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よだかの星 (宮沢 賢治), よだか の 星 (宮沢 賢治 ) 第 三 夜

よだか の 星 (宮沢 賢治 ) 第 三 夜

霧 が はれて 、 お 日 さま が ちょうど 東 から 昇りました 。 夜だか は ぐらぐら する ほど まぶしい の を こらえて 、 矢 の ように 、 そっち へ 飛んで 行きました 。 「 お 日 さん 、 お 日 さん 。 どうぞ 私 を あなた の 所 へ 連れてって 下さい 。 焼けて 死んで も かまいません 。 私 の ような みにくい 体 でも 焼けて 時 に は 小さな 光 を 出す でしょう 。 どうか 私 を 連れてって 下さい 。」 行って も 行って も 、 お 日 さま は 近く なりません でした 。 かえって だんだん 小さく 遠く なり ながら お 日 さま が 言いました 。 「 お前 は よだか だ な 。 なるほど 、 ずいぶん つらかろう 。 今度 空 を 飛んで 、 星 に そう 頼んで ごらん 。 お前 は 昼 の 鳥 で は ない のだ から な 。」

夜だか は おじぎ を 一つ した と 思いました が 、 急に ぐらぐら して とうとう 野原 の 草 の 上 に 落ちて しまいました 。 そして まるで 夢 を 見て いる ようでした 。 からだ が ずっと 赤 や 黄 の 星 の あいだ を のぼって 行ったり 、 どこまでも 風 に 飛ばされたり 、 また 鷹 が 来て 、 体 を つかんだり した ようでした 。 冷たい もの が にわかに 顔 に 落ちました 。 よだか は 眼 を 開きました 。 一本 の 若い すすき の 葉 から 露 が したたった の でした 。 もう すっかり 夜 に なって 、 空 は 青 黒く 、 一面の 星 が またたいて いました 。 よだか は 空 へ 飛びあがりました 。 今夜 も 山やけ の 火 は 真っ赤 です 。 よだか は その 火 の かすかな 照り と 、 冷たい 星 明り の 中 を 飛び 巡りました 。 それから もう いっぺん 飛び 巡りました 。 そして 思い切って 西 の 空 の あの 美しい オリオン の 星 の 方 に 、 まっすぐに 飛び ながら 叫びました 。 「 お 星 さん 。 西 の 青白い お 星 さん 。 どうか 私 を あなた の ところ へ 連れてって 下さい 。 焼けて 死んで も かまいません 。」 オリオン は 勇ましい 歌 を 続け ながら よだか など は てんで 相手 に しません でした 。 よだか は 泣き そうに なって 、 よろよろ と 落ちて 、 それから やっと 踏み 止って 、 もう いっぺん 飛び 巡りました 。 それから 、 南 の 大犬座 の 方 へ まっすぐに 飛び ながら 叫びました 。 「 お 星 さん 。 南 の 青い お 星 さん 。 どうか 私 を あなた の 所 へ つれてって 下さい 。 焼けて 死んで も かまいません 。」 大犬 は 青 や 紫 や 黄 や うつくしく せわしく またたき ながら いいました 。 「 馬鹿 を いう な 。 おまえ なんか 一体 どんな もの だい 。 たか が 鳥 じゃ ない か 。 おまえ の はね で ここ まで 来る に は 、 億 年 兆 年 億兆 年 だ 。」

そして また 別の 方 を 向きました 。 よだか は がっかり して 、 よろよろ 落ちて 、 それから また 、 二へん 飛び めぐりました 。 それから また 思い切って 北 の 大熊星 の 方 へ まっすぐに 飛び ながら 叫びました 。 「 北 の 青い お 星 さま 、 あなた の 所 へ どうか 私 を 連れてって 下さい 。」 大熊星 は 静かに 言いました 。 「 余計な こと を 考える もの で は ない 。 少し 頭 を 冷やして 来 なさい 。 そう 言う とき は 、 氷山 の 浮いて いる 海 の 中 へ 飛び込む か 、 近く に 海 が なかったら 、 氷 を 浮かべた コップ の 水 の 中 へ 飛び込む の が 一 等 だ 。」

よだか は がっかり して 、 よろよろ 落ちて 、 それから また 、 四へん そら を めぐりました 。 そして もう 一度 、 東 から 今 のぼった 天の川 の 向う 岸 の 鷲 の 星 に 叫びました 。 「 東 の 白い お 星 さま 、 どうか 私 を あなた の 所 へ 連れてって 下さい 。 焼けて 死んで も かまいません 。」 鷲 は 大 風 に 言いました 。 「 いいや 、 とても とても 、 話 に も 何にも なら ん 。 星 に なる に は 、 それ 相応 の 身分 で なくちゃ いかん 。 また よほど 金 も いる のだ 。」

