フルメタル ・ パニック ! The Second Raid #8
心 描き出す 地図 上 の 未知なる フロンティア
扉 開いたら 道 は 続いて いる よ
埃 巻き上げて 君 の 街 へ
空 と 大地 が 重なる ルート で
走る 南 風 に 乗って 蒼 く 染まる 風 を 切って
心 ごと 駆けだして いる んだ
真昼 の 月 を 追い越して 昨日 と は 違う 世界 へ
どこまでも 走り抜けて く あの 風 の ように
あの 風 の ように
きっと 君 は 今日 の 日 も 真っ直ぐ 明日 を 見て る
風 が 吹く あの 丘 に 咲いた 向日 葵 の ように
どんなに 遠く 離れて いて も この 歌声 が 君 に 届く ように
涙 が ずっと 止まら ない 夜 君 の 窓 を 照らす 月 に なり たい
また 必ず 会える と
そう 思う から …
アルゴス 4 こちら メリダ ファイナルコントローラー
ヘディング 良好 オンコース オングライドパス
こちら アルゴス 4 滑走 路 を 視 認 した
アルゴス 4 着陸 を 許可 する
中尉 サイン を
荷物 は 直接 部屋 へ 届け ます か
助かる そう して くれ
はい
はい
大佐 殿 相良 軍曹 が 参り ました
通して ください
はい
どうぞ
失礼 し ます
相良 宗 介 軍曹 通常 勤務 に 復帰 いたし ました
ご苦労さま 休んで ください
は ぁ 大佐 殿
かなめ さん に お 別れ は 言って き ました か
いえ
私 に 何 か 言い たい んでしょ
いえ 何も
あなた を 東京 から 呼び戻した の は 作戦 本部 と 私 の 決定 です
かなめ さん の 周辺 に 情報 部 の エージェント が
常駐 する 態勢 は すでに 整い ました から
05 B - D 113 の ドキュメント ファイル は ?
何の こと です
自分 の 報告 書 です
情報 部 は 彼女 の 護衛 を 十分に 果たして い ない と
再三 に わたり 説明 して まいり ました
それ は あくまで あなた の 感想 です
自分 の 報告 が 疑わしい と ?
そう は 言って ない でしょ 判断 材料 の 1 つ …
彼女 の 護衛 に は 自分 が 適任 そう 考えて おり ました 大佐 殿
自分 の 立場 に ついて 認識 が 不足 して いる ようです ね
軍曹 あなた に は 他 に 集中 す べき 仕事 が ある でしょ
どんな 仕事 でしょう か
アーバレスト です
あの 機体 の 扱い に 専念 して もらい ます
あの ハイジャック 事件 で アーバレスト は 最初の 搭乗 者
つまり あなた に 最適 化 さ れて しまった
開発 者 は すでに 死亡 して いて
そうした 設定 を 変更 する こと も でき ませ ん
試行 錯誤 して わかった こと は アーバレスト の ラムダ ・ ドライバ が
あなた 以外 で は 駆動 し ない と いう 事実 だけ
一方 で アマルガム と やら は
同様の 機体 を 何度 も 投入 して きて い ます
先日 の 南京 も そう でした
ラムダ ・ ドライバ 搭載 機 に 対抗 できる の は あなた と アーバレスト だけ です
これ から 彼女 の 護衛 は 情報 部 に 任せて
あなた に は あの 機体 を 使いこなす こと に 専念 して もらい ます
選択 の 余地 は ない と …
ええ
相良 さん どうか わかって ください
それ は ご 命令 でしょう か
命令 …
ええ … そう よ
それ で 納得 して くれる なら 命令 でも 何でも し ます
たとえ あなた を かなめ さん から 取り上げる こと に なって も
あなた は 気楽で いい です よ ね
私 を 恨んで いれば 気 が 紛れる んだ から …
だけど 私 は 部下 の 安全 を 考え なければ なら ない んです
敵 の 力 を 知っている でしょ
今度 こそ メリッサ が 死ぬ かも しれ ない
ウェーバー さん かも …
いつも 私 が どんな 気持ち で 艦長 席 に 座って いる の か あなた に わかる の ?
