三 姉妹 探偵 団 01 chapter 05 (2)
みっ|しまい|たんてい|だん|
Three Sisters Detective Agency 01 chapter 05 (2)
「── 夕 里子 」
ゆう|さとご
「 うん ?
「 ずっと 友だち で いて ね 」
|ともだち|||
"Have you always been friends?"
「 何 言って ん の 。
なん|いって||
" What are you talking about .
当り前じゃ ない 」
あたりまえじゃ|
夕 里子 は 、 敦子 の 、 そう 言い たい 気持 が 良く 分 った 。
ゆう|さとご||あつこ|||いい||きもち||よく|ぶん|
Yuuriko has a good sense of wanting to say so.
「── ママ !
まま
家 の 手前 に 来て 、 敦子 は 足 を 止めた 。
いえ||てまえ||きて|あつこ||あし||とどめた
Coming to the front of the house, Reiko stopped his leg.
敦子 の 母 が 、 小さな バッグ を 手 に 、 家 から 出て 来た のだ 。
あつこ||はは||ちいさな|ばっぐ||て||いえ||でて|きた|
A dumpling 's mother came out of the house with a small bag in her hand.
「 どこ に 行く の ?
||いく|
「 敦子 ……。
あつこ
ごめんなさい 。
ママ 、 出て 行か なくちゃ なら ない から 」
まま|でて|いか||||
Mom, because I have to go out "
「 いや よ !
どうして ──」
「 ともかく 、 しばらく は ……。
"Anyway, for a while ....
夕 里子 さん 、 すみません けど 、 後 は お 願い し ます 。
ゆう|さとご||||あと|||ねがい||
Yuuriko Excuse me, but I'm sorry, but I would like to ask for it later.
あなた は しっかり して らっしゃる から 」
Because you are firm "
夕 里子 は 、 何とも 言え なかった 。
ゆう|さとご||なんとも|いえ|
Yuuriko couldn't say anything.
「 どこ に 行く の ?
||いく|
「 さあ ……。
お 友だち の 所 に でも 行って みる わ 」
|ともだち||しょ|||おこなって||
I will go to my friend 's place "
敦子 の 母 は 寂しく 笑った 。
あつこ||はは||さびしく|わらった
「 じゃ 、 連絡 する から 」
|れんらく||
"Then I will contact you"
と 、 歩き 出す 。
|あるき|だす
And walk out.
「 ママ !
まま
待って よ 。
まって|
パパ と 話し合って ──」
ぱぱ||はなしあって
「 もう いい の よ 。
自分 で やった こと の 始末 は つけ なきゃ ね 」
じぶん|||||しまつ||||
I have to keep track of what I did myself "
と 、 敦子 の 母 は 言って 、 そのまま 足早に 歩いて 行った 。
|あつこ||はは||いって||あしばやに|あるいて|おこなった
And, Reiko's mother said, and walked as fast as it went.
敦子 は 家 の 中 へ 駆け込んで 行った 。
あつこ||いえ||なか||かけこんで|おこなった
Yuko ran into the house and went.
夕 里子 も 急いで 後 を 追って 中 へ 入った 。
ゆう|さとご||いそいで|あと||おって|なか||はいった
Yuriko rushed into the room to follow later.
「 パパ !
ぱぱ
ママ が 行っちゃ うよ !
まま||おこなっちゃ|
Mom will go!
と 敦子 が 言った 。
|あつこ||いった
「 紀子 が そう 決めた んだ 。
としこ|||きめた|
"Noriko decided so.
行か せて やれ 」
いか||
Let me go
と 、 片瀬 が 言った 。
|かたせ||いった
Said Katase.
夕 里子 は 、 初めて 、 敦子 の 母親 の 名前 を 聞いた 。
ゆう|さとご||はじめて|あつこ||ははおや||なまえ||きいた
Yuuriko first heard of Ms. Yuzu's mother's name.
電話 が 鳴って 、 夕 里子 が 出た 。
でんわ||なって|ゆう|さとご||でた
The phone rang and Yuuriko came out.
「 はい 、 片瀬 です 」
|かたせ|
「 佐々 本 夕 里子 さん は い ます か ?
ささ|ほん|ゆう|さとご|||||
"Do you have Yuko Sasamoto?
「 私 です 」
わたくし|
「 あ 、 珠美 さん が 学校 で けがし まして ね 」
|たまみ|||がっこう||||
「 けが ?