よだか は もう すっかり 力 を 落して しまって 、 羽 を 閉じて 、 地 に 落ちて 行きました 。 そして もう 一尺 で 地面 に その 弱い 足 が つく と いう とき 、 よだか は にわかに のろし の ように 空 へ 飛び上がりました 。 空 の 中ほど へ 来て 、 よだか は まるで 鷲 が 熊 を 襲う とき する ように 、 ぶるっと 体 を 揺すって 毛 を 逆立てました 。 それから キシキシキシキシキシッ と 高く 高く 叫びました 。 その 声 は まるで 鷹 でした 。 野原 や 林 に 眠って いた 他 の 鳥 は 、 みんな 目 を 覚まして 、 ぶるぶる ふるえ ながら 、 いぶかし そうに 星空 を 見あげました 。 夜だか は 、 どこまでも 、 どこまでも 、 まっすぐに 空 へ 上って 行きました 。 もう 山焼け の 火 は たばこ の 吸殻 の くらい に しか 見えません 。 よだか は 上って 上って 行きました 。 寒さ に 息 は 、 胸 に 白く 凍りました 。 空気 が うすく なった 為 に 、 はね を それはそれは せわしく 動かさ なければ なりません でした 。 それ だ のに 、 星 の 大きさ は 、 さっき と 少しも 変りません 。 つく 息 は ふいご の ようです 。 寒さ や 霜 が まるで 剣 の ように よだか を 刺しました 。 よだか は 羽 が すっかり しびれて しまいました 。 そして 涙ぐんだ 目 を あげて もう いっぺん 空 を 見ました 。 そう です 。 これ が よだか の 最後 でした 。 もう よだか は 落ちて いる の か 、 上って いる の か 、 逆さ に なって いる の か 、 上 を 向いて いる の かも 、 わかりません でした 。 ただ 心持ち は 安らかに 、 その 血 の ついた 大きな くちばし は 、 横 に まがって は 居ました が 、 たしかに 少し 笑って おりました 。 それから しばらく たって よだか は はっきり 眼 を ひらきました 。 そして 自分 の 体 が いま 燐 の 火 の ような 青い 美しい 光 に なって 、 静かに 燃えて いる の を 見ました 。 すぐ 隣 は 、 カシオピア座 でした 。 天の川 の 青白い 光 が 、 すぐ 後ろ に なって いました 。 そして よだか の 星 は 燃え 続けました 。 いつまでも いつまでも 燃え 続けました 。 今でも まだ 、 燃えて います 。

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よだか の 星 (宮沢 賢治 ) 第 三 夜 よ だ か||ほし|みやさわ|けんじ|だい|みっ|よ The Nighthawk Star (Kenji Miyazawa) Third Night Yodaka no Hoshi (Kenji Miyazawa), Noche 3 Yodaka no Hoshi (Kenji Miyazawa), Nuit 3 Yodaka no Hoshi (Kenji Miyazawa), Notte 3 よ だ か の 星 (宮沢 賢治 ) 第 三 夜 요다카의 별 (미야자와 겐지) 세 번째 밤 Yodaka no Hoshi (Kenji Miyazawa), nacht 3 Yodaka no Hoshi (Kenji Miyazawa), Noc 3 Yodaka no Hoshi (Kenji Miyazawa), Noite 3 Yodaka no Hoshi (Kenji Miyazawa), ночь 3 Yodaka no Hoshi (Кендзі Міядзава), ніч 3 Yodaka no Hoshi(宫泽健二),第 3 夜 夜高之星(宮澤賢治)第三夜

