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幼女戦記, Youjo Senki (The Saga of Tanya the Evil) Episode 6

( レル ゲン ) 南方 管区 の 報告 で は ―

我が 軍 は 第 7 航空 艦隊 に よる 支援 の 下 ―

戦線 中央 部 の 突破 に 成功

ダキア 軍 の 連絡 線 を 寸断 し 制圧 す べく ―

掃討 戦 へ 移行 せり と の こと です

( ルーデルドルフ ) 7 万 の 兵 で 60 万 を 蹂躙 ( じゅうりん ) か

痛快 だ な

( 将校 ) この 冬 に は 占領 でき そう です ね

( ゼートゥーア ) と は 言え いまだ 我が国 で は ―

2 つ の 戦線 を 抱え込 ん だ まま だ

( 将校 たち ) ん ん っ …

( レル ゲン ) 共和 国 および 協商 連合

どちら の 戦線 も 小康 状態 を 保って い ます が

( ルーデルドルフ ) 世界 大戦 も 危惧 さ れる 状況 だ

戦線 が 少ない に 越し た こと は ない

ダキア 同様 ―

脆弱 ( ぜ い じゃ く ) な 敵 から 率先 し て たたく しか なか ろ う

では 協商 連合 へ の 攻勢 を

共和 国 より は もろ か ろ う 問題 は 補給 だ

ノル デン 地方 の 兵站 ( へ い た ん ) 状況 だ が …

( ゼートゥーア ) 攻勢 の 事前 集積 に は ―

今 しばらく 時間 を もらい たい

積雪 の ため ―

野戦 軽便 鉄道 の 敷設 が 遅れ て いる

長い つきあい だ はっきり 言え

既に 北方 の 鉄道 部 と 港湾 施設 を 限界 まで 使って いる

短期 で 劇的 に 改善 する 見込み は なし だ

( ルーデルドルフ ) うーん …

( ゼートゥーア ) 現在 の 備蓄 状況 で は ―

越冬 が 精いっぱい だ

攻勢 に 必要 な 物資 など とても 賄え ん

( 一同 の ため 息 )

( ルーデルドルフ ) 現有 補給 線 に ―

問題 が ある こと は 理解 し た が ―

その 上 で 1 つ 考え が ある

貴 様 の 虎の子 を 使わ せ て もらい たい

ダキア の 首都 を 襲撃 し た ―

例の 二〇三 大隊 だ

( ヴァイス ) 総員 傾注 !

( ターニャ ) 諸君 ダキア で の 働き は ご 苦労 で あった

( ターニャ ) 既に 聞き 及 ん で いる と 思う が

我々 第 二 〇三 航空 魔 導 大隊 に 転 属 命令 が 出 て いる

北方 ノル デン 行き だ

( 隊員 ) 南 の 次 は 北 か ( 隊員 ) 忙しい な

( 隊員 ) ちょうど いい スキー の 気分 だ

もともと 即応 の 遊撃 大隊 で は ある が

参謀 本部 は 我々 を 馬車 馬 並み に こき使う らしい

さぞ 大きな キャロット が 用意 さ れ て いる だ ろ う な

( 隊員 たち の 笑い声 )

( ターニャ ) と は 言え タダ で 飯 が 食える ほど ―

馬 と いう 生物 も 恵まれ て は おら ん

参謀 本部 より 指名 だ ぞ

雪合戦 の お 相手 は ―

無謀 な 領土 侵犯 を 行って き た 協商 連合 だ

我々 に は 新 戦術 の 実戦 検証 が 期待 さ れ て いる

ハイキング に 行ける 程度 に は ―

団体 行動 が できる こと を 示さ ね ば なら ん

くれ ぐれ も 軍人 と して の 義務 を 忘れる な !

( 隊員 たち ) は っ !

結構 で は これ より 参謀 本部 から の 通達 を 告げる

ヴァイス 中尉

( ヴァイス ) 本日 18 : 00 より 北方 へ の 夜間 長 距離 進出 を 開始

( ヴィー シャ ) 少佐 殿 ノル デン まで の 飛行 プラン です が …

( ターニャ ) セレブリャコーフ 少尉 おかしい と 思わ ん か

( ヴィー シャ ) な … 何 が でしょ う ?

中央 軍 が 抜け た と は いえ

国力 差 から し て 協商 連合 軍 に は 勝利 し て い て 当然

本来 決着 が つい て おら ね ば なら ん

( ヴィー シャ ) うん ? ( ターニャ ) つまり 誰 か が ―

余計 な おせっかい を し て いる と いう こと だ

他の 列強 諸国 が 介入 を ?

( ターニャ ) ああ …

共和 国 か 連合 王国 ―

その 両方 か は 知ら ん が …

我々 は 世界 に のぞき 見 られ ながら ハイキング を 楽しむ わけ だ

( ヴィー シャ ) 分かり まし た それ と なく 各 員 に 伝え て おき ます

世界 大戦 は 想定 内 だ が 思った 以上 に 動き が 早い

突発 的 な ダキア の 侵攻 も 不可解 だった が

もしや …

( ターニャ ) 神 を 自称 する 理不尽 な 輩 ( や から ) ―

見え ざる 者 の 手 が 働 い て いる の かも な

( カゾール ) 朗報 だ ぞ 諸君

付け焼き刃 で は ある が

一応 同盟 国 と の 連携 が 始まった

( 委員 ) それ は 結構 な こと です が ―

我々 が ダキア の 二の舞 に なる の を 恐れ て いる だけ で は

( 委員 ) 我が国 が 破れ ―

帝国 の 国力 が 共和 国 戦 に 投じ られる 危惧 と は …

惨め な 気分 に なる 知らせ です なあ

共和 国 に 限ら ず 連合 王国 も 援助 を し て くれる そう だ

内々 だ が 既に 帝国 軍 の 監視 も 始め られ て いる らしい

( 委員 ) 国力 に 余裕 が ある 国 は うらやましい な

我々 に は 余力 など もう どこ に も ない と いう のに

( カゾール ) 諸 列強 の 介入 頼み

情けない かぎり だ が 我々 に は 他 に 選択肢 が ない

ならば 今 できる 最善 を 尽 くそ う

( 大 隊長 ) 撃て 撃て 撃て ー !

