空 飛ぶ じゅうたん から|とぶ| flying carpet

空 飛ぶ じゅうたん から|とぶ|

むかし むかし 、 インド の ある 王さま に は 、 三 人 の 王子 が い ました 。 ||いんど|||おうさま|||みっ|じん||おうじ||| 王子 たち の 名前 は 、『 フーセイン 』、『 アリ 』、『 アーメッド 』 です 。 おうじ|||なまえ|||あり|| また 王さま は 亡くなった 兄 の 娘 の 『 ヌーロニハル 』 も 可愛がって 、 一緒に お 城 に 住ま せて い ました 。 |おうさま||なくなった|あに||むすめ||||かわいがって|いっしょに||しろ||すま|||

さて ある 時 、 とても 困った 事 が おこり ました 。 ||じ||こまった|こと||| 「 ヌーロニハル と 、 結婚 し たい のです 」 と 、 王子 たち が 三 人 と も 言い 出した のです 。 ||けっこん|||の です||おうじ|||みっ|じん|||いい|だした|の です でも 、 三 人 と 結婚 する わけに は いきま せ ん 。 |みっ|じん||けっこん|||||| 王さま は 、 考えた 末 に 言い ました 。 おうさま||かんがえた|すえ||いい| 「 では 、 この世 で 一 番 珍しい 物 を 見つけて きた 者 に 、 姫 と の 結婚 を ゆるす と しよう 」 　 そこ で 王子 たち は 珍しい 物 を 探す ため に 別々に 旅 に 出て 、 帰り に 宿屋 で 落ち合い ました 。 |このよ||ひと|ばん|めずらしい|ぶつ||みつけて||もの||ひめ|||けっこん|||||||おうじ|||めずらしい|ぶつ||さがす|||べつべつに|たび||でて|かえり||やどや||おちあい| 「 ほら 、 ぼく の 珍しい 物 は 、 これ だ ぞ 」 　 三 人 は 得意に なって 、 手 に 入れた 物 を 見せ 合い ました 。 |||めずらしい|ぶつ|||||みっ|じん||とくいに||て||いれた|ぶつ||みせ|あい| フーセイン は 、 自由に 空 を 飛べる じゅうたん 。 ||じゆうに|から||とべる| アリ は 、 どんな 遠い ところ でも 見える 望遠 鏡 ( ぼうえん きょう )。 あり|||とおい|||みえる|ぼうえん|きよう|| アーメッド は 、 に おい を かぐ と 病気 が 治る リンゴ でした 。 |||||||びょうき||なおる|りんご| そして 三 人 で 望遠 鏡 を のぞく と 、 ヌーロニハル が 病気 で 苦しんで いる の が 見えた のです 。 |みっ|じん||ぼうえん|きよう||||||びょうき||くるしんで||||みえた|の です 「 大変だ ！ たいへんだ すぐ に 帰ら ない と 」 　 三 人 は 空 飛ぶ じゅうたん に 飛び乗って 、 お 城 ヘ かけつけ ました 。 ||かえら|||みっ|じん||から|とぶ|||とびのって||しろ||| そして 魔法 の リンゴ の おかげ で 、 ヌーロニハル は たちまち 元気 を 取り戻し ました 。 |まほう||りんご|||||||げんき||とりもどし| 王さま は 大喜びの 後 、 大 よわり です 。 おうさま||おおよろこびの|あと|だい|| 三 人 の 持って きた 三 つ の 品 は どれ も 珍しい 物 で 、 どれ も ヌーロニハル を 助ける の に 役だった から です 。 みっ|じん||もって||みっ|||しな||||めずらしい|ぶつ||||||たすける|||やくだった|| 考え 直した 王さま は 、 言い ました 。 かんがえ|なおした|おうさま||いい| 「 矢 を 一 番 遠く まで 飛ばした 者 を 、 姫 の 婿 に 決める と しよう 」 　 そこ で 王子 たち は 並んで 、 矢 を 放ち ました 。 や||ひと|ばん|とおく||とばした|もの||ひめ||むこ||きめる|||||おうじ|||ならんで|や||はなち| アーメッド の 矢 が 一 番 飛んだ のです が 、 飛び 過ぎて どこ か へ 行って 見つから ない ので 、 王さま は 二 番 目 に 遠く まで 飛ばした アリ を 婿 に 決め ました 。 ||や||ひと|ばん|とんだ|の です||とび|すぎて||||おこなって|みつから|||おうさま||ふた|ばん|め||とおく||とばした|あり||むこ||きめ| 「 見つから ない から だめだ なんて 、 こんな くやしい 事 が ある もんか ！ みつから|||||||こと||| 」 　 アーメッド は がまん 出来 ず に 、 矢 を 探して どんどん 歩いて いき ました 。 |||でき|||や||さがして||あるいて|| 矢 は 、 山 の ふもと の 岩 の 上 に 落ちて い ました 。 や||やま||||いわ||うえ||おちて|| 「 お やっ ？ 岩 に とびら が ある ぞ 」 　 アーメッド が とびら を 開ける と 、 そこ に は 美しい 姫 が 立って い ました 。 いわ||||||||||あける|||||うつくしい|ひめ||たって|| 「 ようこそ 、 アーメッド さま 。 わたし は ぺ リパヌー 姫 と 申し ます 」 　 アーメッド は 一目 で 、 ぺ リパヌー 姫 に 心 を ひか れ ました 。 ||||ひめ||もうし||||いちもく||||ひめ||こころ|||| やがて 二 人 は 結婚 し 、 幸せな 月日 が 過ぎ ました 。 |ふた|じん||けっこん||しあわせな|つきひ||すぎ| 「 一 度 、 父上 に 会い に 行って こよう 」 　 ひさしぶりに お 城 へ 帰った アーメッド を 見て 、 王さま は たい そう 喜び ました 。 ひと|たび|ちちうえ||あい||おこなって||||しろ||かえった|||みて|おうさま||||よろこび| 「 元気 か ？ げんき| お前 が い なく なった あと 、 フーセイン も 空 飛ぶ じゅうたん で 旅 に 出て しまい 、 さみしい かぎり だ 。 おまえ||||||||から|とぶ|||たび||でて|||| 今 は 、 どこ で 暮らして いる のだ ？ いま||||くらして|| 」 「 それ は 言え ませ ん 。 ||いえ|| その代わり 、 わたし は 月 に 一 度 、 お 城 へ 帰って まいり ます 」 　 これ を 聞き つけて 、 大臣 が 言い ました 。 そのかわり|||つき||ひと|たび||しろ||かえって|||||きき||だいじん||いい| 「 王さま 、 アーメッド さま は ヌーロニハル 姫 と 結婚 出来 なかった の を うらんで 、 今に せめて 来る かも しれ ませ ん 」 「 そんな 、 ばかな 」 　 王さま は 、 気 に もとめ ませ ん でした 。 おうさま|||||ひめ||けっこん|でき|||||いまに||くる|||||||おうさま||き|||||