霧 が はれて 、 お 日 さま が ちょうど 東 から 昇りました 。 きり||||ひ||||ひがし||のぼり ました 雾||晴朗地||||||东||升起来 ||cleared up||||||||rose up ||si è schiarito||||||||è sorto The fog spilled and the sun just rose from the east. La nebbia si è diradata e il sole è sorto proprio a est. 夜だか は ぐらぐら する ほど まぶしい の を こらえて 、 矢 の ように 、 そっち へ 飛んで 行きました 。 よ だ か|||||||||や|||||とんで|いき ました At night, it was so dazzling that it flew away like an arrow. Resistendo a quanto fosse accecante, quasi da far girare la testa di notte, volai in quella direzione come una freccia. 「 お 日 さん 、 お 日 さん 。 |ひ|||ひ| |||||sun "Sun, sun. "Oh sole, oh sole." どうぞ 私 を あなた の 所 へ 連れてって 下さい 。 |わたくし||||しょ||つれて って|ください |||||||take me| |||||||portare| Please take me to you. Per favore, portami da te. 焼けて 死んで も かまいません 。 やけて|しんで||かまい ませ ん burned|||doesn't matter bruciato|morire||non importa I don't care if I burn to death. Non mi importa se brucio e muoio. 私 の ような みにくい 体 でも 焼けて 時 に は 小さな 光 を 出す でしょう 。 わたくし||||からだ||やけて|じ|||ちいさな|ひかり||だす| ||||||burned|||||||| |||brutto||||||||||| Even a hard-to-see body like me will emit a small amount of light when it burns. Anche un corpo brutto come il mio potrebbe emettere una piccola luce quando brucia. どうか 私 を 連れてって 下さい 。」 |わたくし||つれて って|ください please|||| Please take me with me. " Per favore, portami con te. 行って も 行って も 、 お 日 さま は 近く なりません でした 。 おこなって||おこなって|||ひ|||ちかく|なり ませ ん| went|||||||||| Whether I went or went, the sun wasn't near. Anche se andai, il sole non si avvicinava. かえって だんだん 小さく 遠く なり ながら お 日 さま が 言いました 。 ||ちいさく|とおく||||ひ|||いい ました on the contrary|||||||||| invece|||||||||| On the contrary, the sun said as it became smaller and farther away. Invece, il sole continuava a diventare sempre più piccolo e lontano, e disse. 「 お前 は よだか だ な 。 おまえ||よ だ か|| "You are the one. なるほど 、 ずいぶん つらかろう 。 I see|quite|must be tough ||sarà difficile I see, it will be a lot of pain. 今度 空 を 飛んで 、 星 に そう 頼んで ごらん 。 こんど|から||とんで|ほし|||たのんで| |||||||ask| Fly in the sky next time and ask the stars to do so. La prossima volta prova a volare nel cielo e chiedi così alle stelle. お前 は 昼 の 鳥 で は ない のだ から な 。」 おまえ||ひる||ちょう|||||| You are not a bird in the daytime. " Non sei un uccello diurno, quindi.