あなた は 何 を 見て いる の ?
彼女 の こと しか 頭 に ない の ?
ほんの 少し でも 私 の 気持ち を 考えて くれた ?
自分 は …
あなた って 最低
従順で 優しい ふり を して る けど ほんと は ひどい エゴイスト な の ね
しかも 自分 を 偽って る …
きり 言ったら どう な んです か
俺 は あの 子 と 一緒に いたい 邪魔 を する なって
そう 言って くれた ほう が ずっと 楽です …
はい
大佐 殿 クルーゾー 中尉 が お 見え です
少し 待って もらって ください すぐ 呼び ます から
はい
相良 さん なんか 大 っ 嫌い
すいません …
そう やって すぐ 謝る ところ も 嫌いです
恐縮 です …
もう 話す こと は あり ませ ん 解散 です
はい
今 の 下 士官 は ?
相良 軍曹 です 特別 対応 班 の
はい
お 待た せ し ました 中尉 どうぞ
は ぁ
ベルファンガン ・ クルーゾー 中尉 本日 付 で 着任 し ました
西 太平洋 戦 隊 へ ようこそ 中尉
休んで ください
は ぁ
大佐 殿 の ご 武 名 は 伺って おり ます
お目にかか れて 光栄です
こちら こそ
もう 新しい 部下 に は 会い ました か
まだ 話して は おり ませ ん
彼ら へ の 挨拶 代 わりに 試し たい こと が ある のです が
試し たい こと ?
少々 手荒に なる かも しれ ませ ん が
… で 泣か せ ち まった わけ ?
ああ
すげ え な
お前 って 実は ジゴロ の 才能 と か ある んじゃ ねえ の ?
ジゴロ と は 何 だ
気 に す んな
それにしても …
いやはや 何とも
何やら 楽しげだ な
うん わりと
大佐 殿 の 主張 は 正しい
確かに 俺 が 無理に 千鳥 を 護衛 する 理由 は ない
適材 適所 を 考えれば これ まで の 措置 …
やはり おかしかった のだろう
まっ もともと むちゃな 話 だ もん な
ああ しかし …
しかし ?
道理 だけ で は …
うん 道理 だけ で は ?
いや 何でもない
何 だ よ 愚痴 なら 聞く ぜ
言って み なって ほら
いい んだ
吐き出せ よ 楽に なる ぜ
見 ない 顔 だ な
水 を くれ
ばか もん 酒 を 注文 せい
酒 は いら ない 水 を
まったく …
すみません 中尉 殿
あんまり しみったれ たこ と を 本当 は 言い たく ない んだ けど
別の 席 に 移って くれ ませ ん かね
どうして だ ね
ここ の 3 席 分 は 俺 ら SRT
特別 対応 班 の ささやかな 指定 席 な んです よ
あんた は そこ に 座って る わけ
それ は 隊 の 規定 か
この 基地 の 連中 が 勝手に 決め とる だけ だ
だが 若い の その 席 は なるほど 指定 席 と 呼んで も いい かも しれ ん
意味 が わから ん な
そこ 死んだ 上官 が よく 座って た 席 な んだ
悪い けど 見ず知らず の あんた に ケツ を 乗っけて ほしく ない んです よ
なるほど
亡くなった 上官 の コール サイン と 名前 は ?
ウルズ 1 ゲイル ・ マッカラン
なら 席 を 移る 必要 は ない
その 男 は 腰抜け だった
えっ と … 腰抜け
あんた 今 腰抜け って 言った の か
そう だ 無能な 男 だった
強烈だ な
聞いた か 無能 だって よ
でも まっ 確かに あの おやじ と きたら …
クルツ
お粗末な 忍耐 力 だ な 軍曹
クソ 野郎 気合 が 入った ぜ
クルツ
放っておけ 軽い 脳震盪 だ
あの 一撃 を 食らって 立ち上がった の は 驚き だ が
その 軍曹 と いい 死んだ 大尉 と いい
ここ の SRT は まぬけ ぞろい の ようだ 失望 した よ
何 か 言い た そうだ な
中尉 この 同僚 の 無礼 は 謝罪 し ます
だが マッカラン 大尉 へ の 侮 蔑 は 撤回 して もらい たい
嫌だ と 言ったら ?
