( 鳥 の さえずり )
( 誠一 ( せい いち ) ) ハァ …
( 透 子 ( すいこ ) ) おじさん ( 誠一 ) ん っ
何 だい ?
( 透 子 ) おじさん もう すぐ 死ぬ わ
あっ …
( 誠一 ) 知って る
♪ ~
~ ♪
( キョウ ) “ 前略 初めて お 便り し ます ”
“ 先生 の ご 本 を 愛読 さ せ て いた だい て いる 者 です ”
“ 実は 先生 に 知って いただき たい こと が あり ― ”
“ 筆 を 執り まし た ”
“ 私 は もう すぐ 死ぬ でしょ う ”
“ 殺さ れる の です ”
“ 私 に は 生まれつき 奇妙 な 才能 が あり まし た ”
“ それ は この 世界 に 相 いれ ぬ もの で ― ”
“ 知ら れ れ ば 恐らく 平穏 な 生活 を 望 め なく なる … ”
“ そんな たぐい の もの で し た ”
“ しかし 私 は 先生 の ご 本 に 出会って しまい まし た ”
( 誠一 ) “ 君 の 孤独 は 君 の 価値 で も ある ”
“ 君 が 独りぼっち で あれ ば ある ほど ― ”
“ 君 は 多く の 人 と つながる 才能 を 持って いる ”
( キョウ ) あっ …
( キョウ ) “ 私 は それ まで ひた隠し に し て い た 才能 を ― ”
“ 少しずつ 世 に 現 そ う と 考え まし た ”
“ しかし 世界 は 私 を 異 分子 と し て 排除 する よう です ”
( 投かん する 音 )
( キョウ ) “ 私 の 周り で 最近 妙 な 連中 を 見かけ ます ”
“ きっと 監視 者 から の 刺客 でしょ う ”
“ 予想 し て た こと です が ― ”
“ 私 は 現在 の 社会 の 敵 に なって しまい まし た ”
“ それ で 最後 に お 礼 を 言 お う と 思った の です ”
社会 の 敵 …
( 携帯 電話 の 呼び出し 音 )
( 誠一 ) 弦 ( げん ) 今日 暇 かい ?
( 弦 ) まあ な 何 だ ? また 何 か の 調査 か ?
ああ それ が 少々 特殊 な ん だ が …
( 弦 ) 誠一 結論 から 言って こいつ は 本当 に 死 ん で いる
あっ …
( 弦 ) 死 ん だ の は 1 か月 前
この 手紙 の 消印 の その 翌日 だ
( 誠一 ) 翌日 ? ( 弦 ) ああ しかも ―
手紙 を 出す 日 の 3 日 前 から 行方 不明 に なって いる
行方 不明 …
彼 は やっぱり 何 か を し て い た の か ?
それ な ん だ が …
( 誠一 ) どう し た ? ( 弦 ) あっ いや
別に 何でもない こと な の かも しれ ん が …
( 誠一 ) 何 だ よ もったい つけ て
周り の 友達 の 成績 を 上げ ち まった ん だ
ん っ …
( 弦 ) それ も 別 に 勉強 を 教え た と か そう いう ん じゃ ない
ひと言 ふた 言 アドバイス を もらった と か ―
頭 を なで て もらった と か それ だけ だって 言う ん だ
学校 だけ じゃ ない
バンドマン に は 個性 的 な 曲 を 作 れる よう に して やったり と か ―
そう いう 話 が いっぱい ある ん だ よ
それ って つまり ―
例えば 僕 だったら 本業 の 小説 が うまく なる と か
そう いう こと だ
要 は 本人 が 伸び悩 ん で い た こと を 何 つう か ―
“ 突破 ” さ せ て やる 才能 ? そんな の が あった って 言う ん だ
信じ られ ない な
まるで 彼 が 奇跡 を 起こせ る みたい じゃ ない か
( 弦 ) “ みたい ” って いう か …
感触 だ が こいつ は 本物 だ
死因 は 何 だった ん だ ?
( 弦 ) 階段 から 足 を 滑ら せ て 頭 を 打った そう だ
目撃 者 も い ない
( 誠一 ) 行方 不明 の 果て に 階段 で 転 ん で 死 ん だ …
と いう こと か
( 弦 ) 騒ぎ に なり そう な もん だ ろ ?