夕 里子 は 青く なった 。
ゆう|さとご||あおく|
珠美 が 、 目 の 周り を 青く して 、 唇 から 血 を 流し 、 頰 が はれ 上って 、 お 化 みたいな 顔 で 座って いた のだ 。
たまみ||め||まわり||あおく||くちびる||ち||ながし||||のぼって||か||かお||すわって||
Suzumi bluened the eyes, shed blood from her lips, her eyes were rising, and she sat with a garish face.
「 お 姉ちゃん ……」
|ねえちゃん
珠美 が ニヤッ と 笑って 、 夕 里子 は ゾッと した 。
たまみ||||わらって|ゆう|さとご||ぞっと|
Shumi smiles grinfully, and Yuuriko is chilling.
「 あんた !
── 大丈夫 ?
だいじょうぶ
「 不良に 殴ら れた んだ よ 」
ふりょうに|なぐら|||
"I was beaten badly."
と 、 珠美 を 助けた 事務 室 の 男性 が 言った 。
|たまみ||たすけた|じむ|しつ||だんせい||いった
Said a man in the office who helped Shumi.
「 お腹 も 殴ら れて る し 、 ひざ も すりむいて る し ……。
おなか||なぐら||||||||
"I'm hungry and my knees are rubbing ....
でも 、 骨 は 大丈夫 らしい けど ね 。
|こつ||だいじょうぶ|||
But bones seem to be alright though.
一応 、 レントゲン 撮って もらった 方 が いい と 思う よ 」
いちおう||とって||かた||||おもう|
I think it would be better for me to take a roentgen.
「 すみません 、 どうも 」
と 、 夕 里子 は 頭 を 下げた 。
|ゆう|さとご||あたま||さげた
「── 一体 どうして 殴ら れた の ?
いったい||なぐら||
「 この …… お 金 」
||きむ
と 、 珠美 は 鞄 を 叩いて 、「 よこせ 、 って 」
|たまみ||かばん||たたいて||
And, Tamami beats the ax and says, "Get it!"
「 知って た の ?
しって||
"Did you know?
「 らしい 。
どうして か 分 ん ない けど 」
||ぶん|||
I do not know why but "
「 で 、 お 金 は ?
||きむ|
珠美 が 、 誇らしげに 、
たまみ||ほこらしげに
Tamami is proudly
「 やら なかった !
"I did not do it!
と 言った 。
|いった
「 あんた 、 馬鹿 ねえ 。
|ばか|
治療 費 の 方 が 、 よっぽど かかる じゃ ない の 」
ちりょう|ひ||かた||||||
The cost of treatment is not expensive.
「 でも ね 、 一 度 やったら 、 これ から だって 狙わ れる もん 。
||ひと|たび|||||ねらわ||
"But if you do it once, you will be targeted from now on.
── 先々 の 被害 まで 考えたら 、 この 方 が 得だ よ 」
さきざき||ひがい||かんがえたら||かた||とくだ|
-If you think about the damage ahead, this one is better "
夕 里子 は 、 呆れて 珠美 の 顔 を 眺めて いた 。
ゆう|さとご||あきれて|たまみ||かお||ながめて|
Yuuriko was looking at the face of Tamami.
それ から 、 思い切った 様子 で 、 十 円 玉 を 投入 口 へ 三 枚 落とす と 、 プッシュホン の ボタン を 押した 。
||おもいきった|ようす||じゅう|えん|たま||とうにゅう|くち||みっ|まい|おとす||||ぼたん||おした
Then, in a state of desperation, I dropped three 10-yen coins into the insertion slot and pressed the push-phone button.
腕 時計 を 見た 。
うで|とけい||みた
I saw an arm watch.
夜 の 十一 時 を 少し 過ぎて いた 。
よ||じゅういち|じ||すこし|すぎて|
It was slightly past eleven o'clock in the evening.
受話器 を 持つ 手 は 、 小刻みに 震えて いた 。
じゅわき||もつ|て||こきざみに|ふるえて|
The hand holding the handset was shaking in small steps.
── 向 う の 受話器 が 上った 。
むかい|||じゅわき||のぼった
The handset for the future went up.
「 もしもし 」
男 の 声 が した 。
おとこ||こえ||
There was a man's voice.
「 私 です 」
わたくし|
と 、 片瀬 紀子 は 言った 。
|かたせ|としこ||いった
Said Noriko Katase.
「 どなた ?
「 片瀬 紀子 です 。
かたせ|としこ|
"It is Noriko Katase.
お 忘れ で は ない でしょう ね 」
|わすれ|||||
It will not be forgotten "
やや 間 が あって 、 当惑 げ な 声 が 、
|あいだ|||とうわく|||こえ|
There is a slight pause and an embarrassed voice,
「 どちら へ お かけ です か ?