夜だか は おじぎ を 一つ した と 思いました が 、 急に ぐらぐら して とうとう 野原 の 草 の 上 に 落ちて しまいました 。 よ だ か||||ひと つ|||おもい ました||きゅうに||||のはら||くさ||うえ||おちて|しまい ました ||||||||||||alla fine|prato||||||| I thought I had one bow at night, but suddenly it shook and finally fell on the grass in the field. Pensai che fosse notte e feci un inchino, ma all'improvviso cominciai a vacillare e finii col cadere sopra l'erba del campo. そして まるで 夢 を 見て いる ようでした 。 ||ゆめ||みて|| |just like|||||like ||||||sembrava And it was as if I was dreaming. E sembrava quasi di stare sognando. からだ が ずっと 赤 や 黄 の 星 の あいだ を のぼって 行ったり 、 どこまでも 風 に 飛ばされたり 、 また 鷹 が 来て 、 体 を つかんだり した ようでした 。 |||あか||き||ほし|||||おこなったり||かぜ||とばされたり||たか||きて|からだ|||| |||||giallo||||間||è salito|||||essere stato portato via|||||||afferrare|| It seemed that the body climbed between the red and yellow stars, was blown by the wind forever, and the hawk came and grabbed the body. Il corpo saliva tra stelle rosse e gialle, veniva soffiato dal vento senza fine, e sembrava che un falco venisse a afferrarlo. 冷たい もの が にわかに 顔 に 落ちました 。 つめたい||||かお||おち ました |||突然||| cold|||suddenly||| ||||||è caduto A cold thing suddenly fell on my face. Qualcosa di freddo cadde improvvisamente sul viso. よだか は 眼 を 開きました 。 よ だ か||がん||あき ました Yodaka opened his eyes. Yodaka aprì gli occhi. 一本 の 若い すすき の 葉 から 露 が したたった の でした 。 ひと ほん||わかい|||は||つゆ|||| The dew was dripping from a single young pampas grass leaf. Una goccia di rugiada scivolò da una giovane foglia di pappo. もう すっかり 夜 に なって 、 空 は 青 黒く 、 一面の 星 が またたいて いました 。 ||よ|||から||あお|くろく|いちめんの|ほし|||い ました |completely||||||||whole surface of|||twinkling| |||||||||a tutta vista|||brillava| |||||||||uma vasta extensão de|||brilhava| It was already night, the sky was blue and black, and all the stars were fluttering. Era già completamente notte, il cielo era blu scuro e un'intera distesa di stelle brillava. よだか は 空 へ 飛びあがりました 。 よ だ か||から||とびあがり ました ||||è saltato Yodaka jumped into the sky. 今夜 も 山やけ の 火 は 真っ赤 です 。 こんや||やま やけ||ひ||まっか| The fire in the mountains is bright red tonight as well. Questa notte anche il fuoco del monte è rosso vivo. よだか は その 火 の かすかな 照り と 、 冷たい 星 明り の 中 を 飛び 巡りました 。 よ だ か|||ひ|||てり||つめたい|ほし|あかり||なか||とび|めぐり ました ||||||luce||||luce delle stelle||||volò|volò Yodaka flew through the faint glow of the fire and the cold starlight. La rondine ha volato attorno a quella debole luce del fuoco, tra il freddo chiarore delle stelle. それから もう いっぺん 飛び 巡りました 。 それ から|||とび|めぐり ました ||una volta|| Then I flew around again. Dopo, ha volato di nuovo in giro. そして 思い切って 西 の 空 の あの 美しい オリオン の 星 の 方 に 、 まっすぐに 飛び ながら 叫びました 。 |おもいきって|にし||から|||うつくしい|||ほし||かた|||とび||さけび ました ||西||||||猎户座||||||||| ||||||||Orion|||||||||shouted ||||||||Orione||||||||| Then he took the plunge and shouted straight to the beautiful Orion star in the western sky. Luego dio el paso y le gritó directamente a la hermosa estrella de Orión en el cielo occidental. 「 お 星 さん 。 |ほし| "Ohoshi-san. 西 の 青白い お 星 さん 。 にし||あおじろい||ほし| ||pale blue||| ||pallido||| A pale star in the west. どうか 私 を あなた の ところ へ 連れてって 下さい 。 |わたくし||||||つれて って|ください |||||||please take me| Please take me to you. 焼けて 死んで も かまいません 。」 やけて|しんで||かまい ませ ん I don't care if I burn to death." オリオン は 勇ましい 歌 を 続け ながら よだか など は てんで 相手 に しません でした 。 ||いさましい|うた||つづけ||よ だ か||||あいて||し ませ ん| Orion continued to sing a brave song, but didn't deal with him. Orione continuava a cantare coraggiosamente, mentre il codirosso non prestava affatto attenzione. よだか は 泣き そうに なって 、 よろよろ と 落ちて 、 それから やっと 踏み 止って 、 もう いっぺん 飛び 巡りました 。 よ だ か||なき|そう に||よ ろ よ ろ||おちて|それ から||ふみ|とまって|||とび|めぐり ました |||||barcollando|||||è|si fermò|||| Yodaka was about to cry, fell down, and then finally stopped and flew all the way around. Il codirosso sembrava piangere, barcollando e cadendo, e solo dopo si fermò finalmente, volando di nuovo. それから 、 南 の 大犬座 の 方 へ まっすぐに 飛び ながら 叫びました 。 それ から|みなみ||だい いぬ ざ||かた|||とび||さけび ました |||Cane Maggiore||||dritto||| Then he screamed, flying straight toward Canis Major in the south. Poi, volando dritto verso la costellazione del Grande Cane a sud, gridò. 「 お 星 さん 。 |ほし| 南 の 青い お 星 さん 。 みなみ||あおい||ほし| 南||||| The blue star of the south. どうか 私 を あなた の 所 へ つれてって 下さい 。 |わたくし||||しょ||つれて って|ください |||||||take me| |||||||portami| Please take me to you. 焼けて 死んで も かまいません 。」 やけて|しんで||かまい ませ ん I don't care if I burn to death." 大犬 は 青 や 紫 や 黄 や うつくしく せわしく またたき ながら いいました 。 だい いぬ||あお||むらさき||き|||||| ||||||||||||ha detto The big dog said blue, purple, yellow, and fluttering beautifully. Il grande cane disse mentre batteva le palpebre in modo bello e vivace con blu, viola e giallo. 「 馬鹿 を いう な 。 ばか||| "Don't be stupid. Non dire stupidaggini. おまえ なんか 一体 どんな もの だい 。 ||いったい||| ||in fondo|||particella interrogativa What the hell are you doing? Cosa sei tu, in fondo? たか が 鳥 じゃ ない か 。 ||ちょう||| Isn't it just a bird? Non è solo un uccello. おまえ の はね で ここ まで 来る に は 、 億 年 兆 年 億兆 年 だ 。」 ||||||くる|||おく|とし|ちょう|とし|おくちょう|とし| |||||||||||trillion||trillion|| |||||||||||兆||milioni|| It's been billions of years to reach this point with your splash. " Ci vorrebbero miliardi, trilioni di anni per arrivare fin qui con le tue ali.

