 上げて いる の が 聞こえた 。 した||おんなのこ|||いき|||キャーキャ ひと|いう|こえ||||かんしん||かんせい||あげて||||きこえた ||girls|||breath||only|high-pitched voices||||||impressed||cheers|||||| Below, I could hear the girls breathing, screaming, and Ron screaming with admiration.

ハリー は クルリ と 箒 の 向き を 変え 、 空中 で マルフォイ と 向き合った 。 ||くるり||そう||むき||かえ|くうちゅう||||むきあった Harry||swiftly||broom||direction||changed|midair||||faced Harry turns his broom around and faces Malfoy in mid-air. マルフォイ は 呆然と して いる 。 ||ぼうぜんと|| ||dumbfounded|| Malfoy is stunned.

「 こっち へ 渡せ よ 。 ||わたせ| ||pass| "Give it here. でないと 箒 から 突き落として やる 」 |そう||つきおとして| if not|||push off| If you don't, I'll push you off the broom."

「 へえ 、 そうかい ? oh really|I see "Oh, really? 」 マルフォイ は せ せら 笑おう と した が 、 顔 が こわばって いた 。 ||||わらおう||||かお||| ||trying|trying|tried to smile||||||stiff| Malfoy tried to laugh, but his face was stiff. 不思議な こと に 、 どう すれば いい か ハリー に は わかって いた 。 ふしぎな||||||||||| strangely|||how||||||||knew Curiously, Harry knew what to do. 前屈み に なる 。 まえかがみ|| hunched|| Become leaning forward. そして 箒 を 両手 で しっかり と つかむ 。 |そう||りょうて|||| |||both hands||firmly||grab Then grab the broom firmly with both hands. すると 箒 は 槍 の ように マルフォイ めがけて 飛び出した 。 |そう||やり|||||とびだした then|||spear||||targeting|darted Then the broom jumped out at Malfoy like a spear. マルフォイ は 危 く かわした 。 ||き|| ||danger||avoided Malfoy narrowly dodges. ハリー は 鋭く 一 回転 して 、 箒 を しっかり つかみ なおした 。 ||するどく|ひと|かいてん||そう||||なお した ||sharply|once|spin||||firmly|grab|adjusted Harry spun around sharply and grabbed his broom back firmly. 下 で は 何 人 か 拍手 を して いる 。 した|||なん|じん||はくしゅ||| ||||||applause||| Some people are applauding below.

「 クラップ も ゴイル も ここ まで は 助け に こない ぞ 。 |||||||たすけ||| |||||||help||will not come| "Neither Clap nor Goyle can help you so far. ピンチ だ な 、 マルフォイ 」 ぴんち||| pinch||| It's a pinch, Malfoy "

マルフォイ も ちょうど 同じ こと を 考えた らしい 。 |||おなじ|||かんがえた| Malfoy seems to have thought about exactly the same thing.

「 取れる もの なら 取る が いい 、 ほら ! とれる|||とる||| able to take||if possible|to take||good| "If you can get it, you should take it, see! 」 と 叫んで 、 マルフォイ は ガラス 玉 を 空中 高く 放り投げ 、 稲妻 の ように 地面 に 戻って いった 。 |さけんで|||がらす|たま||くうちゅう|たかく|ほうりなげ|いなずま|||じめん||もどって| |yelling||||||midair||threw|lightning|||ground||| Malfoy threw a glass ball high in the air and returned to the ground like a lightning bolt. ハリー に は 高く 上がった 玉 が 次に 落下 し はじめる の が 、 まるで スローモーション で 見て いる ように よく 見えた 。 |||たかく|あがった|たま||つぎに|らっか||||||||みて||||みえた ||||rose||||fall||begin|||as if|slow motion|||||| To Harry, the rising ball then began to fall, which looked as if he was watching it in slow motion. ハリー は 前屈み に なって 箒 の 柄 を 下 に 向けた 。 ||まえかがみ|||そう||え||した||むけた ||bent forward|||broom||handle||||facing Harry leaned forward and turned the broomstick down. 次の 瞬間 、 ハリー は 一直線 に 急 降下 し 、 見るみる スピード を 上げて 玉 と 競走 して いた 。 つぎの|しゅんかん|||いっちょくせん||きゅう|こうか||みるみる|すぴーど||あげて|たま||きょうそう|| |moment|||in a straight line||quickly|descent||rapidly||||||race|doing| At the next moment, Harry plunged in a straight line, speeding up and racing with the ball. 下 で 見て いる 人 の 悲鳴 と 交じり 合って 、 風 が 耳元 で ヒューヒュー 鳴った ── ハリー は 手 を 伸ばす ── 地面 スレスレ の ところ で 玉 を つかんだ 。 した||みて||じん||ひめい||まじり|あって|かぜ||みみもと|||なった|||て||のばす|じめん|||||たま|| below||||||scream||mixed||||ear||whistling|rang|||||reached|ground|barely||||||grabbed Amidst the screams of the people watching from below, the wind whistled in Harry's ears as he reached out and grabbed the ball at ground level. 間一髪 で ハリー は 箒 を 引き上げ 、 水平に 立てなおし 、 草 の 上 に 転がる ように 軟 着陸 した 。 かんいっぱつ||||そう||ひきあげ|すいへいに|たてなおし|くさ||うえ||ころがる||なん|ちゃくりく| by a hair's breadth||||||pulled up|level|straightened up|grass||||rolled||soft|landing| With a close call, Harry pulled up his broom, adjusted it horizontally, and landed softly as if rolling on the grass. 「 思いだし 玉 」 を しっかり と 手のひら に 握りしめた まま 。 おもいだし|たま||||てのひら||にぎりしめた| |||firmly||palm||gripped| He firmly held onto the rememberall in the palm of his hand.

