Nisekoi : False Love Episode 15 nisekoi|false|love|episode Nisekoi: False Love Episode 15

お前 マリー か おまえ||

楽 様 の 前 で は 絶対 に この 喋り 方 は し ない つもり で おり まし た のに がく|さま||ぜん|||ぜったい|||しゃべり|かた|||||||||

でも その おかげ で 楽 様 に 思い出し て いただける なんて ||||がく|さま||おもいだし|||

なんだか 皮肉 です わ ね |ひにく|||

思い出し て き た おもいだし|||

確かに 昔 そんな 喋り 方 の 女の子 と 仲良く なった 事 が ある たしかに|むかし||しゃべり|かた||おんなのこ||なかよく||こと||

確かに その 子 も 体 が 弱く て たしかに||こ||からだ||よわく|

はい 私 が 楽 様 と 初めて お 会い し た の は １０ 年 前 の 夏 の 事 です |わたくし||がく|さま||はじめて||あい|||||とし|ぜん||なつ||こと|

１０ 年 前 の 夏 とし|ぜん||なつ

やっぱり 橘 は 小野寺 や 千 棘 と 同じ |たちばな||おのてら||せん|とげ||おなじ

私 が 楽 様 と 初めて お 会い し た の は １０ 年 前 の 夏 の 事 です わたくし||がく|さま||はじめて||あい|||||とし|ぜん||なつ||こと|

小さい 頃 の 私 は 体 が 弱く て ちいさい|ころ||わたくし||からだ||よわく|

父 に 連れ られ 空気 の キレイ な 山 の 療養 所 に 来 て い た ん です ちち||つれ||くうき||||やま||りょうよう|しょ||らい|||||

私 は いつも の よう に 一 人 病室 で 退屈 に し て おり まし た わたくし||||||ひと|じん|びょうしつ||たいくつ||||||

そう したら

ずっと 体 の 弱かった 私 は |からだ||よわかった|わたくし|

昔 から 他の 子 達 と 外 で 遊ぶ 事 も なかなか 出来 なく て むかし||たの|こ|さとる||がい||あそぶ|こと|||でき||

ふ ー ん お前 マリカ って 言う の か |-||おまえ|||いう||

お 父 様 は マリー ち 言う ば って ん |ちち|さま||||いう|||

ばっ てん ？ じゃあ マリー な

それ を 知った 楽 様 は それ から 毎日 の よう に 私 の 病室 に 足 を 運び ||しった|がく|さま||||まいにち||||わたくし||びょうしつ||あし||はこび

山 で 見つけ た もの など を お土産 に し て 私 を 楽しま せ て くれ た ん です やま||みつけ|||||おみやげ||||わたくし||たのしま||||||

そう だ 確かに 昔 そんな 事 が ||たしかに|むかし||こと|

私 は 楽 様 の 優し さ が 嬉しかった わたくし||がく|さま||やさし|||うれしかった

する と ある 日 父 が |||ひ|ちち|

マリー お前 は あん 男 ば 好 い とった か |おまえ|||おとこ||よしみ|||

そい なら オイ が 結婚 の 約束 ば して やっ けん ||おい||けっこん||やくそく||||

本当 ね ほんとう|

なぁ ら っ くん

ら っ くん は ど が 女の子 が 好 い と っと ？ ||||||おんなのこ||よしみ|||

は ？ 女の子 ？ |おんなのこ

ん よく 分か ん ねぇ けど まあ 女の子 らしい 人 … と か ||わか|||||おんなのこ||じん||

たとえば 髪 が 長い と か |かみ||ながい||

それ から の 私 は 頑張り まし た |||わたくし||がんばり||

今 まで 嫌がって い た 習い 事 や お 稽古 も 進んで 受け いま||いやがって|||ならい|こと|||けいこ||すすんで|うけ

ふさわしい 言葉遣い と 教養 を 身 に つけ |ことばづかい||きょうよう||み||

楽 様 の 求める 理想 の 女性 へ と なら ん が ため に 邁進 し た の です がく|さま||もとめる|りそう||じょせい||||||||まいしん||||

