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ブギーポップは笑わない, Boogiepop wa Warawanai (2019) Episode 2

♪ ~

~ ♪

( 板書 する 音 )

( 末 真 ( す えま ) ) あ …

( チャイム )

( 京子 ( きょうこ ) ) ねえ 末 真 今日 予定 ある ?

よかったら さ 一緒に 帰ら ない ?

うん 別に いい けど

ねえ 別 の 道 から 帰ら ない ?

( 末 真 ) なんで ?

( 京子 ) だって …

誰 か に 襲わ れ て 殺さ れる から ?

( 京子 ) あ …

( 末 真 ) 事情 が 分から ない から あれ だ けど ―

きっと 考え すぎよ そう いう とき って

いい ? 京子

人 って そう 簡単 に 殺さ れ た り なんか し ない わ

あっ

くっ … あっ くう …

( 食べる 音 )

( 早乙女 ( さおとめ ) ) まさに マンティコア だ ね

( 百合 原 ( ゆり はら ) ) マンティコア ?

古代 ギリシャ 語 で “ 人 喰 ( ひと ぐ ) い ” を 意味 する 言葉 さ

( 早乙女 ) 僕 も 協力 する よ

( 百合 原 ) ハッ …

お前 どう し て …

( 早乙女 ) 君 が 好き だ から さ

僕 たち 2 人 を 中心 に 世界 を 創り 変える ん だ

( 末 真 ) 手 大丈夫 ?

で 草津 ( くさ つ ) 秋子 ( あきこ ) って 子 が どう し た の ?

“ 薬 ” って 何 な の ?

( 京子 の 泣き声 )

泣 い てる だけ じゃ 分から ない わ よ

( 京子 ) 誰 に も 言わ ない って 約束 し て くれる ?

( 末 真 ) うん

1 - D の 草津 秋子 って 私 の 中学 の 後輩 な ん だ けど …

( 末 真 ) 同じ 部活 だった ?

( 京子 ) うん その 秋子 が ね

中間 の ころ だ から もう 3 か月 か な

変 な 薬 を 配り だし た の

“ 楽しい ” って

“ 頭 が フワッ と する から 試験 の 息抜き に いい よ ” って ―

みんな に

( 末 真 ) へ え そう な ん だ

( 京子 ) その うち さ

友達 の 中 から 家出 を し ちゃ う 子 が 出 始め て さ

みんな 誰 に も 言わ ず に 姿 を 消し ちゃ う の

それ で 秋子 も い なく なって …

おかしい って 思う よ ね

あっ ぜ 全然 … 続け て

そう いう こと って よく ある し

( 京子 ) そ っか

それ で みんな 薬 の せい かな って 思った の

霧 間 ( き り ま ) 凪 ( なぎ ) が みんな の ところ へ 来 て さっき み たい に ―

“ 薬 の こと は 忘れろ ” って

私 さ 霧 間 凪 は

この ため に わざと 停学 に なって 動 い た よう に しか 見え ない の

きっと 秋子 も 他 の みんな も 霧 間 凪 に …

ねえ 末 真 聞い てる ?

えっ ? あ … うん

( 京子 ) ホント に 誰 に も 言わ ない で ね

私 も もう すぐ 忘れる から

( 末 真 ) ん …

( 末 真 ) 住所 だ と ここ な ん だ けど …

( 深呼吸 )

( チャイム )

( 正樹 ( まさき ) ) はい どちら 様 … ( 末 真 ) えっ

( 正樹 ) あ …

( 正樹 ) へえ 凪 の お 友達 です か

珍しい な

今 呼 ん で すぐ 来る と 思う んで ご ゆっくり

( 末 真 ) あの あなた は ?

( 凪 ) 弟 だ よ ( 末 真 ) あっ

( 凪 ) 血 は つながって ない けど な

( 凪 ) 上 で 話 そ う 末 真 さん

( 末 真 ) それ で “ 谷口 ( たに ぐち ) ” なん だ ね

( 凪 ) ああ 母 さん の 今 の 旦那 の 姓 だ

俺 は オヤジ の 姓 を 勝手 に 名乗って いる

( 末 真 ) お 父さん ?

ん ? 知って て 来 た ん じゃ ねえ の か ?

