RDG : Red Data Girl Episode 4

君 の 声 が 呼び 合う その 光 へ きみ||こえ||よび|あう||ひかり|

薄 絹 越し に 今 世界 を 見つめ てる うす|きぬ|こし||いま|せかい||みつめ|

飛べ ない 籠 の 中 羽 を 縮め て とべ||かご||なか|はね||ちぢめ|

風 渡る 森 へ と 咲き 継ぐ 花 たち の かぜ|わたる|しげる|||さき|つぐ|か||

呼吸 を 真似 し て 羽 を そっと 揺らせ ば こきゅう||まね|||はね|||ゆらせ|

ほら 君 の 声 が |きみ||こえ|

固く 閉じ た まま うずくまる かたく|とじ|||

この 足元 照らす よ |あしもと|てらす|

刻ま れ た 未来 が 遠く 見え ない 場所 でも きざま|||みらい||とおく|みえ||ばしょ|

恐れ を 脱ぎ捨て て 君 の 元 へ おそれ||ぬぎすて||きみ||もと|

触れ合わ なく て も 伝わる 確か な 想い が ふれあわ||||つたわる|たしか||おもい|

何度 でも 向かう 強 さ に なる なんど||むかう|つよ|||

変わって ゆく ため に かわって|||

おいしい ね

うん

45 分 に は 来い って 言った のに ぶん|||こい||いった|

もう 先 に 食べ ちゃ お う |さき||たべ|||

えっ ？

この 学 食 って 高校 生 しか 使わ ない ん でしょ う |まな|しょく||こうこう|せい||つかわ||||

私 たち まだ 入学 し て ない の に 使って いい の ？ わたくし|||にゅうがく||||||つかって||

私 中等 部 に い た 頃 から 割と こっち な の わたくし|ちゅうとう|ぶ||||ころ||わりと|||

日本 史 研究 会 って 高等 部 の クラブ に 顔 を 出し て い て にっぽん|し|けんきゅう|かい||こうとう|ぶ||くらぶ||かお||だし|||

時々 先輩 たち と 食べ て いる の ときどき|せんぱい|||たべ|||

すごい ね

ごめん

出遅れ た でおくれ|

遅い よ 真夏 おそい||まなつ

入学 式 も まだ だって いう のに 厩舎 に は 入り浸って た って わけ ね にゅうがく|しき||||||きゅうしゃ|||いりびたって||||

ビン ボン |ぼん

シャワー 浴び て き た ？ 汚い やつ なんか 私 紹介 でき ない から しゃわー|あび||||きたない|||わたくし|しょうかい|||

浴び て き た から こんな 遅く なった ん だ よ あび||||||おそく||||

ああ 腹 減った |はら|へった

泉 水子 ちゃん ごめん ね 先 に 食べ させ て やって いずみ|みずこ||||さき||たべ|さ せ||

食べる もの を 食べ て から で ない と まと も に 話 が でき ない の よ この 子 たべる|||たべ|||||||||はなし|||||||こ

真夏 君 って 中学 は ここ じゃ なかった の ？ まなつ|きみ||ちゅうがく|||||

