episode 01「 キャンパス ライフ は 誘惑 だらけ 」 (2)
夏目 柊 ( しゅう )
うん
( 菜緒 の 歌声 )
( 菜緒 の 鼻歌 )
上原 君 と 久々の ご飯
楽しみだ な
フフフッ
( 鼻歌 )
( 足音 )
( 鍵 を 開ける 音 )
上原 君 お かえり なさい !
悪い 吉川 今日 友達 一緒 で も いい ?
友達 ? 上原 君 の ?
( 上原 ) うん ( 菜緒 ) あっ
はじめ まして ! 上原 久志 が いつも お 世話に なって おり ます
チーッス 友達 歴 5 時間 の 夏目 です
上原 の 彼女 って どんな 子 か 興味 あって さ
それ が まさか 君 と は ね
私 も まさか
こんな 所 で あなた と 会う と は 思い も より ませ ん でした
って か お前 ら どこ で 知り合った の ?
いや それ が さ 大学 で …
ジャーン !
上原 君 の 大好きな 海 鮮 スープ だ よ
おお !
余計な こと 言わ ないで ください
余計な こと って ? 上原 の ストーカー して た こと ?
あっ ! 別に …
して ませ ん
( 夏目 ) そうだ 上原 明日 の 夜 暇 ?
( 菜緒 ) あっ お 断り し ます
上原 に 聞いて んだ けど
どうせ 合 コン の 誘い でしょ
( 夏目 ) バレ た ? ( 菜緒 ) 言 っと く けど ね ―
上原 君 は 合 コン なんて これ っぽ っち も 興味 あり ませ ん から
上原 君 の 頭 の 中 は
食べ物 の こと と お 金 の こと で いっぱいな の
その他 が 入る 隙間 なんて 1 ミリ も あり ませ ん から
そん 中 に 菜緒 ちゃん 入って ない んだ
彼女 な のに ?
いや 私 は …
特別な んです 彼女 だ から
そう だ ね 特別だ ね
あっ そうだ 上原 君
アレ 食べる ?
( 上原 ) ん ? ( 夏目 ) アレ ?
( 菜緒 ) フフン
フフフッ
フフフフッ
私 と 上原 君 の アレ と いえば …
( 冷蔵 庫 の 開閉 音 )
( 菜緒 ) フフッ …
これ !
ああ それ さっき くれた やつ
え ?
え … えっ 今 何て ?
さっき 上原 が くれた
上原 君 が くれた ?
( 夏目 ) うん
私 が 最初に 食べた 時 ―
あんなに 怒って た のに
俺 の 牛乳 プリン 食った ろ
ああ これ ?
2 つ あった から 1 つ 私 の かなって 思 っ …
ふざけ ん な よ !
え ?
てい うか いまだに 怒る のに
( 菜緒 ) 負けた …
上原 君 が 食べ物 あげる なんて
いや こいつ が いい 場所 教えて くれた から さ
( 菜緒 ) いい 場所 ? ( 夏目 ) そう
楽しい キャンパス ライフ を 送る ため の
秘密の 花園
秘密の …
花園 ?
気 に なる ?
あっ 別に …
あっ 私 は ねえ
上原 君 の お 兄さん に 挨拶 さ れた こと ある んだ よ
あっ あと ね 上原 君 の 義理 の お 姉さん
ゆり りん って 人 と も 仲よし な んだ
( 上原 ) 吉川
何 ? 上原 君
( 茶わん を 置く 音 )
お前 もう 帰れば
2 週間 ぶり の 食事 な のに
って いう か ご飯 作った の 私 な のに
何で 私 が 追い返さ れる わけ ?
負け ない
あんな ヤツ に 負ける もんか !
( 夏目 ) ごめん さっき 距離 近かった ?
( 上原 ) は ?
菜緒 ちゃん と
( 上原 の せき込み )
分かり やす っ
意外 と ヤキモチ 焼き な んです ね 上原 君 は
うる せ えよ
( 夏目 ) 心配 す んな よ
俺 菜緒 ちゃん 全然 タイプ じゃ ないし
友達 の 彼女 に 手 出す ほど 女 に 不自由 して ない から
聞いて ねえ よ
( 菜緒 ) フフッ
牛乳 プリン 5 つ も あれば 上原 君 なんて イチコロ だ よ ね
フフフッ
あっ
( 男性 ) どうぞ
( 菜緒 )“ 秘密の 花園 ”
( 夏目 ) 楽しい キャンパス ライフ を 送る ため の
秘密の 花園
まさか …
ステキな 夜 に
乾杯 !
( 女性 たち ) 乾杯 !
あっ ああ …
上原 君
いつの間に …
あっ うわ …
( 大地 ( だいち )) ん ?
菜緒 ?
大 ちゃん
( 大地 ) やっぱり 菜緒 だ
大丈夫 ?
( 菜緒 ) ああ … うん
大丈夫 大丈夫
ありがとう
相変わらず だ な
え ?
菜緒 は 昔 から 上原 の こと に なる と 全力 だ から
あっ いや …
別に これ で 上原 君 の 機嫌 取り 直す つもり なんて …
や っぱ あいつ に 振り回さ れて んだ
ハハハッ 分かり やす すぎ
いや …
振り回さ れて る んじゃ なくて
ただ ちょっと 雑な 扱い って いう か
あっ ほら
彼女 ならでは の 安心 感 の 裏 っ 返し って やつ ?
( 大地 ) じゃあ 少し は 心配 さ せて やれば ?
え ?