「 ハリー ・ ポッター …! 」 マクゴナガル 先生 が 走って きた 。 |せんせい||はしって| McGonagall|||running| McGonagall came running. ハリー の 気持 は 、 今しがた の ダイビング より なお 速い スピード で しぼんで いった 。 ||きもち||いましがた||だいびんぐ|||はやい|すぴーど||| ||feelings||just now||diving||even|fast|||shrinking| Harry's feelings were fading faster than his last dive. ハリー は ブルブル 震え ながら 立ち上った 。 ||ぶるぶる|ふるえ||たちのぼった ||shivering|trembling||stood up Harry stood up quivering.

「 まさか ── こんな こと は ホグワーツ で 一 度 も ……」 マクゴナガル 先生 は ショック で 言葉 も 出 なかった 。 ||||||ひと|たび|||せんせい||しょっく||ことば||だ| ||||Hogwarts|||time|||||shock||words||could not be found| "No way—this has never happened at Hogwarts..." Professor McGonagall was speechless in shock. メガネ が 激しく 光って いる 。 めがね||はげしく|ひかって| glasses||intensely|shining|is The glasses are shining violently.

「…… よくも まあ 、 そんな 大それた こと を …… 首 の 骨 を 折った かも しれ ない のに ──」 |||だいそれた|||くび||こつ||おった|||| how dare|well||outrageous|||neck||bone||broken|might||| "... well, well, doing such a big thing... I might have broken my neck—"

「 先生 、 ハリー が 悪い んじゃ ない んです ……」 せんせい|||わるい||| |||bad||| "Teacher, Harry isn't bad ..."

「 お だまり なさい 。 |quiet| "Shut up. ミス ・ パチル ──」 みす| miss|patchil Miss Patil--"

「 でも 、 マルフォイ が ……」 But, Malfoy...

「 くどい です よ 。 repetitive|| "It's tedious. ミスター ・ ウィーズリー 。 みすたー| Mr. Weasley . ポッター 、 さあ 、 一緒に いらっしゃい 」 ||いっしょに| ||together|please come Come on, Potter, come with me."

マクゴナガル 先生 は 大股 に 城 に 向かって 歩き 出し 、 ハリー は 麻痺 した ように トボトボ と ついて いった 。 |せんせい||おおまた||しろ||むかって|あるき|だし|||まひ|||とぼとぼ||| |||long strides||castle||||started walking|||paralyzed|||trudging||following|went Dr. McGonagall walked stride toward the castle, and Harry followed him as if he was paralyzed. マルフォイ 、 クラップ 、 ゴイル の 勝ち誇った 顔 が チラリ と 目 に 入った 。 ||||かちほこった|かお||ちらり||め||はいった ||||triumphant|||glance|||| I caught glimpses of the triumphant faces of Malfoy, Crapp and Goyle. 僕 は 退学 に なる んだ 。 ぼく||たいがく||| I||drop out||| I'm going to drop out. わかって る 。 I understand. 弁解 し たかった が 、 どういう わけ か 声 が 出 ない 。 べんかい|||||||こえ||だ| excuse|||but||reason||||| I wanted to explain myself, but for some reason I couldn't speak. マクゴナガル 先生 は 、 ハリー に は 目 も くれ ず 飛ぶ ように 歩いた 。 |せんせい|||||め||||とぶ||あるいた ||||||||giving||walked quickly|| McGonagall walked as if she were flying, not even looking at Harry. ハリー は ほとんど かけ足 に なら ない と ついて いけなかった 。 |||かけあし|||||| Harry||almost|running||||||able to keep up Harry had to almost take off to keep up.