( 大 隊長 ) 射撃 を 絶やす な !

クソッ 想定 より 早 すぎる ぞ !

( 中尉 ) 数 も 予想 以上 です

情報 部 め ! 何 が “ 大した こと は ない ” だ

( 隊員 ) もう 残存 魔力 が 限界 です

( 隊員 ) 防 殻 術 式 も まま なり ませ ん !

大 隊長 ! ここ は 一旦 さがり ま しょ う

ダメ だ ! 集積 地 を 何と して も 死守 せ ね ば …

グハッ !

( 中尉 ) 大 隊長 ー !

抜かった すま ん … あと は 任せる

了解 です

03 07 貴 様 ら も 限界 だ 大 隊長 殿 と 後退 しろ !

( 中尉 ) こちら ヴァイパー 02 大 隊長 負傷 に つき

指揮 権 を 継承 する

( 通信 兵 ) 了解 ヴァイパー 02 それ と 悪い 知らせ だ

北東 エリア より 急報

2 個 中隊 規模 の 敵 魔 導 部隊 を 観測 班 が 目 視 し た

( 中尉 ) 増 援 ! ? 連中 の どこ に そんな 余力 が …

( 通信 兵 ) 国籍 不明 の 義 勇 軍 魔 導 師 の 混在 を 確認

認知 圏 内 へ の 接近 は 確実 の 見込み

これ 以上 の 迎撃 は 困難 だ 即時 後退 の 許可 を !

( 隊員 ) 中尉 殿 ! 2 時 方向 に 機 影 多数

爆撃 機 です

( 隊員 たち の 叫び声 )

( 通信 機 から 聞こえる 叫び声 )

( 隊員 ) 前衛 と の 通信 途絶 !

ば … 爆撃 機 を 複数 確認 直ちに 要 撃 機 部隊 を 出撃 さ れ た し !

( 通信 兵 ) 5 分 待て 司令 部 と 検討 する 迎撃 は 可能 か ?

ふざける な ! 高度 が 違い すぎる !

敵 魔 導 部隊 も 排除 でき て ない !

( 通信 兵 ) 集積 地 に は 備蓄 の 物資 が 山積み だ

爆撃 さ れ たら 冬 が 越せ なく なる

頼む ! 持ちこたえろ

爆撃 機 は 高度 9,000 以上 だ ぞ

戦闘 機 で ない かぎり 迎撃 は 不可能 だ

う う … ダメ だ ! このまま で は もう …

( 通信 兵 ) 何 ? 本当 か !

よし … ヴァイパー 大隊 直ちに 後退 せよ ! 後退 せよ !

中央 から の 援軍 だ 大隊 規模 で エリア B 3 より 急行 中

コール サイン は “ ピクシー ”

喜べ ! 指揮 官 は “ ネームド ” だ ぞ !

( ヴィー シャ ) 敵 魔 導 部隊 は 高度 6,500

前衛 は 準 連隊 規模 後衛 は 2 個 中隊 です

( ターニャ ) 第 2 から 第 4 中 隊 は 前衛 に 当たれ

我々 は 後衛 および 爆撃 機 を たたく その後 背後 より 挟 撃 だ

ただし 諸君 ら の ノルマ は 足止め だ が ―

別に 私 を 待つ 必要 は ない ぞ

全て 倒し て しまって も 一 向 に かまわ ん

( 隊員 たち ) は っ !

さて 第 1 中 隊 諸君 高度 を 上げろ

迂回 ( うかい ) し て 後衛 の 2 個 中隊 を たたく ぞ

( シュライゼ ) 要 撃 機 は いつ でも 上がれる の だ な

( 将校 ) は っ 格納 庫 にて 待機 中 です

命令 が あり しだい すぐに 出 せ ます が

では 出す べき だ ろ う 爆撃 機 の 侵入 は 阻止 せ ね ば

( 通信 兵 ) 二〇三 航空 魔 導 大隊 より 入電 !

( 通信 兵 ) 出撃 中 の ピクシー 大隊 です

何 ? 読み上げろ

それ が … え ー と …

何 だ 早く しろ !

“ 手出し ご 無用 ” と …

“ 手出し ご 無用 ” ?

ハッ いい 度胸 だ ! 我々 に 恩 を 売る つもり か

( 通信 兵 ) 管制 機 ピクシー 大隊 を 確認

速度 250 高度 …

随分 と 速い な … N ん ? 高度 は どう し た ?

( 通信 兵 ) こ … 高度 7,500 … N いえ なお 上昇 中 で あり ます !

何 だ と ! ?

何 か の 間違い だ ろ う 戦闘 機 で は ない の だ ぞ

( 通信 兵 ) 間違い あり ませ ん 現在 高度 8,500 速度 300 !

機械 は 正常 な の か ?

