Re ：ゼロ から 始める 異 世界 生活 (14) re|||はじめる|い|せかい|せいかつ

（ ナツキ ･ スバル ） 俺 の おかげ で どう に か なって き た だ ろ ！ |すばる|おれ|||||||||||

俺 が い なけりゃ もっと ひどい こと に なって た ！ おれ|||||||||

みんな 俺 が 俺 が い た おかげ だ ！ |おれ||おれ|||||

お前 は 俺 に ― おまえ||おれ|

返し き れ ない だけ の 借 り が ある はず だ ！ かえし||||||かり|||||

（ スバル ） あっ ！ すばる|

ハア ハア ハア …

（ ヴィルヘルム ･ ヴァン ･ アスト レア ） そろそろ 終わり に いたし ます か な ？ |||||おわり|||||

（ エミリア ） だ から それ を 全部 返し て ― |||||ぜんぶ|かえし|

終わり に し ま しょ う おわり|||||

（ フェリックス ･ アーガイル ） ユリウス って ば ほん と 損 な 性格 |||||||そん||せいかく

わざわざ 悪役 買って出 ちゃ って |あくやく|かってで||

（ ユリウス ･ ユーク リウス ） さて 何 の こと か 私 に は 分かり かねる が ||||なん||||わたくし|||わかり||

（ フェリックス ） あんな 子 守 ろ う と し て 謹慎 処分 なんて バカ みたい ||こ|しゅ||||||きんしん|しょぶん||ばか|

私 は 己 に 従った まで だ わたくし||おのれ||したがった||

ただ 正しく 己 らしく 恥じ ず に あ ろ う と 望む まま に |まさしく|おのれ||はじ|||||||のぞむ||

（ フェリックス ） いい ん です か ？

ヴィル 爺 ( じい ) だって あの 剣 の 準備 で 忙しい のに |じい||||けん||じゅんび||いそがしい|

（ クルシュ ･ カルステン ） 客人 たって の 依頼 だ む げ に は でき まい ||きゃくじん|||いらい|||||||

稽古 に ゃ ら いいん です けど ね けいこ|||||||

正直 フェリ ちゃん に は ― しょうじき||||

言い訳 を し てる よう に しか 見え ませ ん いいわけ|||||||みえ||

言い訳 ？ いいわけ

俺 は 大丈夫 だ 俺 は 頑張って る ん だって いう おれ||だいじょうぶ||おれ||がんばって||||

無理 も ない だ ろ むり||||

あ …

♪ ～

～ ♪

（ ラインハルト ･ ヴァン ･ アスト レア ） すま なかった

待て って まて|

何 を どう し て お前 が 謝る 必要 が ある ん だ よ なん|||||おまえ||あやまる|ひつよう|||||

お前 が 悪い こと なんて 何 も ありゃ し ねえ だ ろ おまえ||わるい|||なん||||||

（ ラインハルト ） いや （ スバル ） え ？ ||すばる|

僕 は 君 と も ユリウス と も 友人 だ ぼく||きみ||||||ゆうじん|

友人 どうし の 行き違い を 止め られ なかった の は ― ゆうじん|どう し||ゆきちがい||とどめ||||

僕 自身 の 不徳 の なす ところ だ ぼく|じしん||ふとく||||

あの 決闘 に は 何 の 意味 も なかった |けっとう|||なん||いみ||

何 の … 意味 も ない ？ なん||いみ||

ああ

あの 場 で ２ 人 が ぶつかって 何 が あった ？ |じょう||じん|||なん||

君 は 傷つき ユリウス も 自身 の 経歴 に 泥 を 塗った だけ だ きみ||きずつき|||じしん||けいれき||どろ||ぬった||

一 度 冷静 に 腹 を 割って 話し合って み ない か ？ ひと|たび|れいせい||はら||わって|はなしあって|||

