盾 の 勇者 の 成り 上がり 2 Chapter 09 (1) たて||ゆうしゃ||なり|あがり|chapter Rise of the Shield Heroes 2 Kapitel 09 (1) 盾之勇者成名錄2第09話(1)

九 話 ご 褒美 ここの|はなし||ほうび フィーロ に は 一応 俺 の マント を 羽織ら せて 武器 屋 に 顔 を 出した 。 |||いちおう|おれ||まんと||はおら||ぶき|や||かお||だした

「 お 、 アン ちゃん 」

俺 が 来る の を 待って いた と 言わんばかり に 親父 は 手 を 上げる 。 おれ||くる|||まって|||いわんばかり||おやじ||て||あげる

「 何 か あった か ？ なん||| 」 「 おう よ 。 ちょっと 待って な 」 |まって|

そう 言って 武器 屋 の 親父 は 店 を 一 度 閉めて 俺 達 を 案内 する 。 |いって|ぶき|や||おやじ||てん||ひと|たび|しめて|おれ|さとる||あんない| すると 俺 達 に 魔法 書 を くれた あの 魔法 屋 に 辿 たどり着いた 。 |おれ|さとる||まほう|しょ||||まほう|や||てん|たどりついた

「 あら あら 」

武器 屋 の 親父 と 一緒に 顔 を 出す と 魔法 屋 の おばちゃん は 朗らかに 笑って 出迎える 。 ぶき|や||おやじ||いっしょに|かお||だす||まほう|や||||ほがらかに|わらって|でむかえる

「 ちょっと 店 の 奥 に 来て くれる かい ？ |てん||おく||きて|| 」 「 フィーロ 、 俺 が 許可 する まで 本当の 姿 に なる な よ 」 |おれ||きょか|||ほんとうの|すがた|||| 「 は ー い 」 |-|

魔法 屋 の 奥 に 入る と そこ は 生活 臭 の する 部屋 と 作業 場 らしき 部屋 が あった 。 まほう|や||おく||はいる||||せいかつ|くさ|||へや||さぎょう|じょう||へや||

俺 達 が 案内 さ れた の は 作業 場 らしい 部屋 だ 。 おれ|さとる||あんない|||||さぎょう|じょう||へや|

天井 が やや 高く 三 メートル くらい は ある 。 てんじょう|||たかく|みっ|めーとる||| 床 に は 魔法 陣 が 描か れ 、 中央 に 水晶 が 鎮座 して いる 。 とこ|||まほう|じん||えがか||ちゅうおう||すいしょう||ちんざ||

「 ごめん ねぇ 。 作業 中 だ から ちょっと 狭くて 」 さぎょう|なか||||せまくて

「 いや …… それ より この 子 の 服 は ここ で 売って いる の か ？ ||||こ||ふく||||うって||| 」 「 朝一 で 知り合い に 尋ねて みたら 魔法 屋 の おばちゃん が 良い 物 が あるって 言う から よ 」 あさいち||しりあい||たずねて||まほう|や||||よい|ぶつ||ある って|いう|| 「 そう な の よ ～」

おばちゃん は 水晶 を 外し 、 台座 に 古い デザイン の ミシンっぽい 道具 を 載せる 。 ||すいしょう||はずし|だいざ||ふるい|でざいん||みしん っぽい|どうぐ||のせる 糸 巻き 機 だっけ ？ いと|まき|き|だ っけ 眠り 姫 と か の 童話 で 出て くる アレ 。 ねむり|ひめ||||どうわ||でて||

「 その 子 、 本当に 魔物 な の かしら ？ |こ|ほんとうに|まもの||| 」 「 ああ 、 だ から 本当の 姿 に 戻る と 服 が 破ける 。 |||ほんとうの|すがた||もどる||ふく||やぶける フィーロ 、 元 に 戻れ 」 |もと||もどれ

ここ で なら 本当の 姿 に 戻して も 大丈夫だろう 。 |||ほんとうの|すがた||もどして||だいじょうぶだろう

「 うん 」

俺 が 指示 を 出す と フィーロ は コクリ と 頷き 、 マント を 外して 元 の 姿 に 戻る 。 おれ||しじ||だす||||||うなずき|まんと||はずして|もと||すがた||もどる

