Sword Art Online Episode 12
( 子供 たち の 声 )
( キリト ) これ は … すごい な
( アスナ ) そう … だ ね
( サーシャ ) ウフッ 毎日 こうなん です よ
ユイ ちゃん の 具合 大丈夫 です か ?
この とおり な ん です が
( ユイ ) ん …
今 まで に も こんな こと が ?
分から ない ん です
記憶 を なくし てる みたい で …
( サーシャ ) まあ …
それ で はじまり の 街 に …
( ユイ ) フフッ …
この 子 の こと を 知って る 人 が いる ん じゃ ない か と 思って
何 か 心当たり は あり ませ ん か ?
はじまり の 街 で 暮らし て た 子 じゃ ない と 思い ます
( サーシャ ) ゲーム 開始 時 に 子供 たち の ほとんど が 心 に 傷 を 負い まし た
この 教会 で 一緒に 暮らし 始め た ん です
ユイ ちゃん み たい な 子 は 見 た こと が あり ませ ん
そう です か …
( ノック の 音 )
( キリト ) ん ?
( ユリ エール ) はじめ まして ユリ エール です
軍 … の 方 です よ ね
昨日 の 件 で 抗議 に 来 た って こと です か ?
( ユリ エール ) いやいや とんでもない その 逆 です
よく やって くれ た と お 礼 を 言い たい くらい
( キリト ・ アスナ ) ん ん ?
今日 は お 2 人 に お 願い が あって 来 た の です
お 願い ?
♪ ~
~ ♪
( ユリ エール ) もともと 私 たち は …
独善 的 な 組織 を 作 ろ う と し て い た わけ じゃ ない ん です
なるべく 多く の プレイヤー で 均等 に 分かち合 お う と し た だけ で …
( キリト ) だ が 軍 は 巨大 に なり すぎ た
キバ オウ と いう 男 です
あっ …
( ユリ エール ) キバ オウ 一派 は 権力 を 強め 効率 の いい 狩り 場 の 独占 を し たり
調子 に 乗って 徴税 と 称し た 恐喝 まがい の 行為 すら 始め た の です
批判 する 声 が 大きく なって
最 前線 に 送り出し た ん です
( アスナ ) は っ ! ( キリト ) あっ …
( アスナ ) コー バッツ さん …
彼 を ギルド から 追放 できる ところ まで いった の です が
シンカー を ワナ に かける と いう 強硬 策 に 出 まし た
( キリト ) えっ …
シンカー を ダンジョン 奥深く に 置き去り に し た ん です
( アスナ ・ サーシャ ) えっ !
転移 結晶 は ?
まさか 手 ぶ ら で ?
( ユリ エール ) 彼 は いい 人 すぎ た ん です
キバ オウ の “ 丸 腰 で 話し合 お う ” と いう 言葉 を 信じ て …
3 日 前 の こと です
3 日 も 前 に ? それ で シン カー さん は ?
かなり ハイレベル な ダンジョン の 奥 な の で 身動き が 取れ ない よう で …
すべて は 副 官 で ある 私 の 責任 です
キバ オウ が にらみ を 利かせ る 中 軍 の 助力 は 当て に でき ませ ん
恐ろしく 強い 2 人 組 が 街 に 現れ た と いう 話 を 聞きつけ
こう し て お 願い に 来 た 次第 です
シンカー を 救出 に 行って ください ませ ん か ?
( キリト ・ アスナ ) あ …
私 たち に できる こと なら 力 を 貸し て 差し上げ たい と 思い ます
でも こちら で あなた の お 話 の 裏付け を し ない と …
( ユリ エール ) 無理 な お 願い だって こと は 私 に も 分かって い ます
でも 彼 が 今 どう し て いる か と 思う と
もう おかしく なり そう で …
( ユイ ) 大丈夫 だ よ ママ ( アスナ ・ サーシャ ) ん ?
