結婚 できない 男 シーズン 1-4: 休日 ひとり で 悪い か !? (2)
… てい うか こっち の 話 だ し ( 千鶴 ) うん
あっ … お そば どこ に 食べ に 行こう か ?
う ~ ん … ねっ ? ( みちる ) ウッ …
や っぱ 気持ち 悪い かも
ほら ~ ( 英治 ) 大丈夫 か よ ?
大丈夫 大丈夫 気 に し ないで
ウッ … ( 英治 ) おいおい 大丈夫 か よ ?
( みちる ) ウッ … ヤバイ ( 英治 ) ヤ … ヤバイ ?
( みちる ) ウッ … ( 英治 ) ああ っ !
あの 雷門 ( かみなり もん ) 正しく は 風 雷神 門 ( ふう らい じんもん ) と 申し まして
左 に いる の が 雷神 さま 右 に いる の が 風神 さま です
また 中央 の 提灯 ( ちょうちん ) の 底 に は 龍 ( りゅう ) の 彫刻 が 施さ れて おり ます
龍 と いえば 雷 や 風 と ともに 現れる と いった 連想 でしょう か
( 信 介 ) ちょっと 違う な
昔 の 日本 は 木造 建築 しか なくて 火事 が いちばん 怖かった んです
だから 雨 を 降らす 龍神 を あがめた んです
そう な んです か ? ( 辰夫 ) よく ご存じ です ねえ
ええ まあ
不 勉強 で 申し訳 あり ませ ん ( 信 介 ) ああ いえいえ …
まあ 一応 ね どうぞ
え ~ この 門 の 奥 に 続く 仲 見世 ( なか みせ ) は 日本 で 最も 古い 商店 街 の ひと つ です
長 さ 約 260 メートル その 両側 に は 89 軒 も の 店 が 立ち 並んで おり ます
では 浅草 ( あさく さ ) の 風景 を お 楽しみ ください
( ため息 )
( 静江 ) いい お 天気 で 良かった です ねえ
ああ …
ご 主人 どちら から ?
僕ら は と … 都 内 です
ああ … わし ら は 山梨 です ( 信 介 ) ああ そう です か
ハハハ … ( 笑い声 )
あなた 誰 の ご 主人 です か ? ( 信 介 ) さあ …
( 静江 ) 奥さん フフッ … よかったら どうぞ
ありがとう ございます
( 店員 ) はい
( あめ を 切る 音 )
プロ だ な
着物 なんか 着る んです か ? ( 夏美 ) いえ … これ ください
( 店員 ) はい ありがとう ございます
いい んです か ? こういう とこ 来る と ―
気まぐれで 余計な 物 買っちゃ う タイプ です か ?
放っといて ください ( 店員 )6,000 円 です
え ~… はい
はい ありがとう ございます
観光 地 だ と 気 が 大きく なる んです ね
どう な んです か ? そういう の は
( 店員 ) はい お 待た せ し ました ( 夏美 ) ありがとう ございます
( 店員 ) ありがとう ございました
ああ っ ! “ とら や ” だ ! へえ ~ ホントに ある んだ
ここ で ロケ した の は 4 作 目 まで な んです よ
その あと は 大船 ( おお ふな ) 撮影 所 の セット です
詳しく なくて すみません 5 本 しか 見て ない んで
歴代 の “ おいちゃん ” の 俳優 の 名前 言え ない でしょう ?
