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Fairy Tales, 三郎 の 初夢

三郎 の 初夢

三郎 の 初夢

むかし むかし 、 ある 年 の お 正月 の 二 日 に 、 おやじ さん が 三 人 の 息子 に たずね ました 。 「 お前 たち は 、 どんな 初夢 を 見た んだ ね ? 」 上 の 二 人 は 自分 の 初夢 を 話し ました が 、 末っ子 の 三郎 だけ は 、 なぜ か 初夢 の 事 を 話そう と し ませ ん 。 そこ で 怒った おやじ さん が 、 三郎 を 家 から 追い出して しまった のです 。 一文無し で 食べる 物 に こまった 三郎 は 、 人 の 畑 から やさい を ぬすんで 役人 に つかまり 、 お 城 の ろう屋 に 入れ られて しまい ました 。 「 ああ 、 とんでもない 事 に なって しまった な 」 そこ へ 、 この 国 の 心 やさしい お姫さま が 、 かわいそうな 三郎 に ご飯 を 運んで くれた のです 。 「 あの 、 お腹 が 空いて おら れる と 聞き ました 。 どうぞ 、 これ を お 食べ ください な 」 「 あっ 、 はい 。 ありがとう ございます 」 お姫さま は 心 やさしい だけでなく 、 とても 美しい 人 です 。 三郎 は 思わず 赤く なり ながら 、 ふと 思い ました 。 ( もし かして 、 この 姫 さま が 初夢 の ・・・) それ から しばらく した ある 日 の 事 、 この 国 の となり に ある 鬼 の 国 の 王 が 、 こんな 事 を 言って き ました 。 「 この 国 の 姫 の 美し さ は 、 三 国 一 ( さん ごく いち → 日本 ・ 中国 ・ インド を 合わせた 中でも 一 番 の 事 ) と 聞く 。 姫 に は 、 この 鬼 王 の 嫁 に なって もらおう ! 」 鬼 の 嫁 に なる なんて 、 とんで も あり ませ ん 。 お姫さま は 今にも 泣き 出し そうに なり 、 父親 の 殿さま は 鬼 の 王 の 申し出 を きっぱり と 断り ました 。 する と 、 これ に 腹 を 立てた 鬼 の 王 が 、 「 ならば 、 これ から 出す 三 つ の 問題 に 、 見事 答えて みろ ! もし 答え られ なければ 、 お前 の 国 に 攻め 込み 、 姫 も 国 も うばい取って やる ! 」 と 、 言って きた のです 。 まず 、 最初の 問題 です 。 鬼 の 王 は 、 はし から はし まで 同じ 太 さ の 棒 ( ぼう ) を 送って きて 、 《 この 棒 の どちら の はし が 根っこ だった か 、 見分けろ 》 と 、 いう のです 。 殿さま や 家来 たち が いくら 棒 を 見て も 、 どっち が 根っこ だった か なんて わかり ませ ん 。 そこ で 殿さま は 、 家来 たち と こんな 相談 を し ました 。 「 このまま で は 、 この 国 は 鬼 に せめ ほろぼさ れて しまう 。 くやしい が 、 万一 の 時 は 姫 に 嫁 へ 行って もらう しか ・・・」 「 しかし 、 それでは 姫 さま が ・・・」 この 話 を 聞いて 泣き ながら ご飯 を 運んで きた お姫さま に 、 鬼 の 話し を 聞いた 三郎 は にっこり 笑って 言い ました 。 「 姫 さま 、 泣か なくて も 大丈夫です 。 木 と いう 物 は 、 先 より も 根っこ の 方 が 重い もの 。 棒 の まん中 を 糸 で しばって つるす と 、 重い 根っこ の 方 が 下 に さがり ます 」 この 話し を お姫さま から 聞いた 殿さま は 、 三郎 の 教えて くれた 方法 で 根っこ だった 方 を 調べて 、 そっち に 印 を つけて 鬼 の 国 へ 送り 返し ました 。 「 ぬ ぬっ 、 人間 に も 、 多少 は 知恵 の ある やつ が いる な 」 鬼 の 王 は 苦い 顔 を する と 、 今度 は 同じ 大き さ 、 同じ 顔 、 同じ 毛並み の 白い 馬 を 三 頭 送って き ました 。 次の 問題 は 、 《 これ ら の 馬 を 、 歳 の 順に 見分けろ 》 と 、 いう のです 。 三 頭 の 馬 は 見た目 が 全く 同じな ので 、 どれ が 年上 で どれ が 年下 か 、 さっぱり わかり ませ ん 。 こまった 殿さま は 、 三郎 の ろうや に 行って 言い ました 。 「 三郎 よ 。 先ほど の 問題 を 見事に といた 、 お前 の 知恵 を 貸して くれ ない か 」 する と 三郎 は 、 にっこり 笑って こう 答えた のです 。 「 殿さま 。 馬 が 食べる 草 を 、 刈り 入れた 年 の 順に 三 つ 用意 して ください 。 今年 の 草 を 食べた の が 一 番 若く 、 前 の 年 の 草 を 食べた の が その 次 で 、 前 の 前 の 年 の 草 を 食べた の が 一 番 の 年寄り です 。 