そう すれ ば すぐ に 誤解 も なくなって … |||||ごかい||

ラインハルト

お前 の 気持ち は 分かった し うれしい よ おまえ||きもち||わかった|||

お前 は ホント に いい 奴 だ おまえ||ほんと|||やつ|

なら …

でも その 申し出 は 受け ない ||もうしで||うけ|

話 は 終わり だ 帰って くれ はなし||おわり||かえって|

スバル … どう し て だ すばる||||

君 は あの 決闘 で 何 を 得 た 失った もの ばかり じゃ ない の か きみ|||けっとう||なん||とく||うしなった||||||

エミリア 様 の こと だって … |さま|||

（ スバル ） 今日 は 帰れ よ ラインハルト すばる|きょう||かえれ||

お前 の ご 主人 様 が さみしく て わめき 出さ ない うち に おまえ|||あるじ|さま|||||ださ|||

（ 扉 を 閉める 音 ） とびら||しめる|おと

余計 な お 世話 だって ん だ よ よけい|||せわ||||

（ 木 剣 で 打ち合う 音 ） き|けん||うちあう|おと

（ スバル ） ああ ！ う う … すばる|||

そろそろ 終わり に いたし ます か な ？ |おわり|||||

（ スバル ） う わ っ すばる|||

（ 倒れる 音 ） たおれる|おと

（ レム ） 稽古 お 疲れ 様 で し た スバル くん |けいこ||つかれ|さま||||すばる|

（ スバル ） レム は さ 俺 の こと 情けない と か 思わ ない の か すばる||||おれ|||なさけない|||おもわ|||

思い ます よ おもい||

（ スバル ） 思う の か よ すばる|おもう|||

なら 何で 情けない 俺 と 一緒に 残って ん だ |なんで|なさけない|おれ||いっしょに|のこって||

そう 言わ れ た から か ？ |いわ||||

情けない と 思う こと と 一緒に いる こと と は ― なさけない||おもう|||いっしょに||||

矛盾 し たり し ませ ん よ むじゅん||||||

それ に 命じ られ て い なく て も レム は きっと 残って まし た ||めいじ||||||||||のこって||

（ スバル ） 何で だ すばる|なんで|

レム が そう し たい から です

明日 出かけ ませ ん か ？ スバル くん あした|でかけ||||すばる|

ここ に 来 て から ３ 日間 どこ に も いって ない でしょ ||らい|||にち かん||||||

（ カド モン ･ リッシュ ） お前 も 王 選 に 興味 あん の か ？ |もん||おまえ||おう|せん||きょうみ|||

おお ！ いきなり その 顔 で 近づく な よ |||かお||ちかづく||

て … レム は ？

（ スバル ） ああ … 素人 を 店 に 立た す な すばる||しろうと||てん||たた||

候補 者 は ５ 人 か こうほ|もの||じん|

まあ ハーフ エルフ が 入って る って の は ― |はーふ|||はいって||||

イカ れ てる と しか 思え ねえ が いか|||||おもえ||

エミリア ねえ

魔女 の 係 累 が 王様 に な れる わけ ねえ だ ろ う が まじょ||かかり|るい||おうさま|||||||||

バカ も 休み 休み 言え って ん だ よ ばか||やすみ|やすみ|いえ||||

（ スバル ） みんな が みんな ― すばる|||

その 魔女 だ か 何だか と 関係 が ある って わけ じゃ ねえ だ ろ |まじょ|||なんだか||かんけい||||||||

は あ ？

あ … ハーフ エルフ だ から って ひと くくり に し て ― |はーふ|||||||||