「 あら あら 、 まあまあ 。 盾 の 勇者 様 が 連れて いた フィロリアル ちゃん ね 」 たて||ゆうしゃ|さま||つれて||||

魔法 屋 の おばちゃん は フィロリアル ・ クイーン の 姿 に 戻った フィーロ を 驚き ながら 見上げる 。 まほう|や|||||くいーん||すがた||もどった|||おどろき||みあげる

「 これ で いい の ？ 」 声 は フィーロ の まま だ から なんとも 異様な 光景 だ 。 こえ||||||||いような|こうけい| こんな 生き物 と 会話 が 成立 する と いう の も ファンタジー の 世界 に 来た 時 の お 約束 だ けど 。 |いきもの||かいわ||せいりつ||||||||せかい||きた|じ|||やくそく||

そこ で ふと 、 ラフタリア の 方 へ 目 を 向ける 。 |||||かた||め||むける

「 な んです か ？ 」 「 いや 」 そう いえば ラフタリア も 亜人 だ 。 ||||あにん| よくよく 考えれば ロマン を 感じて いた 頃 の 俺 から すれば 大 興奮 の 相手 だった かも しれ ない 。 |かんがえれば|ろまん||かんじて||ころ||おれ|||だい|こうふん||あいて|||| そういう 意味 で は 決闘 で 元康 の ラフタリア に 対する あの 反応 も 合点 が いく 。 |いみ|||けっとう||もとやす||||たいする||はんのう||がてん||

今 の 俺 から すれば もはや 過去 の 話 だ が な 。 いま||おれ||||かこ||はなし|||

「 じゃあ 服 を 作ろう かしら ね 」 |ふく||つくろう||

「 作れる の か ？ つくれる|| 変身 して も 破れ ない 服 が 」 へんしん|||やぶれ||ふく|

「 そう ねえ …… 正確に 言えば 服 と 呼べる の か わから ない けど ね 」 ||せいかくに|いえば|ふく||よべる||||||

「 は ？ 」 「 勇者 様 は 私 が 何 に 見える かしら ？ ゆうしゃ|さま||わたくし||なん||みえる| 」 「 魔法 屋 …… 魔女っぽい 」 まほう|や|まじょ っぽい 「 そう よ 。 だから 変身 と いう 事 に は 多少 の 知識 が ある の よ 」 |へんしん|||こと|||たしょう||ちしき||||

この 世界 の 常識って いう もの に は 今一 理解 が 及ば ない が …… 俺 の 知る マンガ や ゲーム で は 、 魔女 に は 動物 に 変身 する こと が できる 者 も いた 。 |せかい||じょうしき って|||||いまいち|りかい||およば|||おれ||しる|まんが||げーむ|||まじょ|||どうぶつ||へんしん|||||もの|| 「 まあ 、 動物 に 変身 する と いう の は 大体 面倒な 手順 と 多大な 魔力 、 そして リスク を 伴う のだ けど ね 。 |どうぶつ||へんしん||||||だいたい|めんどうな|てじゅん||ただいな|まりょく||りすく||ともなう||| 変身 が 解ける 度 に 服 を 着る の は 面倒でしょう ？ へんしん||とける|たび||ふく||きる|||めんどうでしょう 」 む ？ 変身 と いう の は 魔法使い と か なら できる らしい な 。 へんしん|||||まほうつかい||||||

魔法 屋 は 裁縫 用 の 木製 の 道具 を 弄り ながら 答える 。 まほう|や||さいほう|よう||もくせい||どうぐ||いじり||こたえる

「 自分 の 家 と か で 元 に 戻れる の なら 良い けど 、 見知らぬ 場所 で 変身 が 解けたら それ こそ 大変 よ ね 」 じぶん||いえ||||もと||もどれる|||よい||みしらぬ|ばしょ||へんしん||とけたら|||たいへん||

「 まあ 、 そう だ よ な 」

主に 服 と か だろう 。 おもに|ふく||| 全裸 で 歩いて いたら それ こそ 目立つ 。 ぜんら||あるいて||||めだつ

「 だから 変身 して も 大丈夫な ように 、 変身 が 解けて 人 に なる と 元どおりに 着て いる 便利な 服 が ある の よ 」 |へんしん|||だいじょうぶな||へんしん||とけて|じん||||もとどおりに|きて||べんりな|ふく||||