"Which are you calling for?
こちら は ──」
「 とぼけ ないで 下さい 。
||ください
"Don't blur it.
私 が あなた に 気付いて ない と お 思い な んでしょう 。
わたくし||||きづいて||||おもい||
You may not think I'm aware of you.
でも あなた は 、 あの とき 、 落として 行った もの が ある んです 。
|||||おとして|おこなった||||
But at that time, there are things that you have dropped.
私 、 それ を 拾い ました 。
わたくし|||ひろい|
I picked it up.
その とき は 、 何だか よく 分 ら なかった けど 、 後 で 、 たまたま 同じ 物 を 見る 機会 が あった んです 。
|||なんだか||ぶん||||あと|||おなじ|ぶつ||みる|きかい|||
At that time, I didn't know something well, but later, I happened to have the opportunity to see the same thing.
その とき に 気 が 付き ました !
|||き||つき|
I noticed that time!
「 何の お 話 か 分 り ませ ん ね 」
なんの||はなし||ぶん||||
"I don't know what you're talking about."
「 お 気付き で ない はず は ない と 思い ます けども 。
|きづき|||||||おもい||
"I think you shouldn't have noticed that though.
── あなた は 悪魔 の ような 方 だ わ 。
||あくま|||かた||
-You are like a devil.
私 の 家庭 を めちゃくちゃに して 」
わたくし||かてい|||
Mess up my home "
しばらく 、 沈黙 が あった 。
|ちんもく||
There was silence for a while.
「── 聞いて いらっしゃる んです か ?
きいて|||
"聞 い Do you hear me?
と 、 紀子 は 言った 。
|としこ||いった
Said Noriko.
「 どっち で も いい わ 。
"But it doesn't matter.
ともかく 、 私 は 、 あなた の 首 を 絞める ロープ を 握って る んです よ 」
|わたくし||||くび||しめる|ろーぷ||にぎって|||
Anyway, I'm holding a rope that squeezes your neck. "
荒い 息遣い が 、 伝わって 来た 。
あらい|いきづかい||つたわって|きた
A rough breath has been transmitted.
「 そんな こと が できる と 思って る の かい 、 奥さん 」
|||||おもって||||おくさん
"Do you think you can do that, your wife"
あの 声 に なって いた 。
|こえ|||
It was that voice.
紀子 の 口元 に 、 勝ち誇った 笑み が 浮んだ 。
としこ||くちもと||かちほこった|えみ||うかんだ
At the mouth of Noriko, the winning smile came to me.
「 でき なくて どう する の ?
"What are you going to do?
と 、 紀子 は 言った 。
|としこ||いった
「 あなた は 総 て を 失う わ 。
||そう|||うしなう|
"You lose everything.
私 は もう 失って しまった 。
わたくし|||うしなって|
I have already lost it.
何も 怖い もの は ない わ 」
なにも|こわい||||
「 そうかい 」
「 覚悟 して 待って いる こと ね 。
かくご||まって|||
"Be prepared and waiting.
それとも 、 自殺 する 方 が 、 まだ 救わ れる かも しれ ない けども 」
|じさつ||かた|||すくわ|||||
Or maybe the one who commits suicide may still be saved.
紀子 は 一 つ 息 を ついた 。
としこ||ひと||いき||
Noriko has a breath.
「 それ じゃ 、 私 は これ から 警察 へ 行って ──」
||わたくし||||けいさつ||おこなって
"Well then, I will go to the police from now on ──"
「 待てよ 」
まてよ
「 何 か ?
なん|
「 家族 が どう なって も いい の か 」
かぞく|||||||
"What is wrong with my family?"
「 どういう 意味 ?
|いみ
「 教えて やろう 」
おしえて|
"Let me tell you"
男 の 声 は 、 笑い を 含んで いた 。
おとこ||こえ||わらい||ふくんで|
The man's voice contained laughter.
「 俺 は な 、 あの 女 も 殺した んだ 」
おれ||||おんな||ころした|
"I, I killed that girl too."
「 あの 女 ?
|おんな
「 そう 。
佐々 本 の 奴 の 家 で 見付かった 女 さ 」
ささ|ほん||やつ||いえ||みつかった|おんな|
"The girl I found in Sasa 's house"
「 あなた が ?
紀子 は 目 を 見開いた 。
としこ||め||みひらいた
「 そう と も 。
"That's right.