霧 間 誠一 ( せい いち ) って ―

本 を たくさん 出し てる ヤツ で

え えっ ? ウソ

何 が “ ウソ ” だ よ

だって あの 作家 の 霧 間 誠一 ?

あ … ああ

「 殺戮 ( さつ りく ) 者 は 気 が 変わる 」

「 心 の 中 の 叫び - 多重 人格 に つい て 」

「 人 が 人 を 殺す とき 」 「 退屈 する 悪魔 」

「 VS ( バーサス ) イマジ ネーター 」

俺 の オヤジ だ よ

俺 が 10 歳 の とき に 死 ん だ けど ね

( 末 真 ) あ …

昨日 の こと だ けど 霧 間 さん どう し て …

( 凪 ) ああ 理由 か

( 末 真 ) ええ なんで 京子 を 助け た の ?

あれ を よく “ 助け た ” と 分かった な

( 京子 ) あっ くう … ああ …

このまま へし折る か ?

再生 する に し て も 時間 が かかる ぞ マンティコア

霧 間 さん ?

( 京子 ) 痛い 痛い 痛い ! やめ て !

( 凪 ) 俺 だけ じゃ ない エコーズ も お前 を 捜し て いる

( 京子 ) もう し ない よ もう 薬 なんか に 手 を 出さ ない から !

( 凪 ) 草津 秋子 を 殺し た くせ に 何 を 言って る !

知ら ない って 薬 は あの 子 から もらった だけ で …

チッ 普通 の 人 間 か

( 末 真 ) 京子 ! な … 何 な の よ 一体 !

表沙汰 に なる より マシ だ ろ 木下 ( き の した )

( 京子 ) う っ う っ …

( 末 真 ) 話 は 全部 京子 から 聞い た わ

霧 間 さん 怪し げ な 薬 から 彼女 たち を 助け て くれ た ん でしょ ?

( 凪 ) さて ね どう かな

( 末 真 ) それ に 京子 に 言った ―

マンティコア と か エコーズ って 一体 何 ?

家出 し た 子 たち と 何 か 関係 が ある の ?

( 凪 ) あんた に は 関係ない 話 だ

あっ

( 凪 ) メサイア ・ コンプレックス なん だ よ 俺 は

まあ いろいろ あって さ

俺 は 普通 で いる こと を やめ た ん だ よ

それ に 誰 か が やら なきゃ いけ ない こと だ ろ う ?

教師 ども は 当て に なん ねえ し な

さて 暗く なる 前 に そこ まで 送る よ 末 真 さん

もう この 辺 で 大丈夫

ありがとう

そう か じゃあ 明日 学校 で

あ …

ああ 明日 で 停学 は 明ける

( 末 真 ) そう な ん だ

( 凪 ) なあ 末 真 さん ( 末 真 ) ん ?

( 凪 ) あんた も いつ まで も 過去 の こと を 引きずる ん じゃ ない ぞ

あっ …

あんまり こだわる と たた られる ぜ

( 百合 原 ) 霧 間 凪 が 戻って き た わ

( 早乙女 ) そう みたい だ ね

大丈夫 だ 言った ろ ?

“ 状況 は こちら が 有利 だ ” って

やっぱり 彼女 いかに も 早乙女 君 の 好き そう な 感じ

フン

( 直子 ( なお こ ) ) ん …

( 早乙女 ) あっ

百合 原 … さん ?

あっ

う う っ

う わ あっ う っ …

( マンティコア ) 見 た な

見 られ た から に は 生かし て おか ぬ

( 早乙女 ) あっ う っ …

( マンティコア ) ん ん …

( 早乙女 ) あ … ああ …

くっ … フフ …

( マンティコア ) 殺さ れ たい の か ?

あの 女 より 男 の お前 の ほう が 都合 が よ さ そう だ な

お前 を コピー する こと に しよ う

( 早乙女 ) コピー だって ?

( マンティコア ) そう だ

お前 に 変わり 人間 社会 に 溶け込む ん だ

誰 に も 見つから ない よう に な

そう いう こと か

それ なら 僕 は 生かし て おい て もらった ほう が ―

効率 が いい よ

( マンティコア ) は あ ?

( 携帯 電話 の 振動 音 )

( 早乙女 ) フッ

( カラオケ の 音楽 )

( 秋子 ) イエーイ !