だが 何 の 問題 も 残って い ない ん だ
家族 は すぐ 引っ越し ち まって 消息 不明 だ し な
( 誠一 ) ハァ … 痕跡 が 何も ない の か
ああ それ が 問題 だ
なあ 誠一 こいつ は ヤバ い こと だ ぞ
下手 に 首 突っ込む と ただ じゃ 済ま ない かも しれ ん
( 誠一 ) 奇跡 を 起こす 少年 が 社会 の 敵 か …
あっ
( キーボード を 打つ 音 )
( マウス の 操作 音 )
( 誠一 ) どう なって いる ん だ これ は …
( ふすま の 開く 音 ) ( 凪 ( なぎ ) ) オヤジ どう かし た の ?
( 誠一 ) い … いや あ 別に 何でも
( 誠一 ) 何 だって ?
( 凪 ) だ から 母 さん が 会い たい って さ
( 誠一 ) なんで ? ( 凪 ) さあ な
再婚 が 本決まり に なった から その 前 に 一 度 って
し … しかし …
( 凪 ) 会い たく ない ? なら そう 伝える けど
ん っ …
い … いや あ 分かった 承知 し た って 言 っと い て くれ
どう し た ?
別に 何でもない
何 だ 気 に なる な
( 凪 ) 母 さん の 再婚 相手 って さ 金持ち な ん だ よ ね
それ が ?
だから 子供 が 1 人 や 2 人 増え て も 何て こと ない ん だ って
あっ
お前 は どう 思って る ん だ ?
( 凪 の 吹き出す 声 )
( 凪 ) アハハッ そんな 泣き そう な 顔 す ん な よ
一緒に い て あげる から
お前 から かった の か ?
そりゃ もう 思いっきり な
まったく 俺 より しっかり し てる な お前
俺 が 小学生 の ころ から する と 考え られ ない よ
そりゃ そう だ よ
あと の 時代 に 生まれ た 俺 たち の ほう が ―
オヤジ 世代 より 賢く なる に 決まって る だ ろ
( 誠一 ) そう いう もの か ? ( 凪 ) 進化 って やつ だ よ 進化 !
進化 か よく 言った もん だ
まっ “ 子供 は 人類 の 父 で ある ” なんて 言葉 が …
ハッ
( 誠一 ) 進化 … “ 社会 の 敵 ” と は そう いう こと か
( 弦 ) 何 つう か ―
“ 突破 ” さ せ て やる 才能 ? そんな の が あった って 言う ん だ
現在 社会 が 対抗 し て いる
これ は 生存 競争 だ
“ 監視 者 ” と や ら が 私 に たどり着く の も 時間 の 問題 だ な
( 透 子 ) おじさん もう すぐ 死ぬ わ
( 誠一 ) 知って る
( 透 子 ) 知って る のに 平気 な の ?
( 誠一 ) どう に も なら ない こと は ある もの さ
( 透 子 ) ここ で 何 を 見 て い た の ?
( 誠一 ) 鳥 だ よ ( 透 子 ) 鳥 ?
鳥 は なんで 空 を 飛 ん で いる の か 知って いる かな ?
( 透 子 ) 翼 が ある から でしょ ?
( 誠一 ) 他 に 飛 ん で いる もの が 少ない から だ よ
鳥 ほど 空 を 自由 に 飛 べ る 生き物 は い ない
だから 飛ぶ ん だ
( 透 子 ) どう いう こと ?
他 に 争う もの が い なけ れ ば 生き て い ける
鳥 は ずっと 昔 から そう やって 生き延び て き た ん だ
でも 飛 ん で いる 鳥 だって 空 から 落ちる こと が ある わ
( 誠一 ) 4 月 に 雪 が 降る こと だって ある
あっ
あらゆる 危険 や 意外 性 は 全て 平等 に ある
問題 は その 中 で どう 生き抜く か だ
( 透 子 ) 人間 も ?
( 誠一 ) 人間 も それ 以外 の 者 も … だ
それ まで の 人間 と は 少し 違う 者 たち に も ―
やはり そう いう 戦い は 待って いる
どう 対処 する か は それぞれ だ が ね
( 透 子 ) おじさん って 偉い 人 な の ?