どうした この まぬけ の ように 上官 に 殴り かから ん の か
でき んだろう
見た ところ 君 は 真面目な 男 だ
しかし 命令 が なければ 何も でき ない
言って みれば 臆病 者 の 類い だ
言い訳 の ため の 口実 が 必要 か な ?
なら どう だ 軍曹 軽い ゲーム でも して みる か
マッカラン と やら の 名誉 を 守り たい のだろう ?
私 も ちょうど 退屈 して いた ところ だ
ついてこい 命令 だ
何 だ 笑い に でも 来た の か
補充 の 機体 を 届け に 来た んだ M 型 の ね
んな こと の ため に ここ まで 来た の か
実は あなた に 相談 し たい こと が あって ね
あの 姉妹 の こと で
あの 子 たち が 何 を する つもりな の か は 想像 が つく んだ
できれば それ を 止めて あげ たくて
黙って 見て いろ
わかった そういう こと な んだ ね
あなた の 流儀 に 従う よ
結構だ
いたずらな 子 猫 ちゃん たち に は しっかり お 仕置 きして あげ ない と な
はい
私 もう 会った の ね うん
どう
殺せる よ いつでも
じゃあ 指示 を 待って ね
先生 は 大丈夫
ええ まだ しばらく は
それ じゃ
先生 そろそろ 始め ます
ゲーム だ と これ が か
あの 機体 は あの とき の …
タイプ M 9 と 同様の ユニット D 系列 の 試作 機 です
スペック は 現行 の E 系列 と 大差 あり ませ ん
そう いえば 自己 紹介 が まだ だった な
地中 海戦 隊 から 転任 して きた ベルファンガン ・ クルーゾー 中尉 だ
本日 付 で この 西 太平洋 戦 隊 の 特別 対応 班 に 配属 さ れた
コール サイン は ウルズ 1
つまり 君 たち の チーム リーダー と いう こと に なる
だが 遠慮 はいらん
その AS で 前任 者 が 無能で は なかった こと を 私 に 証明 して みせろ
いく ぞ
こいつ
パワー は 互角 そして …
テクニック も 悪く ない だが …
なに
強い
思った とおり 二流 の 操縦 兵 だ
君 の 戦い 方 は スキル で は あって も アート で は ない
この 違い が わかる か
こんな じゃれ 合い で は 見え も し ない か
この際 だ 真剣 勝負 と いこう じゃ ない か
警告 アルファ 1 が 単 分子 カッター を 駆動 さ せて い ます
本気 か
いく ぞ
そう だ
こういう やり 方 は 感心 し ませ ん な
クルーゾー 中尉 でした か
妙な 提案 を する
許可 した の は 私 です
こう で も し ない と アーバレスト の 本来 の 力 は 引き出せ ない でしょう から
それでは 戦力 に なり ませ ん
必要な とき に 確実に 作動 する 信頼 性
それ こそ が 兵器 システム の 命 です
アーバレスト は 欠陥 品 だ と ?