死体 を 押入れ に 放り込んで 、 火 を つけて やった 。
したい||おしいれ||ほうりこんで|ひ|||
I threw the corpse into the closet and put on the fire.
娘 っ子 共 は 生きのび や がった が 」
むすめ|っこ|とも||いきのび|||
The girls and their children survived and survived. "
「 何て ひどい こと を ……」
なんて|||
"What awful thing ..."
紀子 は 青ざめた 。
としこ||あおざめた
Noriko turned pale.
「 お前 の 亭主 や 娘 が そう なって も いい の かい 」
おまえ||ていしゅ||むすめ|||||||
"Is it okay for your lord or daughter to do so?"
「 何で すって ?
なんで|
" What's that ?
「 お前 が 警察 へ 行く の は 勝手だ 。
おまえ||けいさつ||いく|||かってだ
"It is selfish that you go to the police.
俺 に は 止め られ ない 。
おれ|||とどめ||
I can not stop it.
お前 が どこ から 電話 を かけて る かも 分 ら ねえ んだ から な 。
おまえ||||でんわ|||||ぶん|||||
I don't know where you are calling from.
だが 、 俺 も そう なりゃ 、 やけだ 。
|おれ||||
But if I'm too, I'm sorry.
その 間 に 、 お前 の 家族 を 皆殺し に して 火 を つけて やる 」
|あいだ||おまえ||かぞく||みなごろし|||ひ|||
In the meantime, kill all of your family and put on the fire.
「 そんな こと が ──」
"That kind of thing ──"
「 でき ねえ と 思う の か ?
|||おもう||
"Do you think you can do it?
俺 は そういう 男 だ 。
おれ|||おとこ|
I am such a man.
死刑 に なる なら 一 人 も 三 人 も 同じだ から な 」
しけい||||ひと|じん||みっ|じん||おなじだ||
If it becomes a death penalty, one or three people are the same.
紀子 の 額 に 汗 が 浮いた 。
としこ||がく||あせ||ういた
A sweat floated on Noriko's forehead.
唇 を なめて 、
くちびる||
Lick your lips,
「 はったり よ 。
すぐに 警官 が 行く わ 」
|けいかん||いく|
A policeman will go soon
「 何分 か は かかる 。
なにぶん|||
"It will take a few minutes.
俺 が お前 の 家 へ 行く 方 が 早い ぜ 」
おれ||おまえ||いえ||いく|かた||はやい|
It is faster for me to go to your house "
紀子 は 唇 を かんだ 。
としこ||くちびる||
「── どう する 、 奥さん ?
||おくさん
「 でき っこ ない わ !
"I can't do it!
電話 が 切れた 。
でんわ||きれた
The phone was disconnected.
紀子 は 一瞬 ためらった が 、 すぐに 受話器 を 戻し 、 もう 一 度 取り上げた 。
としこ||いっしゅん||||じゅわき||もどし||ひと|たび|とりあげた
Noriko hesitated for a moment, but immediately returned the handset and picked it up again.
十 円 玉 を 入れる 。
じゅう|えん|たま||いれる
Add 10 yen balls.
敦子 が 、 受話器 を 上げた 。
あつこ||じゅわき||あげた
Reiko raised the handset.
「 片瀬 です 。
かたせ|
── もしもし ?
誰 も 出 ない 。
だれ||だ|
No one comes out.
「 もしもし ?
── どなた です か ?
向 うに 誰 か が いる こと は 分 る 。
むかい||だれ||||||ぶん|
I know that someone is on the way.
だが 、 何も しゃべろう と し ない のだ 。
|なにも|||||
But, I try not to speak anything.
片瀬 が 、 顔 を 出した 。
かたせ||かお||だした
Katase came out with a face.
「── おい 、 誰 だ ?
|だれ|
「 分 ん ない 。
ぶん||
何も 言わ ない の 」
なにも|いわ||
「 貸して みろ 。
かして|
"Let's lend it.
── もしもし !
── 誰 だ ね ?
だれ||
紀子 は 、 お 話し 中 の 信号 音 を 聞いて 、 しまった 、 と 思った 。
としこ|||はなし|なか||しんごう|おと||きいて|||おもった
Noriko thought that he had heard the signal sound while talking.
すぐに 切って 、 もう 一 度 かけ 直す 。
|きって||ひと|たび||なおす
I'll cut it right away and try again.
やはり お 話し 中 である 。
||はなし|なか|
I am still talking.
紀子 は 、 電話 ボックス を 飛び出して 、 走った 。
としこ||でんわ|ぼっくす||とびだして|はしった