── とうとう やって しまった 。 finally|| I finally did it. 二 週間 も もた なかった 。 ふた|しゅうかん||| |||also| It lasted less than two weeks. きっと 十 分 後 に は 荷物 を まとめる ハメ に なって いる 。 |じゅう|ぶん|あと|||にもつ|||||| surely||||||luggage||to pack|reason||| I'm sure it will be a squirrel to pack up the luggage in ten minutes. 僕 が 玄関 に 姿 を 現したら 、 ダーズリー 一家 は なんて 言う だろう ? ぼく||げんかん||すがた||あらわしたら||いっか|||いう| ||entrance||figure||appeared||Dursley family|||| When I appear at the entrance, what would the Dursleys say?

正面 階段 を 上がり 、 大理石 の 階段 を 上がり 、 それ でも マクゴナガル 先生 は ハリー に 一言 も 口 を きか ない 。 しょうめん|かいだん||あがり|だいりせき||かいだん||あがり||||せんせい||||いちげん||くち||| front|stairs||up|marble||stairs||||||||||||||said| Going up the front stairs, climbing the marble staircase, yet Professor McGonagall doesn't say a word to Harry. 先生 は ドア を グイッ と ひねる ように 開け 、 廊下 を 突き進む 。 せんせい||どあ||||||あけ|ろうか||つきすすむ ||||with a twist||twist||open|hallway||push forward The teacher opens the door with a twist and strides down the hallway. ハリー は 惨めな 姿 で 早 足 で ついていく …… たぶん 、 ダンブルドア の ところ に 連れて いく んだろう な 。 ||みじめな|すがた||はや|あし||||||||つれて||| ||miserable|figure||quick|pace||following||||||||| Harry looks miserable and trots after him... presumably leading him to Dumbledore. ハリー は ハグリッド の こと を 考えた 。 ||||||かんがえた Harry thought about Hagrid. 彼 も 退学 に は なった けど 、 森 の 番人 と して ここ に いる 。 かれ||たいがく|||||しげる||ばんにん||||| he||dropped out|||||||guard||||| He has also dropped out, but he is here as the keeper of the forest. もしかしたら ハグリッド の 助手 に なれる かも しれ ない 。 |||じょしゅ||||| maybe|||assistant||might become||| Maybe I could be Hagrid's assistant. ロン や 他の 子 が 魔法使い に なって いく の を そば で 見 ながら 、 僕 は ハグリッド の 荷物 を かついで 、 校庭 を は い ず り 回って いる んだ …… 想像 する だけ で 胃 が よじれる 思い だった 。 ||たの|こ||まほうつかい||||||||み||ぼく||||にもつ|||こうてい||||||まわって|||そうぞう||||い|||おもい| |||||||||||beside||||||Hagrid||luggage||carrying|schoolyard||locomoting|walking|around|nominalizer|||explanatory tone|imagine||||stomach||twisting|| Watching Ron and the other child become wizards by my side, I was wandering around the schoolyard with Hagrid's luggage ... I thought my stomach would be twisted just by imagining it. ..

マクゴナガル 先生 は 教室 の 前 で 立ち止まり 、 ドア を 開けて 中 に 首 を 乗っ込んだ 。 |せんせい||きょうしつ||ぜん||たちどまり|どあ||あけて|なか||くび||じょう っ こんだ |||classroom||||stopped||||||head||stuck Dr. McGonagall stopped in front of the classroom, opened the door and got his neck inside. 「 フリットウィック 先生 。 |せんせい Flitwick| Dr. Flitwick. 申し訳 ありません が 、 ちょっと ウッド を お 借り できません か 」 もうしわけ|あり ませ ん||||||かり|でき ませ ん| sorry||||wood|||borrow|| I'm sorry, can you borrow a little wood? " ウッド ? wood Wood? ウッド つて 、 木 の こと ? ||き|| wood|connection|wood||thing About wood, is it wood? 僕 を 叩く ため の 棒 の こと か な 。 ぼく||たたく|||ぼう|||| ||hit|||stick|||| It's a stick to hit me. ハリー は わけ が わから なかった 。 Harry didn't understand why.

ウッド は 人間 だった 。 ||にんげん| wood||human| Wood was a human being. フリットウィック 先生 の クラス から 出て きた の は たくましい 五 年生 で 、 何ごと だろう と いう 顔 を して いた 。 |せんせい||くらす||でて|||||いつ|ねんせい||なにごと||||かお||| Fritwick|||||||||strong||fifth grader||matter||||||| Miss Flitwick's class came out of a burly fifth-grader with a puzzled look on his face.