はい 私 は あの 機体 が どうにも 気 に 入り ませ ん
相良 軍曹 も 同じでしょう ね …
それ が 問題 な んです
くそ っ
醜い な まったく 醜い
不器用で 強引で 柔軟 さ の かけら も ない
立て 軍曹
その 機体 の 全て を 引き出して みろ
わかる か 全て だ
全て …
ラムダ ・ ドライバ か
いく ぞ 軍曹
しかし あれ は …
あれ は
所詮 は 飼い犬 と いう こと か
終わった ようです な
ラムダ ・ ドライバ は 駆動 し ませ ん でした
見れば わかり ます
ばか …
あっさり 返り 討ち だって 何て ざま だ よ
お前 も やつ も お とがめ なし
どうやら 茶番劇 だった みたいだ ぜ
そういう こと か …
ようやく お 目覚め か
相良 軍曹 なぜ 自分 が 敗れた か わかる か
技能 の 差 です
違う もっと 根源 的な 理由 だ
どんな 技能 でも 埋め られ ない 致命 的な
意味 が わかり ませ ん が …
お前 は あの アーバレスト を 嫌悪 して いる
立ち合って みて よく わかった
足 の 運び や 腕 の さばき 繰り出す 攻撃 の 1 つ 1 つ
それ ら の 全て に 迷い が ある 焦り が ある
心 ここに あら ず だ
ラムダ ・ ドライバ など どうでも いい
それ 以前 の 問題 だ
中尉 自分 を 倒した あの 攻撃 は ?
あれ が ラムダ ・ ドライバ に よる もの だ と でも 思って いる の か
残念だ が お前 と アーバレスト を 倒す のに ラムダ ・ ドライバ など 必要な い
あれ は 東洋 で いう ところ の 徹し と 寸 勁 を 複合 した 技 だ
M 9 と いう 機体 は 操縦 者 次第 であれ だけ の ポテンシャル を 引き出せる
よく 聞け 軍曹
我々 が 使う AS と いう 兵器 は ただ の 機械 で は ない
鍛え られた 戦士 の 肉体 の さらなる 延長 な のだ
操縦 者 の 心 は そのまま 機体 に 現れる
高度な レベル の 戦い で は その 僅かな 差 が 勝敗 を 決める
自身 の 肉体 を 信じ られ ない 男 に
これ から の 敵 は 決して 倒せ ない と 知れ
以上 だ
いつまで そう して いる 気 だ
格納 庫 へ 行って サイン を 済ませろ
報告 書 も だ
あした から 徹底 的に 鍛え 直して やる
ウェーバー お前 も だ
へい へい
いけ 好か ない 野郎 が 着任 した もん だ ぜ
だが 強い …
完敗 だ
あなた だった の ね
そういう こと だ
1 年 半 ぶり かしら
正確に は 5 日 ぶり だ な
シチリア で 会った
この 部屋 は 彼 が 使って いた の か
ええ マッカラン 大尉 の 部屋
彼 は 苦しんだ か
一瞬 だった そう よ
そう か …
あの 相良 と いう やつ …
昔 の 俺 に そっくりだ
肩 肘 ばかり 張って いて 周り が 見え ず
無理 して 自分 を 枠 に はめよう と して いる
その 気 に なれば 枠 を 広げる こと だって できる のに な
あの 子 そう なれる かしら
わから ん
だが あの まま で は 死ぬ だろう
もしくは 本当の 負け 犬 に なる か だ
負け 犬 ?
俺 たち が 日頃 相手 に して いる 連中 の こと だ よ
悪意 は ゆっくり と 醸成 さ れる
まず 自分 を 偽り 次に 周囲 を 恨み
最後 は 世界 の 全て を 冷笑 する ように なる
ゆっくり と な
時計 の 短針 の ような 遅々と した 変化 だ
だからこそ 恐ろしい
今日 は 疲れた もう 休む よ
メリッサ
なに ?
俺 と 大尉 が 戦友 だった こと は 黙って いて くれ
連中 に 遠慮 さ れて は 困る から な
仰せ の まま に
お やすみ なさい ベン
艦長 よろしい でしょう か
何で す
作戦 本部 から D 待機 の 命令 です
AS に よる 大規模な 破壊 行為 が 発生
対応 手順 を 進行 中 です
場所 は ?
香港 です
東京 に 取り残さ れた 千鳥 は 孤独な 戦い を 始めて いた
孤独 と 疑惑 見え ない 視線 に 不安 が 募る
もう 誰 に も 頼れ ない
次回 彼女 の 問題
1 つ の 戦闘 が 終わる
雨 の 中 に 消える 涙 の ように …
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