うん パートナー 枠 長野 から 移って き た の |ぱーとなー|わく|ながの||うつって|||

パートナー 枠 ？ ぱーとなー|わく

無 試験 で 入れ て もらった の 私 が いる から む|しけん||いれ||||わたくし|||

馬 の 世話 が し たい から って 中学 は 田舎 に 残って て うま||せわ||||||ちゅうがく||いなか||のこって|

で 来 た 途端 勉強 も し ない で 馬術 部 に 入り浸り |らい||とたん|べんきょう|||||ばじゅつ|ぶ||いりびたり

先 が 思いやら れる よ さき||おもいやら||

なに それ 一 人 分 ？ ||ひと|じん|ぶん

運動 量 が 違う から ね うんどう|りょう||ちがう||

そんなに 食べ て 太ら ない なんて 不公平 |たべ||ふとら|||ふこうへい

なら 馬 に 乗れ よ 一変 だ ぞ |うま||のれ||いっぺん||

ごめん 被り ます |かぶり|

真夏 の 得意 分野 で 努力 し た って 虚 しい だけ だ も の まなつ||とくい|ぶんや||どりょく||||きょ|||||

ずいぶん 大人 し い ん だ ね |おとな|||||

えっ と 鈴 原 さん だ っけ ？ ||すず|はら|||

誰 の せい よ だれ|||

じゃあ 自己 紹介 |じこ|しょうかい

宗 田 真夏 です はじめ|た|まなつ|

流鏑馬 の 師匠 が 神奈川 に いる んで こっち に 出 てき ちゃ い まし た やぶさめ||ししょう||かながわ||||||だ|||||

馬 が 好き です 勉強 は 嫌い です … うま||すき||べんきょう||きらい|

す … 鈴 原 泉 水子 です ええ と 特技 は 別に あり ませ ん |すず|はら|いずみ|みずこ||||とくぎ||べつに|||

そう な の なんか あり そう に 見える |||||||みえる

う うん でき ない こと ばかり 多く て ||||||おおく|

鈴 原 さん って いい な ポヨン と し て て すず|はら|||||||||

そういう の セクハラ だ から ||せくはら||

は いはい おかわり し て いい ？

勝手 に すれ ば かって|||

呆れ た でしょ う 泉 水子 ちゃん あきれ||||いずみ|みずこ|

ああいう やつ な の

最初 は あんまり 似 て ない と 思った けど 顔 と か やっぱり 双子 な ん だ ね さいしょ|||に||||おもった||かお||||ふたご||||

う うん 双子 と は 違う ||ふたご|||ちがう

えっ ？

私 と 真夏 は 三 つ 子 な の わたくし||まなつ||みっ||こ||

もう 一 人 は 小さい 頃 に 死 ん じゃ った から 今 は 二 人 だけ |ひと|じん||ちいさい|ころ||し|||||いま||ふた|じん|

二 人 ども 仲良く なれ そう な 気 が する の 真 響 さん は 素敵 な 人 だ し ふた|じん||なかよく||||き||||まこと|ひび|||すてき||じん||

