こども に 学ぶ 明るい 未来 の 作り 方 | 小竹 めぐみ | TEDxFukuoka
字幕 : Takahiro Shimpo 校正 : Takafusa Kitazume
自然の もの は みんな 違った 形 を 持って います
例えば 空 の 雲 も
海辺 の 貝殻 も
小石 も
一つ一つ が 違う
それ こそ が 自然な ん です
そして 私 たち 人間 も
違う 形 を 持ってる よ と
それ を 私 に 教えて くれた の は
小さな 小さな 子供 たち でした
保育 士 と 聞く と 皆さん どんな 仕事 を 思い浮かべます か?
子供 に 寄り添って 生活 の お 世話 を したり 遊んだり
実は 私 は それ と は 少し 違う 保育 士 と して 生きて います
私 は 園 に は 属さ ず に 自由に 動き回って
子供 に とって 良い 環境 を 作る
それ を 自分 の 仕事 に して います
これ は 私 の 形 を 生かして
自分 で 選んで 創って いった 保育 士 の 形 です
保育 士 を して 私 は
何 百 人 と いう 子供 たち に 出会って きました が
彼ら が 私 に 教えて くれた
たった 一 つ の シンプルな こと
それ を 今日 は 皆さん に お 伝え し たくて
ここ に 立って います
昔 の 話 を 少し さ せて ください
私 の 保育 士 一 年 目 の 時 の 話 です
たくさんの 感動 と ショック 色 んな 出会い が ありました
その 中 でも 印象 的だった 子供 の 話
ある 男の子 は いつも おもちゃ を 投げつけて いた
私 は 「壊れちゃ うよ 」と 伝えました
すると ケロッ と した 顔 で
「また 買えば いい じゃ ん 」と 教えて くれました
なんで そんな こと 言う んだろう と 思いました が
でも よく 考えた ん です
私 も 物 が 壊れたら 買ってる なあ と
そう 彼ら は よく 見て いる
そして 私 たち 大人 の 行動 を
言葉 を 吸収 して いる だけ な ん です
また こんな 子 も いました
「お 絵かき を しよう ね 」と いう 時間 に
何も し ない そして 不安 げ に 言う ん です
「何 色 で 描く の ?何 描けば いい?
先生 描いて 」と
なんで か なあ と 思って いる と
お迎え に きた お母さん は その 子 に
「はい 鞄 持って 、はい 靴 は いて
はい 早く 行く わ よ 」と
その 子 が 考える 余地 も 与え ず に
たくさん 言葉 を 与えて いました
勿論 悪気 が あって じゃ ありません
また こんな こと も よく ありました
「チック 」って 聞いた こと あります か?
いつも と は 違う 行動 を 子供 が する こと が あります
爪 を 噛んだり
性器 を いじったり
大人 は 止め させよう と します が 止まら ない ん です
そんな 時 私 は 保護者 の 方 と
たくさん 対話 を しました
「最近 どう です か ?」と
すると 実は 最近 こんな こと が あって イライラ して た と か
こんな 変化 が あって すごく 落ち込んで た と か
そんな こと が 出て きます
そして たくさん たくさん 聞いて
ふっと 肩 の 力 が 下りる 瞬間 が ある ん です
そう する と 子供 の チック は
きれいさっぱり 直って いる
そんな 事例 を 私 は
目の前 で ゴロゴロ と 見て きました
保育 士 一 年 目 私 が 知った こと は
子供 は 私 たち 大人 の 鏡
そんな こと に 気付いた 2006年
私 は アマゾン 川 へ 旅行 に 行った ん です
そして ここ で 一 つ
大切な 問い を 持ち帰る こと に なりました
葉っぱ や 小鳥 たくさん の 命 に 囲まれて
「ああ 人間 も 自然の 一部 だ 」と 思った ん です
その 時 「人間 の 自然な 状態って どんなだろう」
と 浮かび上がりました
そして 帰国 後
答え は 子供 たち の 中 に ありました
彼ら は 大いに 泣いて
大いに 笑います
そして 思いっきり いじけます ね
そして タタタ と 近づいて きた か と 思えば
「めぐ 先生 大好き 」と 言って 逃げたり します
雨 の 日 に は しずく の ダンス を 踊って
晴れの 日 に は お 日 様 の 歌 を 歌って いる
そう 彼ら は 自分 に とても 素直に 生きて いる ん です
そして ない もの を 欲しがる んじゃ なくって
ある もの に 目 を 向けて
喜び 楽しんで いる
人間 の 自然な 姿って
これ な んだ な と 私 は 実感 しました
さて 先ほど 言いました
大人 たち は 子供 たち に
たくさんの 影響 を 与えて いる
でも 現代 の 大人 たちって どう でしょう か?