イエーイ

次 早乙女 君 も 歌って よ

ああ はい これ

ありがとう

すぐ に 食べ られ ない の は 生殺し だ わ

今 は 辛抱 だ よ

お前 に 力 を 与え た

その 力 で 私 に 人間 を 貢げ

いい か ? お前 は あくまで 自分 の 意志 で 落ち て いく の だ

( 秋子 ) あっ … あ …

あれ ? 私 …

大丈夫 ?

( 百合 原 ) うまく いった でしょ う ? 改造

うん さすが すごい 能力 だ

これ で あの 女 は 自分 でも 出 どころ の 分から ない 麻薬 を

周囲 の 友人 に 吸わ せる こと に なる わ

自覚 の ない まま 自分 の 脳 細胞 で 合成 さ れ た 麻薬 を ね

( 早乙女 ) ああ

薬物 に 手 を 出す よう な 堕落 し た 人間 なら ―

突然 失踪 し て も 不自然 じゃ ない

天才 ね 早乙女 君 は

( 食器 の 割れる 音 ) ( 百合 原 ) あっ

( 店員 ) 失礼 し まし た ( 店員 ) 失礼 し まし た

ハァ …

( 早乙女 ) 怖い の かい ? 施設 の ヤツ ら が

( 百合 原 ) ええ

あれ だけ の 規模 の こと を やってのける 人間 たち よ

きっと 追っ手 の ひと つ や ふた つ は 出 て いる わ

心配 ない

この スレイブ 化 が うまく いけ ば こっち に も 戦力 が できる

そう すれ ば 逆襲 も 可能 だ

失敗 作 の 私 を 消 そ う と し て いる 連中 を

逆 に 消し て やる って こと ね

当然 だ ろ

最高 !

( 早乙女 ) 失敗 作 どころ か 君 こそ が 新しい 世界 の 王 だ

( 百合 原 ) 早乙女 君 あなた こそ 私 の 王子 様 よ

ねえ スレイブ は また 作る ?

ああ もう 少し ね

いずれ は 大がかり に やる こと に なる だ ろ う から

( 百合 原 ) どう し て …

どう し て 目 を 覚まさ ない の よ !

大丈夫 喰 って 処理 すれ ば いい ( 百合 原 ) くっ …

チッ

( 食べる 音 )

ごめんなさい

次 は うまく やる わ

慌てる こと は ない

まだまだ 機会 は いくら で も ある さ

( 早乙女 ) 草津 … 秋子 です か ?

ああ 早乙女 君 彼女 と 同じ クラス だ ろ ?

仲 は よかった ?

( 早乙女 ) いや その … ( 凪 ) ん ?

( 早乙女 ) 一 度 デート し まし た

でも 一 度 だけ で …

( 凪 ) その とき 何 か 様子 が おかしかった ところ は ?

( 早乙女 ) いえ 特に は …

あの … 草津 が どう かし た ん です か ?

もし 僕 で よけ れ ば 力 に … あっ

先輩 それ …

( 凪 ) ああ 大丈夫 だ

何でもない

( 教師 ) 霧 間 何 だ これ は ?

( 物 が 落ちる 音 )

( 百合 原 ) 霧 間 凪 なんで あいつ が …

( 早乙女 ) 分から ない

ただ 霧 間 凪 が 何 か 感づ い て いる こと は 確か だ

どう し て よ ! 私 たち は うまく やって る わ

ああ その とおり だ

だから 彼女 も 僕ら に まで は たどりつ い て い ない

けど 学園 内 で の 行動 は 控えよ う

怪しま れ たら 面倒 だ

霧 間 凪 は 殺さ ない の ?

うん

ヤツ が 何 を どこ まで 知って いる の か を 知る まで は ね

殺し ま しょ う よ !

大丈夫 証拠 なんて 残さ ない

それ に あいつ は 変人 だ から ―

消え た って … ( 早乙女 ) 知ら ない の か ?

彼女 の 今 の 両親 は 資産 家 な ん だ

失踪 し たら ただ の 不良 娘 の 家出 じゃ 済ま ない

本当 に それ だけ ? ( 早乙女 ) え ?

( 百合 原 ) 早乙女 君 彼女 の こと が 好き な ん じゃ ない の ?

なんで そう 思う ?

違う ? 当たり でしょ

( 直子 ) エコーズ ここ に いる の ?