異常 は 見 られ ませ ん 全て 正常 です

信じ られ ん …

参謀 本部 は 規格 外 の 切り札 を 持って いる よう だ な

( ノイマン ) え いっ !

( 魔 導 師 たち の 叫び声 )

近接 戦 用意 ! 敵 前衛 を 排除 する ぞ !

( ケーニッヒ ) チッ 敵 の 演算 宝 珠 は 予想 以上 に 高 性能 だ

侮る な よ !

( ヴァイス ) う っ …

チッ 速い !

この 高低 差 で 当て て くる か

( グランツ ) 例の 義 勇 軍 魔 導 師 の もよう です

( ヴァイス ) 思った より 手ごわい な

( ターニャ ) さて 諸君 本物 の 戦争 は どう だ ?

先日 の ダキア 戦 は あくまで も 実弾 演習

今回 は 戦意 旺盛 な 諸君 の ため 援軍 は 丁重 に お 断り し て おい た

火 と 鉄 の 試練 を くぐる 機会 が 与え られ た と 誇り たまえ

我々 の 戦い は 他の 列強 諸国 ひいては 世界 に のぞき 見 られ て いる

国威 の ため に も 失敗 は 許さ れ ん

まったく … 少佐 殿 らしい な

なお 帰還 後 の 祝賀 会 は 一 番 成績 の 悪い 中隊 の おごり と する

25 年 物 を 発注 し て おい た 破産 し たく なけ れ ば 奮闘 する よう に

第 2 中 隊 最高 高度 だ !

各 員 死ぬ 気 で 飛 べ ー !

俺 を 破産 さ せる な よ !

各 中隊 奮戦 し て い ます !

( ターニャ ) フンッ 有能 な 指揮 官 ぶり を ―

アピール する の も 難しい もの だ な … ん っ

アピール する の も 難しい もの だ な … ん っ

( プロペラ の 音 )

( ヴィー シャ ) 来 まし た 爆撃 機 です !

ようやく お出まし か …

( 敵 兵 ) 眼下 に 敵 魔 導 中隊 を 確認

( 敵 兵 ) 敵 影 12 高度 6,500 どう し ます か ?

( 編隊 長 ) 護衛 の 魔 導 部隊 に 任せ て おけ

この 高度 差 だ 下 から で は どうにも なら ん

敵 の 直 掩 ( ちょ く えん ) も 来 まし た 2 個 中隊 の 敵 魔 導 師 です

少尉 隊 を 率い て 迎撃 しろ 悪い が 私 は あれ を 独り占め だ

あ … あの 数 の 爆撃 機 です よ ?

実は 空軍 でも エース に なり たい と 思って い た ところ で な

( ヴィー シャ ) それ に は 戦闘 機 で 落とす 必要 が あり ます けど …

そう な の か ? だったら 取り に 戻り たい くらい だ

( ヴィー シャ ) は あ …

( ターニャ ) と は 言え この 状況 で 背 を 向ける の は 無理 か

敵 前 逃亡 扱い さ れ て は かなわ ん 給料 分 の 仕事 は する と しよ う

( ヴィー シャ ) 第 1 中 隊 ! 前 へ 出る ぞ !

( 敵 兵 ) うん ? い … 1 体 来 ます !

1 体 ? バカ な ! 自殺 行為 だ ぞ !

そ … 速度 250 高度 7,500 !

何 だ と ! ?

( 敵 兵 ) まだ 上昇 中 です !

( ターニャ ) お 相手 は 鈍重 な 鉄 の 塊 ダンス を 踊れ る と は 思え ん な

( 敵 兵 ) 高度 8,000 … 8,500 ! このまま で は 並ば れ ます !

高度 を とる ぞ ! 各 機 弾 幕 を 張れ !

( 敵 兵 ) 速 すぎる !

この 時 ばかり は 小さな 体 に 感謝 する よ

( 敵 兵 ) こ … 高度 1 万 ! ( 編隊 長 ) 何 な ん だ こいつ は !

( 敵 兵 ) クソッ 当たれ ! 当たれ ー !

( 敵 兵 ) やめろ 下手 に 撃つ な ! 落ち着 い て 狙い を … あっ …

( 敵 兵 ) やめろ 下手 に 撃つ な ! 落ち着 い て 狙い を … あっ …

( 着地 音 )

( ターニャ ) こんにちは

そして … さようなら

( 2 人 ) あっ … あ … ああ …

( 敵 兵 ) へ … 編隊 長 機 が !

( 敵 兵 ) さ … 作戦 中止 だ ! 急速 旋回 !

爆弾 を 投棄 だ ! 機体 を 軽く しろ !

ハァ … 固定 砲台 並み の 単純 作業 だ な

主 よ 我 が 祈り を 聞き 我 が 願い に 耳 を 傾けよ

天上 の 世界 から 鉄 槌 ( てっ つい ) を 下し たまえ

( 敵 兵 ) メーデー ! メーデー ! こちら …

ピクシー 01 より 各 部隊 へ

機械 の 鳥 たち は ねぐら に 帰る よう だ

諸君 は 残存 魔 導 師 の 挟 撃 を 開始 しろ

私 は 落とし た 獲物 捕虜 の 回収 に 向かう

情報 を 聞き出し たかった ん だ が

脳みそ を 拾って 帰る わけ に も いかん し なあ

( 存在 X ( エックス ) ) 喜ばしい こと だ

はっ !

はっ ! う っ …

( 存在 X ) この 世界 の 誰 も が ―

信仰 なき 貴 様 を 葬ら ん と して いる

冒とく 者 を 罰 する 聖なる 大戦 が 幕 を 開け た の だ

存在 X … N やはり 貴 様 が おせっかい を !

