三笠 山 みかさ|やま

三 笠 山 みっ|かさ|やま

むかし むかし 、 木曽 ( きそ ) の 山中 に 、 天狗 ( てんぐ ) が 住んで い ました 。 ||きそ|||さんちゅう||てんぐ|||すんで|| 天狗 は 毎日 、 御 嶽山 ( おん たけさん ) の てっぺん に 寝そべって 富士 山 を ながめて は 、 ( わし の 力 で 、 あの 富士 山 より も 高くて 立派な 山 を つくり たい な ) と 、 考えて い ました 。 てんぐ||まいにち|ご|がくやま||たけ さん||||ねそべって|ふじ|やま||||||ちから|||ふじ|やま|||たかくて|りっぱな|やま||||||かんがえて||

そんな ある 日 の 事 、 天狗 は こんな 事 を 思い つき ました 。 ||ひ||こと|てんぐ|||こと||おもい|| ( 富士 山 より も 高くて 立派な 山 を 一 から 作る の は 大変だ が 、 この 山 の てっぺん に ほか の 山 を 持って きて 三 つ 笠 ( かさ ) の ように 並べたら 、 きっと 富士 山 より も 高くて 立派な 山 に なる に 違いない ) 　 そこ で 天狗 は 真 夜中 に なる と 、 形 の 良い 山 を 探し ました 。 ふじ|やま|||たかくて|りっぱな|やま||ひと||つくる|||たいへんだ|||やま||||||やま||もって||みっ||かさ||||ならべたら||ふじ|やま|||たかくて|りっぱな|やま||||ちがいない|||てんぐ||まこと|よなか||||かた||よい|やま||さがし| 三 岳 村 ( みた けむら ) に やってきた 天狗 は 、 倉 越 山 ( くら ご え やま ) に 目 を つけて 、 ためしに 倉 越 山 を 御 嶽山 ( おん たけさん ) の てっぺん に 乗せて み ました 。 みっ|たけ|むら|||||てんぐ||くら|こ|やま||||||め||||くら|こ|やま||ご|がくやま||たけ さん||||のせて|| する と 、 なかなか の 良い 出来 です 。 ||||よい|でき| 「 よし 、 この 分 なら 、 夜明け まで に は 出来 上がる だろう 。 ||ぶん||よあけ||||でき|あがる| とりあえず 、 倉 越 山 は 元 に 戻して と 」 　 天狗 は すっかり 安心 して 、 少し 休む つもりで 横 に なる と 、 そのまま グーグー と 眠って しまい ました 。 |くら|こ|やま||もと||もどして||てんぐ|||あんしん||すこし|やすむ||よこ|||||||ねむって||

やがて 朝 が 来て 、 「 コケコッコー ！ |あさ||きて| 」 と 、 一番どり が 鳴き ました 。 |いちばんどり||なき| 「 しまった ！ もう そんな 時間 か ！ ||じかん| 」 　 天狗 は あわてて 飛び起きた もの の 、 東 の 空 は すでに 明るく なって おり 、 おまけに 朝 の 早い 百姓 に 見つかって しまった のです 。 てんぐ|||とびおきた|||ひがし||から|||あかるく||||あさ||はやい|ひゃくしょう||みつかって|| ここ あたり に 住む 天狗 は 、 人間 に 姿 を 見 られて は いけない 決まり に なって い ます 。 |||すむ|てんぐ||にんげん||すがた||み||||きまり|||| 「 もう 少し で 、 富士 山 より も 立派な 三 笠 山 が 出来た のに ！ |すこし||ふじ|やま|||りっぱな|みっ|かさ|やま||できた| 」 　 天狗 は そう 叫び ながら 山 の 方 へ 逃げて 行き 、 それ っきり 二度と 姿 を 現わし ませ ん でした 。 てんぐ|||さけび||やま||かた||にげて|いき|||にどと|すがた||あらわし|||

この 時 から この 山 を 、 三 笠 山 と 呼ぶ ように なった そうです 。 |じ|||やま||みっ|かさ|やま||よぶ|||そう です

おしまい