ぐ わ っ

が っ …

( 百合 原 ) そんな … エコーズ が … あいつ が … あいつ が …

( 早乙女 ) どう し た ? 何 だ その “ エコーズ ” って

私 の オリジナル

進化 し すぎ た 男 …

( 直子 ) エコーズ …

( エコーズ の ため 息 )

( エコーズ ) 人間 は どっち な の だ ろ う か

( エコーズ ) ハァ …

ああ …

う っ …

( ブギー ポップ ) 君 は 何 か を 追い求め て いる ん だ ね

だったら 泣く の は ―

それ を 見つけ て から に し た ほう が いい

( エコーズ ) ハッ …

あなた ケガ し てる わ よ

一体 どう し た の ?

( 直子 ) あなた の 名前 は ? 家 は どこ ?

うーん 困った わ ね

警察 に でも 行く しか …

そ っか 訳 あり な ん だ ね

ごめん

大丈夫

私 の 友達 に 面白い 子 が い て さ

彼女 なら きっと なんとか し て くれる わ よ

君 が 悪い ヤツ で さえ なきゃ ね

( 凪 ) は あ ? 男 を かくまって る ?

シーッ ! 声 大きい って

誰 も い ねえ から 大丈夫 だ よ

お前 田中 ( た なか ) と か いう 1 年 は いい の か よ ?

( 直子 ) あっ う うん そう いう の じゃ なく て

ねえ その 子 が 宇宙 から 来 た って 言ったら

凪 信じる ?

まあ お前 が 言う なら

( 直子 ) フフッ

( 凪 ) わざわざ 宇宙 から 何 の 用 って ? そい つ

( 直子 ) この 星 の 人類 を 試す ため

宇宙 に は そう いう 大きな 意識 が ある ん だ って

( 凪 ) なんだか すげ え 話 だ な

よく 分から ねえ けど

( 直子 ) 本当 は 彼 人間 と 同じ 姿 に なって 調査 する はず だった ん だ けど ―

手違い で 進化 し すぎ た 存在 に なった みたい で ね

その 力 を 利用 しよ う と し た 政府 ? 企業 だ か に 捕まって ―

“ エコーズ ” って 名前 を 付け られ て コピー まで 作ら れ て しまった の

エコーズ ?

うん 人 の 言葉 を 繰り返す こと しか でき ない から ―

“ エコーズ ”

( 凪 ) 進化 し た わり に 不便 な ヤツ だ な

そんな こと は ない よ

だって エコーズ は 人間 が 優しい か どう か を ―

調べ に 来 た だけ な ん だ から

誰 か に 優しく さ れる ため に ―

自分 から 何 か を 訴える 必要 なんて ない よ

でも エコーズ と 違って コピー の ほう は ―

恐ろしい 人 喰 い に なって しまって

研究 所 の 人 を 皆殺し に し て 逃げ出し ちゃ って …

( 凪 ) つまり エコーズ と やら は 責任 を 感じ て ―

その コピー を 追って る って こと か ?

そもそも お前 は どう やって その 話 を 聞 け た ん だ よ

エコーズ は 話せ ねえ ん だ ろ ?

( 直子 ) 何となく … かな

心 と 心 が 通じ合う って やつ ?

俺 に その コピー を 捜せ って か ?

( 直子 ) フッ

( 凪 ) で エコーズ は 今 どこ に いる ん だ ?

( 直子 ) 学校

何だか んだ 一 番 安全 かな って 思って さ

内緒 だ よ

じゃあ 俺 近い うち に 停学 に なる よ

ありがとう 凪

( 百合 原 の おびえる 声 )

大丈夫 だ マンティコア 状況 は こちら が 有利 だ

紙 木城 ( かみ きしろ ) 直子 の 死体 は 君 が 処理 し て ある

何 も 問題 は ない

少女 が また 1 人 消え た と いう だけ の 話 だ

ねえ 凪 もし エコーズ が 宇宙 に 帰ったら

彼 人間 の こと を 宇宙 に どう 紹介 する かしら ?

( 凪 ) うん ?

( 直子 ) “ 大丈夫 いい 生き物 です ” って 言って くれる かな ?