( 存在 X ) どう かね ? 世界 を 相手 に 無謀 な 戦い を 挑む 気分 は

ハァ … ハァ … ハァ …

クソッ ふざける な !

( 観測 兵 ) やはり 西方 で 確認 さ れ た ネームド に 間違い あり ませ ん

個体 照合 “ ライン の 悪魔 ” です

( ドレイク ) 実在 し た の か

共和 国 の 連中

白昼 夢 を 見て い た わけ で は ない らしい な

早急 に 監視 体制 を 整え て い て 正解 だった な

単独 で 爆撃 機 を 撃退 する など まさしく 悪魔 だ

記録 データ は とれ て いる な

( 観測 兵 ) は っ 問題 あり ませ ん

( ドレイク ) 通信 の 傍受 は どう だ ? ( 観測 兵 ) 残念 ながら …

未知 の 暗号 に よる 通信 形式 で し た ので

( ドレイク ) 管制 機 を 上げ たい ところ だ が ―

今 は 機材 を 持って 帰る ほう が 先決 か

( 観測 兵 ) あ … アルファ 大隊 から です

“ ネームド より 高 魔力 反応 を 察知 し た ” と

( ターニャ ) 朝日 の ごとく 御 光 を もて

よし いい データ を とる チャンス だ

( ターニャ ) 土 に 隠れ し 暗き を 照らせ

一体 何 を する つもり だ

( 観測 兵 ) さあ な 見当 も つか ん

あっ き … 機材 の 電源 を 落とせ ! 逆 探さ れ て いる !

( ターニャ ) 今 ぞ 生まれ し 主 を たたえよ

ほ … 砲撃 術 式 を 感知 !

( 観測 兵 ) どれ だけ 距離 が ある と 思って いる !

退避 … 退避 ー !

( ヴィー シャ ) 観測 波 の 消滅 を 確認

お 見事 です ! 少佐 殿

少佐 殿 … 何 か ?

( ターニャ ) 行く ぞ 残 敵 掃討 だ

クソッ やって くれる …

( ビアント ) 協商 連合 軍 は 集積 地 の 襲撃 に 失敗

我が 軍 が 派遣 し た 魔 導 師 に も ―

多数 の 損害 が 出 て いる もよう です

( 判 を つく 音 )

協商 連合 軍 の 司令 部 へ ダキア 戦 を 分析 し た 結果 と して ―

後方 地帯 が 手薄 で は 危うい 旨 を 伝え て い ます が

あの よう な 窮状 です

か の 国 に は 期待 する だけ 無駄 な の で は

( ド ・ ルーゴ ) 口 を 慎め ビアント 中佐

し … 失礼 し まし た

( ド ・ ルーゴ ) たとえ 泥 舟 だ ろ う と 使える もの は 使う

当然 だ

( ルーデルドルフ ) よう こそ ノル デン へ

いや … お かえり と 言う べき か な デグレチャフ 少佐

はっ 懐かし の 戦場 に 帰って まいり まし た

ルーデルドルフ 閣下

( ルーデルドルフ ) ご 苦労 !

