シュタインズ ・ ゲート ゼロ (18)
( 岡部 ( お かべ )) ハァ ハァ …
( 岡部 ) 焦る な 世界 線 は 変わって ない
なら ま ゆり も 鈴 羽 ( すず は ) も 無事だ
ここ で 死ぬ こと は …
( 岡部 ) う っ ああ っ
う っ … ハァ ハァ …
ま ゆり …
( レスキネン ) や あ ―
リンターロ
( 岡部 ) あっ レスキネン 教授 …
♪~
~♪
( 鈴 羽 ) まゆ 姉さん !
( 工作 員 ) あっ … ( 工作 員 ) レイエス ?
( かがり ) ママ に … 何 を した
( 工作 員 ) え ?
( 工作 員 ) う … 撃て !
( 工作 員 たち ) うわ あ !
( 工作 員 ) う っ
( 工作 員 ) ひ いっ
( リーダー ) ひるむ な !
( 工作 員 ) ぐ わ っ
( 工作 員 ) う っ
( 工作 員 ) ひ いっ
( リーダー ) 胴体 を 狙え ! 当てて 動き を 止めろ !
( 鈴 羽 ) かがり !
( 岡部 ) う っ …
( レスキネン ) 気 に なる か ね ? 屋上 の 様子 が
( 岡部 ) どういう 意味 です か ? なぜ 教授 が ここ に ?
( レスキネン ) 質問 に 質問 で 返す の は よく ない よ リンターロ
成績 に 響く
しかし …
こんなに 早く 駆けつける と は
誰 だい ? 君 に そこ まで 入れ知恵 した の は ハハッ
真 帆 ( ま ほ )? いや … 可能 性 が ある と すれば 紅 莉栖 ( くり す ) か
紅 莉栖 ? ハッ !
“ 父 なる 神 ”…
アマデウス に とって ―
その システム を 作り出した 教授 は 父 であり 神 …
ほほ う 彼女 は そんな こと を 言って いた の か ね
いい 表現 だ
気分 が いい ね
私 の こと を “ 神 ” と あがめて くれる なんて
同時に 彼女 は こう も 言って いた
“ 不可侵 領域 を 開放 さ れ ―”
“ 時 を つかさどる 秘密の 在りか も 父 に 話す こと に なる ”
( レスキネン ) フッ 鈍い よ リンターロ
その メッセージ を 受け取って いた のであれば ―
もう 答え は 簡単だ ろ ?
あっ …
( レスキネン ) 君 は 少し 踏み込み すぎた ようだ
あなた は 何者 な んだ ?
( レスキネン ) 科学 者 だ よ
ただ 科学 も 慈善 事業 で は ない ので ね
君 は ストラテジック ・ フォーカス 社 を 知っている かな ?
( 岡部 ) ストラテ … ストラトフォー か ?
“ 影 の CIA ” など と 呼ば れて いる 民間 情報 機関 さ
( 岡部 ) じゃあ あなた は 最初 から …
( レスキネン ) アメリカ ロシア …
大国 に よる タイム マシン 獲得 競争 は 今日 を 境 に 激化 する
( 岡部 ) な っ …
( レスキネン ) その 前 に 行動 を 起こして も 全て は 収束 して しまう んだ
じりじり した よ 今日 と いう 日 を 待つ の は
君 なら 言って る 意味 が 分かる だ ろ ? リンターロ
( 岡部 ) どういう こと だ ?
なぜ この 人 が そんな こと まで
比 屋 定 ( ひや じょう ) さん が ? まさか 彼女 が …
いや あり え ない
アマデウス の 中 に 残って いる 紅 莉栖 の 記憶 は ―
日本 に 来る 前 の もの だ
一体 誰 が ?
( レスキネン ) フッ ハハハハ …
一体 誰 から そんな 話 を 聞いた の か ―
疑問 だって 顔 だ ね
1 人 いる だろう
全て を 知っていて も おかしく ない 未来 から の 使者 が
かがり ?
( 鈴 羽 ) まゆ 姉さん
( ま ゆり ) 鈴 ( すず ) さん ? う っ …
じっと して
跳 弾 が かすめた だけ だ けど 出血 は ある から
あれ は ?