勝手 に 見切り つ けん な よ ！ かって||みきり||||

おい ！

その エミリア って 子 だって ― |||こ|

すげ え こう … 国 の ため に と か 思って る かも しれ ねえ じゃ ねえ か ！ |||くに||||||おもって|||||||

待て よ 何 を 必死 に なって ん だ まて||なん||ひっし||||

俺 は … おれ|

自分 の … ため でしょ じぶん|||

何で だ 嫉妬 の 魔女 が 理由 か ！ なんで||しっと||まじょ||りゆう|

その 魔女 様 って の が ハーフ エルフ だった から ― |まじょ|さま||||はーふ|||

ほか の ハーフ エルフ も 全部 危ない って の か よ ！ ||はーふ|||ぜんぶ|あぶない||||

そう だ よ

魔女 が 怖い まじょ||こわい

それ は 当たり前 で 誰 も が 持って る 共通 認識 だ ||あたりまえ||だれ|||もって||きょうつう|にんしき|

そう 思わ れ てる 以上 は な から 勝ち目 なんか ねえ の さ |おもわ|||いじょう||||かちめ||||

… った く 誰 が 好き 好 ん で 担ぎ 上げ た の やら ||だれ||すき|よしみ|||かつぎ|あげ|||

あんまり おおっぴら に 往来 で 魔女 って 単語 を 出す の は やめ て おけ |||おうらい||まじょ||たんご||だす|||||

どこ で 誰 が 聞い てる か 分かった もん じゃ ねえ ||だれ||ききい|||わかった|||

（ スバル ） みんな が そう 思って る なんて こと ― すばる||||おもって|||

教え て くれ なかった じゃ ねえ か おしえ||||||

（ エミリア ） 言って くれ なきゃ 分から ない よ スバル |いって|||わから|||すばる

俺 だって 言わ れ なきゃ 分か ん ね えよ おれ||いわ|||わか|||

（ クルシュ ） ナツキ ･ スバル 少し つきあわ ない か ||すばる|すこし|||

（ スバル ） クルシュ さん … か すばる|||

そう だ が ？

そう か 執務 を 離れ た 格好 を 卿 ( けい ) に 見せる は 初めて だった な ||しつむ||はなれ||かっこう||きょう|||みせる||はじめて||

今日 は 夜風 が 涼やか で いい きょう||よかぜ||すずやか||

夜空 を 見 ながら 酒 を たしなむ のに 絶好 の 日和 だ よぞら||み||さけ||||ぜっこう||ひより|

俺 酒 は 飲 め ねえ ん だ けど おれ|さけ||いん|||||

水 を なめる だけ でも いい すい|||||

私 も 酔う ほど 飲む つもり は ない から な わたくし||よう||のむ|||||

どう だ ？ ゲート の 治療 の ほう は ||げーと||ちりょう|||

ん ？

（ フェリックス ） に ゃ に ゃ ー ん （ スバル ） ちょ ちょ っ … |||||-||すばる|||

ああ … 一応 … 順調 に |いちおう|じゅんちょう|

（ クルシュ ） うん まあ フェリス は 優秀 な 治癒 術 師 だ |||||ゆうしゅう||ちゆ|じゅつ|し|

任せ て おく と いい まかせ||||

クルシュ さん も ずっと 忙し そう に し てる よ な ||||いそがし||||||

当 家 で は 今 ― とう|いえ|||いま

ある 出来事 に 際し て 人 と 物 を 集め て いる 最中 で な |できごと||さいし||じん||ぶつ||あつめ|||さい なか||

おまけに 王 選 の 話 が 広まって 以降 縁談 の 話 が 連日 き て いる |おう|せん||はなし||ひろまって|いこう|えんだん||はなし||れんじつ|||