早速 だ が 見事 な もの だった と 言わ せ て くれ

光栄 で あり ます 閣下

こちら でも 存分 に 暴れ て もらい たい

( ターニャ ) はっ

結構

では 仕事 の 話 に 入る が …

少佐 貴 官 の 部隊 に は

敵 防御 陣地 を 制圧 し て もらう こと に なる

それ は 前線 の 押し上げ と いう こと で あり ま しょ う か

現状 の 兵站 状況 で は とても …

今 の ところ 新た な 作戦 と だけ 言って おこ う

了解 いたし まし た

( ルーデルドルフ ) 知って の とおり 列強 の 介入 が 始まった

いよいよ 厄介 事 ( やっかい ごと ) も 増える が ―

期待 し て いる ぞ 少佐

( 存在 X ) どう かね ? 世界 を 相手 に 無謀 な 戦い を 挑む 気分 は

( ターニャ ) は っ 協商 連合 のみ なら ず

共和 国 に 連合 王国 そして おせっかい な 連中 全て に

目 に 物見 せ て やり ます

( グンナー ) 大佐 殿

( グンナー ) 改めて 昇進 おめでとう ございます

( アン ソン ) バカ を 言え

戦死 し た 上官 の 穴埋め で 昇進 する など

我が国 の 未来 は 推して 知る べし だ

( グンナー ) 来年 まで 生き て れ ば 将官

再来年 なら 元帥 も 夢 で は あり ませ ん ね

( アン ソン ) フンッ 軽口 を たたく 暇 が あったら ―

出発 準備 を 整えろ 後方 行き だ ぞ

はっ 大変 失礼 し まし た

( アン ソン ) フッ

♪~

~♪

( ターニャ ) ヴァイス 中尉 は すばらしい な

( ヴァイス ) ど … どう さ れ た ん です か ? 突然

( ターニャ ) 貴 官 は タバコ を 吸わ ん だ ろ う

個人 の 権利 を 制限 する 気 は ない し ―

戦場 で の 喫煙 を 否定 しよ う と も 思わ ん が ―

せめて 分 煙 を 要求 し たい ところ だ な

( ヴァイス ) 分 煙 ? 分 煙 と は …

第 二 〇三 航空 魔 導 大隊 ターニャ ・ デグレチャフ 少佐 だ

( 衛兵 ) こちら へ

( ターニャ ) ふ っ … はっ … う う ~


( レル ゲン ) 南方 管区 の 報告 で は ―

我が 軍 は 第 7 航空 艦隊 に よる 支援 の 下 ―

戦線 中央 部 の 突破 に 成功

ダキア 軍 の 連絡 線 を 寸断 し 制圧 す べく ―

掃討 戦 へ 移行 せり と の こと です

( ルーデルドルフ ) 7 万 の 兵 で 60 万 を 蹂躙 ( じゅうりん ) か

痛快 だ な

( 将校 ) この 冬 に は 占領 でき そう です ね

( ゼートゥーア ) と は 言え いまだ 我が国 で は ―

2 つ の 戦線 を 抱え込 ん だ まま だ

( 将校 たち ) ん ん っ …

( レル ゲン ) 共和 国 および 協商 連合

どちら の 戦線 も 小康 状態 を 保って い ます が

( ルーデルドルフ ) 世界 大戦 も 危惧 さ れる 状況 だ

戦線 が 少ない に 越し た こと は ない

ダキア 同様 ―

脆弱 ( ぜ い じゃ く ) な 敵 から 率先 し て たたく しか なか ろ う

では 協商 連合 へ の 攻勢 を

共和 国 より は もろ か ろ う 問題 は 補給 だ

ノル デン 地方 の 兵站 ( へ い た ん ) 状況 だ が …

( ゼートゥーア ) 攻勢 の 事前 集積 に は ―

今 しばらく 時間 を もらい たい

積雪 の ため ―

野戦 軽便 鉄道 の 敷設 が 遅れ て いる

長い つきあい だ はっきり 言え

既に 北方 の 鉄道 部 と 港湾 施設 を 限界 まで 使って いる

短期 で 劇的 に 改善 する 見込み は なし だ

( ルーデルドルフ ) うーん …

( ゼートゥーア ) 現在 の 備蓄 状況 で は ―

越冬 が 精いっぱい だ

攻勢 に 必要 な 物資 など とても 賄え ん

( 一同 の ため 息 )

( ルーデルドルフ ) 現有 補給 線 に ―

問題 が ある こと は 理解 し た が ―

その 上 で 1 つ 考え が ある

貴 様 の 虎の子 を 使わ せ て もらい たい

ダキア の 首都 を 襲撃 し た ―

例の 二〇三 大隊 だ

( ヴァイス ) 総員 傾注 !

( ターニャ ) 諸君 ダキア で の 働き は ご 苦労 で あった

( ターニャ ) 既に 聞き 及 ん で いる と 思う が

我々 第 二 〇三 航空 魔 導 大隊 に 転 属 命令 が 出 て いる

北方 ノル デン 行き だ

( 隊員 ) 南 の 次 は 北 か ( 隊員 ) 忙しい な

( 隊員 ) ちょうど いい スキー の 気分 だ

もともと 即応 の 遊撃 大隊 で は ある が

参謀 本部 は 我々 を 馬車 馬 並み に こき使う らしい

さぞ 大きな キャロット が 用意 さ れ て いる だ ろ う な

( 隊員 たち の 笑い声 )

( ターニャ ) と は 言え タダ で 飯 が 食える ほど ―

馬 と いう 生物 も 恵まれ て は おら ん

参謀 本部 より 指名 だ ぞ

雪合戦 の お 相手 は ―

無謀 な 領土 侵犯 を 行って き た 協商 連合 だ

我々 に は 新 戦術 の 実戦 検証 が 期待 さ れ て いる

ハイキング に 行ける 程度 に は ―

団体 行動 が できる こと を 示さ ね ば なら ん

くれ ぐれ も 軍人 と して の 義務 を 忘れる な !

( 隊員 たち ) は っ !

結構 で は これ より 参謀 本部 から の 通達 を 告げる

ヴァイス 中尉

( ヴァイス ) 本日 18 : 00 より 北方 へ の 夜間 長 距離 進出 を 開始

( ヴィー シャ ) 少佐 殿 ノル デン まで の 飛行 プラン です が …

( ターニャ ) セレブリャコーフ 少尉 おかしい と 思わ ん か

( ヴィー シャ ) な … 何 が でしょ う ?

中央 軍 が 抜け た と は いえ

国力 差 から し て 協商 連合 軍 に は 勝利 し て い て 当然

本来 決着 が つい て おら ね ば なら ん

( ヴィー シャ ) うん ? ( ターニャ ) つまり 誰 か が ―

余計 な おせっかい を し て いる と いう こと だ

他の 列強 諸国 が 介入 を ?

( ターニャ ) ああ …

共和 国 か 連合 王国 ―

その 両方 か は 知ら ん が …

我々 は 世界 に のぞき 見 られ ながら ハイキング を 楽しむ わけ だ

( ヴィー シャ ) 分かり まし た それ と なく 各 員 に 伝え て おき ます

世界 大戦 は 想定 内 だ が 思った 以上 に 動き が 早い

突発 的 な ダキア の 侵攻 も 不可解 だった が

もしや …

( ターニャ ) 神 を 自称 する 理不尽 な 輩 ( や から ) ―

見え ざる 者 の 手 が 働 い て いる の かも な

( カゾール ) 朗報 だ ぞ 諸君

付け焼き刃 で は ある が

一応 同盟 国 と の 連携 が 始まった

( 委員 ) それ は 結構 な こと です が ―

我々 が ダキア の 二の舞 に なる の を 恐れ て いる だけ で は

( 委員 ) 我が国 が 破れ ―

帝国 の 国力 が 共和 国 戦 に 投じ られる 危惧 と は …

惨め な 気分 に なる 知らせ です なあ

共和 国 に 限ら ず 連合 王国 も 援助 を し て くれる そう だ

内々 だ が 既に 帝国 軍 の 監視 も 始め られ て いる らしい

( 委員 ) 国力 に 余裕 が ある 国 は うらやましい な

我々 に は 余力 など もう どこ に も ない と いう のに

( カゾール ) 諸 列強 の 介入 頼み

情けない かぎり だ が 我々 に は 他 に 選択肢 が ない

ならば 今 できる 最善 を 尽 くそ う

( 大 隊長 ) 撃て 撃て 撃て ー !

