漁師 と その おかみ さん の 話 りょうし||||||はなし The story of a fisherman and his wife

漁師 と その おかみ さん の 話 りょうし||||||はなし The story of a fisherman and his mother

むかし むかし 、 漁師 ( りょうし ) と おかみ さん が 、 汚くて 小さな 家 に 住んで い ました 。 ||りょうし||||||きたなくて|ちいさな|いえ||すんで|| Once upon a time, a fisherman and a mother lived in a dirty, small house.

ある 日 、 漁師 が 釣り に 出かける と 、 一 匹 の カレイ が 釣れ ました 。 |ひ|りょうし||つり||でかける||ひと|ひき||かれい||つれ| 「 おおっ 、 これ は 立派な カレイ だ 。 |||りっぱな|かれい| よし 、 さっそく 町 へ 売り に 行こう 」 　 漁師 は そう 言って カレイ を カゴ に 入れよう と する と 、 その カレイ が 漁師 に 話し かけて きた のです 。 ||まち||うり||いこう|りょうし|||いって|かれい||||いれよう|||||かれい||りょうし||はなし|||の です 「 漁師 の おじさん 。 りょうし|| 実は わたし は 、 魔法 を かけ られた 王子 な のです 。 じつは|||まほう||||おうじ||の です お 礼 は し ます から 、 わたし を 海 へ 戻して ください 」 　 言葉 を 話す カレイ に 漁師 は ビックリ し ました が 、 やがて カレイ を カゴ から 出して やる と 言い ました 。 |れい|||||||うみ||もどして||ことば||はなす|かれい||りょうし||びっくり|||||かれい||||だして|||いい| 「 それ は 、 かわいそうに 。 お 礼 なんて いい から 、 はやく 海 に かえり なさい 。 |れい|||||うみ||| それ から 、 二度と 人間 に つかまる んじゃ ない よ 」 　 漁師 は カレイ を 、 そのまま 海 へ はなして やり ました 。 ||にどと|にんげん||||||りょうし||かれい|||うみ||||

さて 、 漁師 が 家 に 帰って その 事 を おかみ さん に 話し ます と 、 おかみ さん は たい そう 怒って 言い ました 。 |りょうし||いえ||かえって||こと|||||はなし||||||||いかって|いい| 「 バカだ ね ！ ばかだ| お 礼 を する と 言って いる のだ から 、 何 か 願い 事 でも かなえて もらえば よかった んだ よ 。 |れい||||いって||||なん||ねがい|こと|||||| たとえば 、 こんな 汚い 家 じゃ なく 、 小さくて も 新しい 家 が 欲しい と か ね 。 ||きたない|いえ|||ちいさくて||あたらしい|いえ||ほしい||| ・・・ さあ 、 なに を グズグズ して いる んだ 。 |||ぐずぐず||| はやく カレイ の ところ に 行って 、 願い を かなえて もらう んだ よ ！ |かれい||||おこなって|ねがい||||| 」 　 漁師 は 仕方なく もう 一 度 海 に 行って 、 カレイ に 話し かけ ました 。 りょうし||しかたなく||ひと|たび|うみ||おこなって|かれい||はなし|| すると カレイ が 海 から 出て きて 、 漁師 に 言い ました 。 |かれい||うみ||でて||りょうし||いい| 「 家 に 戻って ごらん 。 いえ||もどって| 小さい けど 、 新しい 家 に なって いる よ 」 　 漁師 が 家 に 帰って みる と 、 おかみ さん が 小さい けれど 新しい 家 の 前 で 喜んで い ました 。 ちいさい||あたらしい|いえ|||||りょうし||いえ||かえって||||||ちいさい||あたらしい|いえ||ぜん||よろこんで||