ほか の 候補 者 も 同じ だ ろ う な ||こうほ|もの||おなじ||||

縁談 って つまり 結婚 って こと だ よ な ？ えんだん|||けっこん|||||

そ っか みんな 独身 だ もん な |||どくしん|||

気 に なる か ？ き|||

別に ただ … べつに|

ああ そう ヴィルヘルム さん

きれい な 奥さん が いる って 前 に 言って た なあ … と ||おくさん||||ぜん||いって|||

ヴィルヘルム が 私 に 仕え て いる 経緯 を ― ||わたくし||つかえ|||けいい|

卿 は 聞き 及 ん で いる の か ？ きょう||きき|およ|||||

は ？ 何で … |なんで

（ フェリックス ） あ あー っ ！

に ゃん で スバル き ゅん たら ここ に いる わけ ？ |||すばる|||||||

それ に クルシュ 様 そんな 無防備 な 格好 で ！ |||さま||むぼうび||かっこう|

おかしい か ？

普段 フェリス と 晩酌 する 時 と 変わら ない だ ろ う ふだん|||ばんしゃく||じ||かわら||||

そ ー れ ー が ー ダメ って 言って る ん です |-||-||-|だめ||いって|||

男 は オオカミ に ゃん です おとこ||おおかみ|||

お前 も 男 だ ろ う が おまえ||おとこ||||

戯れ は よせ フェリス たわむれ|||

ナツキ ･ スバル の 思い 人 が 誰 で ある の か ― |すばる||おもい|じん||だれ||||

王 選 の 場 に い た 全員 に 知れ て いる おう|せん||じょう||||ぜんいん||しれ||

まあ ケンカ し ちゃ った みたい です けど ね |けんか|||||||

もう ホント に スバル き ゅん て ば 分 っか り やすい ん だ から |ほんと||すばる|||||ぶん||||||

（ クルシュ ） 下 を 向く な よ ナツキ ･ スバル |した||むく||||すばる

（ スバル ） え ？ すばる|

瞳 が 曇れ ば 魂 が 陰る ひとみ||くもれ||たましい||かげる

それ は 未来 を 閉ざし 生きる 意味 を 見失う と いう こと だ ||みらい||とざし|いきる|いみ||みうしなう||||

己 の 正しき に 従う 時 ― おのれ||ただしき||したがう|じ

下 を 向 い て 行う 者 に どれほど の こと が できる した||むかい|||おこなう|もの||||||

顔 を 上げ 前 を 向き 手 を 伸ばせ かお||あげ|ぜん||むき|て||のばせ

私 は 卿 の こと を つまら ぬ 敵 と は 思い たく ない の で な わたくし||きょう||||||てき|||おもい|||||

（ フェリックス ） クルシュ 様 が そう おっしゃる に ゃ ら ― ||さま||||||

しかた に ゃ い です ね

とにかく スバル き ゅん は ― |すばる|||

早く エミリア 様 と 仲直り し て くれ なきゃ はやく||さま||なかなおり||||

その ため に 何 が できる の か や れる の か ― |||なん||||||||

それ を 費やし て 尽くす の ||ついやし||つくす|

（ スバル ） 俺 に 何 が できる の か … すばる|おれ||なん||||

（ スバル ） できる こと なら ある すばる||||

（ クルシュ ･ フェリックス ） ん ？

俺 に しか でき ない こと なら ある おれ|||||||

ああ そう だった

言わ れる まで も ねえ さ いわ|||||

（ 風 の 音 ） かぜ||おと

風 が 出 て き た な かぜ||だ||||

明日 は また 少し 荒れ た 天気 に なり そう だ あした|||すこし|あれ||てんき||||

（ 木 剣 で 打ち合う 音 ） き|けん||うちあう|おと

（ スバル ） う っ う う … すばる||||

そろそろ 終わり に いたし ます か な ？ |おわり|||||

ご 冗談 を |じょうだん|

俺 の 受 身 の 上達 ぶり を み まし た か よ おれ||じゅ|み||じょうたつ|||||||

今朝 は これ まで と 気構え が 違う ご 様子 です が けさ|||||きがまえ||ちがう||ようす||

昨日 の 夜 クルシュ さん に お 悩み 相談 し て もらった ん です よ きのう||よ|||||なやみ|そうだん||||||

（ スバル ） きっかけ さえ あれ ば 何もかも 問題 なんて 消え て なく なる すばる|||||なにもかも|もんだい||きえ|||

（ ヴィルヘルム ） ふむ

では 本日 は ここ まで と いう こと に し ま しょ う |ほんじつ|||||||||||

え ？

いえ

強く なる 選択肢 を 捨て た 相手 に 強く なる ため の 剣 を 説く こと は ― つよく||せんたくし||すて||あいて||つよく||||けん||とく||