その 人 ウソ つい て ない よ
ユ … ユイ ちゃん そんな こと 分かる の ?
うん
うまく 言 え ない けど … 分かる
( キリト ) ハハッ
疑って 後悔 する より は 信じ て 後悔 し よ う ぜ
( アスナ ) あ …
( キリト ) 行 こ う ! 何とか なる さ
な っ
フッ … 相変わらず のんき な 人 ね
微力 ながら お 手伝い さ せ て いただき ます
ありがとう ございます
大事 な 人 を 助け たい って 気持ち 私 に も よく 分かり ます から
ちょっと お 留守番 し て て な
イヤ ! ユイ も 行く
ユイ ちゃん 私 と 一緒に お 留守番 し ま しょ
( ユイ ) イヤ ~ ! ( サーシャ ) えっ …
おお これ が 反抗 期 って やつ か
バカ 言わ ない の !
ユイ ちゃん 今 から 行く 所 は 危ない から …
( ユイ ) え ~ ユイ も 行く !
( ユイ ) ウフフ …
( アスナ ) まさか はじまり の 街 の 地下 に こんな ダンジョン が ある なんて
( キリト ) ベータ テスト の 時 に は こんな の なかった ぞ … 不覚 だ
( ユリ エール ) 上層 攻略 の 進み 具合 に よって 解放 さ れる タイプ な ん でしょ う ね
キバ オウ は この ダンジョン を 独占 しよ う と 計画 し て い まし た
( キリト ) 専用 の 狩り 場 が あれ ば もうかる から な
ほとんど 狩り は でき なかった よう です
( ユリ エール ) ここ が 入り口 です
( ユイ ) は あ …
( ユリ エール ) ん … ( ユイ ) ん ?
ユイ 怖く ない よ
大丈夫 です
この 子 見た目 より ずっと しっかり し て ます から
うん きっと 将来 は いい 剣士 に なる
うん !
( アスナ ) ウフ フフ … ( キリト ) アハハ ハハ
では 行き ま しょ う
( スカ ベンジ ・ トード の 鳴き声 )
う お おお お !
で え い っ !
はっ !
( ユイ ) う わ あ ~ ウフフフ …
な … 何だか すみません 任せ っぱなし で
いいえ あれ は もう 病気 です から やら せ ときゃ い い ん です よ
( アスナ ) だいぶ 奥 に 来 た けど そろそろ かしら
( ユリ エール ) シンカー は この 位置 から 動 い て い ませ ん
たぶん 安全 エリア に いる ん だ と 思い ます
そこ まで 行け ば 転移 結晶 が 使え ます から
( キリト ) いや あ 戦った 戦った ~
( ユリ エール ) すみません
いや 好き で やって る ん だ し アイテム も 出る から
( アスナ ) へ え ~ 何 か いい もの 出 てる の ?
ああ !
へ っ ! な … 何 それ ?
スカ ベンジ ・ トード の 肉
って さっき の カエル ?
ゲテモノ ほど うまい って いう から な
あと で 料理 し て くれよ
ひ っ ! 絶対 イヤ ~ !
( キリト ) う わ あっ な … 何 する ん だ よ !
( アスナ ) ふん っ ! ( キリト ) く っそ ~ !
( キリト ) それ なら これ で どう だ !
( アスナ ) う わ あっ …
( アスナ ) イヤ ~ ! イヤ ! イヤ ! ( キリト ) バカ 貴重 な 肉 …
( アスナ ) キリト くん ! ( ユリ エール ) フフッ …
( キリト ) だ から ! おいしい ん だ って
( ユイ ) 笑った ! ( ユリ エール ) あ …
( キリト ・ アスナ ) ん ?
お 姉ちゃん 初めて 笑った
ん ん …
フッ …
ん ふ ~ フフッ
( アスナ ) あ …
フフッ
( アスナ ) さあ 行き ま しょ
( アスナ ) あっ 安全 エリア よ
( ユイ ) あ …
奥 に プレイヤー が 1 人 いる
ん っ !