ずっと もう 一 度 楽 様 に 会う ため に ||ひと|たび|がく|さま||あう||

楽 様 と 交わし た 約束 だけ が 私 の 支え だった ん です がく|さま||かわし||やくそく|||わたくし||ささえ|||

恩 着せ が まし い 物言い を お 許し 下さい おん|ちゃくせ||||ものいい|||ゆるし|ください

ただ どうして も 私 の 思い を 知って いただき たかった もの で |||わたくし||おもい||しって||||

あの 写真 は 私 達 の お 別れ の 時 撮って 貰った ん です |しゃしん||わたくし|さとる|||わかれ||じ|とって|もらった||

大切 な 約束 を 忘れ て しまわ ぬ よう に と たいせつ||やくそく||わすれ||||||

オレ の ため に そんなに まで オレ の 事 おれ||||||おれ||こと

オレ に とって は なんでもなかった よう な 事 が おれ|||||||こと|

この 子 に とって そんなに も 大事 な 事 だった なんて |こ|||||だいじ||こと||

オレ は おれ|

まあ そんなに お 気 に なさら ない で ください |||き|||||

私 の 事 を 覚え て い て 欲しかった の は た だの わがまま と 分かって い ます から わたくし||こと||おぼえ||||ほしかった|||||||わかって|||