「 二 人 と も 私 に ついて いらっしゃい 」 ふた|じん|||わたくし||| two|||||||please come "Come with me together."

そう 言う なり マクゴナガル 先生 は どんどん 廊下 を 歩き 出した 。 |いう|||せんせい|||ろうか||あるき|だした ||||||briskly|corridor||| As soon as he said that, Professor McGonagall started walking down the corridor. ウッド は 珍しい もの でも 見る ように ハリー を 見て いる 。 ||めずらしい|||みる||||みて| wood||unusual|||||||| Wood looks at Harry as if he were looking at a rare object.

「 お 入り なさい 」 |はいり| (honorable prefix)||please "Please come in"

マクゴナガル 先生 は 人気 の ない 教室 を 指し示した 。 |せんせい||にんき|||きょうしつ||さししめした |||unpopular|||classroom||indicated Dr. McGonagall pointed to an unpopular classroom. 中 で ピーブズ が 黒板 に 下品な 言葉 を 書きなぐ つて いた 。 なか||||こくばん||げひんな|ことば||かきなぐ|| ||PBs||blackboard||vulgar|words||scribbling|connection| Inside, Peeves was scribbling vulgar words on the blackboard.

「 出て いき なさい 、 ピーブズ ! でて||| Go away, Peeves! 」 先生 に 一喝 されて ピーブズ の 投げた チョーク が ゴミ 箱 に 当たり 、 大きな 音 を たてた 。 せんせい||いっかつ|さ れて|||なげた|ちょーく||ごみ|はこ||あたり|おおきな|おと|| ||severe rebuke||||threw|chalk|||trash can||hit|loud|||made After a nudge from the teacher, Peeves' chalk hit the trash can and made a loud noise. ピーブズ は 捨て ぜ り ふ を 吐き ながら スイーッ と 出て いった 。 ||すて|||||はき||||でて| Peebs||thrown|emphatic particle|particle|||spat||swishing||| Peeves swiped his tongue and swept out of the room. マクゴナガル 先生 は その 後ろ から ドア を ピシャリ と 閉めて 、 二 人 の 方 に 向きなおった 。 |せんせい|||うしろ||どあ||ぴしゃり||しめて|ふた|じん||かた||むきなおった ||||||||with a sharp sound||closed||||||turned McGonagall slammed the door behind her and turned to face them.

「 ポッター 、 こちら 、 オリバー ・ ウッド です 。 |here|Oliver|Wood| "Potter, this is Oliver Wood. ウッド 、 シーカー を 見つけました よ 」 |||みつけ ました| |seeker||found| Wood, I've found the Seeker." 狐 に つまま れた ようだった ウッド の 表情 が ほころんだ 。 きつね|||||||ひょうじょう|| fox||grabbed|||||expression||softened Wood's expression softened, as if he had been caught by a fox.

「 本当です か ? ほんとうです| Is it true| "Is it true?" 」 「 間違い ありません 」 先生 は きっぱり と 言った 。 まちがい|あり ませ ん|せんせい||||いった mistake||||firmly|| "No mistake," the teacher said firmly. 「 この 子 は 生まれつき そう な んです 。 |こ||うまれつき||| |||naturally||| "This child is likely to be born. あんな もの を 私 は 初めて 見ました 。 |||わたくし||はじめて|み ました |||||for the first time| I saw such a thing for the first time. ポッター 、 初めて な んでしょう ? |はじめて|| |for the first time|| Potter, isn't it the first time? 箒 に 乗った の は 」 そう||のった|| ||rode|| I got on the broom. "

ハリー は 黙って うなずいた 。 ||だまって| ||quietly|nodded Harry silently nodded. 事態 が どう なって いる の か 、 さっぱり わから なかった が 、 退学 処分 だけ は 免れ そうだ 。 じたい|||||||||||たいがく|しょぶん|||まぬがれ|そう だ situation|||||||not at all||||dropping out|disciplinary action|||to escape| I had no idea what was going on, but it seemed like I would be able to avoid expulsion. ようやく 足 に も 感覚 が 戻って きた 。 |あし|||かんかく||もどって| finally|leg|||sensation||returned| Finally, the sensation has returned to my feet. マクゴナガル 先生 が ウッド に 説明 して いる 。 |せんせい||||せつめい|| |||Wood||explaining|| Professor McGonagall is explaining to Wood.

