いう に いわ れ ず
いう に いわ れ ず
むかし むかし 、 ある 山里 ( やまざと ) に 、 亭主 ( て いしょ ) と 女房 と 娘 の 三 人 が 仲良く 暮らして い ました 。
ある 晩 の 事 。
近所 から 重箱 ( じゅうばこ → 食物 を 盛る 箱 形 の 容器 で 、2 重 ・3 重 ・5 重 に 積み重ね られる ように した もの ) いっぱいの ぼたもち を もらい ました 。
三 人 は 同じ 数 だけ 食 ベ ました が 、 困った 事 に 一 つ だけ が 残って しまい ました 。
女房 が 、 二 人 に 言い ました 。
「 一 つ だけ 残り ました が 、 どのように 分け ましょう か ?
」 する と 娘 が 、 「 それ なら 三 人 で 歌 を よんで 、 一 番 上手に よんだ 者 が 食 ベ る こと に し ましょう 」 と 、 言い 、 亭主 も 、 「 それ は 、 よい 思いつき じゃ 。
では 、 わし が 、 ♪ おもう ように は 、 いう に いわ れ ず 。
と 、 下の句 を 出す から 、 これ に 上の句 を つけよう 」 と 、 言い ました 。
そこ で さっそく 、 三 人 は 上の句 を 考え ました 。
一 番 先 に 、 娘 が 言い ました 。
「 でき ました 。
♪ 朝 おきて 、 まくら に まとう 、 みだれ 髪 ♪ おもう ように は 、 結う に 結わ れ ず 」 娘 の うた に 、 亭主 は 感心 する と 、 「 なるほど 、 うまい こと よんだ もの だ 。
それでは 、 次に わし が いく ぞ 。
♪ 行きちがう 、 舟 に 故郷 ( こきょう ) の こと 問えば ♪ おもう ように は 、 いう に いわ れ ず 」 これ も 、 なかなか に 上手な うた です 。
さあ 、 娘 と 夫 に 先 を こさ れた 女房 です が 、 あせれば あせる ほど うた が 出て き ませ ん 。
考えて も 考えて も 、 二 人 より も うまい 上の句 が 思いつか ない のです 。
( どう しよう 。
このまま で は 、 ぼたもち が ・・・。
あっ !
) 女房 は 、 残った ぼたもち を いきなり 口 の 中 ヘ 押し込む と 、 びっくり する 二 人 を 見 ながら 、 ♪ このように 、 口 いっぱい に ほおばれば ♪ おもう ように は 、 いう に いわ れ ず と 、 もぐもぐ やり ながら 、 すっかり 食 ベ て しまい ました 。
♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )
いう に いわ れ ず
needless to say
いう に いわ れ ず
むかし むかし 、 ある 山里 ( やまざと ) に 、 亭主 ( て いしょ ) と 女房 と 娘 の 三 人 が 仲良く 暮らして い ました 。
|||やまざと|||ていしゅ||||にょうぼう||むすめ||みっ|じん||なかよく|くらして||
ある 晩 の 事 。
|ばん||こと
近所 から 重箱 ( じゅうばこ → 食物 を 盛る 箱 形 の 容器 で 、2 重 ・3 重 ・5 重 に 積み重ね られる ように した もの ) いっぱいの ぼたもち を もらい ました 。
きんじょ||じゅうばこ||しょくもつ||もる|はこ|かた||ようき||おも|おも|おも||つみかさね||よう に|||||||
三 人 は 同じ 数 だけ 食 ベ ました が 、 困った 事 に 一 つ だけ が 残って しまい ました 。
みっ|じん||おなじ|すう||しょく||||こまった|こと||ひと||||のこって||
女房 が 、 二 人 に 言い ました 。
にょうぼう||ふた|じん||いい|
「 一 つ だけ 残り ました が 、 どのように 分け ましょう か ?
ひと|||のこり|||どのよう に|わけ||
」 する と 娘 が 、 「 それ なら 三 人 で 歌 を よんで 、 一 番 上手に よんだ 者 が 食 ベ る こと に し ましょう 」 と 、 言い 、 亭主 も 、 「 それ は 、 よい 思いつき じゃ 。
||むすめ||||みっ|じん||うた|||ひと|ばん|じょうずに||もの||しょく||||||||いい|ていしゅ|||||おもいつき|
では 、 わし が 、 ♪ おもう ように は 、 いう に いわ れ ず 。
||||よう に||||||
と 、 下の句 を 出す から 、 これ に 上の句 を つけよう 」 と 、 言い ました 。
|しものく||だす||||かみのく||||いい|
そこ で さっそく 、 三 人 は 上の句 を 考え ました 。
|||みっ|じん||かみのく||かんがえ|
一 番 先 に 、 娘 が 言い ました 。
ひと|ばん|さき||むすめ||いい|
「 でき ました 。
♪ 朝 おきて 、 まくら に まとう 、 みだれ 髪 ♪ おもう ように は 、 結う に 結わ れ ず 」 娘 の うた に 、 亭主 は 感心 する と 、 「 なるほど 、 うまい こと よんだ もの だ 。
あさ||||||かみ||よう に||ゆう||ゆわ|||むすめ||||ていしゅ||かんしん||||||||
それでは 、 次に わし が いく ぞ 。
|つぎに||||
♪ 行きちがう 、 舟 に 故郷 ( こきょう ) の こと 問えば ♪ おもう ように は 、 いう に いわ れ ず 」 これ も 、 なかなか に 上手な うた です 。
いきちがう|ふね||こきょう||||とえば||よう に|||||||||||じょうずな||
さあ 、 娘 と 夫 に 先 を こさ れた 女房 です が 、 あせれば あせる ほど うた が 出て き ませ ん 。
|むすめ||おっと||さき||こ さ||にょうぼう||||||||でて|||
考えて も 考えて も 、 二 人 より も うまい 上の句 が 思いつか ない のです 。
かんがえて||かんがえて||ふた|じん||||かみのく||おもいつか||の です
( どう しよう 。
このまま で は 、 ぼたもち が ・・・。
あっ !
) 女房 は 、 残った ぼたもち を いきなり 口 の 中 ヘ 押し込む と 、 びっくり する 二 人 を 見 ながら 、 ♪ このように 、 口 いっぱい に ほおばれば ♪ おもう ように は 、 いう に いわ れ ず と 、 もぐもぐ やり ながら 、 すっかり 食 ベ て しまい ました 。
にょうぼう||のこった||||くち||なか||おしこむ||||ふた|じん||み||このよう に|くち|||||よう に||||||||||||しょく||||
♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )
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