それ に もう 無理 に 私 の 事 を 思い出さ なく て も 結構 です よ |||むり||わたくし||こと||おもいださ||||けっこう||

えっ あっ いや そんな わけ に ゃ

ち ょ ちょっと 待て ろ 今 全 神経 を 集中 し て |||まて||いま|ぜん|しんけい||しゅうちゅう||

お 気持ち は 嬉しい の です が 本当 に いい ん です よ |きもち||うれしい||||ほんとう|||||

ただ そのかわり 今 の これ から の 私 を たくさん 覚え て 欲しい の です ||いま|||||わたくし|||おぼえ||ほしい||

あなた の ため に 素敵 に なった 私 を もっと 見 て 欲しい ||||すてき|||わたくし|||み||ほしい

見せつけ て やる と そう 決め た ん です みせつけ|||||きめ|||

これ から の 私 は もう 忘れ させ ませ ん よ |||わたくし|||わすれ|さ せ|||

と いう わけ で まずは

あ 楽 様 ほっ ぺ に ご飯 粒 が つい て ます よ |がく|さま||||ごはん|つぶ|||||

へ ？ どこ ？

忘れ られ ない 思い出 一 つ 目 です わすれ|||おもいで|ひと||め|

それでは 楽 様 また 明日 学校 で |がく|さま||あした|がっこう|

ごきげんよう

あれ お 嬢 様 お 薬 は ？ ||じょう|さま||くすり|

いら ない 元気 に なった から ||げんき|||

え ？ 私 達 が １０ 年 前 に 会って る ？ |わたくし|さとる||とし|ぜん||あって|

ああ お前 の 親父 さん は 確かに そう 言って た |おまえ||おやじ|||たしかに||いって|

結構 仲 良 さ そう だった らしい けど や っぱ 覚え て ねぇ か けっこう|なか|よ||||||||おぼえ|||

あい や …

全く … まったく

ところで 何で あんた 顔 が 赤い の |なんで||かお||あかい|

風邪 ？ かぜ

え い や 別に |||べつに

でも 私 確かに 千 棘 ちゃん の 事 一目 見 た 時 から |わたくし|たしかに|せん|とげ|||こと|いちもく|み||じ|

不思議 と 仲良く なれ そうだ なって 思った よ ふしぎ||なかよく||そう だ||おもった|

ウッソ 私 も 私 も |わたくし||わたくし|

て ゆ ー か なんで こんな 大事 な 話 今 まで 黙って た の よ ||-||||だいじ||はなし|いま||だまって|||

いや そ れ が たまたま タイミング が な |||||たいみんぐ||

それ で これ が 問題 の 鍵 ？ ||||もんだい||かぎ

まさか 小 咲 ちゃん まで こんな 鍵 持って る なんて 思わ なかった わ |しょう|さ||||かぎ|もって|||おもわ||

私 も どういう 事 な ん だ ろ う わたくし|||こと|||||

皆 １０ 年 前 に ダーリン と 会って て みな|とし|ぜん||||あって|

何 か 約束 し て て 鍵 持って て なん||やくそく||||かぎ|もって|

何 が どう なって ん の なん|||||

オレ が 知る か よ おれ||しる||

オレ だって 約束 し た の は 一 人 の はず で おれ||やくそく|||||ひと|じん|||

そもそも その 約束 って 何 の 約束 な の ||やくそく||なん||やくそく||

私 どうして も 思い出せ なく て わたくし|||おもいだせ||

私 も わたくし|

皆さん は 約束 の 内容 を 覚え て おら れ ない の です か みなさん||やくそく||ないよう||おぼえ|||||||