あまり 意味 の ない こと で は と 思った もの です から |いみ|||||||おもった|||

そりゃ どう いう …

（ レム ） スバル くん （ スバル ） ん ？ |すばる||すばる|

大事 な お 話 �� だいじ|||はなし

話 は レム から 聞い て いる か はなし||||ききい|||

（ レム ） レム が 感じ た の は ― |||かんじ|||

姉 様 と の 共 感覚 を 通じ た 気配 の よう な もの で ― あね|さま|||とも|かんかく||つうじ||けはい|||||

姉 様 の 千里眼 なら もっと 詳しい 状況 も 拾 え た はず です けど あね|さま||せんりがん|||くわしい|じょうきょう||ひろ|||||

その 感じ だ と ― |かんじ||

不穏 な 感じ の 共感 覚 が き ちゃ った の か に ゃ ？ ふおん||かんじ||きょうかん|あきら||||||||

（ クルシュ ） 詳細 は こちら でも 分から ない |しょうさい||||わから|

だが メイザース 領 つまり ロズワール 辺境 伯 の 領地 だ な ||りょう|||へんきょう|はく||りょうち||

彼 の 屋敷 の ある 辺り で やっかい な 動き が み られ た らしい かれ||やしき|||あたり||||うごき|||||

すでに 領 内 の 一部 は 厳戒 態勢 と の こと だ |りょう|うち||いちぶ||げんかい|たいせい||||

やっかい な 動き ？ ||うごき

もともと 予想 さ れ た 事態 で も ある |よそう||||じたい|||

辺境 伯 が エミリア を ― へんきょう|はく|||

つまり ハーフ エルフ を 支援 する と 表明 し た 時点 で な |はーふ|||しえん|||ひょうめい|||じてん||

そんな 偏見 で いざこざ が 起き てる って の か ？ |へんけん||||おき||||

（ クルシュ ） 大筋 は それ で 正しい だ ろ う |おおすじ||||ただしい|||

（ スバル ） 俺 が 離れ た とたん に これ か よ すばる|おれ||はなれ||||||

周り は 敵 だらけ じゃ ねえ か まわり||てき||||

味方 に なって や れる の は ― みかた||||||

俺 しか い ねえ だ ろ おれ|||||

だったら ―

助け に 行か なきゃ いけ ない よ な たすけ||いか|||||

（ レム ） いっ いけ ませ ん スバル くん |||||すばる|

エミリア 様 の 言いつけ を 守ら なく て は |さま||いいつけ||まもら|||

スバル くん は 治療 に 専念 する よう に と すばる|||ちりょう||せんねん||||

レム も 同 意見 です 今 は 体 の 治療 が 最 優先 で … ||どう|いけん||いま||からだ||ちりょう||さい|ゆうせん|

レム 俺 たち しか い ない ん だ |おれ||||||

エミリア の 味方 に なって や れる の は ||みかた||||||

聞い て の とおり だ クルシュ さん ききい||||||

俺 たち は 屋敷 に エミリア の 所 に 戻る おれ|||やしき||||しょ||もどる

事 が 片づく まで 治療 は お預け … こと||かたづく||ちりょう||おあずけ

（ クルシュ ） ナツキ ･ スバル ||すばる

ここ を 出る の で あれ ば ― ||でる||||

卿 は 私 に とって 敵 と いう こと に なる きょう||わたくし|||てき|||||

え …

１ つ 卿 の 考え を 正し て おこ う |きょう||かんがえ||ただし|||

卿 を 客人 と し て 扱い 治療 を 受け させ て いる の は ― きょう||きゃくじん||||あつかい|ちりょう||うけ|さ せ||||

ひとえに 契約 が ある から だ |けいやく||||

（ スバル ） 契約 ？ すばる|けいやく

卿 の 治療 に 関し て ― きょう||ちりょう||かんし|