ウマ も 人 も 、 うまれて 初めて 食べた 物 の 味 が 一 番 好きです から ね 」 そこ で 殿さま が 刈り 入れた 年 の 違う 草 を 用意 する と 、 馬 は それぞれ 違う 年 に 刈り 入れた 草 を 食べた のです 。 三郎 の おかげ で 、 この 問題 も 見事に 正解 です 。 答え を 聞いた 鬼 の 王 は 、 またまた にがい 顔 を し ました 。 「 人間 め 、 なかなか やる な 。 だが 、 次 は とけ まい しばらく する と 鬼 の 国 から 、 大きな 鉄 の 矢 が 飛んで き ました 。 ひ ゅ ーーー ん 、 ず と ー ん ! ! お 城 の 庭 に 深々と 突きささった 鉄 の 矢 を 見る と 、 手紙 が 結び つけて あり ます 。 その 手紙 に は 、 こう 書か れて い ました 。 《 この 鉄 の 矢 を 抜いて 、 鬼 の 国 まで かついで こい 》 「 よし 、 今度 は 何とか なる だろう 」 殿さま の 命令 で 、 力 じまん の 家来 たち が よってたかって 鉄 の 矢 を 引き抜こう と し ました 。 しかし 鉄 の 矢 は 地面 深く に 突きささって いて 、 家来 が 何 人 がかり でも びくとも し ませ ん 。 こまった 殿さま は 、 また 三郎 の ろうや に 行き ました 。 「 三郎 よ 、 また お前 の 知恵 を 貸して くれ ない か 」 話 を 聞いた 三郎 は 、 にっこり 笑って 言い ました 。 「 殿さま 。 引っぱって 抜こう と する から 、 矢 は 抜け ない のです 。 考え 方 を 変えて 、 まわり の 土 を ほれば よい のです 」 「 そう か 。 なるほど 」 三郎 の 言う 通り に まわり の 土 を ほる と 、 鉄 の 矢 は かんたんに 抜け ました 。 これ に 感心 した 殿さま は 三郎 の 罪 を 許して 自分 の 家来 に する と 、 鉄 の 矢 を 鬼 の 国 へ 持って 行く 使い に した のです 。 さて 、 見事に 鉄 の 矢 を 持って きた 三郎 を 見て 、 鬼 の 王 は 感心 して 言い ました 。 「 人間 の 中 に 、 お前 の ような 知恵 の ある 者 が いる と は おどろき だ 」 鬼 の 王 は 、 三郎 の 前 に お 酒 の とっくり を 置き ました 。 「 これ が 、 最後の 問題 だ 。 ここ に ある 鬼 王 の 酒 は 、 なんの 酒 だ ? 」 する と 三郎 が 、 にっこり 笑って 言い ました 。 「 はい 。 普通 なら 『 鬼 の 酒 は 、 人 の 生き 血 を しぼる 酒 』 と 答える でしょう が 、 あなた は そんな 悪い 鬼 に は 見え ませ ん 。 きっと 、 普通の 酒 でしょう 」 「 が は は は は は 。 見事だ 」 鬼 の 王 は 、 自分 の お 酒 を 三郎 に 渡して 言い ました 。 「 約束 通り 、 姫 の 事 は あきらめよう 。 その 酒 は ほうび だ 、 持って 帰る が 良い 。 一口 飲めば 、 百 日 寿命 が 延びる 名 酒 だ 」 やがて 三郎 が 鬼 の 国 から 無事に 帰って くる と 、 殿さま は 大喜びで 言い ました 。 「 三郎 よ 、 よく やった 。 お前 の おかげ で 、 この 国 も 姫 も 救わ れた 。 お前 に は 、 知恵 も 勇気 も ある 。 どう だろう 、 姫 の むこ に なって は くれ ない か 」 「 はい ! 喜んで 、 お 受けい たし ます ! 」 こうして 三郎 と お姫さま は 、 めでたく 結婚 した のです 。 一 文無し から 大 出世 を した 三郎 は 、 自分 の 家族 を お 城 に 呼びよせる と 、 おやじ さん に 初夢 の 事 を 話し ました 。 「 おやじ さま 。 わたし の 見た 初夢 と は 鬼 の 難問 を 次々 と といて 、 姫 さま の むこ に なる 事 だった のです 」 よい 初夢 は 、 人 に 話して は いけない と 言わ れて い ます 。 三郎 は その 通り に して 、 こんなに すばらしい 幸せ を つかんだ のです 。

おしまい

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三郎 の 初夢 さぶろう||はつゆめ Saburo's first dream 三郎的第一個夢想

三郎 の 初夢 さぶろう||はつゆめ Saburo's first dream

むかし むかし 、 ある 年 の お 正月 の 二 日 に 、 おやじ さん が 三 人 の 息子 に たずね ました 。 |||とし|||しょうがつ||ふた|ひ|||||みっ|じん||むすこ||| ||||||New Year's Day|||||||||||||| Once upon a time, on the second day of New Year's in a certain year, the father asked his three sons. 「 お前 たち は 、 どんな 初夢 を 見た んだ ね ? おまえ||||はつゆめ||みた|| ||||first dream|||| "What kind of first dream did you all have?" 