フッ

お前 が 仲よく すりゃ たぶん な

じゃ なきゃ 救い が ねえ だ ろ

( 直子 ) だ と いい けど な

( 凪 ) 直子 が 消え た ん だ

どこ に も い ない

なんとか 言 えよ

エコーズ

♪ ~

~ ♪


♪ ~

~ ♪

( 板書 する 音 )

( 末 真 ( す えま ) ) あ …

( チャイム )

( 京子 ( きょうこ ) ) ねえ 末 真 今日 予定 ある ?

よかったら さ 一緒に 帰ら ない ?

うん 別に いい けど

ねえ 別 の 道 から 帰ら ない ?

( 末 真 ) なんで ?

( 京子 ) だって …

誰 か に 襲わ れ て 殺さ れる から ?

( 京子 ) あ …

( 末 真 ) 事情 が 分から ない から あれ だ けど ―

きっと 考え すぎよ そう いう とき って

いい ? 京子

人 って そう 簡単 に 殺さ れ た り なんか し ない わ

あっ

くっ … あっ くう …

( 食べる 音 )

( 早乙女 ( さおとめ ) ) まさに マンティコア だ ね

( 百合 原 ( ゆり はら ) ) マンティコア ?

古代 ギリシャ 語 で “ 人 喰 ( ひと ぐ ) い ” を 意味 する 言葉 さ

( 早乙女 ) 僕 も 協力 する よ

( 百合 原 ) ハッ …

お前 どう し て …

( 早乙女 ) 君 が 好き だ から さ

僕 たち 2 人 を 中心 に 世界 を 創り 変える ん だ

( 末 真 ) 手 大丈夫 ?

で 草津 ( くさ つ ) 秋子 ( あきこ ) って 子 が どう し た の ?

“ 薬 ” って 何 な の ?

( 京子 の 泣き声 )

泣 い てる だけ じゃ 分から ない わ よ

( 京子 ) 誰 に も 言わ ない って 約束 し て くれる ?

( 末 真 ) うん

1 - D の 草津 秋子 って 私 の 中学 の 後輩 な ん だ けど …

( 末 真 ) 同じ 部活 だった ?

( 京子 ) うん その 秋子 が ね

中間 の ころ だ から もう 3 か月 か な

変 な 薬 を 配り だし た の

“ 楽しい ” って

“ 頭 が フワッ と する から 試験 の 息抜き に いい よ ” って ―

みんな に

( 末 真 ) へ え そう な ん だ

( 京子 ) その うち さ

友達 の 中 から 家出 を し ちゃ う 子 が 出 始め て さ

みんな 誰 に も 言わ ず に 姿 を 消し ちゃ う の

それ で 秋子 も い なく なって …

おかしい って 思う よ ね

あっ ぜ 全然 … 続け て

そう いう こと って よく ある し

( 京子 ) そ っか

それ で みんな 薬 の せい かな って 思った の

霧 間 ( き り ま ) 凪 ( なぎ ) が みんな の ところ へ 来 て さっき み たい に ―

“ 薬 の こと は 忘れろ ” って

私 さ 霧 間 凪 は

この ため に わざと 停学 に なって 動 い た よう に しか 見え ない の

きっと 秋子 も 他 の みんな も 霧 間 凪 に …

ねえ 末 真 聞い てる ?

えっ ? あ … うん

( 京子 ) ホント に 誰 に も 言わ ない で ね

私 も もう すぐ 忘れる から

( 末 真 ) ん …

( 末 真 ) 住所 だ と ここ な ん だ けど …

( 深呼吸 )

( チャイム )

( 正樹 ( まさき ) ) はい どちら 様 … ( 末 真 ) えっ

( 正樹 ) あ …

( 正樹 ) へえ 凪 の お 友達 です か

珍しい な

今 呼 ん で すぐ 来る と 思う んで ご ゆっくり

( 末 真 ) あの あなた は ?

( 凪 ) 弟 だ よ ( 末 真 ) あっ

( 凪 ) 血 は つながって ない けど な

( 凪 ) 上 で 話 そ う 末 真 さん

( 末 真 ) それ で “ 谷口 ( たに ぐち ) ” なん だ ね

( 凪 ) ああ 母 さん の 今 の 旦那 の 姓 だ

俺 は オヤジ の 姓 を 勝手 に 名乗って いる

( 末 真 ) お 父さん ?

ん ? 知って て 来 た ん じゃ ねえ の か ?

霧 間 誠一 ( せい いち ) って ―

本 を たくさん 出し てる ヤツ で

え えっ ? ウソ

何 が “ ウソ ” だ よ

だって あの 作家 の 霧 間 誠一 ?