宗 田 は うじうじ し た ところ が ない から な はじめ|た|||||||||

深 行 君 真 響 さん の こと 知って る の ？ ふか|ぎょう|きみ|まこと|ひび||||しって||

ここ で 深 行って 呼ぶ な よ ||ふか|おこなって|よぶ||

バカ 父 が そう 呼ぶ せい で 気 に 障る ん だ ばか|ちち|||よぶ|||き||さわる||

ごめんなさい さ … 相楽 君 ||さがら|きみ

で その …

もちろん 知って る 初めて 見 た |しって||はじめて|み|

俺 より 成績 の いい 女 おれ||せいせき|||おんな

鈴 原 の 勉強 も 宗 田 に 見 て もらった ほう が いい かも な すず|はら||べんきょう||はじめ|た||み|||||||

相楽 君 より 上って 宗 田 さん 一 番 ？ さがら|きみ||のぼって|はじめ|た||ひと|ばん

あいつ が 一 番 ||ひと|ばん

お邪魔 だった かな おじゃま||

ちょっと 見 ない 顔 だ と 思った もの で |み||かお|||おもった||

一緒 に いる ところ を 見る と 相楽 の 地縁 ？ 血縁 ？ いっしょ|||||みる||さがら||ちえん|けつえん

親 の 知り 合い の 子 だ よ 鈴 原 泉 水子 おや||しり|あい||こ|||すず|はら|いずみ|みずこ

こいつ は 高柳 だ よ 同 学年 だ ||たかやなぎ|||どう|がくねん|

ずいぶん 髪 長い ね |かみ|ながい|

じゃ 新 学期 から よろしく |しん|がっき||

今 の 人 … いま||じん

和 宮 に 似 てる って 言う ん だ ろ う わ|みや||に|||いう||||

だけど あいつ は 生身 の 人間 だ よ |||なまみ||にんげん||

あの 手 の 顔 は 俺 に は 鬼門 だ |て||かお||おれ|||きもん|

髪 下ろす こと に し た の ？ かみ|おろす|||||

今日 から イメチェン おかしい かな きょう||||

う うん とんでもない お 嬢 様 みたい ||||じょう|さま|

中身 は そう 簡単 に 変わら ない けど ね なかみ|||かんたん||かわら|||

メガネ やめよ う かな めがね|||

コンタクト に する の こんたくと|||

かけ なく て も 見え ない わけ じゃ ない の ||||みえ|||||

この メガネ は お 母さん に もらった もの で |めがね|||かあさん||||

それ じゃ 今 まで 伊達 メガネ だった の ？ ||いま||だて|めがね||

う うん 乱視 は ある の 遠視 も すこし ||らんし||||えんし||

そ っか 実は 私 密か に 泉 水子 ちゃん の 寝顔 の ファン だった ん だ ||じつは|わたくし|ひそか||いずみ|みずこ|||ねがお||ふぁん|||

その ほう が かわいい かも

私 たち 二 人 高等 部 から 心機一転 だ ね わたくし||ふた|じん|こうとう|ぶ||しんきいってん||

さあ 行 こ う |ぎょう||

う … うん

別れ ちゃ った みたい わかれ|||

私 は A 組 か あ わたくし|||くみ||

でも 泉 水子 ちゃん 真夏 と 一緒 だ よ C 組 |いずみ|みずこ||まなつ||いっしょ||||くみ

もし かして 学力 別 ？ ||がくりょく|べつ

クラス 別 と 言って も 鳳城 の 場合 それほど 固定 し た もの じゃ ない の よ くらす|べつ||いって||おおとりしろ||ばあい||こてい|||||||

選択 授業 も 多い から 後 で 時間割 の 相談 しよ う せんたく|じゅぎょう||おおい||あと||じかんわり||そうだん||

うん

A 組 だって ？ よかった じゃ ん |くみ||||

俺 が そば に いる と 襤褸 が 出る でしょ う おれ||||||ぼろ||でる||

大きな お 世話 おおきな||せわ

泉 水子 ちゃん 真夏 が 浮か ない よう クラス で 気 を つけ て い て くれる ？ いずみ|みずこ||まなつ||うか|||くらす||き||||||

う … うん

う わ 鈴 原 さん メガネ やめ た の ？ ||すず|はら||めがね|||

すごく かわいい よ

あたし も 髪 型 変え た ん です けど ||かみ|かた|かえ||||

本当 だ 気づか なかった よ でも 中身 は 変わら ない ん だ ろ う ほんとう||きづか||||なかみ||かわら|||||

ちょっと な に それ

生徒 会長 歓迎 の 言葉 に 代わり せいと|かいちょう|かんげい||ことば||かわり

新入 生 代表 挨拶 一 年 A 組 高柳 一 条 しんにゅう|せい|だいひょう|あいさつ|ひと|とし||くみ|たかやなぎ|ひと|じょう

あいつ だ 中等 部 で 三 年 間 トップ ||ちゅうとう|ぶ||みっ|とし|あいだ|とっぷ

京都 の 金持ち の ボンボン らしい ぜ みやこ||かねもち||ぼんぼん||

生徒 会 選挙 に 立候補 する って 聞い た よ せいと|かい|せんきょ||りっこうほ|||ききい||

麗 ら か な 春 を 迎え た 今日 この 日 うらら||||はる||むかえ||きょう||ひ

私 たち 103 名 は 夢 と 希望 を 持って この 鳳城 学園 へ 入学 し まし た わたくし||な||ゆめ||きぼう||もって||おおとりしろ|がくえん||にゅうがく|||