見ちゃ ダメ
( リーダー ) う っ う っ … うわ あっ
( 空 撃ち の 音 )
( かがり ) ママ
( リーダー ) う う っ … あっ
ああ っ くっ …
ママ …
ママ に ―
何 を した ー !
ハッ !
まだ やって いる の か
できる だけ 穏便に と 言って おいた のに
( 岡部 ) くっ … う っ !
( 岡部 の うめき声 )
う う っ …
ま ゆり …
ま ゆり !
あ …
かがり …
( 鈴 羽 ) ダメだ まゆ 姉さん !
何 ? これ
( 岡部 ) ま ゆり !
( かがり ) あっ
ママ …
ママ 違う の これ は …
私 は ママ を …
( 倒れる 音 ) ( 岡部 ) あっ
ママ …
ママ
ごめんなさい ママ
( 岡部 ) かがり !
( ま ゆり ) ああ …
くっ …
( かがり ) ママ … ( 岡部 ) じっと して ろ
鈴 さん
( 岡部 ) ま ゆり は ?
頭 を 少し 切って いる けど 大丈夫
ほか に ケガ は ない
そう か ま ゆり は 無事だ
そう よかった
もう しゃべる な
大丈夫 心配 し ないで
私 こう なって も 痛く も 苦しく も ない から
強 がり は いい 黙 …
( かがり ) 神様 の 声 が 聞こえる の
“ 君 は 痛く なら ない よ 苦しく なら ない よ ” って
だから 全然 …
( 鈴 羽 ・ ま ゆり ・ 岡部 ) あっ
( かがり の せき込み ) ( 岡部 ) かがり ! かがり !
( ま ゆり ) 鈴 さん
かがり ちゃん
ママ よかった
( 鈴 羽 ) かがり …
鈴 羽 … お 姉ちゃん
ごめん ね
神様 の 声 が 聞こえる と 何も 分から なく なっちゃ う の
神様 が “ なす べき こと を し なさい ” って
ごめん … ね
( ま ゆり ) かがり ちゃん ! ( 鈴 羽 ) かがり !
くっ …
( レスキネン ) ずいぶん 派手に やって くれた ね
未来 の 洗脳 強化 技術 は やはり すばらしい
( 岡部 ) 教授 …
( 鈴 羽 ) お前 が かがり を …
( レスキネン ) いや 言う なれば 合作 だ よ
私 と 私 に よる ね
何 を 言って いる の か 分から ない
けど かがり を こんな 目 に 遭わ せた の は お前 だ な !?
そう だ と 言ったら ?
貴 様 …
( レスキネン ) よく 思いとどまった ね
( ダル ) 鈴 羽 ごめん
鈴 羽 !
くっ …
( 真 帆 ) 教授
( レスキネン ) フフフフ …
真 帆 不思議 かい ?
信じ られ ない か ね ?
でも これ は あらかじめ 決め られて いた こと な のだ よ
決め られて いた こと ?
( レスキネン ) 観察 と 洞察 力 は 科学 者 の 基本 だ よ
さっき 言った だろう
これ は 私 と 私 の 合作 な んだ よ
時 を 越えた
時 を ?
まさか …
13 年 前 かがり が 私 の 前 に 初めて 現れた とき
彼女 は 何と 言った と 思う ?
( かがり ) 神様 の 声 が する
( レスキネン ) 神様 ?
( かがり ) 未来 の あなた が 呼んで いる
未来 の … 教授 ?
( レスキネン ) フッ フフフ …
アハハハハ …
そう だ よ 信じ られる かね ?
未来 の 私 が かがり を 過去 へ 送り込んだ んだ よ
時 を つかさどる 力 を 手 に 入れる ため に ね
未来 の 教授 が ?
じゃあ かがり は …
手 の 込んだ 計画 だった よ
未来 に おいて ―
君 たち が 作る レジスタンス の 動き を 探る ため に ―
幼き スパイ と して 何 人 も の 少年 少女 に 仕掛け を した
お人よしな 君 たち が 食いつき やすく する ため に
ハハハハ …
そして その 仕掛け の 最たる もの こそ が ―
もし 君 たち の 手 で 過去 へ と 逃がさ れる ような こと が あれば
過去 の 自分 へ の メッセンジャー と なる ように ―
洗脳 した こと さ
( レコーダー :「 魔 笛 」)
( レスキネン ) にわかに は 信じ られ なかった よ
しかし 調べれば 調べる ほど ―
彼女 の 言葉 に 矛盾 が ない こと が 分かって いった
タイム マシン は 実在 し ―
かがり は 未来 から 来た のだ と 確信 に 至った
じゃあ まさか アマデウス を 作った の も …
そう 紅 莉栖 は 死んで しまう から ね
彼女 の 大切な タイム マシン の 理論 と その 記憶 を ―
保存 して おく システム が 必要だった
( 真 帆 ) 教授 !