あ … ああ

「 殺戮 ( さつ りく ) 者 は 気 が 変わる 」

「 心 の 中 の 叫び - 多重 人格 に つい て 」

「 人 が 人 を 殺す とき 」 「 退屈 する 悪魔 」

「 VS ( バーサス ) イマジ ネーター 」

俺 の オヤジ だ よ

俺 が 10 歳 の とき に 死 ん だ けど ね

( 末 真 ) あ …

昨日 の こと だ けど 霧 間 さん どう し て …

( 凪 ) ああ 理由 か

( 末 真 ) ええ なんで 京子 を 助け た の ?

あれ を よく “ 助け た ” と 分かった な

( 京子 ) あっ くう … ああ …

このまま へし折る か ?

再生 する に し て も 時間 が かかる ぞ マンティコア

霧 間 さん ?

( 京子 ) 痛い 痛い 痛い ! やめ て !

( 凪 ) 俺 だけ じゃ ない エコーズ も お前 を 捜し て いる

( 京子 ) もう し ない よ もう 薬 なんか に 手 を 出さ ない から !

( 凪 ) 草津 秋子 を 殺し た くせ に 何 を 言って る !

知ら ない って 薬 は あの 子 から もらった だけ で …

チッ 普通 の 人 間 か

( 末 真 ) 京子 ! な … 何 な の よ 一体 !

表沙汰 に なる より マシ だ ろ 木下 ( き の した )

( 京子 ) う っ う っ …

( 末 真 ) 話 は 全部 京子 から 聞い た わ

霧 間 さん 怪し げ な 薬 から 彼女 たち を 助け て くれ た ん でしょ ?

( 凪 ) さて ね どう かな

( 末 真 ) それ に 京子 に 言った ―

マンティコア と か エコーズ って 一体 何 ?

家出 し た 子 たち と 何 か 関係 が ある の ?

( 凪 ) あんた に は 関係ない 話 だ

あっ

( 凪 ) メサイア ・ コンプレックス なん だ よ 俺 は

まあ いろいろ あって さ

俺 は 普通 で いる こと を やめ た ん だ よ

それ に 誰 か が やら なきゃ いけ ない こと だ ろ う ?

教師 ども は 当て に なん ねえ し な

さて 暗く なる 前 に そこ まで 送る よ 末 真 さん

もう この 辺 で 大丈夫

ありがとう

そう か じゃあ 明日 学校 で

あ …

ああ 明日 で 停学 は 明ける

( 末 真 ) そう な ん だ

( 凪 ) なあ 末 真 さん ( 末 真 ) ん ?

( 凪 ) あんた も いつ まで も 過去 の こと を 引きずる ん じゃ ない ぞ

あっ …

あんまり こだわる と たた られる ぜ

( 百合 原 ) 霧 間 凪 が 戻って き た わ

( 早乙女 ) そう みたい だ ね

大丈夫 だ 言った ろ ?

“ 状況 は こちら が 有利 だ ” って

やっぱり 彼女 いかに も 早乙女 君 の 好き そう な 感じ

フン

( 直子 ( なお こ ) ) ん …

( 早乙女 ) あっ

百合 原 … さん ?

あっ

う う っ

う わ あっ う っ …

( マンティコア ) 見 た な

見 られ た から に は 生かし て おか ぬ

( 早乙女 ) あっ う っ …

( マンティコア ) ん ん …

( 早乙女 ) あ … ああ …

くっ … フフ …

( マンティコア ) 殺さ れ たい の か ?

あの 女 より 男 の お前 の ほう が 都合 が よ さ そう だ な

お前 を コピー する こと に しよ う

( 早乙女 ) コピー だって ?

( マンティコア ) そう だ

お前 に 変わり 人間 社会 に 溶け込む ん だ

誰 に も 見つから ない よう に な

そう いう こと か

それ なら 僕 は 生かし て おい て もらった ほう が ―

効率 が いい よ

( マンティコア ) は あ ?

( 携帯 電話 の 振動 音 )

( 早乙女 ) フッ

( カラオケ の 音楽 )

( 秋子 ) イエーイ !