「 なるほど 」

「 魔物 の 分類 に 入って しまったり する 亜人 の 一部 に も 伝わる 技術 な の よ 。 まもの||ぶんるい||はいって|||あにん||いちぶ|||つたわる|ぎじゅつ||| 有名 どころ だ と 吸 血 鬼 の マント と か 」 ゆうめい||||す|ち|おに||まんと||

あー …… 確かに 蝙蝠 に 変身 したり 狼 に 変身 したり と か 昔 の 映画 で 見た 。 |たしかに|こうもり||へんしん||おおかみ||へんしん||||むかし||えいが||みた この 世界 に も いる の か 。 |せかい|||||

「 で 、 これ が その 服 の 材料 を 作って くれる 糸 巻き 機 よ 」 ||||ふく||ざいりょう||つくって||いと|まき|き|

「 へ ー …… どういう 理屈 で 変身 する と 服 に ？ |-||りくつ||へんしん|||ふく| 」 「 服 に 見える ように する 力 と いう の が 正確 ね 」 ふく||みえる|||ちから|||||せいかく| 俺 は 魔法 屋 の おばちゃん の 返答 に 首 を 傾げる 。 おれ||まほう|や||||へんとう||くび||かしげる

「 この 道具 は 魔力 を 糸 に 変える 道具 な の 。 |どうぐ||まりょく||いと||かえる|どうぐ|| そして 所持 者 が 任意の タイミング で 糸 か 、 魔力 に 変えられる わけ 」 |しょじ|もの||にんいの|たいみんぐ||いと||まりょく||かえ られる| 「 わかり やすく 言う と 人 型 に なった 時 、 魔力 を 服 に 変えられる ように なるって こと さ 」 ||いう||じん|かた|||じ|まりょく||ふく||かえ られる||なる って|| 「 ああ 、 そういう 事 か 」 ||こと|

武器 屋 の 親父 の 補足 で なんとなく 理解 した 。 ぶき|や||おやじ||ほそく|||りかい|

確かに 服 と は 言いがたい かも しれ ない 。 たしかに|ふく|||いいがたい||| 人間 の 姿 を して いない 時 は 形 の 無い 魔力 と なって 所持 者 の 体 の 中 で 循環 し 、 人 型 の 時 に は 形 を 成して 服 と なる 。 にんげん||すがた||||じ||かた||ない|まりょく|||しょじ|もの||からだ||なか||じゅんかん||じん|かた||じ|||かた||なして|ふく|| 「 それ じゃあ フィーロ ちゃん かしら ？ この 道具 の ハンドル を ゆっくり と 回して 」 |どうぐ||はんどる||||まわして

「 うん 」

フィーロ は 糸 巻き 機 の ハンドル を 回し 始める 。 ||いと|まき|き||はんどる||まわし|はじめる すぐに 糸 が 出て きて おばちゃん が 糸 巻き 機 の 先 で 回転 する 棒 に 括り付ける 。 |いと||でて||||いと|まき|き||さき||かいてん||ぼう||くくりつける すると 糸 は そこ に 集まって 巻かれて いく 。 |いと||||あつまって|まか れて| 「 あれ ？ なんか 力 が 抜ける ような 感じ が する よ 」 |ちから||ぬける||かんじ|||

「 魔力 を 糸 に 変えて いる から ね 。 まりょく||いと||かえて||| 疲れる はず よ 。 つかれる|| だけど もう ちょっと 頑張って 。 |||がんばって 服 を 作る に は まだ 足りない わ 」 ふく||つくる||||たりない|

「 う う …… おもしろく な ー い 」 ||||-|

…… 本質 的に は 子供 だ から だろう 。 ほんしつ|てきに||こども||| 生後 一 週間 に も 満たない から な 。 せいご|ひと|しゅうかん|||みたない||

フィーロ は キョロキョロ と 糸 巻き 機 を 回し ながら アッチ を 向いたり コッチ を 向いたり して いる 。 ||||いと|まき|き||まわし||||むいたり|||むいたり||