あなた は その ため に あなた は 紅 莉栖 を 見殺し に !
教授 !
( レスキネン ) 全て は 今日 タイム マシン を 奪う ため の ―
長い 長い 下 準備
因果 律 に 逆らい 収束 を 超え ―
世界 の ことわり を 手 に しよう と ―
未来 の 私 が 考えた 壮大な プラン さ
そこ まで して タイム マシン を 手 に 入れて ―
何 を する つもりです か !
( レスキネン ) リンターロ
君 は まだ 科学 の 本質 が 分かって い ない
科学 者 は ね ―
自分 の 理論 が 正しい か と 実験 し ―
観察 に よって 実証 する 生き物 だ よ
未来 の 私 が 理論 を 提示 し 過去 の 私 が 実証 して みせる
ただ それ だけ いつも どおり の こと さ
タイムパラドックス を …
世界 が 壊れて しまう こと を 恐れ ない のです か !?
( レスキネン ) も し ある の なら ぜひ 見て み たい もの だ ね
( レコーダー を 止める 音 ) フフフフ …
さすが に 死んで いて は 未来 の 洗脳 技術 も 効果 が ない か
( レスキネン の 笑い声 )
あんた は …
本当の マッドサイエンティスト だ
フン … ハハハハ …
それ は 最高の 褒め 言葉 だ よ リンターロ
道 を あけて くれた まえ
くっ …
( レスキネン ) 程なく ここ は 戦場 に なる
この タイム マシン を 巡って ね
戦場 ?
( レスキネン ) ロシア に 亡命 した 中鉢 ( なか ばち ) 博士 の 論文
そして 私 が ストラトフォー に 渡した タイム マシン に 関する 情報
その 情報 戦 から 双方 が 実力 行使 に 出る の が 今日 ―
この 日 な んだ よ
史実 で は ここ で タイム マシン は 破壊 さ れ ―
その 理論 を 基 に 25 年 後 に 開発 さ れる まで ―
存在 し ない こと に なる
ただ もし その タイミング で 誰 か が 奪った と したら ?
破壊 さ れた と 見せかけて 誰 か が 過去 に 飛んだ と したら …
( 鈴 羽 ) お前 は それ を 狙って …
( レスキネン ) 初めて かがり に 会って から 十 数 年 …
長かった よ
ここ まで 来る のに 私 は … ( かがり ) 神様 の …
神様 の …
声 が する
離し なさい
( 銃声 )
( 鈴 羽 ) ああ あー っ !
( 殴る 音 ) ( レスキネン ) う っ …
( 倒れる 音 )
( 殴る 音 )
( 鈴 羽 ) 何 気 を 失って んだ !
かがり が この 何 倍 苦しかった と 思って いる んだ !
( 殴る 音 )
この 何 倍 何 倍 何 倍 痛かった と 思って る んだ !
この 何 倍 何 倍 何 倍 痛かった と 思って る んだ !
この 何 倍 何 倍 何 倍 痛かった と 思って る んだ !
やめろ 鈴 羽
( 鈴 羽 ) 立て ! お前 が …
お前 が …
( 岡部 ) 鈴 羽
離せ ! 止める な !
( ダル ) 鈴 羽 !
もう やめ とけ 鈴 羽
( 鈴 羽 ) 父さん
殺したら そい つと 同じに な っち まう お
( 泣き声 )
( 鈴 羽 の 泣き声 )
かがり ちゃん …
かがり ちゃん !
かがり ちゃん 鈴 さん だ よ
怖かった とき 握って いて くれた 手 だ …
あったかい
( 鈴 羽 ) かがり …
ごめん ね
鈴 羽 … お 姉ちゃん
ごめん …
かがり
かがり ー !
何で …
こんな 結末 に
( ヘリコプター の 音 )
何 ぞ ?
逃げて
ま ゆり !