( 大 隊長 ) 射撃 を 絶やす な !

クソッ 想定 より 早 すぎる ぞ !

( 中尉 ) 数 も 予想 以上 です

情報 部 め ! 何 が “ 大した こと は ない ” だ

( 隊員 ) もう 残存 魔力 が 限界 です

( 隊員 ) 防 殻 術 式 も まま なり ませ ん !

大 隊長 ! ここ は 一旦 さがり ま しょ う

ダメ だ ! 集積 地 を 何と して も 死守 せ ね ば …

グハッ !

( 中尉 ) 大 隊長 ー !

抜かった すま ん … あと は 任せる

了解 です

03 07 貴 様 ら も 限界 だ 大 隊長 殿 と 後退 しろ !

( 中尉 ) こちら ヴァイパー 02 大 隊長 負傷 に つき

指揮 権 を 継承 する

( 通信 兵 ) 了解 ヴァイパー 02 それ と 悪い 知らせ だ

北東 エリア より 急報

2 個 中隊 規模 の 敵 魔 導 部隊 を 観測 班 が 目 視 し た

( 中尉 ) 増 援 ! ? 連中 の どこ に そんな 余力 が …

( 通信 兵 ) 国籍 不明 の 義 勇 軍 魔 導 師 の 混在 を 確認

認知 圏 内 へ の 接近 は 確実 の 見込み

これ 以上 の 迎撃 は 困難 だ 即時 後退 の 許可 を !

( 隊員 ) 中尉 殿 ! 2 時 方向 に 機 影 多数

爆撃 機 です

( 隊員 たち の 叫び声 )

( 通信 機 から 聞こえる 叫び声 )

( 隊員 ) 前衛 と の 通信 途絶 !

ば … 爆撃 機 を 複数 確認 直ちに 要 撃 機 部隊 を 出撃 さ れ た し !

( 通信 兵 ) 5 分 待て 司令 部 と 検討 する 迎撃 は 可能 か ?

ふざける な ! 高度 が 違い すぎる !

敵 魔 導 部隊 も 排除 でき て ない !

( 通信 兵 ) 集積 地 に は 備蓄 の 物資 が 山積み だ

爆撃 さ れ たら 冬 が 越せ なく なる

頼む ! 持ちこたえろ

爆撃 機 は 高度 9,000 以上 だ ぞ

戦闘 機 で ない かぎり 迎撃 は 不可能 だ

う う … ダメ だ ! このまま で は もう …

( 通信 兵 ) 何 ? 本当 か !

よし … ヴァイパー 大隊 直ちに 後退 せよ ! 後退 せよ !

中央 から の 援軍 だ 大隊 規模 で エリア B 3 より 急行 中

コール サイン は “ ピクシー ”

喜べ ! 指揮 官 は “ ネームド ” だ ぞ !

( ヴィー シャ ) 敵 魔 導 部隊 は 高度 6,500

前衛 は 準 連隊 規模 後衛 は 2 個 中隊 です

( ターニャ ) 第 2 から 第 4 中 隊 は 前衛 に 当たれ

我々 は 後衛 および 爆撃 機 を たたく その後 背後 より 挟 撃 だ

ただし 諸君 ら の ノルマ は 足止め だ が ―

別に 私 を 待つ 必要 は ない ぞ

全て 倒し て しまって も 一 向 に かまわ ん

( 隊員 たち ) は っ !

さて 第 1 中 隊 諸君 高度 を 上げろ

迂回 ( うかい ) し て 後衛 の 2 個 中隊 を たたく ぞ

( シュライゼ ) 要 撃 機 は いつ でも 上がれる の だ な

( 将校 ) は っ 格納 庫 にて 待機 中 です

命令 が あり しだい すぐに 出 せ ます が

では 出す べき だ ろ う 爆撃 機 の 侵入 は 阻止 せ ね ば

( 通信 兵 ) 二〇三 航空 魔 導 大隊 より 入電 !

( 通信 兵 ) 出撃 中 の ピクシー 大隊 です

何 ? 読み上げろ

それ が … え ー と …

何 だ 早く しろ !

“ 手出し ご 無用 ” と …

“ 手出し ご 無用 ” ?

ハッ いい 度胸 だ ! 我々 に 恩 を 売る つもり か

( 通信 兵 ) 管制 機 ピクシー 大隊 を 確認

速度 250 高度 …

随分 と 速い な …\ N ん ? 高度 は どう し た ?

( 通信 兵 ) こ … 高度 7,500 …\ N いえ なお 上昇 中 で あり ます !

何 だ と ! ?

何 か の 間違い だ ろ う 戦闘 機 で は ない の だ ぞ

( 通信 兵 ) 間違い あり ませ ん 現在 高度 8,500 速度 300 !

機械 は 正常 な の か ?