私 と エミリア の 間 に は ある 契約 が 結ば れ て いる わたくし||||あいだ||||けいやく||むすば|||

だが ―

そちら から 契約 を 手放す の で あれ ば 守り 続ける 義理 は ない ||けいやく||てばなす|||||まもり|つづける|ぎり||

卿 が 当 家 を 離れ た 時点 で ― きょう||とう|いえ||はなれ||じてん|

私 と エミリア は 遺恨 なく 敵 どうし と いう わけ だ わたくし||||いこん||てき|どう し||||

勘違い し て た ぜ かんちがい||||

あんた と は ひょっとしたら ―

仲よく できる ん じゃ ない か と 思って た なかよく|||||||おもって|

だ よ なあ あんな の 酒 の 席 の ざ れ 言 だ よ な |||||さけ||せき||||げん|||

できる こと を やれ なんて ―

敵 に 言わ れ た 言葉 真 に 受け た 俺 が バカ だ てき||いわ|||ことば|まこと||うけ||おれ||ばか|

ようは ピンチ の エミリア を 助け られ たら 困る から ― |ぴんち||||たすけ|||こまる|

俺 を 行か せ たく ねえ ん だ ろ おれ||いか||||||

勘違い し に ゃ い で ほしい ん だ けど さあ … かんちがい||||||||||

フェリス よせ

いいえ 言い ます |いい|

ちょ こ ー っと 勘違い が ひど すぎ ます から ||-||かんちがい|||||

スバル き ゅん が 行った って 状況 は 変わったり し ない すばる||||おこなった||じょうきょう||かわったり||

行く だけ ムダ いく||むだ

王 城 で あれ だけ 無 様 ( ぶざま ) を さらし て ― おう|しろ||||む|さま||||

ユリウス に とことん やら れ て まだ 分 から に ゃ い の ？ |||||||ぶん|||||

ここ で 治療 する ほう が よっぽど 身の程 を わきまえ てる って こと に ||ちりょう|||||みのほど||||||

（ スバル ） 決め た ぜ エミリア の 所 に 戻る すばる|きめ|||||しょ||もどる

短い 間 だ けど 世話 に なった みじかい|あいだ|||せわ||

忠告 を 素直 に 受け入れる の も 男 の かい 性 じゃ に ゃ い の ？ ちゅうこく||すなお||うけいれる|||おとこ|||せい|||||

（ スバル ） お前 の 忠告 の おかげ で 決断 でき た すばる|おまえ||ちゅうこく||||けつだん||

あり が と よ

レム 屋敷 まで どの くらい だ |やしき||||

（ レム ） おそらく ２ 日 半 ほど です ||ひ|はん||

２ 日 以上 ？ 来る 時 は 半日 かから なかった ぞ ひ|いじょう|くる|じ||はんにち|||

ダメ な ん です 街道 に 霧 が かかって しまって ― だめ||||かいどう||きり|||

迂 ( う ) 回 する 必要 が あり ます う||かい||ひつよう|||

霧 が 何 だって ん だ よ きり||なん||||

（ レム ） 霧 を 生む の は 白 鯨 です |きり||うむ|||しろ|くじら|

万が一 遭遇 し た 場合 ― まんがいち|そうぐう|||ばあい

命 が あり ませ ん いのち||||

竜 車 を 貸し て いただき 本当 に ありがとう ございます りゅう|くるま||かし|||ほんとう|||

主 ( あるじ ) に 代わり ― おも|||かわり

今日 まで の ご 厚意 に 感謝 を 申し上げ ます きょう||||こうい||かんしゃ||もうしあげ|

いえ ご 健勝 で ||けんしょう|

（ スバル ） ラム から 何 か 伝わって き てる か ？ すばる|||なん||つたわって|||

いいえ 共感 覚 は ある 程度 意識 し て 制御 し て い ます から |きょうかん|あきら|||ていど|いしき|||せいぎょ|||||