え ？ お前 覚え て ん の か |おまえ|おぼえ||||

だって それ は もちろん 「 結婚 」 の 約束 に 決まって いる で は あり ませ ん か ||||けっこん||やくそく||きまって|||||||

え ？ 違う の です か 私 は てっきり 皆さん も そう な の か と |ちがう||||わたくし|||みなさん||||||

私 は 楽 様 と の 別れ際 に その 約束 を し た ん です わたくし||がく|さま|||わかれぎわ|||やくそく|||||

覚え て おら れ ない かも しれ ませ ん が おぼえ|||||||||

ダーリン 確か 別れ際 に 約束 し た と か 言って なかった |たしか|わかれぎわ||やくそく|||||いって|

その 子 な ん じゃ ない の その 相手 |こ|||||||あいて

い い や ぁ どう か なぁ まだまだ 分か ん ない つ ー か ||||||||わか||||-|

結婚 けっこん

もし かして 私 も 一 条 君 と そんな 大胆 な 約束 を ||わたくし||ひと|じょう|きみ|||だいたん||やくそく|

もし そう だったら

何 か 大事 な 約束 だった と は 思う けど まさか ね なん||だいじ||やくそく||||おもう|||

それ じゃ なんで 鍵 は ３ 本 も ある ん だ |||かぎ||ほん||||

お前 は 知って る ん だ よ な この 約束 の 真相 って の おまえ||しって|||||||やくそく||しんそう||

あ でも オレ 達 に 教える 気 は ない ん だ っけ ||おれ|さとる||おしえる|き|||||

良かったら ヒント だけ でも よかったら|ひんと||

そう です ね

すみません それ は 私 に も 分かり ませ ん |||わたくし|||わかり||

は ？ いや だって お前 あんな 偉 そう に 答え を 知って る と か |||おまえ||えら|||こたえ||しって|||

はい いえ

大変 申し訳ない の です が 私 も 驚 い て いる ん です たいへん|もうしわけない||||わたくし||おどろ|||||

私 の 他 に も 鍵 を 持って いる 人 が い た なんて 今 初めて 知った 事 です から わたくし||た|||かぎ||もって||じん|||||いま|はじめて|しった|こと||

確かに 昔 の 楽 様 と の 会話 の 中 で たしかに|むかし||がく|さま|||かいわ||なか|

他 に 一緒 に 遊 ん で いる 誰 か が 登場 し た 事 は あった 気 が し ます が た||いっしょ||あそ||||だれ|||とうじょう|||こと|||き||||

じゃあ お前 の 言う 真相 って |おまえ||いう|しんそう|

それ は もちろん

私 が 楽 様 の 事 を どれ だけ 愛 し て 約束 し た の か と いう 事 に 決まって いる じゃ あり ませ ん か わたくし||がく|さま||こと||||あい|||やくそく|||||||こと||きまって||||||

私 が 知って いる の は 私 の 約束 の 事 だけ です から それ 以外 の 事 は わたくし||しって||||わたくし||やくそく||こと|||||いがい||こと|

ん じゃ この 鍵 は どれ か が 本物 で その他 は ニセ モノ って 事 ？ |||かぎ|||||ほんもの||そのほか||にせ|もの||こと

だ と し たら 一条 君 の ペンダント が 修理 から 戻って くる の を 待つ しか ない ね ||||ひと じょう|きみ||ぺんだんと||しゅうり||もどって||||まつ|||