ああ し が ない 物書き だ が 実は すごい 大物 さ
社会 の 敵 ナンバーワン だ よ
敵 ?
今 の 世界 に とって は 新し すぎ て 敵 に しか な れ ない 者 たち が ―
なぜ か みんな 私 の 書 い た 本 に 感動 し て くれる
いわば 彼ら の 旗頭 の よう な 存在 だ
( 透 子 ) へえ
と いって も 私 に できる こと は 彼ら の 背中 を 押す こと だけ だ が ね
私 は そこ まで 言葉 の 力 を 信じ て い ない
命じる こと も 止める こと も でき ない
( 足音 )
( 座る 音 ) あっ
でも おじさん は 死ぬ わ
ハァ … らしい な
結局 思う よう に は いか ない 途中 で 失敗 し て しまう の よ
( 誠一 ) それ が 失敗 だ と 誰 が 決める ?
うん ?
君 は 人 の 死 が 見える ん だ ね
ええ
その 奇妙 な 才能 は 呪わ れ た もの だ と 思う かい ?
分から ない わ
ああ そんな こと は 誰 に も 分から ない ん だ
もし 君 が これ から 何 か を し た と し て ―
それ が 途中 で 終わった と し て も ―
それ が 失敗 か どう か は 誰 に も 決め られ ない
それ が たとえ 悪い こと に しか 見え ない こと でも ―
君 が 何 か を しよ う と し た 意思 や 真剣 な 気持ち …
そう いう もの は 必ず 他 の 者 たち の 中 に 残る
君 の 次 に 誰 か が もっと うまく それ を やって くれる かも しれ ない
誰 が ?
( 誠一 ) 君 の 敵 だった 者 かも しれ ない し ―
ただ の 通りすがり の 人 かも しれ ない
それ は 誰 に も 分から ない
そして それ は また 次に 伝わり ―
その 中 の 誰 か が ―
いつか 世界 の 中心 に たどり着く かも しれ ない
( 透 子 ) おじさん は ? ( 誠一 ) うん ?
( 透 子 ) おじさん の 次 に は 誰 か が 続く と 信じ てる の ?
さあ ね
本当 は 小説 の ほう を ―
読 ん で もらい たかった ん だ が ね 私 は
( 透 子 ) おじさん 名前 は 何て いう の ?
霧 間 ( き り ま ) 誠一 だ 君 は ?
水 乃 星 ( みな ほし ) 透 子
( 誠一 の うめき声 )
( 誠一 の うめき声 )
う っ あ あっ …
( ドア の 開く 音 )
( 凪 ) ただいま !
( 誠一 ) やめ とけ
娘 まで 変死 する と 大 事件 に なる ぞ いい の か ?
( 足音 )
( モ ・ マーダー ) お前 自分 が 殺さ れる こと を 知って い た の か ?
( 足音 )
今日 は 早退 し ちゃ って さ
えっ ?
ハッ … オヤジ !
あっ
凪 普通 と いう こと を どう 思う ?
( 凪 ) えっ …
あっ …
( モ ・ マーダー ) 普通 … か
( ピジョン ) 何 か 言った ? ( モ ・ マーダー ) いえ
むごい もの だ な と
( ピジョン ) あんた に とって は 普通 でしょ ?
殺人 機械 の あんた に は さ
( キョウ ) あなた の 中 に 1 匹 の 虫 が い る
その 虫 は 次第に 大きく なって いく
あなた が 忘れよ う と する こと を 食べ ながら
その 虫 は いずれ あなた の 運命 を 決定 する
そして 恐らく あなた は その ため に 死ぬ
( ピジョン ) それ で 見当 は つい た の ? 同じ 殺人 鬼 と し て
( モ ・ マーダー ) いえ 何 と も
そう … なら それ が 今度 の あんた の 仕事
なぜ 犯人 が こんな 殺し 方 を し た か を 突き止め ―
場合 に よって は 始末 する
( モ ・ マーダー ) 分かり まし た で は 早速 …
( ピジョン ) どこ から 調べる の ?
( モ ・ マーダー ) まず は 殺害 現場 に 行って み ます
どの よう に 殺さ れ た の か また 目的 は 何 か …
そんな もの 警察 が とっくに やって る わ よ
( モ ・ マーダー ) 警察 で は 気 が つか ない 共通 する 何 か が あり ます
この 犯人 は 明らか に 目的 を 持って 行動 し て い ます から
さすが 同類 ね 気持ち 悪い
ピジョン さん … で し た っけ ?