イエーイ

次 早乙女 君 も 歌って よ

ああ はい これ

ありがとう

すぐ に 食べ られ ない の は 生殺し だ わ

今 は 辛抱 だ よ

お前 に 力 を 与え た

その 力 で 私 に 人間 を 貢げ

いい か ? お前 は あくまで 自分 の 意志 で 落ち て いく の だ

( 秋子 ) あっ … あ …

あれ ? 私 …

大丈夫 ?

( 百合 原 ) うまく いった でしょ う ? 改造

うん さすが すごい 能力 だ

これ で あの 女 は 自分 でも 出 どころ の 分から ない 麻薬 を

周囲 の 友人 に 吸わ せる こと に なる わ

自覚 の ない まま 自分 の 脳 細胞 で 合成 さ れ た 麻薬 を ね

( 早乙女 ) ああ

薬物 に 手 を 出す よう な 堕落 し た 人間 なら ―

突然 失踪 し て も 不自然 じゃ ない

天才 ね 早乙女 君 は

( 食器 の 割れる 音 ) ( 百合 原 ) あっ

( 店員 ) 失礼 し まし た ( 店員 ) 失礼 し まし た

ハァ …

( 早乙女 ) 怖い の かい ? 施設 の ヤツ ら が

( 百合 原 ) ええ

あれ だけ の 規模 の こと を やってのける 人間 たち よ

きっと 追っ手 の ひと つ や ふた つ は 出 て いる わ

心配 ない

この スレイブ 化 が うまく いけ ば こっち に も 戦力 が できる

そう すれ ば 逆襲 も 可能 だ

失敗 作 の 私 を 消 そ う と し て いる 連中 を

逆 に 消し て やる って こと ね

当然 だ ろ

最高 !

( 早乙女 ) 失敗 作 どころ か 君 こそ が 新しい 世界 の 王 だ

( 百合 原 ) 早乙女 君 あなた こそ 私 の 王子 様 よ

ねえ スレイブ は また 作る ?

ああ もう 少し ね

いずれ は 大がかり に やる こと に なる だ ろ う から

( 百合 原 ) どう し て …

どう し て 目 を 覚まさ ない の よ !

大丈夫 喰 って 処理 すれ ば いい ( 百合 原 ) くっ …

チッ

( 食べる 音 )

ごめんなさい

次 は うまく やる わ

慌てる こと は ない

まだまだ 機会 は いくら で も ある さ

( 早乙女 ) 草津 … 秋子 です か ?

ああ 早乙女 君 彼女 と 同じ クラス だ ろ ?

仲 は よかった ?

( 早乙女 ) いや その … ( 凪 ) ん ?

( 早乙女 ) 一 度 デート し まし た

でも 一 度 だけ で …

( 凪 ) その とき 何 か 様子 が おかしかった ところ は ?

( 早乙女 ) いえ 特に は …

あの … 草津 が どう かし た ん です か ?

もし 僕 で よけ れ ば 力 に … あっ

先輩 それ …

( 凪 ) ああ 大丈夫 だ

何でもない

( 教師 ) 霧 間 何 だ これ は ?

( 物 が 落ちる 音 )

( 百合 原 ) 霧 間 凪 なんで あいつ が …

( 早乙女 ) 分から ない

ただ 霧 間 凪 が 何 か 感づ い て いる こと は 確か だ

どう し て よ ! 私 たち は うまく やって る わ

ああ その とおり だ

だから 彼女 も 僕ら に まで は たどりつ い て い ない

けど 学園 内 で の 行動 は 控えよ う

怪しま れ たら 面倒 だ

霧 間 凪 は 殺さ ない の ?

うん

ヤツ が 何 を どこ まで 知って いる の か を 知る まで は ね

殺し ま しょ う よ !

大丈夫 証拠 なんて 残さ ない

それ に あいつ は 変人 だ から ―

消え た って … ( 早乙女 ) 知ら ない の か ?

彼女 の 今 の 両親 は 資産 家 な ん だ

失踪 し たら ただ の 不良 娘 の 家出 じゃ 済ま ない

本当 に それ だけ ? ( 早乙女 ) え ?

( 百合 原 ) 早乙女 君 彼女 の こと が 好き な ん じゃ ない の ?

なんで そう 思う ?

違う ? 当たり でしょ

( 直子 ) エコーズ ここ に いる の ?