ま ぁ なに が どう あれ 楽 様 と 結ばれる の は 私 です よ ||||||がく|さま||むすばれる|||わたくし||

もう キス も 済ませ て しまい まし た し |きす||すませ|||||

は ! ? キス ! ? |きす

って ハン もう 騙さ れ な いわ よ |||だまさ||||

そんな 事 言って また どうせ … |こと|いって||

ハァ ちょ っ し た の

違う 違う 違う 違う 違う 突然 だった ん だ 不可 抗力 だった ん だ ちがう|ちがう|ちがう|ちがう|ちがう|とつぜん||||ふか|こうりょく|||

し た の ね 最 っっ 低 ||||さい||てい

信じ らん ない この ケダモノ しんじ||||

あって 間 も ない 女の子 と いきなり チュー なんて |あいだ|||おんなのこ||||

いや チュー つって も ほ っぺ に ちょっと 触れ た ぐらい で ||||||||ふれ|||

ま ぁ どちら が 楽 様 に ふさわしい か を 考え れ ば 当然 か と ||||がく|さま|||||かんがえ|||とうぜん||

あー ら 人 の ダーリン に 手 を 出し とい て ||じん||||て||だし||

よく 言う わ ね この ドロボウ 猫 さん |いう|||||ねこ|

あら ゴリラ より か は 可愛 気 が ある か と |ごりら||||かわい|き||||

ダーリン に は 私 の 方 が |||わたくし||かた|

いえ 私 の 方 が |わたくし||かた|

小 咲 ちゃん は どっち だ と 思う しょう|さ||||||おもう

小野寺 さん は どう 思い ます おのてら||||おもい|

え ？ え え ー と 私 は その |||-||わたくし||

あ そうだ その 前 に |そう だ||ぜん|

あなた は 楽 様 の 事 を どう 思って らっしゃる の です か ||がく|さま||こと|||おもって||||

もしかしたら 昔 楽 様 と 結婚 の 約束 を し た かも しれ ない |むかし|がく|さま||けっこん||やくそく||||||

もしや あなた も 楽 様 を |||がく|さま|

確かに 昔 そんな 約束 を し た の かも しれ ない けど たしかに|むかし||やくそく||||||||

今 は 私 は いい 友達 だ と いま||わたくし|||ともだち||

そう です か それ なら 仲良く し ま しょ う |||||なかよく||||

ダメ 小 咲 ちゃん は 私 の 友達 です だめ|しょう|さ|||わたくし||ともだち|

いい 友達 か ちょっと 残念 だ けど |ともだち|||ざんねん||

もう いい じゃ あり ませ ん か まったく ケチ な ゴリラ さん ||||||||||ごりら|

私 やっぱり 昔 一条 君 に 会って た ん だ わたくし||むかし|ひと じょう|きみ||あって|||

じゃあ 一 条 君 が 私 の 初恋 の |ひと|じょう|きみ||わたくし||はつこい|

あなた の よう な 泥棒 猫 に は 小 咲 ちゃん と 友達 に なって あげ ない わ ||||どろぼう|ねこ|||しょう|さ|||ともだち|||||

でも 一 条 君 もしかしたら 千 棘 ちゃん の 事 |ひと|じょう|きみ||せん|とげ|||こと

嫌 だ 声 の 大きな ゴリラ さん いや||こえ||おおきな|ごりら|

ああ もう 腹 立つ 何 を 笑って ん の よ ||はら|たつ|なん||わらって|||

この 三 人 の 誰 か が オレ の 約束 の 女の子 |みっ|じん||だれ|||おれ||やくそく||おんなのこ

野蛮 な ゴリラ さん です ね やばん||ごりら|||

でも オレ が 今 好き な の は 小野寺 で |おれ||いま|すき||||おのてら|

今 の 気持ち と 昔 の 気持ち か いま||きもち||むかし||きもち|

まあ 本物 の 鍵 は 私 の に 決まって ます けど ね |ほんもの||かぎ||わたくし|||きまって|||

私 と 楽 様 は 運命 の 赤い 糸 で 結ばれ … わたくし||がく|さま||うんめい||あかい|いと||むすばれ

ま ぁ ダーリン は あんた の 事 全く 覚え て なかった けど ね ||||||こと|まったく|おぼえ||||

そい ば 言わ ん と ||いわ||

なに 今 の |いま|

さ ぁ 何の 事 です か ||なんの|こと||

いやいや いやいや

と いう わけ で 楽 様 ||||がく|さま

明日 父 に 会って いただけ ます か あした|ちち||あって|||

ですから 一 度 は 挨拶 に おいで いただか ない と |ひと|たび||あいさつ|||||

結納 の 日取り など 決め なく て は なり ませ ん し ゆいのう||ひどり||きめ|||||||

いやいや どういう わけ だ よ

許嫁 だって オレ は 知ら なかった って 説明 し た ろ いいなずけ||おれ||しら|||せつめい|||

ええ それ は 存じ て おり ます が |||ぞんじ||||

だからと言って だからといって

私 と 楽 様 の 婚約 が 解消 さ れ た わけ で は あり ませ ん わ わたくし||がく|さま||こんやく||かいしょう||||||||||

それ に 夫婦 と なって 初めて 互い の 良 さ に 気付く と いう こと も ある かも しれ ませ ん し ||ふうふ|||はじめて|たがい||よ|||きづく||||||||||