そして また 別の 方 を 向きました 。 ||べつの|かた||むき ました |||||faced |||||si è voltato And I turned to another person. E poi si voltò di nuovo in un'altra direzione. よだか は がっかり して 、 よろよろ 落ちて 、 それから また 、 二へん 飛び めぐりました 。 よ だ か||||よ ろ よ ろ|おちて|それ から||ふた へん|とび|めぐり ました ||deluso||||||due volte||volò I was disappointed, I fell down, and then I jumped around again. Il yodaka si è sentito deluso, ha vacillato e poi ha volato di nuovo due volte. それから また 思い切って 北 の 大熊星 の 方 へ まっすぐに 飛び ながら 叫びました 。 それ から||おもいきって|きた||おおくま ほし||かた|||とび||さけび ました |||||Orsa Maggiore||||||| Then I took the plunge and screamed, flying straight toward the star Okuma in the north. Poi, con decisione, ha volato dritto verso il Grande Orso del Nord, gridando. 「 北 の 青い お 星 さま 、 あなた の 所 へ どうか 私 を 連れてって 下さい 。」 きた||あおい||ほし||||しょ|||わたくし||つれて って|ください 北|||||||||||||| "Blue star in the north, please take me to your place." «O stella blu del nord, ti prego, portami con te.» 大熊星 は 静かに 言いました 。 おおくま ほし||しずかに|いい ました Okuma Hoshi said quietly. 「 余計な こと を 考える もの で は ない 。 よけいな|||かんがえる|||| unnecessary||||||| superfluo||||||| "I don't think about anything extra. 少し 頭 を 冷やして 来 なさい 。 すこし|あたま||ひやして|らい| |||cool down|| |||rinfrescare|| Cool your head a little and come. Fai un passo indietro e calmati un po'. そう 言う とき は 、 氷山 の 浮いて いる 海 の 中 へ 飛び込む か 、 近く に 海 が なかったら 、 氷 を 浮かべた コップ の 水 の 中 へ 飛び込む の が 一 等 だ 。」 |いう|||ひょうざん||ういて||うみ||なか||とびこむ||ちかく||うみ|||こおり||うかべた|こっぷ||すい||なか||とびこむ|||ひと|とう| ||||iceberg||floating||||||||||||if there wasn't|ice||||||||||||first|first| ||||iceberg||galleggiando|||||||||||||||galleggiava|||||||||||| ||||iceberg||||||||||||||||||||||||||||melhor| When you say that, it's best to dive into the floating sea of the iceberg, or if there is no sea nearby, dive into the water of a cup of ice. " Quando lo dici, è meglio tuffarsi nel mare con un iceberg galleggiante o, se non c'è mare nei dintorni, tuffarsi in un bicchiere d'acqua con dei ghiacciolini galleggianti.

よだか は がっかり して 、 よろよろ 落ちて 、 それから また 、 四へん そら を めぐりました 。 よ だ か||||よ ろ よ ろ|おちて|それ から||よっへん|||めぐり ました ||||||||quattro volte|空|| Yodaka was disappointed, swayed, and then once again, circled around the sky four times. Yodaka si sentì deluso, barcollò e poi tornò a girare intorno al cielo. そして もう 一度 、 東 から 今 のぼった 天の川 の 向う 岸 の 鷲 の 星 に 叫びました 。 ||ひと ど|ひがし||いま||あまのがわ||むかい う|きし||わし||ほし||さけび ました ||||||è salito|Via Lattea|||||aquila|||| Then once more, they shouted to the star of the eagle on the opposite shore of the Milky Way that had just risen from the east. 「 東 の 白い お 星 さま 、 どうか 私 を あなた の 所 へ 連れてって 下さい 。 ひがし||しろい||ほし|||わたくし||||しょ||つれて って|ください "Oh, white star of the east, please take me to your place." 焼けて 死んで も かまいません 。」 やけて|しんで||かまい ませ ん burned|||doesn't matter I don't care if I burn to death." 鷲 は 大 風 に 言いました 。 わし||だい|かぜ||いい ました eagle||||| The eagle said to the wind. L'aquila ha detto al grande vento. 「 いいや 、 とても とても 、 話 に も 何にも なら ん 。 いい や|||はなし|||なんにも|| "No, very very, nothing to talk about. «Non va bene, non va bene affatto, non è nemmeno una questione di chiacchiere. 星 に なる に は 、 それ 相応 の 身分 で なくちゃ いかん 。 ほし||||||そうおう||みぶん||| ||||||adeguato||stato sociale|||non va To become a star, one must have a status that befits it. Per diventare una stella, è necessario avere uno status adeguato.» また よほど 金 も いる のだ 。」 ||きむ||| |很可能|||| |considerably|||needed| |muito|||| Also, a considerable amount of money is needed. In effetti, è necessario molto denaro.