八王子 の 豊か な 自然 に 囲ま れ た 広大 な キャンパス はちおうじ||ゆたか||しぜん||かこま|||こうだい||きゃんぱす

充実 し た … じゅうじつ||

うそ もう 平気 な はず な のに ||へいき||||

クラス が 別 だった くらい で どうして くらす||べつ||||

怖く ない 怖く ない こわく||こわく|

ここ だ よ C 組 ||||くみ

留学 生 目立つ ね りゅうがく|せい|めだつ|

イギリス と 韓国 だって さ いぎりす||かんこく||

多い よ ね この 学校 おおい||||がっこう

よかった 真夏 君 が い て |まなつ|きみ|||

鈴 原 さん 具合 悪い の ？ すず|はら||ぐあい|わるい|

ろ … 廊下 側 の 後ろ に いる 人 |ろうか|がわ||うしろ|||じん

ええ と リカルド ブラジル から の 留学 生 だって さ |||ぶらじる|||りゅうがく|せい||

留学 生 … りゅうがく|せい

彼 が どう し た の ？ かれ|||||

う うん 何でもない ||なんでもない

これ は お守り ||おもり

あなた の 目 は 私 に 似 て よく 見え すぎる から ||め||わたくし||に|||みえ||

まさか …

馬 って さ ひどく 臆病 な ん だ よ うま||||おくびょう||||

あんなに 大きな 図体 し て いる くせ に 物音 や 影 に 敏感 で |おおきな|ずうたい||||||ものおと||かげ||びんかん|

鈴 原 さん って 結構 似た もの 同士 だ と 思う な すず|はら|||けっこう|にた||どうし|||おもう|

誰 に も 言え ない 外国 人 生徒 が 怖い なんて だれ|||いえ||がいこく|じん|せいと||こわい|

そんな 偏見 克服 … |へんけん|こくふく

ここ に も

きちんと 見 なく て は |み|||

ご … ごめん 驚か し ちゃ った ？ ||おどろか|||

ああ う うん 大丈夫 |||だいじょうぶ

ねえ 鈴 原 さん 戻り 橋 って 知って る ？ |すず|はら||もどり|きょう||しって|

京都 の 戻り 橋 ？ みやこ||もどり|きょう

う うん ウェブ サイト の 話 |||さいと||はなし

C 組 で 知ら ない 人 あまり い ない よ |くみ||しら||じん||||

知ら ない ネット って やって なく て しら||ねっと||||

教 者 ゲット きょう|もの|げっと

何 の サイト ？ なん||さいと

占い と いう か 人生 相談 ？ うらない||||じんせい|そうだん

とにかく 進め て く と 癒し み み たい な メッセージ が もらえ る の |すすめ||||いやし|||||めっせーじ||||

その メッセージ が いい ん だ よ 絶対 はまる よ |めっせーじ||||||ぜったい||

これ A 組 の 高柳 一 条 が 作った サイト らしい よ ||くみ||たかやなぎ|ひと|じょう||つくった|さいと||

パスワード が ない と 入れ ない ん だ けど ぱすわーど||||いれ||||

知り たい ？ しり|

私 が 勝手 に 怖がって る だけ わたくし||かって||こわがって||

あの 人 … |じん

人 じゃ ない じん||

放課後 視聴覚 ルーム 来 て くれ ます か ほうかご|しちょうかく|るーむ|らい||||

来 て くれ ます か らい||||

来 て くれ ます か らい||||

分かった 分かった から もう 向こう へ 行って わかった|わかった|||むこう||おこなって

相楽 くん さがら|

泉 水子 ちゃん いずみ|みずこ|

緊急 ？ きんきゅう

つい て こい よ

外国 人 留学 生 か がいこく|じん|りゅうがく|せい|

見慣れ ない の は 認める けど 全員 と いう 訳 じゃ ない みなれ||||みとめる||ぜんいん|||やく||

鈴 原 は 日本 人 で も 怖がる だ ろ う 男子 って だけ で すず|はら||にっぽん|じん|||こわがる||||だんし|||

呼び出し の 訳 本当 に 何も 思い付か ない の か よびだし||やく|ほんとう||なにも|おもいつか|||

思わせぶり な 態度 を とった と か おもわせぶり||たいど||||

私 の 言う こと を 信じ て い ない でしょ う わたくし||いう|||しんじ|||||

勘違い だって 言い たい ん でしょ う かんちがい||いい||||

そんな こと は ない

俺 も 去年 和 宮 を 見て いる おれ||きょねん|わ|みや||みて|

だから 鈴 原 を 端 から 否定 は し ない よ |すず|はら||はし||ひてい||||

視聴覚 室 に 来い と 言った ん だ な しちょうかく|しつ||こい||いった|||

私 とても 行け ない わたくし||いけ|

何 か 対策 を 考え て みる なん||たいさく||かんがえ||

行か ず に 済む よう に し て くれる いか|||すむ|||||