その 途中 で 糸 巻き 機 の 上 に あった 宝石 が 砕けた 。 |とちゅう||いと|まき|き||うえ|||ほうせき||くだけた

「 あら ら 、 大事な 宝石 が 壊れちゃった わ 。 ||だいじな|ほうせき||こぼれちゃ った| これ じゃあ 作れ ない わ ね 」 ||つくれ|||

「 なんだ と ？ 」 それ は 激しく 困る 。 ||はげしく|こまる フィーロ が 変身 する 度 に 服 を 着さ せる なんて 面倒だ し 服 の 代金 も バカに は なら ない 。 ||へんしん||たび||ふく||き さ|||めんどうだ||ふく||だいきん||ばかに|||

「 どうにか でき ない の か ？ 」 「 市場 で 鉱石 が 手 に 入ら ない わけじゃ ない けど …… ちょっと 高く なる わ ね 」 いちば||こうせき||て||はいら||||||たかく||| 「 う ぐ ……」

ただ で さえ 金 欠 気味な んだ 。 |||きむ|けつ|ぎみな|

「 自力 で 調達 は でき ない の か ？ じりき||ちょうたつ||||| 」 「 そう ね ー 」 ||- 魔法 屋 は 棚 の 奥 から 一 枚 の 地図 を 出して 広げる 。 まほう|や||たな||おく||ひと|まい||ちず||だして|ひろげる

「 確か この 宝石 が 採れる のって メルロマルク じゃ この 洞窟 だった わ よ ね 」 たしか||ほうせき||とれる|||||どうくつ|||| メルロマルク 南西 部 に ある 山 を 魔法 屋 は 指差し 、 武器 屋 と 一緒に 俺 も 確認 する 。 |なんせい|ぶ|||やま||まほう|や||ゆびさし|ぶき|や||いっしょに|おれ||かくにん|

「 ここ の 遺跡 の 地下 に 鉱脈 が ある らしい の よ 。 ||いせき||ちか||こうみゃく||||| 上手く 採って こ れた なら 安く できる けど 」 うまく|とって||||やすく||

「 その 案 で 行こう 」 |あん||いこう

危険 が 付きまとう が 金 が 無い のだ から やる しか ない 。 きけん||つきまとう||きむ||ない|||||

「 じゃあ 私 も ついて行って あげる わ ね 」 |わたくし||ついていって|||

「 良い の か ？ よい|| 」 「 どれ が 良い 物 か わかる の かしら ？ ||よい|ぶつ|||| 」 目 利き の スキル が ある から でき なく は ない けど 、 魔法 屋 に 直接 見せた 方 が 良い か 。 め|きき|||||||||||まほう|や||ちょくせつ|みせた|かた||よい| 希少 なら 集めて 売る の も 一 つ の 手 だ し 、 良く して くれる から 良い よ な 。 きしょう||あつめて|うる|||ひと|||て|||よく||||よい||

「 わかった 。 今 から で 良い の か ？ いま|||よい|| 」 「 ええ 、 大丈夫 よ 」 |だいじょうぶ| 「 じゃあ 行こう 。 |いこう できる だけ 早く 」 ||はやく

こうして 俺 達 は 、 メルロマルク の 南西 部 に ある 洞窟 に 向けて フィーロ に 荷車 を 引か せて 出発 した 。 |おれ|さとる||||なんせい|ぶ|||どうくつ||むけて|||にぐるま||ひか||しゅっぱつ|

「 ここ が その 洞窟 ？ |||どうくつ 」 俺 は 山岳 地帯 を 進んだ 先 の 物々しい 神殿 の 入り口 みたいな 所 を 指差して 、 魔法 屋 に 尋ねる 。 おれ||さんがく|ちたい||すすんだ|さき||ものものしい|しんでん||いりぐち||しょ||ゆびさして|まほう|や||たずねる 赤茶けた 岸壁 に 朽ちた 神殿 …… なんて 言う か ＲＰＧ と か だ と 大事な アイテム が 眠って い そうな 雰囲気 が ある 。 あかちゃけた|がんぺき||くちた|しんでん||いう||ｒｐｇ|||||だいじな|あいてむ||ねむって||そう な|ふんいき|| と 、 思う の は ゲーム に 毒さ れ 過ぎ だ な 。 |おもう|||げーむ||どくさ||すぎ||

「 違う わ 。 ちがう| そっち は 近く の 村 の 伝承 だ と 邪悪な 錬金術 師 が 根城 に して たって 所 よ 」 ||ちかく||むら||でんしょう|||じゃあくな|れんきんじゅつ|し||ねじろ||||しょ|