」   上 の 二 人 は 自分 の 初夢 を 話し ました が 、 末っ子 の 三郎 だけ は 、 なぜ か 初夢 の 事 を 話そう と し ませ ん 。 うえ||ふた|じん||じぶん||はつゆめ||はなし|||すえっこ||さぶろう|||||はつゆめ||こと||はなそう|||| ||||||||||||youngest child||||||||||||||| The two people above talked about their first dreams, but for some reason, the youngest, Saburo, did not want to talk about his first dream. そこ で 怒った おやじ さん が 、 三郎 を 家 から 追い出して しまった のです 。 ||いかった||||さぶろう||いえ||おいだして|| ||angry||||||||driving out|| Then the angry father kicked Saburo out of the house. 一文無し で 食べる 物 に こまった 三郎 は 、 人 の 畑 から やさい を ぬすんで 役人 に つかまり 、 お 城 の ろう屋 に 入れ られて しまい ました 。 ひと もんなし||たべる|ぶつ|||さぶろう||じん||はたけ|||||やくにん||||しろ||ろうや||いれ||| |||||||||||||||||||||prison||||| Without a penny and troubled by what to eat, Saburo stole vegetables from someone's field and got caught by a government official, ending up in the castle's jail. 「 ああ 、 とんでもない 事 に なって しまった な 」   そこ へ 、 この 国 の 心 やさしい お姫さま が 、 かわいそうな 三郎 に ご飯 を 運んで くれた のです 。 ||こと||||||||くに||こころ||おひめさま|||さぶろう||ごはん||はこんで|| Ah, this has turned into a terrible situation. Then, the kind-hearted princess of this country brought food to the poor Saburo. 「 あの 、 お腹 が 空いて おら れる と 聞き ました 。 |おなか||あいて||||きき| I heard that you are hungry. どうぞ 、 これ を お 食べ ください な 」 「 あっ 、 はい 。 ||||たべ|||| Please, eat this. "Ah, yes." ありがとう ございます 」   お姫さま は 心 やさしい だけでなく 、 とても 美しい 人 です 。 ||おひめさま||こころ||だけ で なく||うつくしい|じん| ||||||not only|||| Thank you very much. The princess is not only kind-hearted but also a very beautiful person. 三郎 は 思わず 赤く なり ながら 、 ふと 思い ました 。 さぶろう||おもわず|あかく||||おもい| Saburo turned red without thinking and suddenly had a thought. ( もし かして 、 この 姫 さま が 初夢 の ・・・)  それ から しばらく した ある 日 の 事 、 この 国 の となり に ある 鬼 の 国 の 王 が 、 こんな 事 を 言って き ました 。 |||ひめ|||はつゆめ|||||||ひ||こと||くに|||||おに||くに||おう|||こと||いって|| (Perhaps, this princess is the first dream...) After a while, on a certain day, the king of the ogre country next to this country said something like this. 「 この 国 の 姫 の 美し さ は 、 三 国 一 ( さん ごく いち → 日本 ・ 中国 ・ インド を 合わせた 中でも 一 番 の 事 ) と 聞く 。 |くに||ひめ||うつくし|||みっ|くに|ひと||||にっぽん|ちゅうごく|いんど||あわせた|なかでも|ひと|ばん||こと||きく I hear that the beauty of the princess of this country is the best in the three countries (Japan, China, and India combined). 姫 に は 、 この 鬼 王 の 嫁 に なって もらおう ! ひめ||||おに|おう||よめ||| I will have the princess become the wife of this demon king! 