こういう の を 相手 に し て 約束 を 守ら ない の は よく ない |||あいて||||やくそく||まもら|||||

ただ 人 で は ない と はっきり し て い れ ば |じん||||||||||

遣 り 様 は ある ん だ つか||さま||||

そう いえ ば お前 メガネ とった の か |||おまえ|めがね|||

ありがとう 来 て くれ て |らい|||

どうして ちゃん と 普通 に 見える |||ふつう||みえる

質問 が あり ます しつもん|||

あなた は 人間 です か ||にんげん||

急 々 如 律令 悪 鬼 退散 きゅう||ごと|りつりょう|あく|おに|たいさん

何 する の なん||

効か ない の か きか|||

なら 本当 に 人間 だった の か |ほんとう||にんげん|||

らしく ない くらい 髪 が 長い し |||かみ||ながい|

印象 薄い し いんしょう|うすい|

まあ いい

どうして リカルド が 見破れ た の か 話し て もらう よ |||みやぶれ||||はなし|||

いじ め の 現行 犯 って ところ かな |||げんこう|はん|||

生徒 会 選挙 に 立候補 しよ う って 奴 が いい の か せいと|かい|せんきょ||りっこうほ||||やつ||||

僕 と リカルド は 何 を し た ぼく||||なん|||

そっち こそ まずい ん じゃ ない の

そんな もの を 持ち込 ん で |||もちこ||

矢 は 一 本 も 持って き て い ない よ や||ひと|ほん||もって|||||

なら それ で どう する 気 |||||き

「 ノウマク サラバ タタギャテイビャク

サラバ ボッケイビャク

サラバタ タラタ センダ マカロシャダ ケン ギャキギャキ ||||けん|

サラバ ビギンナン ウンタラタ カン マン 」 |||かん|まん

あっ あの 人 は 何 だった の ||じん||なん||

簡単 に 消し て いい もの だった の かんたん||けし|||||

やらせ て やった ん だ よ

まあ この 次 は もっと うまく やる さ ||つぎ|||||

女子 が 人間 だった 時点 で お 里 が 知れ て いる よ じょし||にんげん||じてん|||さと||しれ|||

験 者 と 憑坐 か げん|もの||ひょうざ|

ずいぶん 低俗 だ な |ていぞく||

だったら

生身 の 者 しか 手下 に 使え ない 時点 で お 話 に なら ない なまみ||もの||てした||つかえ||じてん|||はなし|||

格 が ね 格 が 違う ん だ よ かく|||かく||ちがう|||

鈴 原 背中 に 何 か 付い て いる すず|はら|せなか||なん||つけい||

何 それ なん|

霊 符 かな れい|ふ|

符 呪 に 決まって いる でしょ う ふ|まじない||きまって|||

すぐに 察 し なさい よ それ くらい |さっ|||||

宗 田 いつ から そこ に いたん だ はじめ|た||||||

あまり 変な こと に なったら 止める つもり で は い た の よ |へんな||||とどめる|||||||

でも なるべく なら 高柳 の 前 で 顔 を 出し たく なかった の |||たかやなぎ||ぜん||かお||だし|||

すごい ねぇ 泉 水子 ちゃん ||いずみ|みずこ|

あいつ の 式 神 を 見破った の ||しき|かみ||みやぶった|

きっと 泉 水子 ちゃん が 初めて だ よ |いずみ|みずこ|||はじめて||

おかげ で 高柳 一 条 は 式 神 使い だ と 分かった わけ ||たかやなぎ|ひと|じょう||しき|かみ|つかい|||わかった|

式 神 使い って 何 しき|かみ|つかい||なん

陰 陽師 の こと よ かげ|ようし|||

宗 田 も 陰 陽師 な の か はじめ|た||かげ|ようし|||

私 は 違う わたくし||ちがう

それ なら どうして そんなに よく 知って いる ん だ よ |||||しって||||

隠れ て 見て いる なんて 普通 じゃ ない かくれ||みて|||ふつう||

相楽 って まだ この 学校 に 馴染 ん で い ない ね さがら||||がっこう||なじみ|||||

そういう こと 面 と 向かって 質問 する 人 なんて い ない よ ||おもて||むかって|しつもん||じん||||

陰 から 探る なら 別 だ けど かげ||さぐる||べつ||

おかしな 雰囲気 の 学園 だ と は 思って い た よ |ふんいき||がくえん||||おもって|||

相楽 の こと は 嫌い じゃ ない から 教え て あげる さがら||||きらい||||おしえ||

私 の 素養 も 相楽 と 同じ 山伏 に 近い もの よ わたくし||そよう||さがら||おなじ|やまぶし||ちかい||

私 に は 高柳 の よう に 式 を 操る こと は でき ない けれど し たい と も 思わ ない わたくし|||たかやなぎ||||しき||あやつる||||||||||おもわ|

