Kazari to Youko Chapter 2.2
チャイム を ならす と 背 の 低い 白髪 の おばあちゃん が 出て きた 。
『 まあ 、 アソ ちゃん ! アソ ちゃん に まちがい ない わ ! 』
おばあ ちゃん は 目 を 開いて 驚く と 嬉し そうに 犬 を 抱きしめた 。
その おばあ ちゃん が チラシ を 書いた スズキ さん に まちがい ない と 思った 。
『 ありがとう 、 あなた 。 この 子 の こと 心配 して いた の 。
ちょっと まあ 、 うち に あがって ちょうだい 』
はあ... 、 と うなずいて 家 へ 上がらせて もらった 。
実 を 言う と 汚い こと に 私 は 見返り を 期待 して いた 。
お 金 でも お 菓子 でも 何でも いい 。
いつも おなか を すか せて いた ので くれる もの なら 何でも 欲しかった 。
居間 に 通されて 座布団 に 座った 。
『 そう 、 あなた ヨーコさん と いう の ね 。
私 は スズキ よ 。
チラシ を 張って から 立った 一日 で この 子 に 会える なんて 嘘 みたいだ わ 。 』
スズキ の おばあ ちゃん は アソ に ほおずり を しながら 居間 から 出て 行った 。
彼女 は 一 人 で この 家 に 暮らして いる らしかった 。
スズキ さん は コーヒー と お 茶 菓子 の のった 盆 を もらって 現れた 。
アソ が その 後ろ から ついて きた 。
盆 を ちゃぶ台 に おいて おばあ ちゃん は 向かい合う ように 座った 。
彼女 は 私 が どこ で アソ に 出会った か を 詳しく 知り た がった 。
特に 面白い ドラマ が あった わけで も ない のに 私 が 話して いる 間 中 ニコニコ して 彼女 は 聞いて いた 。
私 は コーヒー に スチック の 佐藤 と カップ の ミルク を ドバドバ 入れて 一瞬 飲み干した 。
お 茶 菓子 も 二 口 で 消滅 した 。
どちら も うまかった 。
私 の 生活 に は 甘い 食べ物 と いう の が ほとんど なく 時々 中学校 の 給食 で 出る デザート くらい しか なかった 。
家 で は カザリ の 食べ 残し 以外 ほとんど 何も 口 に 入ら ない ので 当然だった 。
はたして 給食 の ない 高校 へ 行く ように なった 時 私 は 生きて いける のだろう か と いう せ こい 問題 は つねに 私 の 頭 を 支配 して いた 。
スズキ さん は やさし そうな 顔 で コーヒー の お代わり を ついで くれた 。
今度 は それ を 味わって 飲んで いる と スズキ さん が 言った 。
『 本当 は 夕食 も 食べて いって ほしい のだ けれど 。。。』
それ は なんと して でも 食べ たい です なっ 、 と 一瞬 思った 。
しかし 初 対面 の ひと に いくら なんでも あつかましい と 理性 が 小さく つぶやいた 。
『 実 を いう と 今日 は 全然 夕食 の 用意 して いなかった の 。
この 子 が 心配で 手 に つか なくて 』
スズキ さん が アソ を 抱きしめた 。
アソ は 幸せ もの だ なあ と うらやましく 思った 。