しばらく は 小さい けれど 新しい 家 に 住んで い ました が 、 やがて おかみ さん が 言い ました 。 ||ちいさい||あたらしい|いえ||すんで||||||||いい| 「 こんな 小さな 家 じゃ なく 、 石 造り の ご殿 に 住み たい ねえ 。 |ちいさな|いえ|||いし|つくり||ごてん||すみ|| ・・・ さあ 、 なに を グズグズ して いる んだ 。 |||ぐずぐず||| はやく カレイ に 、 言って おい で 」 　 漁師 が 海 に 行って カレイ に その 事 を 話す と 、 カレイ は 言い ました 。 |かれい||いって|||りょうし||うみ||おこなって|かれい|||こと||はなす||かれい||いい| 「 家 に 戻って ごらん 。 いえ||もどって| 小さな 家 が 、 石 造り の ご殿 に なって いる よ 」 　 家 に 戻って みる と 、 小さな 家 は とても 大きな 石 造り の ご殿 に なって い ました 。 ちいさな|いえ||いし|つくり||ごてん|||||いえ||もどって|||ちいさな|いえ|||おおきな|いし|つくり||ごてん||||

大きな 石 造り の ご殿 に 、 おかみ さん は すっかり 満足 し ました が 、 やがて それ に も あきて しまい 、 また 漁師 に 言い ました 。 おおきな|いし|つくり||ごてん||||||まんぞく|||||||||||りょうし||いい| 「 家 ばかり 大きくて も 、 家来 ( けらい ) が い ない と つまらない ね 。 いえ||おおきくて||けらい||||||| やっぱり 家来 の たくさん いる 、 大 貴族 ( だい きぞく ) でないと 。 |けらい||||だい|きぞく||| ・・・ さあ 、 何 を グズグズ して いる んだ 。 |なん||ぐずぐず||| はやく カレイ に 、 言って おい で 」 「 でも お前 、 欲張り すぎ じゃ ない の か ？ |かれい||いって||||おまえ|よくばり||||| 大きな 家 を もらった だけ で 、 いい じゃ ない か 」 　 漁師 が そう 言う と 、 おかみ さん は 怖い 顔 で 漁師 を にらみ つけ ました 。 おおきな|いえ|||||||||りょうし|||いう|||||こわい|かお||りょうし|||| 「 な に 、 言って いる ん だい ！ ||いって||| 命 を 助けて やった んだ から 、 その くらい 当然だ よ 。 いのち||たすけて||||||とうぜんだ| さあ 、 はやく 行って おい で ！ ||おこなって|| 」 　 漁師 は 仕方なく 、 もう 一 度 カレイ に お 願い し ました 。 りょうし||しかたなく||ひと|たび|かれい|||ねがい|| でも カレイ は 少しも いやな 顔 を せ ず に 、 ニッコリ 笑って 言い ました 。 |かれい||すこしも||かお|||||にっこり|わらって|いい| 「 家 に 戻って ごらん 。 いえ||もどって| 大 貴族 に なって いる よ 」 　 家 に 帰って みる と 、 おかみ さん は 大勢 の 家来 に かこま れた 大 貴族 に なって い ました 。 だい|きぞく|||||いえ||かえって||||||おおぜい||けらい||||だい|きぞく|||| 大 貴族 に なって 何 不自由 ない 生活 でした が 、 おかみ さん は これ に も あきて 、 また 漁師 に 言い ました 。 だい|きぞく|||なん|ふじゆう||せいかつ|||||||||||りょうし||いい| 「 いくら 貴族 と いって も 、 しょせん は 王さま の 家来 。 |きぞく||||||おうさま||けらい 今度 は 、 王さま に なり たい ね 。 こんど||おうさま|||| ・・・ さあ 、 何 を グズグズ して いる んだ 。 |なん||ぐずぐず||| はやく カレイ に 、 言って おい で 」 「・・・・・・」 　 おかみ さん の わがままに 、 漁師 は あきれて もの が 言え ませ ん でした 。 |かれい||いって|||||||りょうし|||||いえ||| しかし 、 おかみ さん に せか さ れる と 、 仕方なく もう 一 度 カレイ の ところ へ 行き 、 恥ずかし そうに おかみ さん の 願い を 言い ました 。 ||||||||しかたなく||ひと|たび|かれい||||いき|はずかし|そう に||||ねがい||いい| 「 家 に 戻って ごらん 。 いえ||もどって| 王さま に なって いる よ 」 　 家 に 戻って みる と 家 は お 城 に 変わって おり 、 おかみ さん の まわり に は 大勢 の 貴族 や 大臣 が い ました 。 おうさま|||||いえ||もどって|||いえ|||しろ||かわって||||||||おおぜい||きぞく||だいじん||| とうとう 王さま に なった おかみ さん です が 、 やがて 王さま に も あきて しまい ました 。 |おうさま||||||||おうさま||||| 「 王さま より も 、 法王 ( ほうおう ) さま の 方 が 偉い から ね 。 おうさま|||ほうおう||||かた||えらい|| 今度 は 、 法 王さま に なり たい ね 。 こんど||ほう|おうさま|||| ・・・ さあ 、 何 を グズグズ して いる んだ 。 |なん||ぐずぐず||| はやく カレイ に 、 言って おい で 」 　 漁師 から その 願い を 聞いた カレイ は 、 少し ビックリ した 様子 です が 、 今度 も 願い を かなえて くれ ました 。 |かれい||いって|||りょうし|||ねがい||きいた|かれい||すこし|びっくり||ようす|||こんど||ねがい|||| 「 家 に 戻って ごらん 。 いえ||もどって| 法 王さま に なって いる よ 」 　 家 に 帰って みる と 、 おかみ さん は 多く の 王さま を したがえた 法 王さま に なって い ました 。 ほう|おうさま|||||いえ||かえって||||||おおく||おうさま|||ほう|おうさま|||| とうとう 、 人間 で 一 番 偉い 人 に なった のです 。 |にんげん||ひと|ばん|えらい|じん|||の です でも やがて 、 おかみ さん は 法 王さま に も あきて しまい 、 漁師 に 言い ました 。 |||||ほう|おうさま|||||りょうし||いい| 「 法 王さま と 言って も 、 しょせん は 神さま の しもべ 。 ほう|おうさま||いって||||かみさま||しも べ 今度 は 、 神さま に なり たい ね 。 こんど||かみさま|||| ・・・ さあ 、 何 を グズグズ して いる んだ 。 |なん||ぐずぐず||| はやく カレイ に 、 言って おい で 」 　 その 言葉 に 、 漁師 は 泣いて おかみ さん に 頼み ました 。 |かれい||いって||||ことば||りょうし||ないて||||たのみ| 「 神さま だ なんて 、 そんな おそれおおい 。 かみさま|||| お 願い だ から 、 やめ ておくれ 」 　 でも おかみ さん は 、 考え を 変えよう と し ませ ん 。 |ねがい|||||||||かんがえ||かえよう|||| 漁師 は 仕方なく 、 もう 一 度 カレイ の ところ へ 行き ました 。 りょうし||しかたなく||ひと|たび|かれい||||いき| すると カレイ は 、 あきれた 顔 で 言い ました 。 |かれい|||かお||いい| 「 お 帰り なさい 。 |かえり| おかみ さん は 、 むかし の あばら家 に い ます よ 」 　 漁師 が 家 に 帰って みる と 、 お 城 も 家来 たち も みんな 消えて しまって 、 前 の 汚くて 小さな 家 だけ が 残って い ました 。 |||||あばらや|||||りょうし||いえ||かえって||||しろ||けらい||||きえて||ぜん||きたなくて|ちいさな|いえ|||のこって|| それ から 漁師 と おかみ さん は 、 今 まで 通り の 貧しい 生活 を おくった と いう こと です 。 ||りょうし|||||いま||とおり||まずしい|せいかつ||||||

おしまい