きっと 性格 歪む ね |せいかく|ゆがむ|

もう 歪 ん で いる 気 が する な |ひずみ||||き|||

だけど あいつ 一体 何 が し たい ん だ ||いったい|なん|||||

独り言 と して 言う の だ けれど ひとりごと|||いう|||

この 学園 で トップ に なる こと は 高柳 に とって 大きな 意味 が ある らしい |がくえん||とっぷ|||||たかやなぎ|||おおきな|いみ|||

そして 私 は あいつ に 牛耳ら れる の が とても 気 に 食わ ない |わたくし||||ぎゅうじら|||||き||くわ|

俺 も あいつ に は むかつく おれ|||||

じゃ 協定 成立 だ ね |きょうてい|せいりつ||

それ と もう 一 つ |||ひと|

泉 水子 ちゃん これ って 何 の メモ ？ いずみ|みずこ||||なん||めも

こんな こと まで やって る なんて ね

水面 下 で おもねる なんて 姑息 よ すいめん|した||||こそく|

いや 支持 者 を 増やす に は 利口 な やり口 だ |しじ|もの||ふやす|||りこう||やりくち|

利口 か どう か は 中 を 見 て から 言って ね りこう|||||なか||み|||いって|

護身 し て ごしん||

「 オンバ ザラ ギニ ハラチ ハタヤ ソワカ 」

大丈夫 か 宗 田 だいじょうぶ||はじめ|た

真 響 さ ん まこと|ひび||

真 響 さ ん よかった どう なる こと か と 思った まこと|ひび|||||||||おもった

いや ね 大騒ぎ する 怪我 じゃ ない って 言って おい た のに ||おおさわぎ||けが||||いって|||

ごめんなさい 私 の せい で |わたくし|||

どうして 泉 水子 ちゃん が 謝る の |いずみ|みずこ|||あやまる|

私 が 真 響 さん に ウェブ サイト の 話 を し た ん だ も の わたくし||まこと|ひび||||さいと||はなし|||||||

やめ れ ば よかった

遅かれ早かれ 高柳 は 私 を 標的 に し た でしょ う よ おそかれはやかれ|たかやなぎ||わたくし||ひょうてき||||||

私 も 命 に かかわる 呪い を 仕掛け て くる なんて わたくし||いのち|||まじない||しかけ|||

正直 思って い なかった の よ しょうじき|おもって||||

そんなに 危険 だった の ね |きけん|||

泉 水子 ちゃん は 呪い に さわら ず に 済 ん だ の ね よかった いずみ|みずこ|||まじない|||||す|||||

突き飛ばし て くれ た の 真 響 さ ん ？ つきとばし|||||まこと|ひび||

真 響 さ ん でしょ う まこと|ひび||||

ねえ 泉 水子 ちゃん どっち の 方 が 嬉しかった |いずみ|みずこ||||かた||うれしかった

私 だった 場合 と 相楽 だった 場合 と わたくし||ばあい||さがら||ばあい|

からかわ ない で よ

う うん 真面目 な 話 ||まじめ||はなし

高柳 に も 験 者 と 憑坐 だって 言わ れ た じゃ ない たかやなぎ|||げん|もの||ひょうざ||いわ||||

それ って どういう 意味 |||いみ

憑 き 物 落とし を する 人 と その ため に 憑 き 物 を 取り付か せる 人 ひょう||ぶつ|おとし|||じん|||||ひょう||ぶつ||とりつか||じん

中世 の 頃 は 山伏 と 巫女 が 夫婦 で 仕事 を する こと が 多かった みたい ちゅうせい||ころ||やまぶし||いちこ||ふうふ||しごと|||||おおかった|