」   鬼 の 嫁 に なる なんて 、 とんで も あり ませ ん 。 おに||よめ|||||||| To become the wife of a demon is absolutely out of the question. お姫さま は 今にも 泣き 出し そうに なり 、 父親 の 殿さま は 鬼 の 王 の 申し出 を きっぱり と 断り ました 。 おひめさま||いまにも|なき|だし|そう に||ちちおや||とのさま||おに||おう||もうしで||||ことわり| |||||||||lord||||||||firmly||declined| The princess looked like she was about to cry, and her father, the lord, sharply rejected the demon king's offer. する と 、 これ に 腹 を 立てた 鬼 の 王 が 、 「 ならば 、 これ から 出す 三 つ の 問題 に 、 見事 答えて みろ ! ||||はら||たてた|おに||おう|||||だす|みっ|||もんだい||みごと|こたえて| The king of demons was so angry that he said, "Then, answer the three questions I'm going to give you! もし 答え られ なければ 、 お前 の 国 に 攻め 込み 、 姫 も 国 も うばい取って やる ! |こたえ|||おまえ||くに||せめ|こみ|ひめ||くに||うばいとって| ||||||||invade||||||snatch away| If you cannot answer, I will invade your country and take both the princess and the kingdom! 」 と 、 言って きた のです 。 |いって|| That's what they said. まず 、 最初の 問題 です 。 |さいしょの|もんだい| First, here is the initial question. 鬼 の 王 は 、 はし から はし まで 同じ 太 さ の 棒 ( ぼう ) を 送って きて 、 《 この 棒 の どちら の はし が 根っこ だった か 、 見分けろ 》 と 、 いう のです 。 おに||おう||||||おなじ|ふと|||ぼう|||おくって|||ぼう||||||ねっこ|||みわけろ||| ||||||||||||||||||||||||root|||distinguish||| The King of Demon sent a stick of the same thickness from the chopsticks to the chopsticks, saying, "Which of these sticks was the root?" 殿さま や 家来 たち が いくら 棒 を 見て も 、 どっち が 根っこ だった か なんて わかり ませ ん 。 とのさま||けらい||||ぼう||みて||||ねっこ|||||| ||||||stick||||||root|||||| No matter how much the lord and his retainers look at the sticks, they won't know which one was the root. そこ で 殿さま は 、 家来 たち と こんな 相談 を し ました 。 ||とのさま||けらい||||そうだん||| There, the lord consulted with his retainers about this. 「 このまま で は 、 この 国 は 鬼 に せめ ほろぼさ れて しまう 。 ||||くに||おに||||| ||||||||attacked|will be destroyed|| If things continue like this, this country will be attacked and destroyed by demons. くやしい が 、 万一 の 時 は 姫 に 嫁 へ 行って もらう しか ・・・」 「 しかし 、 それでは 姫 さま が ・・・」  この 話 を 聞いて 泣き ながら ご飯 を 運んで きた お姫さま に 、 鬼 の 話し を 聞いた 三郎 は にっこり 笑って 言い ました 。 ||まんいち||じ||ひめ||よめ||おこなって|||||ひめ||||はなし||きいて|なき||ごはん||はこんで||おひめさま||おに||はなし||きいた|さぶろう|||わらって|いい| ||by chance|||||||||||||||||||||||||||||||||||||| However, in the unlikely event that the princess should go to her daughter-in-law ... "" But then, the princess ... " Saburo, who heard it, smiled and said. 「 姫 さま 、 泣か なくて も 大丈夫です 。 ひめ||なか|||だいじょうぶです "Princess, it's okay not to cry." 