でも ある 日 、 そっと 魔法使い に アーメッド を 探さ せ ます と 、 魔法使い が 言い ました 。 ||ひ||まほうつかい||||さがさ||||まほうつかい||いい| 「 王さま 、 大変です ！ おうさま|たいへん です 王子 さま は わたし より ずっと 魔法 の 力 が ある 姫 と 結婚 して 、 宝石 の かがやく お 城 に 住んで い ます 」 　 王さま は 、 あわて ました 。 おうじ||||||まほう||ちから|||ひめ||けっこん||ほうせき||||しろ||すんで|||おうさま||| 「 そんなに すごい 魔法 を 使える なら 、 この 国 を 乗っ取る 事 など 簡単であろう 。 ||まほう||つかえる|||くに||のっとる|こと||かんたんであろう しかし アーメッド が 、 そんな 事 を する はず が ・・・」 　 そこ へ 、 大臣 と 魔法使い が 言い ました 。 ||||こと|||||||だいじん||まほうつかい||いい| 「 いいえ 、 王さま 。 |おうさま アーメッド さま は 必ず せめて き ます 。 |||かならず||| かわいそうです が 、 アーメッド さま に 何 か を 失敗 さ せて 、 それ を 理由 に 処刑 ( しょけい → 死刑 ) し ましょう 」 かわいそう です|||||なん|||しっぱい|||||りゆう||しょけい||しけい||