君 は 少し 感情 を 表 に 出し すぎ です よ
殺人 鬼 に そんな こと 言わ れる 筋合い ない わ
( モ ・ マーダー ) ここ は 人目 に つき やすい
それ に 悲鳴 も すぐ に 届く
つまり 声 を 上げ られる こと も なく ―
一瞬 で 目的 を 達成 する 力 が あった と いう こと
に し て も 犯行 が 稚拙 すぎる 慎重 さ や 計算 が まるで ない
見つから なかった の は たまたま だ ろ う が ―
これ じゃ まるで …
( 凪 ) 肉食 動物 の 狩猟 みたい … か ?
き … 君 は …
( 凪 ) おじさん なんで こんな とこ 調べ て ん の ?
新聞 記者 ?
別に 調べ て な ん か …
( 凪 ) フフッ
調べ て ない ん だったら 一体 何 だって いう ん だ よ
うん ?
現場 を タカ み たい な 目 で にらみつけ たり ―
周辺 の 建物 から の 視 認 の 有無 を 確認 し たり
ずっと 見 て た の かい ?
( 凪 ) 見 られ ちゃ まずい 人 ?
調べ て いる と し て 君 と 何 か 関係 が あり ます か ?
怒る な よ 少し 気 に なった だけ だ よ
君 の 顔 見 た こ と あり ます よ
“ 死 ん だ 人気 作家 の 一 人 娘 ” って 週刊 誌 か 何 か で
へえ
( モ ・ マーダー ) 確か に 調べ て い まし た
何と いう か ―
自分 が この 事件 の こと を 理解 できる よう な 気 が し まし て ね
平凡 な サラリーマン が ?
( モ ・ マーダー ) 自分 でも 気味 が 悪い ん です が ―
なぜ か この 事件 の 犯人 と 自分 に 共通 する もの が ある よう な 気 が し て
君 は なぜ この 事件 を ?
( 凪 ) 暇 だ から さ ( モ ・ マーダー ) 暇 って …
( 凪 ) なあ 佐々木 ( さ さき ) さん 一緒に 調べ ない か ? この 事件
( モ ・ マーダー ) えっ ?
( 凪 ) 俺 に は カネ が ある あんた は 犯人 の 気持ち が 分かる
いい コンビ だ と 思う けど な
( 真希子 ( まきこ ) ) 例 の システム と やら が 動 い て い た の は 分かって い た けど …
( 真希子 ) ただ どう いう つもり ? 凪 ちゃん
私 に 味わって もらい たい の かしら ?
確か に すてき な 味 が し そう ね フフッ
( モ ・ マーダー ) 先ほど と は 打って変わって いかにも な 場所 です ね
( 凪 ) どう いう こと だ ?
何 です ?
( 凪 ) なあ 佐々木 さん
あんた 犯人 の 心理 が 想像 できる ん だ ろ ?
何 か 感じ ない か ?
( モ ・ マーダー ) そう 言わ れ まし て も …
( 凪 ) 人目 に つき やすい さっき の 場所 と ―
やる こと が まったく 一緒 な の は なんで だ ?
( モ ・ マーダー ) 人 に 見 られよ う が どう しよ う が 関係なかった
… と いう こと です か ね
( 凪 ) 他人 の 目 なんか どう で も いい と 思って いる って こと か
あんた だったら どう する ?
人 の 頭蓋 骨 の 中身 を 吸い出す 動機 が あった と し て ―
人目 に つく こと を 重視 し ない で や れる か ?
私 だったら 死体 を 隠し て から やり ます
やはり 人目 は 怖い です から
怖い か …
犯人 は 怖 がって い なかった と いう こと な の か な
( モ ・ マーダー ) 霧 間 さん も そう いう の な さ そう です ね
無神経 って 言い たい の か ?
怖い もの 知ら ず … です よ
怖い もの 知ら ず ね
怖い もの … 怖 がる …
( モ ・ マーダー ) これ は 無理 です ね 入れ ませ ん よ
( 凪 ) 佐々木 さん ナンパ し た こ と ある ?