「 へ ー ……」 |-

「 噂 だ と 錬金術 師 が 研究 して いた 危険な 植物 が 封印 されて いるって 話 。 うわさ|||れんきんじゅつ|し||けんきゅう|||きけんな|しょくぶつ||ふういん|さ れて|いる って|はなし 私 達 が 行く の は 根城 の 下 に ある 横穴 」 わたくし|さとる||いく|||ねじろ||した|||よこあな

魔法 屋 と 一緒に 根城 の 横穴 と いう 場所 を 探す 。 まほう|や||いっしょに|ねじろ||よこあな|||ばしょ||さがす

「 ここ か ？ 」 岸壁 を 下って いる と 、 真 新しい 亀裂 が 見つかった 。 がんぺき||くだって|||まこと|あたらしい|きれつ||みつかった 俺 でも 中 に 入れ そうだ 。 おれ||なか||いれ|そう だ

「 そう かしら ね ？ 」 「 ナオフミ 様 、 中 に 入って 様子 を 見ましょう か ？ |さま|なか||はいって|ようす||み ましょう| 」 俺 は 頷いて 内部 を 確認 する 。 おれ||うなずいて|ないぶ||かくにん| 見た 感じ 人工 的に 作ら れた 部屋 の ようで 、 石 造り の しっかり した 内装 を して いる 。 みた|かんじ|じんこう|てきに|つくら||へや|||いし|つくり||||ないそう|||

ん ？ 豪華な 宝 箱 が 部屋 の 奥 に 置かれて いる 。 ごうかな|たから|はこ||へや||おく||おか れて| 開けられて いて 中身 は 無い 。 あけ られて||なかみ||ない ま 、 現実 の ダンジョンって こんな もん だ よ な …… 既に 誰 か に 盗掘 されて いる ような もん だ ろ 。 |げんじつ||ダンジョン って||||||すでに|だれ|||とうくつ|さ れて||||| 「 まだ 錬金術 師 の 根城 かしら ？ |れんきんじゅつ|し||ねじろ| 」 「 そう みたいだ な 」 まあ その 錬金術 師 も 今回 俺 が 欲して いる 宝石 が 手頃に 手 に 入る から ここ に 建てた の かも しれ ない けど 。 ||れんきんじゅつ|し||こんかい|おれ||ほっして||ほうせき||てごろに|て||はいる||||たてた|||||

で 、 宝 箱 の 隣 に なんか 石碑 みたいな 文字 が 刻ま れた 物 を 発見 した 。 |たから|はこ||となり|||せきひ||もじ||きざま||ぶつ||はっけん| ただ 、 まだ 勉強 不足 の 俺 は 読む こと が でき ない 。 ||べんきょう|ふそく||おれ||よむ||||

「 魔法 屋 、 読め ない か ？ まほう|や|よめ|| 」 「 かなり 古い 文字 ね 。 |ふるい|もじ| えっと 『 種子 の 封印 を 解こう と する 者 よ 。 えっ と|しゅし||ふういん||とこう|||もの| 願わくば この 種子 が 世に 出 ない こと を 切に 願う 。 ねがわくば||しゅし||よに|だ||||せつに|ねがう 人々 が 飢え に 困ら ない ように と いう 願い は 最悪の 形 で 現れる 。 ひとびと||うえ||こまら|||||ねがい||さいあくの|かた||あらわれる 安易に 封印 を 解く なかれ 』 だそう よ 」 あんいに|ふういん||とく|||

種子 ね ー …… そんな 物 が この 宝 箱 に 入って いた の か 。 しゅし||-||ぶつ|||たから|はこ||はいって||| ま 、 俺 に は どう で も いい 話 だ な 。 |おれ|||||||はなし||

どこ ぞ の 冒険 者 が 盗掘 でも して 持って行った んだろう し 、 未完成 臭い 錬金術 師 の 遺産 なんて いら ない 。 |||ぼうけん|もの||とうくつ|||もっていった|||みかんせい|くさい|れんきんじゅつ|し||いさん|||

「 ここ じゃ ない みたいだ な 」

「 そう ね 」

俺 達 は 一旦 たん 外 に 出て 横穴 を 探す の を 再開 した 。 おれ|さとる||いったん||がい||でて|よこあな||さがす|||さいかい| やがて 目的 の 横穴 を 見つけて 中 に 入る 。 |もくてき||よこあな||みつけて|なか||はいる