今朝 の 場合 も 姉 様 の 自制 を とおり 越し て ― けさ||ばあい||あね|さま||じせい|||こし|

レム に 伝わって しまった もの だ と 思い ます ||つたわって|||||おもい|

（ スバル ） つまり ラム は もともと 俺 たち に 知らせる 気 は なかった すばる|||||おれ|||しらせる|き||

関わら せ ない よう に でも し てる って の か かかわら||||||||||

何で だ よ 俺 が い ない と ダメ だって の に なんで|||おれ|||||だめ|||

俺 だったら 助け られる おれ||たすけ|

そう し たら 分かって くれる はず な ん だ |||わかって|||||

絶対 に ぜったい|

何で 止まる ん だ 急 が ねえ と なんで|とまる|||きゅう|||

ごめんなさい スバル くん |すばる|

これ 以上 は 地 竜 を 潰し て しまい ます ので |いじょう||ち|りゅう||つぶし||||

寝つ け ねえ ねつ||

（ 扉 を ノック する 音 ） とびら||||おと

（ レム ） スバル くん 起き て ます か |すばる||おき|||

（ スバル ） ああ すばる|

寝つ け ない ので 少し 話し たく て ねつ||||すこし|はなし||

そ っか … レム も か

まあ しかたない よ な

共 感覚 で 知ら さ れ た 分 ― とも|かんかく||しら||||ぶん

レム も めちゃくちゃ 屋敷 が 心配 だ よ な |||やしき||しんぱい|||

大丈夫 だ って だいじょうぶ||

そう 簡単 に へ っこ む ほど かわい げ の ある メンツ じゃ ねえ |かんたん||||||||||めんつ||

すぐ 戻って 俺 が どう に かする さ |もどって|おれ|||||

はい レム は スバル くん を 信じ て い ます |||すばる|||しんじ|||

レ … レム さん ？

その … 何で 抱き つい て いらっしゃる ん でしょ う か |なんで|いだき|||||||

（ レム ） そう し たい から です

あれ この 感じ って … ||かんじ|

フェリックス 様 と 同じ ゲート の 治療 です よ スバル くん |さま||おなじ|げーと||ちりょう|||すばる|

お っ ああ 治療 … 治療 ね そう です よ ね ハハハ … |||ちりょう|ちりょう||||||

そう し たい か …

やっぱり 最初 は … 怒ら れ ち まう か な |さいしょ||いから|||||

時間 を かけ て ちゃん と 向き合って 自分 の 気持ち を 言葉 に すれ ば ― じかん||||||むきあって|じぶん||きもち||ことば|||

きっと 分かって もら え ます |わかって|||

スバル くん は ステキ な 人 です から すばる|||すてき||じん||

（ スバル ） そう … かな すばる||

そう … だ よ な

俺 が い なきゃ エミリア は ダメ な ん だ って … おれ||||||だめ||||

俺 は こんなに ― おれ||

思って … る ん だ から … おもって||||

ですから ―

その ほん の 片隅 に ― |||かたすみ|

レム の こと も

どこ に も いか ない で ください ね

スバル くん すばる|

（ スバル ） レム 起きろ ！ すげ え 寝過ごし た … すばる||おきろ|||ねすごし|

え …

（ 宿屋 の 主人 ） これ は これ は おはよう ござ … やどや||あるじ||||||

俺 と 一緒に 泊まって た 青い 髪 の 子 は どう し た ！ おれ||いっしょに|とまって||あおい|かみ||こ||||

お … お 連れ 様 で し たら その … ||つれ|さま||||

聞こえ ねえ よ ！ きこえ||

ですから 夜 の うち に 出て 行か れ まし た |よ||||でて|いか|||

こちら が お 客 様 の 荷物 で … |||きゃく|さま||にもつ|

（ スバル ） 何 を … 何 を 考え てん だ よ レム すばる|なん||なん||かんがえ||||