シンカー ?
あ … おい !
ハア ハア …
( シンカー ) ユリ エール !
シンカー !
( 3 人 ) フフッ
( シンカー ) 来 ちゃ ダメ だ ! その 通路 は …
( ブザー 音 )
( アスナ ) は っ … ダメ ! ユリ エール さん 戻って !
( キリト ) くっ …
( アスナ ) ユリ エール さん ( ユリ エール ) えっ ?
この 子 と 一緒に 安全 エリア に 退避 し て ください
あ … はい !
ママ
( ユリ エール ) さあ
はっ !
( 死 神 の うなり 声 )
( 死 神 の うなり 声 )
( アスナ ) う っ …
( キリト ) アスナ
今 すぐ ユイ たち を 連れ て 転移 結晶 で 脱出 しろ
俺 の 識別 スキル でも データ が 見え ない
たぶん 90 層 クラス だ
俺 が 時間 を 稼ぐ から 早く 逃げろ !
キリト くん も 一緒に …
あと から 行く 早く !
はっ … あ …
ママ
フッ
ユイ を 頼み ます 3 人 で 脱出 し て ください !
アスナ !
( ユリ エール ) いけ ない そんな … ( アスナ ) 早く !
( 死 神 の うなり 声 )
( シンカー ) うん …
( 死 神 の うなり 声 )
( 死 神 の うなり 声 )
( キリト ・ アスナ ) う わ あ !
( 死 神 の うなり 声 )
う …
ああ …
( キリト ) あ … う っ …
はっ … キリト くん !
( ユリ エール ) ユイ ちゃん ダメ ! ( シンカー ) 危ない !
( シンカー ) 戻って くる ん だ !
( 死 神 の うなり 声 )
はっ !
はっ …
( 死 神 の うなり 声 ) ( キリト ) バカ 早く 逃げろ !
( アスナ ) ユイ ちゃん !
( 死 神 の うなり 声 )
( ユイ ) 大丈夫 だ よ パパ ママ
( 死 神 の うなり 声 )
ユイ ちゃん !
はっ …
破壊 不能 オブジェクト ?
( 死 神 の うなり 声 )
( 死 神 の うなり 声 )
( 死 神 の うなり 声 )
あ …
( 死 神 の うめき声 )
( アスナ ) う … う っ …
( キリト ) う う っ …
( アスナ ) ユイ … ちゃん
( キリト ) ユイ …
( ユイ ) パパ ママ 全部 思い出し た よ
ユイ ちゃん 思い出し た の ? 今 まで の こと
はい
キリト さん アスナ さん
( キリト ・ アスナ ) はっ
1 つ の 巨大 な システム に よって 支配 さ れ て い ます
システム の 名前 は “ カーディナル ”
設計 さ れ た この システム は 《 SAO 》 の バランス を
自ら の 判断 に 基づ い て 制御 し て いる の です
モンスター や NPC の AI アイテム や 通貨 の 出現 バランス
何もかも が カーディナル 指揮 下 の プログラム 群 に 操作 さ れ て い ます
プレイヤー の メンタル 的 な ケア すら も …
“ メンタル ヘルス ・ カウンセリング ・ プログラム ” 試作 1 号
コード ネーム ユイ
それ が 私 です
( アスナ ) えっ ? プログラム ? NAI だって いう の ?
私 に は 感情 模倣 機能 が 組み込ま れ て い ます
偽物 な ん です 全部
この 涙 も …
ごめんなさい アスナ さん
( アスナ ) ユイ ちゃん
( アスナ ) は っ !
でも 記憶 が なかった の は ?
AI に そんな こと 起きる の ?
( ユイ ) 2 年 前 …
なぜ か 私 へ プレイヤー に 対する 一切 の 干渉 禁止 を 言い渡し まし た
プレイヤー の メンタル 状態 の モニタリング だけ を 続け た ん です
状態 は 最悪 と 言って も いい もの で し た
はっ ダメ !