僕 は 言え ます が
( マサコ ) こちら が 帝 釈天 で ございます
寛 永 ( かん えい )6 年 日 忠 上人 ( にっちゅう しょうにん ) に よって 創建 さ れた と 伝わって い ます
ご 本尊 は 日蓮 上人 ( にち れ ん しょうにん ) が 自ら 刻んだ と いわ れる 帝 釈天 の 板 仏 ( いた ぼ と け ) です
この 本尊 長年 行方 不明 と さ れて い ました が
安永 ( あん えい )8 年 … ( 信 介 ) 帝 釈天 と いう の は ―
古代 インド の 神話 で は 最強の 神 な んです ね
安永 8 年 本堂 が 再建 さ れる 際 に … ( 信 介 )2 頭 立て の 馬車 と か
象 に 乗って 戦う 戦争 好きな 神 だった んです ね 実は
その 日 が 庚申 ( こうしん ) だった ため …
( 信 介 ) 特に 阿 修羅 ( あしゅ ら ) と の 戦い は 有名で
負け 続けた 阿 修羅 は ついに 天上 界 から 追放 さ れて しまう んです
そして あちら に 見え ます 鐘 楼 ( しょう ろう ) は …
( 信 介 ) その 一方 で 雨 を 降らせ 大地 を 潤して いる ―
豊穣 の 神 と して の 顔 も 持って いた んです が
ああ ! あの 鐘 楼 ? ( 信 介 ) のち に ほか の 神さま に
その 最高 神 の 地位 を 譲って しまった んです
( 客 たち ) へえ ~
( 信 介 ) まあ 酒 と 戦い が 好きな 人間 味 の ある 神さま だった んです ね
( 客 たち ) は ぁ ~ ( 夏美 ) あっ !
( 泣き声 ) あれ ?
ちょっと … 泣か せて どう す んです か ?
いや … 俺 ?
あの 人 を 無視 して ペラペラペラペラ 勝手 に しゃべる から でしょう ?
新人 みたいだ し 少し は 気 を 遣い なさい よ
また 説教 かよ
説教 さ せて る の は あなた でしょう ?
いい んです … 私 が 未熟な んです ( 信 介 ) ほら
ほら って … 何にも 分かって ない んだ から
アハハ … まあまあ あの … 夫婦 ゲンカ なんか し ないで
夫婦 じゃ あり ませ ん ! ( 静江 ・ 辰夫 ) えっ ?
この 人 ね 1 人 で バス に 乗って た んです よ
楽し そうに 食べ物 と か 飲み物 と か ガッサリ 買って
自分 だって 1 人 だった でしょう ? ( 信 介 )1 人 の 意味 が 違う
どう 違う んです か ?
僕 は ね 自己 啓発 の 一環 で 乗った んです よ
あなた は 単に ひと り 寂しく 乗った んでしょう ?
えっ ?
大丈夫です か ? ( 泣き声 )
もう あなた と いる と ロク な こと ない んだ から !
最低の 休日 ! 仕事 して りゃ よかった
あっ … ちょ … ちょっと ! ちょ ちょ … ちょっと
何で すか ? 来 ないで ください !
( 鐘 の 音 )
あの … 昨日 遊園地 行った んで これ お土産 です
楽しかった か ?
いや この 顔 見りゃ 分かる でしょう ?
もう さんざんでした よ
向こう で みちる さん と 会っちゃ って
えっ ? 行った んだ あの 子
えっ ? どういう こと です か ?
いや … 要ら ない チケット が あった から やった んだ けど ね
え えっ ?
あっ … 俺 が 日曜日 多摩 テック 行く って
沙織 と 電話 して た の 聞いて た でしょう ?
なんか この 辺 で 言って たな
いや なんで 知って て渡す か なぁ
沙織 帰る とき から 口 利いて くれ ない ん ス よ
フフッ … 変な 物 でも 食った んじゃ ねえ の か ?
もう いい です よ
ハァ … ( 信 介 ) お っ !
金田 ( かね だ ) 更新 して や がる
“ この 土 日 は ラーメン を 食べ に ちょっと 札幌 まで 行って ました ”
“ ちょっと 行く ” の が 好きな ヤツ だ ね
( 金田 ) ハァ … ( バーテンダー ) どうぞ
( バーテンダー ) いつも の に なさ い ます か ?
えっ ? いや … 変える ( バーテンダー ) はい
違う のに する じゃ … これ
( バーテンダー ) はい かしこまり ました
( 金田 ) どうも ! フフッ … 今日 も お 1 人 です か ?