異常 は 見 られ ませ ん 全て 正常 です

信じ られ ん …

参謀 本部 は 規格 外 の 切り札 を 持って いる よう だ な

( ノイマン ) え いっ !

( 魔 導 師 たち の 叫び声 )

近接 戦 用意 ! 敵 前衛 を 排除 する ぞ !

( ケーニッヒ ) チッ 敵 の 演算 宝 珠 は 予想 以上 に 高 性能 だ

侮る な よ !

( ヴァイス ) う っ …

チッ 速い !

この 高低 差 で 当て て くる か

( グランツ ) 例の 義 勇 軍 魔 導 師 の もよう です

( ヴァイス ) 思った より 手ごわい な

( ターニャ ) さて 諸君 本物 の 戦争 は どう だ ?

先日 の ダキア 戦 は あくまで も 実弾 演習

今回 は 戦意 旺盛 な 諸君 の ため 援軍 は 丁重 に お 断り し て おい た

火 と 鉄 の 試練 を くぐる 機会 が 与え られ た と 誇り たまえ

我々 の 戦い は 他の 列強 諸国 ひいては 世界 に のぞき 見 られ て いる

国威 の ため に も 失敗 は 許さ れ ん

まったく … 少佐 殿 らしい な

なお 帰還 後 の 祝賀 会 は 一 番 成績 の 悪い 中隊 の おごり と する

25 年 物 を 発注 し て おい た 破産 し たく なけ れ ば 奮闘 する よう に

第 2 中 隊 最高 高度 だ !

各 員 死ぬ 気 で 飛 べ ー !

俺 を 破産 さ せる な よ !

各 中隊 奮戦 し て い ます !

( ターニャ ) フンッ 有能 な 指揮 官 ぶり を ―

アピール する の も 難しい もの だ な … ん っ

アピール する の も 難しい もの だ な … ん っ

( プロペラ の 音 )

( ヴィー シャ ) 来 まし た 爆撃 機 です !

ようやく お出まし か …

( 敵 兵 ) 眼下 に 敵 魔 導 中隊 を 確認

( 敵 兵 ) 敵 影 12 高度 6,500 どう し ます か ?

( 編隊 長 ) 護衛 の 魔 導 部隊 に 任せ て おけ

この 高度 差 だ 下 から で は どうにも なら ん

敵 の 直 掩 ( ちょ く えん ) も 来 まし た 2 個 中隊 の 敵 魔 導 師 です

少尉 隊 を 率い て 迎撃 しろ 悪い が 私 は あれ を 独り占め だ

あ … あの 数 の 爆撃 機 です よ ?

実は 空軍 でも エース に なり たい と 思って い た ところ で な

( ヴィー シャ ) それ に は 戦闘 機 で 落とす 必要 が あり ます けど …

そう な の か ? だったら 取り に 戻り たい くらい だ

( ヴィー シャ ) は あ …

( ターニャ ) と は 言え この 状況 で 背 を 向ける の は 無理 か

敵 前 逃亡 扱い さ れ て は かなわ ん 給料 分 の 仕事 は する と しよ う

( ヴィー シャ ) 第 1 中 隊 ! 前 へ 出る ぞ !

( 敵 兵 ) うん ? い … 1 体 来 ます !

1 体 ? バカ な ! 自殺 行為 だ ぞ !

そ … 速度 250 高度 7,500 !

何 だ と ! ?

( 敵 兵 ) まだ 上昇 中 です !

( ターニャ ) お 相手 は 鈍重 な 鉄 の 塊 ダンス を 踊れ る と は 思え ん な

( 敵 兵 ) 高度 8,000 … 8,500 ! このまま で は 並ば れ ます !

高度 を とる ぞ ! 各 機 弾 幕 を 張れ !

( 敵 兵 ) 速 すぎる !

この 時 ばかり は 小さな 体 に 感謝 する よ

( 敵 兵 ) こ … 高度 1 万 ! ( 編隊 長 ) 何 な ん だ こいつ は !

( 敵 兵 ) クソッ 当たれ ! 当たれ ー !

( 敵 兵 ) やめろ 下手 に 撃つ な ! 落ち着 い て 狙い を … あっ …

( 敵 兵 ) やめろ 下手 に 撃つ な ! 落ち着 い て 狙い を … あっ …

( 着地 音 )

( ターニャ ) こんにちは

そして … さようなら

( 2 人 ) あっ … あ … ああ …

( 敵 兵 ) へ … 編隊 長 機 が !

( 敵 兵 ) さ … 作戦 中止 だ ! 急速 旋回 !

爆弾 を 投棄 だ ! 機体 を 軽く しろ !

ハァ … 固定 砲台 並み の 単純 作業 だ な

主 よ 我 が 祈り を 聞き 我 が 願い に 耳 を 傾けよ

天上 の 世界 から 鉄 槌 ( てっ つい ) を 下し たまえ

( 敵 兵 ) メーデー ! メーデー ! こちら …

ピクシー 01 より 各 部隊 へ

機械 の 鳥 たち は ねぐら に 帰る よう だ

諸君 は 残存 魔 導 師 の 挟 撃 を 開始 しろ

私 は 落とし た 獲物 捕虜 の 回収 に 向かう

情報 を 聞き出し たかった ん だ が

脳みそ を 拾って 帰る わけ に も いかん し なあ

( 存在 X ( エックス ) ) 喜ばしい こと だ

はっ !

はっ ! う っ …

( 存在 X ) この 世界 の 誰 も が ―

信仰 なき 貴 様 を 葬ら ん と して いる

冒とく 者 を 罰 する 聖なる 大戦 が 幕 を 開け た の だ

存在 X …\ N やはり 貴 様 が おせっかい を !