木 と いう 物 は 、 先 より も 根っこ の 方 が 重い もの 。 き|||ぶつ||さき|||ねっこ||かた||おもい| ||||||||root||||| "The thing called a tree is heavier at the roots than from above." 棒 の まん中 を 糸 で しばって つるす と 、 重い 根っこ の 方 が 下 に さがり ます 」  この 話し を お姫さま から 聞いた 殿さま は 、 三郎 の 教えて くれた 方法 で 根っこ だった 方 を 調べて 、 そっち に 印 を つけて 鬼 の 国 へ 送り 返し ました 。 ぼう||まん ちゅう||いと|||||おもい|ねっこ||かた||した|||||はなし||おひめさま||きいた|とのさま||さぶろう||おしえて||ほうほう||ねっこ||かた||しらべて|||いん|||おに||くに||おくり|かえし| ||||||||||||||||falls|||||||||||||||||||||||||||||||| "If you tie the middle of a stick with a thread and hang it, the heavier roots will drop down."" Upon hearing this story from the princess, the lord investigated the roots using the method taught by Saburo, marked that side, and sent it back to the land of demons." 「 ぬ ぬっ 、 人間 に も 、 多少 は 知恵 の ある やつ が いる な 」   鬼 の 王 は 苦い 顔 を する と 、 今度 は 同じ 大き さ 、 同じ 顔 、 同じ 毛並み の 白い 馬 を 三 頭 送って き ました 。 |ぬ っ|にんげん|||たしょう||ちえ|||||||おに||おう||にがい|かお||||こんど||おなじ|おおき||おなじ|かお|おなじ|けなみ||しろい|うま||みっ|あたま|おくって|| |suddenly||||||||||||||||||||||||||||||fur||||||||| "Nu, there is a man with some wisdom, too." The demon king gave a bitter face, and this time he sent three white horses of the same size, the same face, and the same coat. .. 次の 問題 は 、 《 これ ら の 馬 を 、 歳 の 順に 見分けろ 》 と 、 いう のです 。 つぎの|もんだい|||||うま||さい||じゅんに|みわけろ||| The next problem is, 'Distinguish these horses by their age.' 三 頭 の 馬 は 見た目 が 全く 同じな ので 、 どれ が 年上 で どれ が 年下 か 、 さっぱり わかり ませ ん 。 みっ|あたま||うま||みため||まったく|おなじな||||としうえ||||としした||||| ||||||||the same||||||||||||| The three horses look exactly the same, so I have no idea which one is older and which one is younger. こまった 殿さま は 、 三郎 の ろうや に 行って 言い ました 。 |とのさま||さぶろう||||おこなって|いい| |||||warehouse|||| The troubled lord went to Saburo's stable and said. 「 三郎 よ 。 さぶろう| Saburo. 先ほど の 問題 を 見事に といた 、 お前 の 知恵 を 貸して くれ ない か 」   する と 三郎 は 、 にっこり 笑って こう 答えた のです 。 さきほど||もんだい||みごとに||おまえ||ちえ||かして||||||さぶろう|||わらって||こたえた| a moment ago|||||solved||||||||||||||||| Just now, you solved the problem beautifully; would you lend me your wisdom? To this, Saburo smiled brightly and replied. 「 殿さま 。 とのさま My lord. 馬 が 食べる 草 を 、 刈り 入れた 年 の 順に 三 つ 用意 して ください 。 うま||たべる|くさ||かり|いれた|とし||じゅんに|みっ||ようい|| |||||cut||||||||| Prepare three grasses for the horse to eat, in the order of the year they were cut. 