は ぁ ? フフッ … 今日 は そちら も 1 人 じゃ ないで す か
( 女性 ) お 待た せ ! ( 金田 ) 遅い よ もう …
先 やっちゃ って る よ ( 女性 ) もう やって ん の ?
うん … あっ … そうだ
今度 の 木曜日 さ 神宮 ( じんぐう ) の 花火 大会 一緒に 見 ない ?
ミッドセンチュリーホテル を 予約 して ある んだ
( 女性 ) ホント ?
ああ … 花火 が いちばん きれいに 見える 部屋
フフッ … でも そんな 部屋 ―
ずっと 前 から じゃ ない と 予約 でき ない んじゃ ない の ?
バカだ なぁ 去年 から お前 の ため に 取って ある んだ よ
私 と 知り合った の 先週 じゃ ない … ( 金田 ) ブー !
俺 は お前 と 知り合う の が もう 分かって た
ヘヘッ … ( 女性 ) うれしい !
やっぱり さ 花火 は 愛する 女 と 見る に かぎる んだ よ イエイ !
( 笑い声 )
( バーテンダー ) お 待た せ し ました
嫌 み か ?
ああ 花火 行く の ? ( みちる ) はい
神宮 か … いちばん 近場 だ もん ね 毎年 行って ん の ?
ええ まあ … でも 去年 は 最悪だった んです
最悪 って ?
ちょうど その ころ
この 人 なら つきあって も いい か なって 思って た 人 が いて
その 人 が “ 自分 の マンション から 神宮 の 花火 が よく 見える から ”
“2 人 で 見よう ” って 誘って くれた んです
やった じゃ ない
お 泊まり セット と か 持って いそいそ と 行き ました よ
そし たら …
( みちる ) これ で よく 見える って 言う か ? … みたいな
急に なんか 熱 が 冷めちゃ って
花火 が 終わったら さっさと 帰って き ました よ
ふ ~ ん …
今年 は ちゃんと 見 たい んです よ ね
友達 と 行く んです けど よかったら 夏美 さん も 行き ませ ん ?
そう ね … 仕事 が 早く 終われば ね
あっ ! ハァ …
こういう 中途半端な の が よく ない の か な
えっ ?
“ 時間 が あれば ” なんて 言って る と 当日 いざ 時間 が あって も
結局 一緒に 行く 相手 が い ない の よ ね
1 人 で 花火 は 行け ないで す よ ね ? ( 夏美 ) うん
よし … 今 から 決め と こう
えっ と …
その 日 は ちゃんと 仕事 を 終わら せて
“ みちる ちゃん と 花火 に 行く ” と
( 携帯 電話 の 着信 音 )
はい …
なに ?
えっ ?
早坂 ( はやさ か ) さんよ ! あの 人 いい 人 ね ( 信 介 ) 何 が ?
今日 ね 帯 留め を 送って くれた の よ 柴又 行った お土産 だって
えっ ?
私 が 診察 に 行く 度 に お土産 持って くもん だ から
気 ぃ 遣って くださって ん の ね
あの 人 とっても ちゃんと した 人 よ
どうして 今 まで 結婚 して ない の かしら ?
私 の 趣味 だって ちゃんと 分かって くれて る し
うれしい わ ~
ホントに 余計な こと を …
何 が 余計な こと よ !
… で ね 今度 早坂 さん に 会ったら よろしく 言って ください よ
それ じゃ
( 不通 音 )
( ため息 )
まいった な
( みちる ) え えっ それ じゃ ずっと 桑野 さん と 隣 同士 で バス に 乗って た んだ ?