無事 よ ケガ は ない
( 岡部 ) うわ ! ( 鈴 羽 ) ハッ
( 工作 員 ) 教授 を 捜せ
これ は …
鈴 さん 行こう
もう すぐ タイム マシン 壊さ れちゃ う んでしょ ?
その 前 に 行か なきゃ
行って 未来 を 変え なきゃ
( 工作 員 ) DURPA ( ダーパ ) か
かがり ちゃん の ため に も
( 鈴 羽 ) 乗って ( ま ゆり ) うん
( 岡部 ) ま … 待て ま ゆり !
うわ あっ
オカリン !
( 岡部 ) う っ … くっ …
どうして …
どうして ま ゆり が そんな こと を し なきゃ いけない んだ
ま ゆり は … ま ゆり は …
( ま ゆり ) まゆ し ぃ が 行か なきゃ いけない の !
だって これ は …
オペレーション ・ アークライト だ から !
アーク … ライト
( 鈴 羽 ) まゆ 姉さん !
( 岡部 ) まゆ り 待て
ま ゆり !
鈴 羽 …
( 工作 員 ) まずい 目標 を 確保 しろ
( 工作 員 たち ) うわ あっ !
( ダル ) いた たた …
本気 ? 東京 の ど真ん中 よ
ま ゆり …
( 鈴 羽 ) 行く よ ( ま ゆり ) うん
ま ゆり ー !
これ タイム マシン の …
間に合わ なかった の ?
鈴 羽 …
( 岡部 ) ま ゆり …
ま ゆり …
岡部 さん ?
( 岡部 ) ま ゆり …
ハァ ハァ …
( ドア の 開く 音 ) ( 岡部 ) ハァ ハァ …
ま ゆり … ま ゆり !
ハァ ハァ …
ま ゆり … ハァ …
( キーボード を 打つ 音 )
( 真 帆 ) まだ 未完成 よ
( 岡部 ) なぜ だ … なぜ こんな こと に
オカリン …
( 机 を たたく 音 ) ( 岡部 ) う う っ !
俺 は これ が 最良 の 選択 だ と 思って この 世界 線 を 選択 した んだ
ここ は 紅 莉栖 の 犠牲 の うえ に 成り立って いる ―
唯一無二 の 世界 線 な んだ !
なのに … な のに どうして …
どうして …
どうして !?
( 携帯 電話 の 振動 音 )
ま ゆり …
( ま ゆり ) オカリン へ トゥットゥルー
まゆ し ぃ です
本当 は ちゃんと お 話し しよう と 思った けど ―
うまく 言える か どう か 分から ない し ―
オカリン に 引き止め られる と 迷っちゃ い そうだ から ―
メール に し ます
私 は 鈴 さん と 過去 に 行って き ます
“ 何で ?” って オカリン は 怒る かも しれ ない ね
でも これ は 私 が やら なきゃ いけない こと な の
だって あの とき 私 の 彦星 ( ひこぼし ) 様 を …
どんな 苦しい とき でも いつも 立ち上がって ―
高 笑い を あげて いた 強い 強い 彦星 様 を ―
暗い 雲 の 向こう に 隠しちゃ った の は 私 な んだ から
私 ね 勘違い して た
みんな は 未来 を オカリン 1 人 に ―
押しつけよう と なんて して なかった んだ ね
シュタインズ ・ ゲート は きっと みんな で 見つける んだ よ
オカリン の 周り に は ダル 君 が いて ―
鈴 さん も いて る か 君 も いて ―
フェリス ちゃん も いて 由季 ( ゆき ) さん も いて
それ に 真 帆 さん も 加わって
だから 今度 は 私 の 番
だって これ は ラボメン ナンバー 002 の ―
初めて の おっきな 任務 な んだ から
オカリン は 心配 する と 思う けど ―
大丈夫だ よ
それ に もし 何 か あった と して も ―
必ず 助け に 来て くれる と 信じて いる から
私 の 大好きな 鳳凰 院 ( ほう おういん ) 凶 真 ( きょう ま ) が ―
新しく 作った タイム マシン に 乗って 必ず
だから 私 は 行って き ます
必ず 戻って くる から 少し だけ 待って て ね
私 は 鳳凰 院 凶 真 が 好き
でも ね 岡部 倫太郎 ( りん たろう ) の こと は ―
もっと 好きだ よ
♪~
~♪