( 存在 X ) どう かね ? 世界 を 相手 に 無謀 な 戦い を 挑む 気分 は

ハァ … ハァ … ハァ …

クソッ ふざける な !

( 観測 兵 ) やはり 西方 で 確認 さ れ た ネームド に 間違い あり ませ ん

個体 照合 “ ライン の 悪魔 ” です

( ドレイク ) 実在 し た の か

共和 国 の 連中

白昼 夢 を 見て い た わけ で は ない らしい な

早急 に 監視 体制 を 整え て い て 正解 だった な

単独 で 爆撃 機 を 撃退 する など まさしく 悪魔 だ

記録 データ は とれ て いる な

( 観測 兵 ) は っ 問題 あり ませ ん

( ドレイク ) 通信 の 傍受 は どう だ ? ( 観測 兵 ) 残念 ながら …

未知 の 暗号 に よる 通信 形式 で し た ので

( ドレイク ) 管制 機 を 上げ たい ところ だ が ―

今 は 機材 を 持って 帰る ほう が 先決 か

( 観測 兵 ) あ … アルファ 大隊 から です

“ ネームド より 高 魔力 反応 を 察知 し た ” と

( ターニャ ) 朝日 の ごとく 御 光 を もて

よし いい データ を とる チャンス だ

( ターニャ ) 土 に 隠れ し 暗き を 照らせ

一体 何 を する つもり だ

( 観測 兵 ) さあ な 見当 も つか ん

あっ き … 機材 の 電源 を 落とせ ! 逆 探さ れ て いる !

( ターニャ ) 今 ぞ 生まれ し 主 を たたえよ

ほ … 砲撃 術 式 を 感知 !

( 観測 兵 ) どれ だけ 距離 が ある と 思って いる !

退避 … 退避 ー !

( ヴィー シャ ) 観測 波 の 消滅 を 確認

お 見事 です ! 少佐 殿

少佐 殿 … 何 か ?

( ターニャ ) 行く ぞ 残 敵 掃討 だ

クソッ やって くれる …

( ビアント ) 協商 連合 軍 は 集積 地 の 襲撃 に 失敗

我が 軍 が 派遣 し た 魔 導 師 に も ―

多数 の 損害 が 出 て いる もよう です

( 判 を つく 音 )

協商 連合 軍 の 司令 部 へ ダキア 戦 を 分析 し た 結果 と して ―

後方 地帯 が 手薄 で は 危うい 旨 を 伝え て い ます が

あの よう な 窮状 です

か の 国 に は 期待 する だけ 無駄 な の で は

( ド ・ ルーゴ ) 口 を 慎め ビアント 中佐

し … 失礼 し まし た

( ド ・ ルーゴ ) たとえ 泥 舟 だ ろ う と 使える もの は 使う

当然 だ

( ルーデルドルフ ) よう こそ ノル デン へ

いや … お かえり と 言う べき か な デグレチャフ 少佐

はっ 懐かし の 戦場 に 帰って まいり まし た

ルーデルドルフ 閣下

( ルーデルドルフ ) ご 苦労 !

早速 だ が 見事 な もの だった と 言わ せ て くれ

光栄 で あり ます 閣下

こちら でも 存分 に 暴れ て もらい たい

( ターニャ ) はっ

結構

では 仕事 の 話 に 入る が …

少佐 貴 官 の 部隊 に は

敵 防御 陣地 を 制圧 し て もらう こと に なる

それ は 前線 の 押し上げ と いう こと で あり ま しょ う か

現状 の 兵站 状況 で は とても …

今 の ところ 新た な 作戦 と だけ 言って おこ う

了解 いたし まし た

( ルーデルドルフ ) 知って の とおり 列強 の 介入 が 始まった

いよいよ 厄介 事 ( やっかい ごと ) も 増える が ―

期待 し て いる ぞ 少佐

( 存在 X ) どう かね ? 世界 を 相手 に 無謀 な 戦い を 挑む 気分 は

( ターニャ ) は っ 協商 連合 のみ なら ず

共和 国 に 連合 王国 そして おせっかい な 連中 全て に

目 に 物見 せ て やり ます

( グンナー ) 大佐 殿

( グンナー ) 改めて 昇進 おめでとう ございます

( アン ソン ) バカ を 言え

戦死 し た 上官 の 穴埋め で 昇進 する など

我が国 の 未来 は 推して 知る べし だ

( グンナー ) 来年 まで 生き て れ ば 将官

再来年 なら 元帥 も 夢 で は あり ませ ん ね

( アン ソン ) フンッ 軽口 を たたく 暇 が あったら ―

出発 準備 を 整えろ 後方 行き だ ぞ

はっ 大変 失礼 し まし た

( アン ソン ) フッ

♪~

~♪

( ターニャ ) ヴァイス 中尉 は すばらしい な

( ヴァイス ) ど … どう さ れ た ん です か ? 突然

( ターニャ ) 貴 官 は タバコ を 吸わ ん だ ろ う

個人 の 権利 を 制限 する 気 は ない し ―

戦場 で の 喫煙 を 否定 しよ う と も 思わ ん が ―

せめて 分 煙 を 要求 し たい ところ だ な

( ヴァイス ) 分 煙 ? 分 煙 と は …

第 二 〇三 航空 魔 導 大隊 ターニャ ・ デグレチャフ 少佐 だ

( 衛兵 ) こちら へ

( ターニャ ) ふ っ … はっ … う う ~