お前 は 俺 を 分かって くれる って そう 思って た のに おまえ||おれ||わかって||||おもって||

（ レム ） スバル くん へ |すばる||

この 手紙 を スバル くん が 読 ん で いる 時 ― |てがみ||すばる|||よ||||じ

きっと スバル くん は レム の こと を とても 怒って いる と 思い ます |すばる||||||||いかって|||おもい|

スバル くん を 置 い て お 屋敷 へ 向かう レム の こと を ― すばる|||お||||やしき||むかう||||

許し て ください と は 言い ませ ん ゆるし|||||いい||

けれど 分かって ください |わかって|

今 の スバル くん を お 屋敷 へ 連れ帰る の は とても 危険 です いま||すばる||||やしき||つれかえる||||きけん|

オットー って いう の は あんた か

（ オットー ･ スー ウェン ） ハア …

（ レム ） です から スバル くん は |||すばる||

ここ で レム の 帰り を 待って い て ください ||||かえり||まって|||

（ スバル ） お前 まで 俺 を 力 の 足り ない 役立た ず だって 言う の か よ レム すばる|おまえ||おれ||ちから||たり||やくだた|||いう||||

これ は ―

ひょっとして すごく 面倒 な 方 を 紹介 さ れ て しまった の で は ||めんどう||かた||しょうかい|||||||

ああ 分かった よ 俺 が 信じ られ ない なら ― |わかった||おれ||しんじ|||

俺 も お前 に 頼って な ん か やる もん か よ おれ||おまえ||たよって|||||||

う わ …

すいません ここ で 引き返さ せ て もら え ませ ん か ？ |||ひきかえさ|||||||

は あ ？ いまさら ここ まで き て …

（ オットー ） 地 竜 が おびえ て い ます |ち|りゅう|||||

近づ い て は いけ ない 場所 が 本能 で 分かる ん です よ ちかづ||||||ばしょ||ほんのう||わかる|||

今 どの 辺り だ いま||あたり|

すでに メイザース 領 に 入って い ます ||りょう||はいって||

アーラム って いう 村 の 近く で … |||むら||ちかく|

（ スバル ） 分かった すばる|わかった

ナツキ さん 行っちゃ いけ ませ ん 一緒に 引き返し ま しょ う ||おこなっちゃ||||いっしょに|ひきかえし|||

ここ まで で 十 分 だ オットー |||じゅう|ぶん||

金 は 荷物 ごと 全部 持って行って くれ きむ||にもつ||ぜんぶ|もっていって|

そんな わけ に は とにかく 考え 直し て |||||かんがえ|なおし|

ナツキ さん ！

（ スバル ） ハア ハア ハア … すばる|||

あっ

何 だ … なん|

静か すぎる … だ ろ しずか|||

何 な ん だ よ … なん||||

クソッ ！

ハア ハア ハア …

あっ …

帰って … き た かえって||

あ …

う っ

♪ ～

♪ ～

あっ

♪ ～

エミ … レム は … レム は どう し た ん だ えみ|||||||||

そう だ レム … レム は

レム … レム … レム … レム …

（ レム ） です から スバル くん は |||すばる||

ここ で レム の 帰り を 待って い て ください ||||かえり||まって|||

全て が うまく 片づ い た あと で ― すべて|||かたづ||||

必ず 迎え に 行き ます かならず|むかえ||いき|

どう か ご 自愛 ください |||じあい|

レム が 帰る まで お 願い です から 待って い て ください ||かえる|||ねがい|||まって|||

お 願い し ます |ねがい||

スバル くん の ― すばる||

レム より

～ ♪