夫婦 で ？ ふうふ|

相楽 と 泉 水子 ちゃん は ペア だった の か と そう 言い たかった の よ さがら||いずみ|みずこ|||ぺあ||||||いい|||

そんな の じゃ ない のに

それ なら そういう こと に しよ う

やっぱり 真 響 さん から かって いる でしょ う |まこと|ひび||||||

真夏 まなつ

真夏 くん まなつ|

あの ここ 女子 寮 な ん だ けど ||じょし|りょう||||

うん 知って る |しって|

相楽 に 病院 から 戻って き た って 聞い た から さがら||びょういん||もどって||||ききい||

相楽 に 会った の さがら||あった|

何 やって ん だ よ この は ねっ かえり なん||||||||

あの もう 少し 小さな 声 ||すこし|ちいさな|こえ

どこ に 鼻 を 突っ込 ん で いる ん だ よ ||はな||つっこ||||||

顔 に 傷 を つくる ほど の 何 が ある って いう ん だ かお||きず|||||なん||||||

遊び ごと だ ろ う こんな 学校 あそび||||||がっこう

真夏 の ばか まなつ||

怖かった ん だ から 私 こわかった||||わたくし

真 響 さ ん まこと|ひび||

私 は こんな ふう に 誰 か に 縋 って 泣 い た こと が ない わたくし|||||だれ|||つい||なき|||||

まだ 何事 も ギリギリ まで 努力 した こと が ない から だ |なにごと||ぎりぎり||どりょく||||||

相楽 くん さがら|

タイミング を 逃し た ん だ けど 入って いい か たいみんぐ||のがし|||||はいって||

何で 相楽 くん まで なんで|さがら||

あいつ が いきなり 俺 に 会い に 来 て 根掘り葉掘り 聞か れ だ から な |||おれ||あい||らい||ねほりはほり|きか||||

気 に なって つい て き た き||||||

怪我 は ？ けが|

大した こと ない たいした||

もう いや だ な こんな 所 見 られ て |||||しょ|み||

真 響 俺 は 今夜 中 に 決着 を つけ て くる できる か まこと|ひび|おれ||こんや|なか||けっちゃく||||||

真夏 が 行く の まなつ||いく|

あいつ に 自分 の した こと を 思い知ら せ て やる ||じぶん|||||おもいしら|||

小手先 で 遊び や がって こてさき||あそび||

決着 つける の は 賛成 けっちゃく||||さんせい

だけど

それとも 真澄 に 呼び掛け られ ない くらい 痛む か |ますみ||よびかけ||||いたむ|

う うん そんな こと は ない

でき れ ば 私 が 行き たかった と 思う だけ |||わたくし||いき|||おもう|

真澄 ますみ

「 オンソハハンバ シユダ サラバ タラマ ソハハンバ シユド カン ||||||かん

オンタタギヤト ドハン バヤ ソワカ

オンハンドバ ドハン バヤ ソワカ 」

応え た ね こたえ||

張り切って いる ね はりきって||

真 響 は ちゃんと 休め まこと|ひび|||やすめ

また いつ でも 会え る ん だ から |||あえ||||

泉 水子 ちゃん も 真澄 に 会って よく 見 て き て いずみ|みずこ|||ますみ||あって||み|||

私 たち の 真澄 が 式 神 と は 違う こと を わたくし|||ますみ||しき|かみ|||ちがう||

鈴 原 さん こいつ が 真澄 すず|はら||||ますみ

誰 か が 私 を 呼ぶ の だれ|||わたくし||よぶ|

どこ か で 私 を 呼ぶ |||わたくし||よぶ

遠く から 近づ い てる とおく||ちかづ||

優しい 響き やさしい|ひびき

心 動き出し て こころ|うごきだし|

一 つ 教え て ひと||おしえ|

この 切ない 予感 の 前 で |せつない|よかん||ぜん|

まだ 知ら ず に い た |しら||||

思い が 広がり かけ てる の おもい||ひろがり|||

夢見 て い た 自由 に ゆめみ||||じゆう|

戸惑い がち の まま とまどい|||

小さな 声 で 願う ちいさな|こえ||ねがう

みんな と 一緒 に ||いっしょ|

笑い 合い たい ね わらい|あい||