今年 の 草 を 食べた の が 一 番 若く 、 前 の 年 の 草 を 食べた の が その 次 で 、 前 の 前 の 年 の   草 を 食べた の が 一 番 の 年寄り です 。 ことし||くさ||たべた|||ひと|ばん|わかく|ぜん||とし||くさ||たべた||||つぎ||ぜん||ぜん||とし||くさ||たべた|||ひと|ばん||としより| The grass eaten this year is the youngest, the grass eaten last year is the next, and the grass eaten the year before last is the oldest. ウマ も 人 も 、 うまれて 初めて 食べた 物 の 味 が 一 番 好きです から ね 」 そこ で 殿さま が 刈り 入れた 年 の 違う 草 を 用意 する と 、 馬 は それぞれ 違う 年 に 刈り 入れた 草 を 食べた のです 。 ||じん|||はじめて|たべた|ぶつ||あじ||ひと|ばん|すきです|||||とのさま||かり|いれた|とし||ちがう|くさ||ようい|||うま|||ちがう|とし||かり|いれた|くさ||たべた| Both horses and humans prefer the taste of the first thing they ever ate, you see. So the lord prepared grass harvested in different years, and the horses ate grass harvested in different years. 三郎 の おかげ で 、 この 問題 も 見事に 正解 です 。 さぶろう|||||もんだい||みごとに|せいかい| Thanks to Saburo, this problem was also answered perfectly. 答え を 聞いた 鬼 の 王 は 、 またまた にがい 顔 を し ました 。 こたえ||きいた|おに||おう||||かお||| ||||||||bitter|||| The demon king, who heard the answer, made a bitter face once again. 「 人間 め 、 なかなか やる な 。 にんげん|||| "Humans, you're quite something." だが 、 次 は とけ まい しばらく する と 鬼 の 国 から 、 大きな 鉄 の 矢 が 飛んで き ました 。 |つぎ|||||||おに||くに||おおきな|くろがね||や||とんで|| |||||||||||||iron|||||| However, after a while, from the land of the demons, a large iron arrow flew in. ひ ゅ ーーー ん 、 ず と ー ん ! ||---||||-| |yu|||||| Hyu --- n, zu to --- n! ! お 城 の 庭 に 深々と 突きささった 鉄 の 矢 を 見る と 、 手紙 が 結び つけて あり ます 。 |しろ||にわ||しんしんと|つきささった|くろがね||や||みる||てがみ||むすび||| |||||deeply|stuck|||||||||tied|tied|| When I see the iron arrow deeply embedded in the castle's garden, there is a letter tied to it. その 手紙 に は 、 こう 書か れて い ました 。 |てがみ||||かか||| The letter said this. 《 この 鉄 の 矢 を 抜いて 、 鬼 の 国 まで かついで こい 》 「 よし 、 今度 は 何とか なる だろう 」   殿さま の 命令 で 、 力 じまん の 家来 たち が よってたかって 鉄 の 矢 を 引き抜こう と し ました 。 |くろがね||や||ぬいて|おに||くに|||||こんど||なんとか|||とのさま||めいれい||ちから|||けらい||||くろがね||や||ひきぬこう||| |||||||||||||||||||||||||||||||||pull out||| "Pull out these iron arrows and waddle over to the land of demons." "Well, we'll get by this time," commanded the lord, as his powerful retainers rallied to pull out the iron arrows. しかし 鉄 の 矢 は 地面 深く に 突きささって いて 、 家来 が 何 人 がかり でも びくとも し ませ ん 。 |くろがね||や||じめん|ふかく||つきささって||けらい||なん|じん|||||| ||||||||stuck deep||||||||||| However, the iron arrow is deeply embedded in the ground, and no matter how many retainers try, it won't budge. こまった 殿さま は 、 また 三郎 の ろうや に 行き ました 。 |とのさま|||さぶろう||||いき| The troubled lord went to Saburo's workshop again. 「 三郎 よ 、 また お前 の 知恵 を 貸して くれ ない か 」   話 を 聞いた 三郎 は 、 にっこり 笑って 言い ました 。 さぶろう|||おまえ||ちえ||かして||||はなし||きいた|さぶろう|||わらって|いい| "Saburo, can you lend me your wisdom once more?" When Saburo heard this, he smiled brightly and replied. 「 殿さま 。 とのさま 引っぱって 抜こう と する から 、 矢 は 抜け ない のです 。 ひっぱって|ぬこう||||や||ぬけ|| |pull out|||||||| If you try to pull it out, the arrow will not come out. 考え 方 を 変えて 、 まわり の 土 を ほれば よい のです 」 「 そう か 。 かんがえ|かた||かえて|||つち|||||| ||||||||dig up|||| Change your way of thinking and you should dig around the soil. なるほど 」   三郎 の 言う 通り に まわり の 土 を ほる と 、 鉄 の 矢 は かんたんに 抜け ました 。 |さぶろう||いう|とおり||||つち||||くろがね||や|||ぬけ| I see. When I followed Saburo's advice and dug around the soil, the iron arrow came out easily. これ に 感心 した 殿さま は 三郎 の 罪 を 許して 自分 の 家来 に する と 、 鉄 の 矢 を 鬼 の 国 へ 持って 行く 使い に した のです 。 ||かんしん||とのさま||さぶろう||ざい||ゆるして|じぶん||けらい||||くろがね||や||おに||くに||もって|いく|つかい||| The lord, impressed by this, forgave Saburo's crimes and made him one of his retainers, sending him as an envoy to take the iron arrow to the land of demons. さて 、 見事に 鉄 の 矢 を 持って きた 三郎 を 見て 、 鬼 の 王 は 感心 して 言い ました 。 |みごとに|くろがね||や||もって||さぶろう||みて|おに||おう||かんしん||いい| Now, looking at the splendid iron arrow brought by Saburo, the king of the demons said with admiration. 「 人間 の 中 に 、 お前 の ような 知恵 の ある 者 が いる と は おどろき だ 」   鬼 の 王 は 、 三郎 の 前 に お 酒 の とっくり を 置き ました 。 にんげん||なか||おまえ|||ちえ|||もの|||||||おに||おう||さぶろう||ぜん|||さけ||||おき| "I am surprised that among humans, there is one with wisdom like yours." The king of the demons placed a sake bottle in front of Saburo. 「 これ が 、 最後の 問題 だ 。 ||さいご の|もんだい| ||last|| "This is the final challenge." ここ に ある 鬼 王 の 酒 は 、 なんの 酒 だ ? |||おに|おう||さけ|||さけ| ||||||||what kind of|| What kind of sake is the Demon King’s sake that is here? 」   する と 三郎 が 、 にっこり 笑って 言い ました 。 ||さぶろう|||わらって|いい| Then, Saburo smiled broadly and said. 「 はい 。 Yes. 普通 なら 『 鬼 の 酒 は 、 人 の 生き 血 を しぼる 酒 』 と 答える でしょう が 、 あなた は そんな 悪い 鬼 に は 見え ませ ん 。 ふつう||おに||さけ||じん||いき|ち|||さけ||こたえる||||||わるい|おに|||みえ|| |||||||||||squeeze out||||||||||||||| Normally, I would have answered, "Demon's wine is a drink that squeezes the lifeblood out of people," but you don't look like such a bad demon. きっと 、 普通の 酒 でしょう 」 「 が は は は は は 。 |ふつうの|さけ||||||| Surely, it's ordinary sake, isn't it? Hahaha. 見事だ 」   鬼 の 王 は 、 自分 の お 酒 を 三郎 に 渡して 言い ました 。 みごとだ|おに||おう||じぶん|||さけ||さぶろう||わたして|いい| splendid|||||||||||||| Splendid! The Demon King said as he handed his sake to Saburo. 「 約束 通り 、 姫 の 事 は あきらめよう 。 やくそく|とおり|ひめ||こと|| ||||||let's give up As promised, let's give up on the princess. その 酒 は ほうび だ 、 持って 帰る が 良い 。 |さけ||||もって|かえる||よい That wine is a reward, take it home with you. 一口 飲めば 、 百 日 寿命 が 延びる 名 酒 だ 」 やがて 三郎 が 鬼 の 国 から 無事に 帰って くる と 、 殿さま は 大喜びで 言い ました 。 ひとくち|のめば|ひゃく|ひ|じゅみょう||のびる|な|さけ|||さぶろう||おに||くに||ぶじに|かえって|||とのさま||おおよろこびで|いい| ||||||will be extended||||||||||||||||||| It is a famous sake that, by taking a sip, will prolong your life by a hundred days.” Eventually, when Saburo returned safely from the land of the demons, the lord rejoiced and said. 「 三郎 よ 、 よく やった 。 さぶろう||| “Saburo, well done. お前 の おかげ で 、 この 国 も 姫 も 救わ れた 。 おまえ|||||くに||ひめ||すくわ| |||||||||saved| Thanks to you, both this country and the princess have been saved. お前 に は 、 知恵 も 勇気 も ある 。 おまえ|||ちえ||ゆうき|| You have both wisdom and courage. どう だろう 、 姫 の むこ に なって は くれ ない か 」 「 はい ! ||ひめ||||||||| ||||son-in-law||||||| How about it, will you become my prince?" "Yes! 喜んで 、 お 受けい たし ます ! よろこんで||じゅけい|| ||accept|| I will gladly accept! 」   こうして 三郎 と お姫さま は 、 めでたく 結婚 した のです 。 |さぶろう||おひめさま|||けっこん|| |||||happily||| And so, Saburo and the princess happily got married. 一 文無し から 大 出世 を した 三郎 は 、 自分 の 家族 を お 城 に 呼びよせる と 、 おやじ さん に 初夢 の 事 を 話し ました 。 ひと|もんなし||だい|しゅっせ|||さぶろう||じぶん||かぞく|||しろ||よびよせる|||||はつゆめ||こと||はなし| |penniless|||||||||||||||summon|||||||||| Saburo, who had risen from being broke to great success, called his family to the castle and told his father about his first dream. 「 おやじ さま 。 Father. わたし の 見た 初夢 と は 鬼 の 難問 を 次々 と といて 、 姫 さま の むこ に なる 事 だった のです 」 よい 初夢 は 、 人 に 話して は いけない と 言わ れて い ます 。 ||みた|はつゆめ|||おに||なんもん||つぎつぎ|||ひめ||||||こと||||はつゆめ||じん||はなして||||いわ||| ||||||||difficult question|||||||||||||||||||||||||| My first dream that I saw was to solve the demon's difficult problems one after another and to become the husband of the princess. It is said that you shouldn't tell others about a good first dream. 三郎 は その 通り に して 、 こんなに すばらしい 幸せ を つかんだ のです 。 さぶろう|||とおり|||||しあわせ||| Saburo followed that advice and grasped this wonderful happiness.

おしまい The end