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Fairy Tales, カイコの犬

カイコ の 犬

カイコ の 犬

むかし むかし 、 ある ところ に 、 一 人 の 娘 が 、 カイコ から 絹糸 を 取って 暮らし を 立てて い ました 。 ある 年 の 事 、 娘 が 飼って いる カイコ が 病気 に かかり 、 次々 と 死んで 、 ついに 一 匹 だけ に なって しまった のです 。 一 匹 だけ で は 仕事 に なら ない ので 、 娘 は 絹糸 を 取る 仕事 を やめよう か と も 思い ました が 、 残った 一 匹 が とても 可愛い く なって 、 娘 は その 一 匹 を 大切に 大切 に 育てた のです 。 する と その 一 匹 の カイコ は 、 毎日 毎日 、 桑 ( くわ ) の 葉 を たくさん 食べて 、 どんどん 大きく なって いき ました 。 そして 、 今 まで 見た 事 も ない ほど 大きな カイコ に なった のです 。

ある 日 の 事 、 娘 が その カイコ に 新しい 桑 の 葉 を やろう と 、 ちょっと 目 を 離した すきに 、 この 家 で 飼って いる 白 犬 が 、 カイコ を パクリ と 呑み 込んで しまった のです 。 「 ああ 、 たった 一 匹 の カイコ が ・・・」 娘 は 、 その 日 から 仕事 を 失って 、 とても がっかり し ました 。 そんな ある 日 、 白 犬 が しきりに くしゃみ を して いる ので 、 娘 が 見て みる と 、 不思議な 事 に 白 犬 の 鼻 の 穴 から 、 二 筋 の 繭 ( まゆ ) の 糸 が 伸びて いた のです 。 「 もし かして 、 カイコ を 食べた せい かしら 」 娘 が 糸 を 引っ張る と 、 糸 は どこまでも 伸びて いき ます 。 そこ で その 糸 で 糸 巻き を 始める と 、 娘 が 一 年間 に 取る 事 が 出来る 絹糸 と 同じ 量 の 絹糸 を 作る 事 が 出来た のです 。 でも 、 糸 が 出 なく なる と 同時に 、 今度 は 白 犬 が バタン と 倒れて 死んで しまい ました 。 カイコ に も 飼い犬 に も 死な れて しまった 娘 は 、 泣いて 泣いて 泣き 疲れて 、 その場で 寝て しまい ました 。 すると 夢 の 中 に 飼い犬 が 現れて 、 こう 言う のです 。 「 ご 主人 さま 、 悲しま なくて も 大丈夫 。 わたし と カイコ は 、 天国 へ 行った のです から 。 それ より も 、 わたし を 裏 の 桑 の 木 の 下 へ 埋めて 下さい 。 そう すれば 、 来年 は 、 きっと 良い 事 が あり ます よ 」 目 を 覚ました 娘 は 、 さっそく 夢 で 告げ られた 通り に 、 犬 を 家 の 裏 の 桑 の 木 の 下 に 埋めて やり ました 。 そして 次の 年 、 桑 の 木 は 一 年 で とても 大きく 成長 し 、 桑 の 木 の 下 から は 、 元気な カイコ が たくさん 出て きた のです 。 この カイコ は やがて 質 の 良い 繭 を たくさん 作り 、 よい 絹糸 が たくさん 作れた 娘 は 、 それ を 売って 幸せに 暮らした と いう 事 です 。

おしまい


カイコ の 犬 ||いぬ silkworm dog perro gusano de seda

カイコ の 犬 ||いぬ

むかし むかし 、 ある ところ に 、 一 人 の 娘 が 、 カイコ から 絹糸 を 取って 暮らし を 立てて い ました 。 |||||ひと|じん||むすめ||||きぬいと||とって|くらし||たてて|| ある 年 の 事 、 娘 が 飼って いる カイコ が 病気 に かかり 、 次々 と 死んで 、 ついに 一 匹 だけ に なって しまった のです 。 |とし||こと|むすめ||かって||||びょうき|||つぎつぎ||しんで||ひと|ひき||||| 一 匹 だけ で は 仕事 に なら ない ので 、 娘 は 絹糸 を 取る 仕事 を やめよう か と も 思い ました が 、 残った 一 匹 が とても 可愛い く なって 、 娘 は その 一 匹 を 大切に 大切 に 育てた のです 。 ひと|ひき||||しごと|||||むすめ||きぬいと||とる|しごと||||||おもい|||のこった|ひと|ひき|||かわいい|||むすめ|||ひと|ひき||たいせつに|たいせつ||そだてた| する と その 一 匹 の カイコ は 、 毎日 毎日 、 桑 ( くわ ) の 葉 を たくさん 食べて 、 どんどん 大きく なって いき ました 。 |||ひと|ひき||||まいにち|まいにち|くわ|||は|||たべて||おおきく||| そして 、 今 まで 見た 事 も ない ほど 大きな カイコ に なった のです 。 |いま||みた|こと||||おおきな||||