オレ まだ 結婚 出来る 歳 じゃ おれ||けっこん|できる|さい|

ちょっと 橘 さん ？ さっき から 図 図 し 過ぎる ん じゃ あり ませ ん |たちばな||||ず|ず||すぎる|||||

人 の 恋人 を 前 に じん||こいびと||ぜん|

あら これ は 気付き ませ ん で 桐 崎 さん |||きづき||||きり|さき|

主人 が いつも お 世話 に なって おり ます あるじ||||せわ||||

誰 が 主人 だ だれ||あるじ|

大体 ダーリン は その 婚約 を 了承 し て なかった ん でしょ だいたい||||こんやく||りょうしょう|||||

だったら そんな もの 無効 よ |||むこう|

あら そんな こと あり ませ ん わ

昔 から 親 の 間 で のみ 婚約 が 交わさ れる 事 なんて よく ある 話 むかし||おや||あいだ|||こんやく||かわさ||こと||||はなし

どうしても 不服 なら 父 に 直接 申し立て て もらう しか |ふふく||ちち||ちょくせつ|もうしたて|||

あんた どう する つもり な の よ

どうも こう も あんな 風 に 押し切ら れ ちゃ 行か ない わけ に は ||||かぜ||おしきら|||いか||||

相変わらず 優柔不断 な もやし 男 ね あいかわらず|ゆうじゅうふだん|||おとこ|

だって 仕方 ねぇ だ ろ |しかた|||

このまま 家 に 行ったら |いえ||おこなったら

式 の 日取り まで 決め させ られ て 帰って 来 そう じゃ ない しき||ひどり||きめ|さ せ|||かえって|らい|||

な っ 何 よ ||なん|

いや 最近 の お前 の 演技 って 迫真 だ よ な |さいきん||おまえ||えんぎ||はくしん|||

な っ 何 言って ん の よ ||なん|いって|||

神 が かって る って いう か かみ||||||

いや あんた に 許嫁 が い た なんて 分かったら うち の 連中 が |||いいなずけ|||||わかったら|||れんちゅう|

わ 私 は 別に いい ん だ けど ね うち の |わたくし||べつに|||||||

だ よ な ばれ たら あの メガネ に どんな 目 に 合わさ れる か ||||||めがね|||め||あわさ||

いい その お 父さん に びしっと 言って |||とうさん|||いって

許嫁 の 話 を 取り消し て もらう の よ いいなずけ||はなし||とりけし||||

そんな うまく 行く か よ ||いく||

さ ぁ 楽 様 ここ が 私 の 家 です よ ||がく|さま|||わたくし||いえ||

この マンション の 最上 階 の １ フロア が 私 の 家 な ん です |まんしょん||さいじょう|かい||ふろあ||わたくし||いえ|||

1 フロア って ふろあ|

ところで 橘 |たちばな

ま ぁ 橘 だ なんて どうぞ 万里 花 と お呼び 下さい ||たちばな||||まり|か||および|ください

橘 の 親父 さん て どんな 人 な ん だ たちばな||おやじ||||じん|||

確か 警視 総監 な ん だ よ な たしか|けいし|そうかん|||||

や っぱ 恐い 人 な の か ||こわい|じん|||

どん で も あり ませ ん わ

父 は とって も 優しい 方 です よ ちち||||やさしい|かた||

私 の 事 を いつも ｢ マリー ｣ と 呼 ん で わたくし||こと|||||よ||

いつも 私 の 事 を 心配 し て 下さる ん です |わたくし||こと||しんぱい|||くださる||

きっと 楽 様 も 父 を 気 に 入る と 思い ます よ |がく|さま||ちち||き||はいる||おもい||

おう 帰った か マリー 早かった な |かえった|||はやかった|

あら お 父 様 ちょうど 呼び に 行 こ う と 思って た ところ です ||ちち|さま||よび||ぎょう||||おもって|||

コエ ぇぇ ー 親父 顔 恐 っ ！ ||-|おやじ|かお|こわ|

一瞬 ヤクザ か と 思 っち まっ た いっしゅん|やくざ|||おも|||

つ ー か むしろ ヤクザ より も 凄み が |-|||やくざ|||すごみ|

お 父 様 この 方 が 私 の 許嫁 の 一条 楽 様 です わ |ちち|さま||かた||わたくし||いいなずけ||ひと じょう|がく|さま||

素敵 でしょ う すてき||

え は はい あの

どうも 初め まして オレ いや 僕 は |はじめ||おれ||ぼく|

君 が あの 一 条 の せがれ か 大きく なった な きみ|||ひと|じょう||||おおきく||

父親 に だいぶ 似 て き た ん じゃ ない か ちちおや|||に|||||||

ま ぁ 座り なさい ゆっくり 話 そ う ||すわり|||はなし||

親父 さん は 元気 かい おやじ|||げんき|

は はい

この 傷 |きず

え ええ と カ カッコイイ っす ね

お 仕事 中 に 受け た ん です か 名誉 の 負傷 と いう か |しごと|なか||うけ|||||めいよ||ふしょう|||

うむ こいつ は 昔 君 の 親父 さん に つけ られ た 傷 で なぁ |||むかし|きみ||おやじ||||||きず||

父親 に 似 て き た 君 を 見 てる と つい 疼 い て き て しまって ね ちちおや||に||||きみ||み||||うず||||||

あ あの 親父 何 やって ん だ ぁぁ ||おやじ|なん||||

ま ぁ その とき に オレ 達 は 互い の 力 を 認め合って 立場 は 違え ど |||||おれ|さとる||たがい||ちから||みとめあって|たちば||ちがえ|

男 の 盃 を 交わす 仲 に なった わけ だ が おとこ||さかずき||かわす|なか|||||

オレ の 夢 は 今 で も あの 野郎 を ムショ に ブチ 込む こと な ん だ よ おれ||ゆめ||いま||||やろう|||||こむ|||||

こ 恐 ぇ 恐 すぎる この 親父 |こわ||こわ|||おやじ

うち の ヤクザ より 全然 ヤクザ っぽい じゃ ね ー かよ ||やくざ||ぜんぜん|やくざ||||-|

こんな 相手 に 婚約 の 取り消し なんて ゼッテー 言え ね ー |あいて||こんやく||とりけし|||いえ||-

ま ぁ そんな つまら ん 話 は いい ん だ |||||はなし||||

早い もん だ な 万里 花 も もう 結婚 出来る 歳 に なった か はやい||||まり|か|||けっこん|できる|さい|||

君 も 長い こと 万里 花 の 事 を 大切 に 思って き て くれ た と 思う が きみ||ながい||まり|か||こと||たいせつ||おもって||||||おもう|