よだか は もう すっかり 力 を 落して しまって 、 羽 を 閉じて 、 地 に 落ちて 行きました 。 よ だ か||||ちから||おとして||はね||とじて|ち||おちて|いき ました ||||||perso|è caduto|ali|||||| The cuckoo had already completely lost its strength, closed its wings, and fell to the ground. La yuriko (un tipo di uccello) aveva già completamente perso le forze, aveva chiuso le ali e stava cadendo a terra. そして もう 一尺 で 地面 に その 弱い 足 が つく と いう とき 、 よだか は にわかに のろし の ように 空 へ 飛び上がりました 。 ||ひと しゃく||じめん|||よわい|あし||||||よ だ か||||||から||とびあがり ました ||un shaku||||||||||||||improvvisamente|fumo|||||è saltato And when the weak foot touched the ground with another shaku, he suddenly jumped into the sky like a signal. E proprio quando le sue deboli zampe stavano per toccare il suolo, la yuriko volò all'improvviso in alto come un fuoco d'artificio. 空 の 中ほど へ 来て 、 よだか は まるで 鷲 が 熊 を 襲う とき する ように 、 ぶるっと 体 を 揺すって 毛 を 逆立てました 。 から||なかほど||きて|よ だ か|||わし||くま||おそう||||ぶる っと|からだ||ゆすって|け||さかだて ました ||||||||||||||||||||||eresse i peli He came to the middle of the sky and shook his body and turned his hair upside down, as if an eagle had attacked a bear. Nel mezzo del cielo, la Nyctale scossa il corpo e drizzò le piume come un aquila quando attacca un orso. それから キシキシキシキシキシッ と 高く 高く 叫びました 。 それ から|||たかく|たかく|さけび ました |chicchirichì|||| Then he shouted high and high. Poi cominciò a urlare alto, alto, con un suono screpolato. その 声 は まるで 鷹 でした 。 |こえ|||たか| |||just like|hawk| The voice was like a hawk. Quella voce era proprio come un falco. 野原 や 林 に 眠って いた 他 の 鳥 は 、 みんな 目 を 覚まして 、 ぶるぶる ふるえ ながら 、 いぶかし そうに 星空 を 見あげました 。 のはら||はやし||ねむって||た||ちょう|||め||さまして|||||そう に|ほしぞら||みあげ ました |||||||||||||||||疑惑|||| field||forest||||||||||||shivering|shivering||suspiciously||starry sky||looked up ||bosco|||||||||||si sono svegliati||tremare||疑い||cielo stellato||ha guardato su |||||||||||||||||suspeitando|||| The other birds sleeping in the fields and forests all woke up and shook, looking up at the starry sky. Gli altri uccelli che dormivano nei campi o nei boschi si svegliarono tutti, tremando, e guardarono il cielo stellato con aria perplessa. 夜だか は 、 どこまでも 、 どこまでも 、 まっすぐに 空 へ 上って 行きました 。 よ だ か|||||から||のぼって|いき ました |||||||è salito| At night, it went straight up into the sky, forever and ever. Di notte, si alzava dritto nel cielo, sempre e comunque, senza mai fermarsi. もう 山焼け の 火 は たばこ の 吸殻 の くらい に しか 見えません 。 |やま やけ||ひ||||すいがら|||||みえ ませ ん |||||tabacco||sigaretta||||| Already, the flames of the mountain burn look nothing more than cigarette butts. Il fuoco del taglio della montagna ora è visibile solo come una cicca di sigaretta. よだか は 上って 上って 行きました 。 よ だ か||のぼって|のぼって|いき ました Yodaka went up and up. 寒さ に 息 は 、 胸 に 白く 凍りました 。 さむ さ||いき||むね||しろく|こおり ました |||||||si è congelato The cold made my breath freeze white in my chest. 空気 が うすく なった 為 に 、 はね を それはそれは せわしく 動かさ なければ なりません でした 。 くうき||||ため||||||うごかさ||なり ませ ん| ||||||||非常|忙碌地|||| ||thin||||||very much|busily|moved||would not do| ||sottile||||||とても||muovere||| The air had grown thinner, so I had to move the splashes busily. それ だ のに 、 星 の 大きさ は 、 さっき と 少しも 変りません 。 |||ほし||おおき さ||||すこしも|かわり ませ ん ||||||||||non cambia Even so, the size of the star hasn't changed in the slightest. つく 息 は ふいご の ようです 。 |いき|||| |||风箱|| |||bellows|| |||soffietto|| |||fôlego|| His breath is like a bellows. Il respiro sembra un soffietto. 寒さ や 霜 が まるで 剣 の ように よだか を 刺しました 。 さむ さ||しも|||つる ぎ|||よ だ か||さし ました ||brina||proprio come|spada|||||ha colpito The cold and frost stabbed him like a sword. Il freddo e il gelo hanno colpito Yodaka come una spada. よだか は 羽 が すっかり しびれて しまいました 。 よ だ か||はね||||しまい ました |||||intorpidito| Yodaka's wings are completely numb. Yodaka ha completamente perso la sensibilità delle ali. そして 涙ぐんだ 目 を あげて もう いっぺん 空 を 見ました 。 |なみだぐんだ|め|||||から||み ました |welled up|||||||| |si è bagnato di lacrime|||||||| |alagou|||||||| Then I lifted my tearful eyes and looked at the sky again. そう です 。 it is . これ が よだか の 最後 でした 。 ||よ だ か||さいご| This was the end of Yodaka. もう よだか は 落ちて いる の か 、 上って いる の か 、 逆さ に なって いる の か 、 上 を 向いて いる の かも 、 わかりません でした 。 |よ だ か||おちて||||のぼって||||さかさ||||||うえ||むいて||||わかり ませ ん| |||||||||||sottosopra||||||||||||| I didn't even know if the mud was falling, rising, upside down, or facing upwards. ただ 心持ち は 安らかに 、 その 血 の ついた 大きな くちばし は 、 横 に まがって は 居ました が 、 たしかに 少し 笑って おりました 。 |こころもち||やすらかに||ち|||おおきな|||よこ||||い ました|||すこし|わらって|おり ました |feeling|topic marker|peacefully||||stained||beak||||bent||was||||smiling| |a dispetto||||||macchiato||becco||||curvato||era||||| But he was at peace, and although his big bloody beak was bent to the side, he was certainly smiling a little. Solo il suo stato d'animo era sereno, il grande becco macchiato di sangue era piegato di lato, ma certamente stava sorridendo un po'. それから しばらく たって よだか は はっきり 眼 を ひらきました 。 それ から|||よ だ か|||まな こ||ひらき ました ||passato||||||ha aperto After a while, Yodaka opened his eyes clearly. Dopo un po' di tempo, però, aprì chiaramente gli occhi. そして 自分 の 体 が いま 燐 の 火 の ような 青い 美しい 光 に なって 、 静かに 燃えて いる の を 見ました 。 |じぶん||からだ|||りん||ひ|||あおい|うつくしい|ひかり|||しずかに|もえて||||み ました |I|||||phosphorus|||||||||||burning|||| ||||||fosforo||||||||||||||| And I saw that my body had now turned into a beautiful blue light, like phosphoric fire, and was quietly burning. E poi vide che il suo corpo era diventato una bella luce blu come il fuoco di fosforo, che bruciava silenziosamente. すぐ 隣 は 、 カシオピア座 でした 。 |となり||カシオピア ざ| |||Costellazione di Cassiopea| Right next to it was the Cassiopeia Theater. 天の川 の 青白い 光 が 、 すぐ 後ろ に なって いました 。 あまのがわ||あおじろい|ひかり|||うしろ|||い ました Milky Way||||||||| Via Lattea||azzurrastro||||||| The pale light of the Milky Way was right behind me. そして よだか の 星 は 燃え 続けました 。 |よ だ か||ほし||もえ|つづけ ました |||||brillava|continuò And the nightmare star kept burning. いつまでも いつまでも 燃え 続けました 。 ||もえ|つづけ ました forever||| per sempre||| It kept burning forever and ever. 今でも まだ 、 燃えて います 。 いま でも||もえて|い ます It's still burning even now.