「 この 子 は 、 今 手 に 持って いる 玉 を 、 十六 メートル も ダイビング して つかみました 。 |こ||いま|て||もって||たま||じゅうろく|めーとる||だいびんぐ||つかみ ました ||||||holding||||sixteen|||diving||grabbed "This child dived 16 meters and grabbed the ball in his hand. かすり傷 ひと つ 負わ ず に 。 かすりきず|||おわ|| minor scratch|one||suffer||without Without scratching one by one. チャーリー ・ ウィーズリー だって そんな こと できません でした よ 」 |||||でき ませ ん|| Charlie Weasley couldn't do that. " ウッド は 夢 が 一挙に 実現 した と いう 顔 を した 。 ||ゆめ||いっきょに|じつげん||||かお|| ||dream||at once|realization|||||| Wood's face showed that his dream had come true all at once.

「 ポッター 、 クィディッチ の 試合 を 見た こと ある かい ? |||しあい||みた||| |||match||||| "Potter, have you ever seen a Quidditch match? 」 ウッド の 声 が 興奮 して いる 。 ||こえ||こうふん|| ||||excited|| Wood's voice is excited.

「 ウッド は グリフィンドール ・ チーム の キャプテン です 」 先生 が 説明 して くれた 。 |||ちーむ||きゃぷてん||せんせい||せつめい|| |||||captain||||explanation|| Wood is the captain of the Gryffindor team. The teacher explained it to me.

「 体格 も シーカー に ぴったり だ 」 たいかく||||| build||seeker||perfect| "The physique is also perfect for a seeker."

ウッド は ハリー の 回り を 歩き ながら しげしげ 観察 して いる 。 ||||まわり||あるき|||かんさつ|| ||||around||walking||intently|observing|| Wood is observing as he walks around Harry.

「 身軽 だ し …… すばしこい し …… ふさわしい 箒 を 持た せ ない と いけません ね 、 先生 ── ニンバス 2000 と か 、 クリーンスイープ の 7 番 なんか が いい です ね 」 みがる||||||そう||もた||||いけ ませ ん||せんせい||||||ばん||||| nimble|||agile||appropriate|broom|||||||right||Nimbus|||clean sweep||number||||| "You're light, you're ...... fast, and you need a broom that ...... fits the bill, sir. 「 私 から ダンブルドア 先生 に 話して みましょう 。 わたくし|||せんせい||はなして|み ましょう ||Dumbledore|||| Let me talk to Professor Dumbledore. 一 年生 の 規則 を 曲げられる か どう か 。 ひと|ねんせい||きそく||まげ られる||| |||rules||can be bent||| I don't know if I can bend the first-year rule. 是が非でも 去年 より は 強い チーム に しなければ 。 ぜがひでも|きょねん|||つよい|ちーむ||し なければ at all costs|last year|||strong|||must do We have to make our team stronger than last year, no matter what it takes. あの 最終 試合 で スリザリン に ペシャンコ に されて 、 私 は それ から 何 週間 も セブルス ・ スネイプ の 顔 を まともに 見られません でした よ ……」 |さいしゅう|しあい||||||さ れて|わたくし||||なん|しゅうかん|||||かお|||み られ ませ ん|| |final|match||||flattened||||||||weeks||Severus|||||properly|couldn't see|| After getting knocked flat by a Slytherin in the final match, I couldn't look Severus Snape in the face for weeks afterwards. ......" マクゴナガル 先生 は メガネ ご し に 厳格な 目つき で ハリー を 見た 。 |せんせい||めがね||||げんかくな|めつき||||みた |||glasses|honorable|||stern|glare|||| McGonagall looked at Harry sternly through her glasses.

「 ポッター 、 あなた が 厳しい 練習 を 積んで いる と いう 報告 を 聞きたい もの です 。 |||きびしい|れんしゅう||つんで||||ほうこく||きき たい|| |||strict|training||accumulated||||report||want to hear|| "Potter, I'd like to hear that you've been practicing hard. さ も ない と 処罰 に ついて 考え 直す かも しれません よ 」 ||||しょばつ|||かんがえ|なおす||しれ ませ ん| perhaps||||punishment||||to correct||might not know| Otherwise, we may rethink the punishment. " それ から 突然 先生 は にっこり した 。 ||とつぜん|せんせい||| ||suddenly|||with a smile| Then suddenly the teacher smiled.

「 あなた の お 父 さま が どんなに お 喜び に なった こと か 。 |||ちち|||||よろこび|||| ||||||how much||joy|||| "I can only imagine how pleased your father must have been. お 父 さま も 素晴らしい 選手 でした 」 |ちち|||すばらしい|せんしゅ| honorable|father|||wonderful|player| My father was also a great athlete."