次の 月 に なり アーメッド が 来た 時 、 王さま は 大臣 と 魔法使い に 教え られた 、 とんでもない 注文 を 出し ました 。 つぎの|つき|||||きた|じ|おうさま||だいじん||まほうつかい||おしえ|||ちゅうもん||だし| 「 わし の 軍隊 が 全部 すっぽり 入って しまい 、 たためば 手の平 に 乗る ような 、 そんな テント を 持って 来て くれ ない か 」 　 アーメッド は おどろいて 自分 の 城 ヘ 帰り 、 それ を ぺ リパヌー 姫 に 話し ました 。 ||ぐんたい||ぜんぶ||はいって|||て の ひら||のる|||てんと||もって|きて|||||||じぶん||しろ||かえり|||||ひめ||はなし| 「 お 気の毒に 。 |きのどくに 王さま は きっと 、 誰 か に おどかさ れて いらっしゃる のです ね 。 おうさま|||だれ|||おど か さ|||の です| ・・・ はい 、 これ が その テント です 」 　 さすが は 、 力 が ある 魔法使い 。 ||||てんと||||ちから|||まほうつかい 姫 は 簡単に 、 注文 の テント を アーメッド に 渡した のです 。 ひめ||かんたんに|ちゅうもん||てんと||||わたした|の です アーメッド は それ を 持って 、 王さま の ところ ヘ 行き ました 。 ||||もって|おうさま||||いき| 本当に テント の 中 に 軍隊 が 入る の を 見て 、 王さま の おどろいた 事 と いったら あり ませ ん 。 ほんとうに|てんと||なか||ぐんたい||はいる|||みて|おうさま|||こと||||| 王さま は また 、 大臣 と 魔法使い に 教え られた 無 茶 な 事 を 言い ました 。 おうさま|||だいじん||まほうつかい||おしえ||む|ちゃ||こと||いい| 「 ライオン の 泉 の 水 を 、 くんで き ておくれ 。 らいおん||いずみ||すい|||| あれ を 飲む と 、 長生き 出来る そうだ から 」 　 アーメッド は 、 ため息 を つき ました 。 ||のむ||ながいき|できる|そう だ||||ためいき||| その 泉 に は 恐ろしい ライオン が いて 、 近づく 人間 を 食い 殺す のです 。 |いずみ|||おそろしい|らいおん|||ちかづく|にんげん||くい|ころす|の です でも 話し を 聞いた ぺ リパヌー 姫 は 、 アーメッド に 言い ました 。 |はなし||きいた|||ひめ||||いい| 「 大丈夫です よ 、 アーメッド 。 だいじょうぶ です|| ライオン に 、 ヒツジ の 肉 を 投げれば 良い のです 」 　 アーメッド は ライオン が ヒツジ の 肉 を 食 ベ て いる 間 に 、 水 を くむ 事 が 出来 ました 。 らいおん||ひつじ||にく||なげれば|よい|の です|||らいおん||ひつじ||にく||しょく||||あいだ||すい|||こと||でき| 「 アーメッド は 、 全く 不思議な 力 を 持って いる 。 ||まったく|ふしぎな|ちから||もって| ・・・ だ が 、 まさか これ は だめだろう 」 　 王さま は 大臣 と 魔法使い に 教え られた 、 三 回 目 の 注文 を 出し ました 。 ||||||おうさま||だいじん||まほうつかい||おしえ||みっ|かい|め||ちゅうもん||だし| 「 身長 が 一 メートル 、 ひげ の 長 さ が 十 メートル あって 、 とても 力持ち の じいさん を 連れて 来て くれ 」 「 今度 ばかり は 、 もう だめだ 」 　 前 より 深い ため 息 を ついた アーメッド に 、 ぺ リパヌー 姫 は 言い ました 。 しんちょう||ひと|めーとる|||ちょう|||じゅう|めーとる|||ちからもち||||つれて|きて||こんど|||||ぜん||ふかい||いき|||||||ひめ||いい| 「 ご 心配 なく 、 アーメッド 」 　 そう 言った か と 思う と 、 王さま の 望み 通り の 人 が 現れ ました 。 |しんぱい||||いった|||おもう||おうさま||のぞみ|とおり||じん||あらわれ| 驚いた 事 に 、 それ は 姫 の お 兄さん の シャイパル だった のです 。 おどろいた|こと||||ひめ|||にいさん||||の です アーメッド 王子 と シャイパル は 、 王さま の ところ へ 急ぎ ました 。 |おうじ||||おうさま||||いそぎ| そして 、  「 大臣 に 魔法使い ！ |だいじん||まほうつかい 王さま を そそのかして アーメッド を 殺そう と した 罪 は 、 重い ぞ ！ おうさま|||||ころそう|||ざい||おもい| 」 　 シャイパル は 鉄 の 棒 を ビュンビュン ふり まわして 、 その 風 で 大臣 と 魔法使い を 窓 の 外 に 吹き飛ばし ました 。 ||くろがね||ぼう||||||かぜ||だいじん||まほうつかい||まど||がい||ふきとばし| 王さま は 、 ハッと 顔 を あげて 言い ました 。 おうさま||はっと|かお|||いい| 「 悪かった 、 アーメッド 。 わるかった| 許し ておくれ 」 　 王さま が 心から あやまる と 、 アリ も ヌーロニハル 姫 も かけ寄って 来て 、 心から アーメッド を むかえ ました 。 ゆるし||おうさま||こころから|||あり|||ひめ||かけよって|きて|こころから|||| 「 それにしても 、 フーセイン も はやく 戻って くれば いい のに 。 ||||もどって||| 今ごろ 空 飛ぶ じゅうたん で 、 どこ を 飛んで いる んだろう ？ いまごろ|から|とぶ|||||とんで|| 」 　 みんな は そう 言って 、 空 を 見上げ ました 。 |||いって|から||みあげ|

おしまい