いえ それ は もう

楽 様 は 私 の 事 は 忘れ て しまわ れ て い た そう です けど がく|さま||わたくし||こと||わすれ|||||||||

どう ほ ー おい お前 ちょ ー ||-||おまえ||-

忘れ とった おい そい は ど がん 言う 事 や わすれ|||||||いう|こと|

なるほど それ で 君 は 婚約 の 事 を 知ら さ れ て なかった わけ か |||きみ||こんやく||こと||しら||||||

あん の クソ ヤロウ 男 と 男 の 約束 を よくも ||くそ||おとこ||おとこ||やくそく||

今度 会ったら ただ じゃ おか ねぇ こんど|あったら||||

しかし そう なる と 一 つ 気がかり が ||||ひと||きがかり|

君 は まさか 今 他 に 好き な 子 など いる ん じゃ ない だ ろ う ね きみ|||いま|た||すき||こ|||||||||

え い や それ は

彼女 が い ます わ かのじょ||||

っ ど ぅ おお お おい いい ー |||||||-

彼女 わ い は 彼女 ば おる 身 で こげ ん 所 挨拶 に 来 よっ と か かのじょ||||かのじょ|||み||||しょ|あいさつ||らい|||

わ 待って 待って 待って |まって|まって|まって

お 父 様 落ち着 い て 楽 様 が 悪い わけ で は あり ませ ん わ |ちち|さま|おちつ|||がく|さま||わるい|||||||

私 は それ でも 構わ ない と 思って る ん です わたくし||||かまわ|||おもって|||

私 は その 彼女 から 楽 様 を 奪って みせる と 決め た の です わたくし|||かのじょ||がく|さま||うばって|||きめ|||

そう し なけ れ ば 楽 様 と 結ばれる 資格 など あり ませ ん わ |||||がく|さま||むすばれる|しかく|||||

フン お前 が そういう の なら 構わ ん が ふん|おまえ|||||かまわ||

ところで 君 は いつも そう やって 娘 と くっつ い て いる の か ね |きみ|||||むすめ||||||||

え い や これ は 万里 花 さん が 一方的 に |||||まり|か|||いっぽうてき|

ご ご 安心 下さい 僕ら は とても 清廉 潔白 な 関係 で ||あんしん|ください|ぼくら|||せいれん|けっぱく||かんけい|

ま ぁ 楽 様 ったら 照れ なく て も よろしい のに ||がく|さま||てれ|||||

せっかく キス も 済ませ まし た のに |きす||すませ|||

だから そういう こと を

おい や そが ん 事 は もう 少し お互い ば 理解 し と から す っ べき な ん じゃ なか と か ||||こと|||すこし|おたがい||りかい||||||||||||