( モ ・ マーダー ) えっ ? ( 凪 ) ナンパ だ よ ナンパ
( モ ・ マーダー ) い … いや ない です けど
じゃ 初 体験 だ な
( モ ・ マーダー ) あの 君 …
( 里香 ( りか ) ) な … 何 です か ?
いや その …
もし かして 君 は ―
被害 者 と 何 か 関係 が ある ん じゃ ない か と 思って
ああ いや 私 は 別 に その … 怪しい 者 じゃ なく て
( 里香 ) あっ
俺 たち は この 事件 の 調査 を し て いる ん だ
少し 話 を 聞い て も いい かな ?
( 里香 ) 保険 の 調査 員 ?
彼女 こう 見え て 26 歳 な ん です よ
なあ 里香 さん なんで 逃げ た ん だ ?
まあ ご 友人 なら マスコミ も かぎ 回って ます し
お 2 人 は 何 の 調査 を ?
( モ ・ マーダー ) あっ ああ えー と です ね
この 事件 が 通り 魔 的 な 犯行 か ―
いわゆる 怨恨 ( えんこ ん ) や その たぐい の 場合 か で …
怨恨 なんて 静枝 ( しずえ ) は …
( 凪 ) 静枝 さん って どう いう 人 だった ?
怨恨 の 線 は ない ん だ な ?
はい
人 の 恨み を 買ったり する 子 じゃ あり ませ ん で し た
本当 です
明るい 人 だった ん です か ?
( 里香 ) ええ 明るく て 芯 の 強い 人 で し た
芯 が 強い ?
気持ち が まっすぐ と いう か 勝ち気 で 物おじ し ない と いう か
人 け の ない 夜道 と か も まったく 気 に し ない タイプ な ん です
だから あんな 事件 に …
霧 間 さん と 似 た タイプ です ね
俺 に も 怖い もの ぐらい は ある さ
でも 静枝 さん は 違った ん だ ろ ?
え … ええ たぶん
私 が 人一倍 怖がり な だけ な の かも しれ ませ ん が
( 凪 ) そう か
( 里香 ) 私 は 子供 の ころ から 怖がり でし た から
あっ
( 凪 ) なんで 恐怖 なんて もの が ある の か …
えっ …
( モ ・ マーダー ) どう し まし た ?
さっき 会った 人 も 同じ よう な こと を …
どう いう こと だ ?
( 真希子 ) さぞ 怖かった でしょ う ね
うん ?
なんで 恐怖 なんて もの が ある の かしら
恐怖 さえ なけ れ ば ―
彼女 は きっと 笑顔 の まま で い られ た でしょ う に
( 里香 ) すごく 気味 が 悪く って ―
それ で 2 人 に 話しかけ られ た とき も つい …
( 凪 ) そう か 分かった
どう か さ れ まし た ?
( 凪 ) 悪い 勘定 置 い て く から
( モ ・ マーダー ) 待って ください よ 一体 どう し た って いう ん です か ?
( 凪 ) あんた の 疑い は 晴れ た よ 佐々木 さん
( モ ・ マーダー ) えっ … ( 凪 ) 悪い な
俺 は あんた も 疑って い た で も それ は ケリ が つい た
だから もう さよなら だ
なぜ 私 の 疑い が 晴れ た ん です か ? 私 は …
( 凪 ) 気 の 迷い だ よ 佐々木 さん
あんた の 中 の 虫 が ちょっと 騒 い で いる よう な もの だ
あんた は ホント は 優しい 人間 だ
自分 から 進んで 人殺し なんか し ない
( モ ・ マーダー ) 会った ばかり で なぜ 君 は そこ まで …
勘 だ
ただ さっき 里香 さん に 声 を かけろ と 俺 が 言った とき ―
あんた は 素直 に 戸惑った
そこ に ウソ は なかった
それ で 十 分 だ ろ ? じゃあ な
君 は … 君 は 犯人 が 分かった の か ?
( 真希子 ) ヒント は あげ た あ と は 待つ だけ
来 て くれる わ よ ね 凪 ちゃん
たぐい まれ なる 正義 感 を 持つ あなた なら きっと …
そして 証明 し て ちょうだい
その 内 に 何もかも 焼き 尽くす よう な ―
炎 の よう な 強 さ を 秘め て いる こと を
♪ ~
~ ♪