ウサギとカメとフクロウ
ウサギ と カメ と フクロウ
むかし むかし 、 由良 ( ゆら → 和歌山 県 の ほぼ 中央 ) の 小山 に 、 ウサギ と カメ と フクロウ が 住んで い ました 。
ある 日 の 事 、 ウサギ と カメ が かけっこ を する 事 に なり 、 空 を 飛べる フクロウ が 審判 を 引き受け ました 。
「 ヨーイ 、 ドン !
」 フクロウ の 合図 に 、 ウサギ と カメ は 、 ピョンピョン 、 ノソノソ と 、 かけ 出し ました 。
「 へ へ ー ん 。
ウサギ が カメ に 負ける もの か 」 先 を 走る ウサギ が 、 もう 少し で ゴール と いう 時 、 空 から フクロウ が 言い ました 。
「 ウサギ さん 。
カメ さん は 、 もう とっくに ゴール に ついて いる よ 」 「 なん だって !
そんな 馬鹿な 事 が ある もの か !
」 ウサギ が あわてて ゴール に かけ 込んで みる と 、 先 に ついた カメ が ゆうゆうと 汗 を ふいて いる で は あり ませ ん か 。
「 うそ だ !
ウサギ が カメ に 負ける なんて 、 こんな おかしな 事 が ある もの か !
」 ウサギ は 、 もう 一 度 カメ と 勝負 を し ました が 、 今度 も 負けて しまい ました 。
「 わー ん !
カメ に 負けて しまった よ ー !
」 ウサギ は くやしくて くやしくて 、 小山 の 木かげ に かくれて 泣き 続け ました 。
そして あんまり 目 を こすった ので 、 ウサギ の 目 は まっ 赤 に なって しまい ました 。
そこ へ 神さま が 現れて 、 ウサギ に 声 を かけ ました 。
「 これ これ ウサギ よ 、 もう 泣く んじゃ ない 。
お前 は 、 フクロウ と カメ に だまさ れた んじゃ 。
お前 と 一緒に 走った カメ は 山 の 中 で 引きかえ し 、 小山 の 向こう で 待って いた カメ が 先 に かけ 込んだ のじゃ 」 それ から 神さま は 、 二 匹 の カメ を 捕まえて 、 「 この 、 おうちゃく 者 め !
」 と 、 つえ で 背中 を 叩き ました 。
それ で カメ の 背中 は 、 ひび だらけ な のです 。
次に 神さま は 、 フクロウ を 捕まえて 、 「 この 、 ろくでなし め !
」 と 、 フクロウ の 目玉 を つえ で 叩き ました 。
それ で フクロウ は 、 夜 しか 目 が 見え なく なった のです 。
おしまい
ウサギとカメとフクロウ
うさぎ と かめ と ふくろう
Hare, Tortoise and Owl
ウサギ と カメ と フクロウ
うさぎ||かめ||ふくろう
むかし むかし 、 由良 ( ゆら → 和歌山 県 の ほぼ 中央 ) の 小山 に 、 ウサギ と カメ と フクロウ が 住んで い ました 。
||ゆら||わかやま|けん|||ちゅうおう||こやま||うさぎ||かめ||ふくろう||すんで||
ある 日 の 事 、 ウサギ と カメ が かけっこ を する 事 に なり 、 空 を 飛べる フクロウ が 審判 を 引き受け ました 。
|ひ||こと|うさぎ||かめ|||||こと|||から||とべる|ふくろう||しんぱん||ひきうけ|
「 ヨーイ 、 ドン !
」 フクロウ の 合図 に 、 ウサギ と カメ は 、 ピョンピョン 、 ノソノソ と 、 かけ 出し ました 。
ふくろう||あいず||うさぎ||かめ||||||だし|
「 へ へ ー ん 。
||-|
ウサギ が カメ に 負ける もの か 」 先 を 走る ウサギ が 、 もう 少し で ゴール と いう 時 、 空 から フクロウ が 言い ました 。
うさぎ||かめ||まける|||さき||はしる|うさぎ|||すこし||ごーる|||じ|から||ふくろう||いい|
The hare was almost at the finish line when an owl came out of the sky and said, "The hare can't lose to the tortoise.
「 ウサギ さん 。
うさぎ|
カメ さん は 、 もう とっくに ゴール に ついて いる よ 」 「 なん だって !
かめ|||||ごーる||||||
The turtle is already at the goal!
そんな 馬鹿な 事 が ある もの か !
|ばかな|こと||||
How is that possible?
」 ウサギ が あわてて ゴール に かけ 込んで みる と 、 先 に ついた カメ が ゆうゆうと 汗 を ふいて いる で は あり ませ ん か 。
うさぎ|||ごーる|||こんで|||さき|||かめ|||あせ|||||||||
The rabbit rushes over to the goal and sees the turtle ahead of him sweating happily.
「 うそ だ !
No, no, no, no!
ウサギ が カメ に 負ける なんて 、 こんな おかしな 事 が ある もの か !
うさぎ||かめ||まける||||こと||||
」 ウサギ は 、 もう 一 度 カメ と 勝負 を し ました が 、 今度 も 負けて しまい ました 。
うさぎ|||ひと|たび|かめ||しょうぶ|||||こんど||まけて||
The rabbit played with the turtle once more, but this time he lost.
「 わー ん !
わ -|
カメ に 負けて しまった よ ー !
かめ||まけて|||-
I lost to the turtles!
」 ウサギ は くやしくて くやしくて 、 小山 の 木かげ に かくれて 泣き 続け ました 。
うさぎ||||こやま||こかげ|||なき|つづけ|
そして あんまり 目 を こすった ので 、 ウサギ の 目 は まっ 赤 に なって しまい ました 。
||め||||うさぎ||め|||あか||||
そこ へ 神さま が 現れて 、 ウサギ に 声 を かけ ました 。
||かみさま||あらわれて|うさぎ||こえ|||
「 これ これ ウサギ よ 、 もう 泣く んじゃ ない 。
||うさぎ|||なく||
お前 は 、 フクロウ と カメ に だまさ れた んじゃ 。
おまえ||ふくろう||かめ||||
お前 と 一緒に 走った カメ は 山 の 中 で 引きかえ し 、 小山 の 向こう で 待って いた カメ が 先 に かけ 込んだ のじゃ 」 それ から 神さま は 、 二 匹 の カメ を 捕まえて 、 「 この 、 おうちゃく 者 め !
おまえ||いっしょに|はしった|かめ||やま||なか||ひきかえ||こやま||むこう||まって||かめ||さき|||こんだ||||かみさま||ふた|ひき||かめ||つかまえて|||もの|
The turtle that ran with you was pulled back in the mountains, and the turtle that was waiting on the other side of the hill swooped in first!
」 と 、 つえ で 背中 を 叩き ました 。
|||せなか||たたき|
それ で カメ の 背中 は 、 ひび だらけ な のです 。
||かめ||せなか|||||
次に 神さま は 、 フクロウ を 捕まえて 、 「 この 、 ろくでなし め !
つぎに|かみさま||ふくろう||つかまえて|||
」 と 、 フクロウ の 目玉 を つえ で 叩き ました 。
|ふくろう||めだま||||たたき|
'' and hit the owl's eyeball with his staff.
それ で フクロウ は 、 夜 しか 目 が 見え なく なった のです 。
||ふくろう||よ||め||みえ|||
That's why the owl can only see at night.
おしまい