あら いけ ませ ん わ 私 と し た 事 が お 茶 も 出さ ず に |||||わたくし||||こと|||ちゃ||ださ||

すぐ ご 用意 し ます わ ||ようい|||

ええ この タイミング で ||たいみんぐ|

ま 待って くれ 一 人 に し ない で くれ |まって||ひと|じん|||||

や や べ ぇ どう しよ う

状況 は 最悪 何とか この 場 だけ でも 凌が ねぇ と じょうきょう||さいあく|なんとか||じょう|||しのが||

何 か 上手い 言い訳 は なん||うまい|いいわけ|

あの 子 は 万里 花 は ね 10 年 経った 今 でも |こ||まり|か|||とし|たった|いま|

たまに 昔 の 君 の 自慢 話 を する |むかし||きみ||じまん|はなし||

やれ こんな こと が あった やれ こんな 話 を し た と |||||||はなし||||

たわ い も 無い こと を 今 でも ね |||ない|||いま||

昔 君 が あの 子 病室 に 置 い て いった ガラクタ も むかし|きみ|||こ|びょうしつ||お|||||

今 でも 大切 に 持って いて る ん だ いま||たいせつ||もって||||

あの 時 の 事 今 でも そんなに |じ||こと|いま||

これ から の 私 は もう 忘れ させ ませ ん よ |||わたくし|||わすれ|さ せ|||

ま ぁ 本人 は それ で 幸せ そう な ん だ が ||ほんにん||||しあわせ|||||

すみません お 父さん オレ ||とうさん|おれ

オレ に は 今 好き な 女の子 が いる ん です おれ|||いま|すき||おんなのこ||||

万里 花 さん で は なく まり|か||||

万里 花 さん が 嫌 な わけ じゃ ない ん です ただ まり|か|||いや|||||||

オレ は その 子 の 事 を ずっと だ から 本当 に すみ ませ ん おれ|||こ||こと|||||ほんとう||||

クッ 良 か よう やっと 腹 ば 割り よった か |よ||||はら||わり||

まだ 若い と に そう 割り切れる もん でも なか やろ し |わかい||||わりきれる|||||

そういう 遠回り も 今 は 必要 な はず ばい |とおまわり||いま||ひつよう|||

その 子 が その 彼女 か ね |こ|||かのじょ||

え い や それ が 実は |||||じつは

そい じゃ 何 か わ い は 女 で 遊び よる と か ||なん|||||おんな||あそび|||

違い ます 違い ます 違い ます これ に は 大変 複雑 な 事情 が ちがい||ちがい||ちがい|||||たいへん|ふくざつ||じじょう|

フン ま ぁ よっ か わ い しかし 約束 は 約束 ふん||||||||やくそく||やくそく

いずれ は 娘 ば 幸せ に し て もらう 件 なぁ 覚悟 ば し とけ ||むすめ||しあわせ|||||けん||かくご|||

マリー は 手強 か 女 ぞ ||てごわ||おんな|

やれやれ これ で よかった ん だ ろ う か

どう で し た か 父 と 話し て み て |||||ちち||はなし|||

良い 親父 さん だ な お前 の 事 が どれ だけ 大事 か 伝わって き た よい|おやじ||||おまえ||こと||||だいじ||つたわって||

ちょっと コエー けど

フフ 気 に 入って 下さった 様 で 嬉しい です わ |き||はいって|くださった|さま||うれしい||

いずれ 楽 様 の お 父 様 に なる かも しれ ませ ん し |がく|さま|||ちち|さま|||||||

ホント よく そんな グイグイ 来 れる な 素直 に 感心 する よ ほんと|||ぐいぐい|らい|||すなお||かんしん||

どうして オレ なんか に そこ まで |おれ||||

ま ぁ そんな の 当然 で は あり ませ ん か ||||とうぜん||||||

自分 から 動か ない で 手 に 入る 物 など あり ませ ん じぶん||うごか|||て||はいる|ぶつ||||

恋愛 だって 攻め ある のみ です れんあい||せめ|||

まるで 自分 の 事 を 言わ れ てる よう だ |じぶん||こと||いわ||||

私 に 出来る の は 思い を 伝える 努力 と 変わる 努力 だけ です わたくし||できる|||おもい||つたえる|どりょく||かわる|どりょく||

楽 様 改めて 教え て 下さい がく|さま|あらためて|おしえ||ください

楽 様 は 今 どんな 女の子 が 好き です か がく|さま||いま||おんなのこ||すき||

私 は 楽 様 の ため なら どんな 風 に も 変われ ます わたくし||がく|さま|||||かぜ|||かわれ|

どうぞ なんなり と

いや 別に 今 の まま で 橘 は 十分 かわいい と 思う けど |べつに|いま||||たちばな||じゅうぶん|||おもう|

橘 が その 色々 頑張って くれ ん の は 素直 に 嬉しい し たちばな|||いろいろ|がんばって|||||すなお||うれしい|

すげ ー と 思う |-||おもう

誰 に でも 出来る 事 じゃ ねえ だれ|||できる|こと||

それ に オレ は 髪 の 長い お前 も 短い お前 も ||おれ||かみ||ながい|おまえ||みじかい|おまえ|

今 の しゃべり 方 も 昔 の しゃべり 方 も どっち も かわいい と 思う ぞ いま|||かた||むかし|||かた||||||おもう|

急に そが ん こ と 言わ れ たら 困る ばい きゅうに|||||いわ|||こまる|

やっ その こ っ こっち 見 ん で くれ ん ね |||||み|||||

見 ん で くれ ん ね み|||||

ち ょ ちょっと ぉ お ま 急に 別人 に ||||||きゅうに|べつじん|

もし かして 照れ て ん の か ||てれ||||

照れ とら ん けん こっち ば 来 ん とい て てれ||||||らい|||

お 父 様 楽 様 が 大胆 な 事 を |ちち|さま|がく|さま||だいたん||こと|

何て 大胆 なんて|だいたん

うわ ー |-

うち の 娘 に 何 ば しよ っと か ||むすめ||なん||||

わ ー 何も し て ねぇ ー |-|なにも||||-

お 嬢 どうか さ れ た の です か |じょう|||||||

別に べつに

お代り おかわり

もう 十 杯 目 で は |じゅう|さかずき|め||