はっ
恐怖 絶望 怒り と いった 負 の 感情 に 支配 さ れ た 人々
時として 狂気 に 陥る 人 すら い まし た
すぐ に でも その プレイヤー の 元 へ 赴か なけ れ ば なら ない
でも 人 に 接触 する こと は 許さ れ ない
私 は 徐々に エラー を 蓄積 さ せ 崩壊 し て いき まし た
メンタル パラメーター を 持った 2 人 の プレイヤー に 気づき まし た
喜び … 安らぎ … で も それ だけ じゃ ない
( キリト ・ アスナ ) は っ …
( ユイ ) 2 人 の そば に 少し でも 近づき たく て 私 は フィールド を さまよい まし た
( アスナ ) それ で 22 層 の 森 に ?
( ユイ ) はい
キリト さん アスナ さん
私 ずっと お 2 人 に 会い たかった
おかしい です よ ね そんな こと 思える はず ない のに
私 ただ の プログラム な の に
ユイ ちゃん あなた は 本物 の 知性 を 持って いる ん だ ね
( ユイ ) 私 に は 分かり ませ ん
私 が どう なって しまった の か
( キリト ) ユイ は もう システム に 操ら れる だけ の プログラム じゃ ない
だから 自分 の 望み を 言葉 に できる はず だ よ
ユイ の 望み は 何 だい ?
( ユイ ) あ …
私 は …
私 は …
ずっと 一緒に いたい です
パパ ママ
は …
う う っ …
ずっと ずっと 一緒 だ よ ユイ ちゃん
ああ ユイ は 俺 たち の 子供 だ
( ユイ ) もう 遅い ん です
( アスナ ) えっ ? ( キリト ) 遅い ?
コンソール です
これ を 使って モンスター を 消去 し た ん です が …
同時に 今 私 の プログラム が チェック さ れ て い ます
カーディナル の 命令 に 違反 し た 私 は システム に とって の 異物 です
すぐ に 消去 さ れ て しまう でしょ う
はっ … そんな …
何とか なら ない の か よ
パパ ママ ありがとう
これ で お 別れ です
う っ …
イヤ ! そんな の イヤ よ
これ から じゃ ない !
これ から みんな で 楽しく 仲良く 暮ら そ う って …
はっ !
ユイ 行く な !
( ユイ ) パパ と ママ の そば に いる と みんな が 笑顔 に な れる
お 願い です
これ から も 私 の 代わり に みんな を 助け て
喜び を 分けて ください
イヤ だ ! イヤ だ よ
ユイ ちゃん が い ない と 私 笑え ない よ !
( アスナ ) う う っ う っ …
( ユイ ) ママ 笑って
ふ っ …
はっ !
え … ?
( アスナ の 泣き声 )
くっ …
カーディナル ! いや … 茅 場 ( かや ば ) !
そう いつも お前 の 思いどおり に なる と 思う な よ !
キリト くん 何 を …
システム に 割り込 め る かも
くっ …
( キリト ) う わ っ
キリト くん !
大丈夫 ?
あ …
( アスナ ) これ は ?
ユイ の プログラム 本体 を 切り離し て オブジェクト 化 し た ん だ
( アスナ ) じゃあ これ は …
ユイ の 心 だ よ
はっ
う っ … う う っ …
( アスナ ) ねえ キリト くん
( キリト ) うん ?
ユイ ちゃん は どう なる の ?
保存 さ れる よう に なって いる
きっと 何とか なる さ
( アスナ ) そ っか じゃあ 向こう で また ユイ ちゃん に 会 える ん だ ね
私 たち の 初めて の 子供 に …
( キリト ) ああ きっと
( キリト ) お ー い アスナ !
フッ
( ユイ ) ママ 頑張って
♪ ~
~ ♪
( キリト ) 次回 「 奈落 の 淵 ( ふち ) 」