だって 指定 席 なんだ もん ( みちる ) それ は ヘビー でした ね
でも ね 私 思った の よ
そもそも 休み の 日 に ああいう バス に ―
1 人 で 乗って る 自分 に も 問題 が ある んじゃ ない か って
ああ …
だから ね 少し 生活 パターン を 変えて みよう と 思う の
できる だけ 人 に 会う ように する と か
いい んじゃ ない です か ? 私 なら いつでも 呼んで ください
ありがとう ! とりあえず は 花火 大会 で 盛り上がり ます か
はい ! ( 夏美 ) フフッ …
( 舌打ち )
あっ …
( ノック ) は ー い
どうぞ
どう さ れ ました ?
なんか ゆうべ から 気分 が すぐれ なくて
また 胃 です か ?
いや なんか この 辺 が ムカムカ と
その辺 が ? 何で しょうね …
おう吐 は あり ました か ?
あの …
この 間 は どうも すいません でした
あっ … いえ …
あと … 母 に 贈り物 まで
ああ … 診察 の 度 に いろいろ 持ってきて くださる んで 心苦しくて
時に 今度 の 木曜日 神宮 の 花火 大会 でして ね
はい
実は ね 見える んです
ウチ の 事務 所 の ビル の 屋上 から
何 が ? ( 信 介 ) 花火 です
は ぁ …
距離 は そこそこ ある んです けど ね 間 に 遮る 物 ない んで ―
ちょうど いい 具合 に スカーッ と 見える んです よ
へえ ~ いい です ね ( 信 介 )… でしょう ?
この こと は ね 誰 も 知ら ない んです
管理人 に 話 を つけて 毎年 1 人 で ビル の 屋上 を 独占 して いる んです が
フフッ … その 日 だけ は キッチリ と 仕事 を 終わら せて ね
そう です か ( 信 介 ) ええ
この こと は 誰 に も 秘密です よ
英治 に も 教えて ない んで
あの … どうして そんな こと 私 に ?
えっ ? いや それ は まあ … だ から …
もし かして 誘って くれて ます ?
えっ … まあ … いや ぁ …
あなた が どうしても と おっしゃる なら
すみません 私 みちる ちゃん たち と 行く 約束 して る んです
えっ ?
フフッ … それ って 場所 確保 して る んです か ?
さあ … みちる ちゃん が なんとか する んじゃ ない です か ?
カーッ … あの 子 に 任せて 大丈夫 と は 思え ない な
どうして 人 の こと 悪く ばっかり 言う んです か ?
客観 的 事実 を 言って る んです よ 地上 じゃ どうせ 人 混 み でしょう
ビル と か あって ロク に 見え も し ない し
結局 真夏 の おしく ら まんじゅう を し に 行く ような もん です よ
それ でも いい んです ! みんな と 一緒だったら 楽しい んです
あなた に は 分から ない かも しれ ない けど
ああ そう です か フッ … まあ いい です よ
僕 も 1 人 の ほう が 楽しい し どっち か と いう と
あれ ? ムカムカ は ? ( 信 介 ) 治り ました
( ドア の 開閉 音 )
この 間 の 設計 の 手直し お 客 さん も 喜んで くれた
当然だ な ( 摩耶 ) フフッ …
あっ … そう そう シティーワークス 社 の 社長 さん が
神宮 の 花火 大会 の とき 私 と 桑野 さん で
家 に 来 ない か って 誘って くれた の
えっ ?
自宅 の マンション が 花火 の 特等 席 で
毎年 知り合い 呼んで パーティー やる んだ って
( 沙織 ) へえ ~ いい なぁ
仕事 して る と こういう 役 得 も ある の よ
ねえ 行く でしょう ?
いや あいにく ( 摩耶 ) えっ ? どうして ?
まあ 下 から 普通に 見れば いっか
あっ そう だ ! そう いえば あの … みちる さん から メール 入って た んだ
“ みんな で 行か ない か ?” って
えっ ? みんな って 誰 ?
えっ と 早坂 先生 と あと 中川 病院 の ナース の 人 たち と
( 沙織 ) ふ ~ ん …
じゃ 先 に 失礼 し ます ( 信 介 ) ああ
あれ ? まだ 仕事 です か ? ( 信 介 ) うん ? まあ な