ぐ わ っ

が っ …

( 百合 原 ) そんな … エコーズ が … あいつ が … あいつ が …

( 早乙女 ) どう し た ? 何 だ その “ エコーズ ” って

私 の オリジナル

進化 し すぎ た 男 …

( 直子 ) エコーズ …

( エコーズ の ため 息 )

( エコーズ ) 人間 は どっち な の だ ろ う か

( エコーズ ) ハァ …

ああ …

う っ …

( ブギー ポップ ) 君 は 何 か を 追い求め て いる ん だ ね

だったら 泣く の は ―

それ を 見つけ て から に し た ほう が いい

( エコーズ ) ハッ …

あなた ケガ し てる わ よ

一体 どう し た の ?

( 直子 ) あなた の 名前 は ? 家 は どこ ?

うーん 困った わ ね

警察 に でも 行く しか …

そ っか 訳 あり な ん だ ね

ごめん

大丈夫

私 の 友達 に 面白い 子 が い て さ

彼女 なら きっと なんとか し て くれる わ よ

君 が 悪い ヤツ で さえ なきゃ ね

( 凪 ) は あ ? 男 を かくまって る ?

シーッ ! 声 大きい って

誰 も い ねえ から 大丈夫 だ よ

お前 田中 ( た なか ) と か いう 1 年 は いい の か よ ?

( 直子 ) あっ う うん そう いう の じゃ なく て

ねえ その 子 が 宇宙 から 来 た って 言ったら

凪 信じる ?

まあ お前 が 言う なら

( 直子 ) フフッ

( 凪 ) わざわざ 宇宙 から 何 の 用 って ? そい つ

( 直子 ) この 星 の 人類 を 試す ため

宇宙 に は そう いう 大きな 意識 が ある ん だ って

( 凪 ) なんだか すげ え 話 だ な

よく 分から ねえ けど

( 直子 ) 本当 は 彼 人間 と 同じ 姿 に なって 調査 する はず だった ん だ けど ―

手違い で 進化 し すぎ た 存在 に なった みたい で ね

その 力 を 利用 しよ う と し た 政府 ? 企業 だ か に 捕まって ―

“ エコーズ ” って 名前 を 付け られ て コピー まで 作ら れ て しまった の

エコーズ ?

うん 人 の 言葉 を 繰り返す こと しか でき ない から ―

“ エコーズ ”

( 凪 ) 進化 し た わり に 不便 な ヤツ だ な

そんな こと は ない よ

だって エコーズ は 人間 が 優しい か どう か を ―

調べ に 来 た だけ な ん だ から

誰 か に 優しく さ れる ため に ―

自分 から 何 か を 訴える 必要 なんて ない よ

でも エコーズ と 違って コピー の ほう は ―

恐ろしい 人 喰 い に なって しまって

研究 所 の 人 を 皆殺し に し て 逃げ出し ちゃ って …

( 凪 ) つまり エコーズ と やら は 責任 を 感じ て ―

その コピー を 追って る って こと か ?

そもそも お前 は どう やって その 話 を 聞 け た ん だ よ

エコーズ は 話せ ねえ ん だ ろ ?

( 直子 ) 何となく … かな

心 と 心 が 通じ合う って やつ ?

俺 に その コピー を 捜せ って か ?

( 直子 ) フッ

( 凪 ) で エコーズ は 今 どこ に いる ん だ ?

( 直子 ) 学校

何だか んだ 一 番 安全 かな って 思って さ

内緒 だ よ

じゃあ 俺 近い うち に 停学 に なる よ

ありがとう 凪

( 百合 原 の おびえる 声 )

大丈夫 だ マンティコア 状況 は こちら が 有利 だ

紙 木城 ( かみ きしろ ) 直子 の 死体 は 君 が 処理 し て ある

何 も 問題 は ない

少女 が また 1 人 消え た と いう だけ の 話 だ

ねえ 凪 もし エコーズ が 宇宙 に 帰ったら

彼 人間 の こと を 宇宙 に どう 紹介 する かしら ?

( 凪 ) うん ?

( 直子 ) “ 大丈夫 いい 生き物 です ” って 言って くれる かな ?

フッ

お前 が 仲よく すりゃ たぶん な

じゃ なきゃ 救い が ねえ だ ろ

( 直子 ) だ と いい けど な

( 凪 ) 直子 が 消え た ん だ

どこ に も い ない

なんとか 言 えよ

エコーズ

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