だが ……。

「 真 新しい 変わった 魔物 の 足跡 が ある わ ね 」 まこと|あたらしい|かわった|まもの||あしあと||||

魔法 屋 が 横穴 に 入る 時 に 地面 を 見 ながら 呟いた 。 まほう|や||よこあな||はいる|じ||じめん||み||つぶやいた 言われて 俺 も 確認 する 。 いわ れて|おれ||かくにん| …… 肉食 獣 くさい 足跡 だ 。 にくしょく|けだもの||あしあと| なんとなく 似た ような 足跡 を 最近 見た 覚え が ある ぞ ？ |にた||あしあと||さいきん|みた|おぼえ|||

確か 波 で 出現 した 大 ボス の キメラ が こんな 足 の 形状 を して いた と 思う 。 たしか|なみ||しゅつげん||だい|ぼす|||||あし||けいじょう|||||おもう

「 大丈夫 か ？ だいじょうぶ| 」 「 おばさん は あんまり 行き たく ない わ ね 」 |||いき|||| 「 我慢 して くれ 。 がまん|| 行く しか ない 」 いく||

「 盾 の 勇者 様 が そう 言う の なら 行く しか ない わ ね 」 たて||ゆうしゃ|さま|||いう|||いく||||

「……」

フィーロ が クンクン と 足跡 の 匂い を 嗅いで いる 。 ||||あしあと||におい||かいで|

たら ー ……。 |-

涎 を 垂らす な 、 気持ち 悪い ！ よだれ||たらす||きもち|わるい

「 行きます よ 、 フィーロ 」 いき ます|| 「 うん ！ 」 ラフタリア に 言われて フィーロ が 頷いて ついて行く 。 ||いわ れて|||うなずいて|ついていく 先頭 は 俺 、 その 次 が ラフタリア 、 魔法 屋 、 フィーロ と 続く 。 せんとう||おれ||つぎ|||まほう|や|||つづく

なんて 言う か 冒険 して いる ような 気分 に なって くる が 、 そんな 気分 は 一瞬 で ぶち 破ら れた 。 |いう||ぼうけん||||きぶん||||||きぶん||いっしゅん|||やぶら|

『 ナオフミ 様 、 アナタ を ただ 利用 したい だけ な んです 。 |さま||||りよう|し たい||| お 金 を ください 』 |きむ||

ラフタリア の 声 が 壁 に 反響 して 聞こえた 。 ||こえ||かべ||はんきょう||きこえた

『 奴隷 に なり 直した の も 信用 を 得る ため 、 実は 奴隷 に なって ない んです よ 。 どれい|||なおした|||しんよう||える||じつは|どれい||||| 今 なら 後ろ から ブスリ と 刺せます 。 いま||うしろ||||させ ます 私 自ら の 手 で 殺し たかった んです 』 わたくし|おのずから||て||ころし||

俺 が 振り返る と 、 ラフタリア も なんか 不快 そうな 顔 を して いる 。 おれ||ふりかえる|||||ふかい|そう な|かお|||

フィーロ は 『 や ー ！ |||- ご しゅじん さま 捨て ないで ー ！ |||すて||- 』って 喚 いて いる 。 |かん|| どう なって んだ ？

「 ここ に 居る 魔物 は その 人 に とって イヤな 言葉 に 聞こえる 声 で 挑発 する わ 。 ||いる|まもの|||じん|||いやな|ことば||きこえる|こえ||ちょうはつ|| 気 を 付けて 」 き||つけて

「 そういう 魔物 も 居る の か ！ |まもの||いる|| 」 なんか 昔 の ゲーム で 見た 覚え が ある ぞ 。 |むかし||げーむ||みた|おぼえ||| 仲間 が 信用 でき なく なった 人物 を 説得 する ため の アイテム が ある 洞窟 に 、 そういった 仲違い を 起こさ せる トラップ が あった 。 なかま||しんよう||||じんぶつ||せっとく||||あいてむ|||どうくつ|||なかたがい||おこさ||||

じゃあ この 声 は ラフタリア が 言った モノ で は ない んだ な 。 ||こえ||||いった|もの|||||

良かった 。 よかった