ある 日 の 事 、 娘 が その カイコ に 新しい 桑 の 葉 を やろう と 、 ちょっと 目 を 離した すきに 、 この 家 で 飼って いる 白 犬 が 、 カイコ を パクリ と 呑み 込んで しまった のです 。 |ひ||こと|むすめ|||||あたらしい|くわ||は|||||め||はなした|||いえ||かって||しろ|いぬ||||||どん み|こんで|| 「 ああ 、 たった 一 匹 の カイコ が ・・・」   娘 は 、 その 日 から 仕事 を 失って 、 とても がっかり し ました 。 ||ひと|ひき||||むすめ|||ひ||しごと||うしなって|||| そんな ある 日 、 白 犬 が しきりに くしゃみ を して いる ので 、 娘 が 見て みる と 、 不思議な 事 に 白 犬 の 鼻 の 穴 から 、 二 筋 の 繭 ( まゆ ) の 糸 が 伸びて いた のです 。 ||ひ|しろ|いぬ||||||||むすめ||みて|||ふしぎな|こと||しろ|いぬ||はな||あな||ふた|すじ||まゆ|||いと||のびて|| 「 もし かして 、 カイコ を 食べた せい かしら 」   娘 が 糸 を 引っ張る と 、 糸 は どこまでも 伸びて いき ます 。 ||||たべた|||むすめ||いと||ひっぱる||いと|||のびて|| そこ で その 糸 で 糸 巻き を 始める と 、 娘 が 一 年間 に 取る 事 が 出来る 絹糸 と 同じ 量 の 絹糸 を 作る 事 が 出来た のです 。 |||いと||いと|まき||はじめる||むすめ||ひと|ねんかん||とる|こと||できる|きぬいと||おなじ|りょう||きぬいと||つくる|こと||できた| でも 、 糸 が 出 なく なる と 同時に 、 今度 は 白 犬 が バタン と 倒れて 死んで しまい ました 。 |いと||だ||||どうじに|こんど||しろ|いぬ||||たおれて|しんで|| カイコ に も 飼い犬 に も 死な れて しまった 娘 は 、 泣いて 泣いて 泣き 疲れて 、 その場で 寝て しまい ました 。 |||かいいぬ|||しな|||むすめ||ないて|ないて|なき|つかれて|そのばで|ねて|| すると 夢 の 中 に 飼い犬 が 現れて 、 こう 言う のです 。 |ゆめ||なか||かいいぬ||あらわれて||いう| 「 ご 主人 さま 、 悲しま なくて も 大丈夫 。 |あるじ||かなしま|||だいじょうぶ わたし と カイコ は 、 天国 へ 行った のです から 。 ||||てんごく||おこなった|| それ より も 、 わたし を 裏 の 桑 の 木 の 下 へ 埋めて 下さい 。 |||||うら||くわ||き||した||うずめて|ください そう すれば 、 来年 は 、 きっと 良い 事 が あり ます よ 」   目 を 覚ました 娘 は 、 さっそく 夢 で 告げ られた 通り に 、 犬 を 家 の 裏 の 桑 の 木 の 下 に 埋めて やり ました 。 ||らいねん|||よい|こと|||||め||さました|むすめ|||ゆめ||つげ||とおり||いぬ||いえ||うら||くわ||き||した||うずめて|| そして 次の 年 、 桑 の 木 は 一 年 で とても 大きく 成長 し 、 桑 の 木 の 下 から は 、 元気な カイコ が たくさん 出て きた のです 。 |つぎの|とし|くわ||き||ひと|とし|||おおきく|せいちょう||くわ||き||した|||げんきな||||でて|| この カイコ は やがて 質 の 良い 繭 を たくさん 作り 、 よい 絹糸 が たくさん 作れた 娘 は 、 それ を 売って 幸せに 暮らした と いう 事 です 。 ||||しち||よい|まゆ|||つくり||きぬいと|||つくれた|むすめ||||うって|しあわせに|くらした|||こと|

おしまい