たくさんの 保護者 の 方 に 出会って きました し
たくさんの 保育 士 の 人 と 一緒に 働いて きました が
全員 では ありません
けれど 多く の 大人 が とても 忙しい
そして 心 が 疲れて いる
例えば 生涯 に 一 度
うつ病 に かかる と 言われて いる 人間 は 15人 に 1人
そして 今 100万人 を 超える 人 が
医療 機関 に うつ病 患者 と して 通って いる
そんな 現状 が あります
更に その 患者 さん は
ほとんど 子育て 世代 に とても 集中 して いる
保育 士 さん も そう です
更に 2010年 に は
児童 虐待 の 相談 件数 が 5万件 を 超えました
それ ら の 大人 の ストレス や 疲弊
全部 子供 たち に 伝わって います
言葉 で 、態度 で 、エネルギー で
悪気 が なくて も 伝わって いく
その 結果 ニュース に 出たり 出 なかったり して
いじめ や 学級 崩壊 、ひきこもり など
今度 は 子供 たち の 心 に
鏡 と なって 映って いって いる
そんな 負 の チェーン 現象 が ある と 私 は 感じて います
さて 私 は 何 が できる んだろう
保育 士 は 卒園 して しまったら 何も でき ない
そう 思って 無力 感 に 襲われて 泣いた 日 が ありました
でも よく 考えたら
それ は 概念 かも しれ ない そう 思った ん です
そんなに 影響 力 が ある なら
私 は 保育 士 と して 子供 だけ で は なく
子供 の 隣 に いる 大人 が 笑顔 に なる お 手伝い も したい
私 は 欲張りに なりました
どうして 笑顔 に なら ないって?
それ は 一生懸命
大人 たち は 理想 に 近づこう と
同じ よう に しよう と
完璧に し なくちゃ と
頑張って いる から
そして 自分 を どこ か に 置き忘れて きて しまう
実は 私 は 今 こんな ところ に 立って 皆さん に お 話し を して います が
元々 生き生き と 生きて いた わけで は ない ん です
私 の 話 を 少し だけ したい と 思います
元々 私 は とって も おっちょこちょいで
一 日 に 何度 も 物 を 失 く したり 落としたり して
大騒ぎ な ん です
そして 小さい ころ から 周り の 大人 に
「なんで ちゃんと でき ない んだ!」
「なんで そんなに 不注意な んだ!」
と 怒られて きました
その 度 に 私 は 私 を 怒りました
「なんで みんな と 同じ よう に でき ない の ?」と
大人 に なって から も
実は 当たり前の 業務 が でき なかったり して
「こんな こと が 出来 ない なんて 保育 士 失格 だ よ 」なんて
先輩 に 言われた こと も あった ん です
本当に そうだ よ なあ と 思って
また 私 を 怒りました
けれど 目の前 の 子供 たち を 見て みたら
耳 の 聞こえ ない 女の子 がいたん です が
その 子 に いつも 優しく して いる 男の子 が いた ん です
そして 耳 の 聞こえ ない 女の子 は 手先 が とても 器用だった から
靴 ひも を 結んで あげて いました
その 支え合い を 見た 時 に
「ああ これ だ 」と 思った ん です
よく 見たら そこ だけ じゃ ない
子供 たち は 色々な できる こと と 、でき ない こと を
支え合って 暮らして いた ん です
私 たち は そう やって
支え合う こと が できる こと を
いつしか 忘れて いって しまった の かも しれ ない
そして 一 年 半 前 です
私 に とって とても 大切な
最後 の 1ピース が 揃った ん です
ひょんな きっかけ から 私 は 病院 で 診断 を 受ける こと に なりました
私 は 発達 障害 だった みたいです
診断 書 を 手 に 持って プルプル と 震えました
そして 涙 が 流れた
だって ようやく 言える ん です 「なんで でき ない の 私 」じゃ なくて
「でき なかった んだ よ ね 」って
「でも 頑張った ね 」って ようやく 認めて あげられた ん です
とても 素敵な 先生 が こんな こと を 言いました
「あなた は でき ない こと が ある けど できる こと が ある よ ね
人って プラスマイナスゼロ
みんな そう な んだ よ 」って 言いました
私 は 母親 に 電話 を して
こんな スペシャルに 生んで くれて ありがとう と 言いました
自分 を 知って 、愛した 時
そこ から 私 の 世界 は 動き出した ん です
自分 の 形 を 勇気 を 持って 知る
そして それ を 受け入れる と どう なる か
目の前 に いる 人 の 形 が 見えて くる
デコボコ が 愛 おしく なる
そして あの 小さな 子 たち の よう に
活 かし 合える
違い を 活 かし 合う と いう こと が その後 できて いく ん です
人 に は 役割 が ある と 感じて います
自分 の 形 を 知る こと から それ は 始まります
私 は ただ この 言葉 を
言いたい だけ な ん です 子供 たち に
「その まん ま 大きく なって ね」
これ を 言う ため に なにも 千 人 、1万人
社会 を 変えよう じゃ なくて も いい ん です
たった 一 つ の 家族 から でも いい
たった 数 人 の 仲良し グループ から でも いい から
違い を 生かし 合う こと を 始めて みません か?
だって 私 たち は 自然の 一部 だから
今日 は 皆さん に 私 から 伝えたい こと が あった ので
短い 短い 手紙 を 書いて きました
最後に 伝え させて ください
デコボコ な あなた へ
不器用で ありがとう
寂し がり 屋 で ありがとう
わがままで ありがとう
でき ない あなた で ありがとう
あなた の デコボコ が
私 と 誰 か の ありのまま を 支えて くれる
あなた は どんな 形 を して います か?
世界 で たった 一 人 の あなた
私 は これ から も 私 に できる やり 方 で
私 らしい 保育 士 と して 生きて いきたい と 思って います
是非 手 を 繋いで ください
(拍手)