もう 片思い して た ころ と は 違う んだ
お前 が あいつ の こと 振り回す ぐらい して やれよ
ハハッ
って 俺 も 相変わらず 余計 なお 世話だ な
ハハハッ
( 七瀬 ( なな せ )) 大地
次の お 店 決まった よ
( 大地 ) うん 今 行く
( 菜緒 ) 友達 ? ( 大地 ) うん
ハンドボール サークル の 仲間
今 から 試合 の 打ち上げ なんだ
そ っか うん
じゃあ な
( 菜緒 ) うん ( 大地 ) 頑張れよ
( 大地 ) お 待た せ
彼女 ?
いや
彼女 に し たかった 人
( 大地 ) もう 片思い して た ころ と は 違う んだ
お前 が あいつ の こと 振り回す ぐらい して やれよ
私 上原 君 に 振り回さ れて る の か な
( 太田 ) え ?
彼女 と して どう な んだろう
( 太田 ) うーん
よく 分から ない けど …
好きな んだ よ ね ? 上原 君 の こと
( 菜緒 ) それ は …
うん そう な んだ けど
フフッ
よっ
どうした の ?
何 か すごい けど
( 阿部 ) 何 か あり そうな 気 が すんだ よ ね
今夜 は
じゃ
( 太田 ) 合 コン だ ね
( メール の 着信 音 )
あっ まり なだ
こっち も 合 コン
参加 する 人 探して る って
あー あ いい な
みんな キャンパス ライフ 満喫 して て
( 太田 ) 行こう よ 菜緒 ちゃん ( 菜緒 ) え ?
私 彼 氏 欲しい し 新しい 出会い 欲しい !
あ … 菜緒 ちゃん は 上原 君 が いる から 気まずい か
行く !
もう 高校 時代 の 私 と は 全然 違う んだ から
( 太田 ) ん ? ( 菜緒 ) 上原 君 を 振り回して み せる
( 太田 ) えっ と …
とりあえず 着替えよ っか
え ?
( 幹事 ) えっ ! 太田 ちゃん 愛媛 から 来た の ?
じゃあ 彼 氏 と サヨナラ して きた んだ
( 太田 ) あっ う うん あの 私 彼 氏 一 度 も いた こと なくて
( 男子 学生 たち の 歓声 )
( 男子 学生 ) えっ かわいい よ
ねえ 菜緒 これ だ よ
( 幹事 ) ちょっと って つけて みた の ?
そんな 子 が いる んだ
私 たち も 彼 氏 い ない 歴 18 年 で
もう 男の子 と 知り合う きっかけ って なかなか なくて
( 男子 学生 ) マジ で ! ( 菜緒 ) ちょっと まり な
( 男子 学生 ) 2 人 と も い そうな のに
( 幹事 ) そうだ よ そうだ よ
( 男子 学生 ) な … 菜緒 ちゃん って 何 か ほっとけ ない タイプ だ よ な
( 男子 学生 ) うん うん ( 男子 学生 ) 確かに
( 男子 学生 ) 何 か 癒 や さ れる って いう か
( 男子 学生 ) はい ジュース で いい よ ね
いや そんな …
癒 やし 系 なんて …
( まり な ) じゃ い ない 歴 脱出 を 目指して 乾杯 !
( 一同 ) 乾杯 !
( 夏目 ) へえ ずっと 彼 氏 い ない んだ
あ … 上原 君
( 女子 学生 たち ) キャー !
あっ いや 今 の は その …
( 夏目 ) どこ 行く の ? ( 上原 ) トイレ
( 中川 ( なか がわ )) それ いい グリーン だ ね
( 女子 学生 ) ど いて ( 中川 ) は ?
( 女子 学生 ) ど いて ( 女子 学生 ) ど いて って ば 早く
( 女子 学生 ) 上原 君 から 揚げ 食べる ?
( 女子 学生 ) サラダ も どうぞ
( 中川 ) しかた の ない レディー たち だ なあ
( まり な ) 菜緒 ねえ これ どういう こと ?
( 菜緒 ) 私 が 聞き たい よ
ねえ 何で 上原 君 が 合 コン ?
( まり な ) いや …
( 女子 学生 ) サラダ は いら ない よ ( 女子 学生 ) サラダ 体 に いい から ね
( 椅子 を 引く 音 )
失礼
( 女子 学生 ) から 揚げ 食べて ね
君 は さ どういう 人 が タイプ なんだい ?
( 菜緒 ) え ? あ …
( 中川 ) ダメだ なあ こういう 時 の 受け答え で ―
女子 力 が 分かる んだ よ
( 女子 学生 ) 何 やって も 絵 に なる ね ( 女子 学生 ) これ も 食べて ね は い
どんどん 力 つけて ね
( 女子 学生 ) から 揚げ だけ じゃ ん ( 女子 学生 ) いい じゃ ん
( 夏目 ) 食い すぎ じゃ ね ? ( 上原 ) って いう か
タダ 飯 と は 聞いて た けど 合 コン と は 聞いて なかった ぞ
イラ ついて ん の は そこ じゃ ない くせ に
( 幹事 ) ラララ ライライライ … 第 一 印象 ゲーム !
( 一同 ) イエーイ !
は いはい は いはい じゃあ じゃあ
この 中 で 一 番 しっかり して そうな 人
( 一同 ) あ ~
せ ー の !
( 男子 学生 ) はい
( 太田 ) え ? ( 一同 ) お ~!
( 幹事 ) じゃあ じゃあ じゃあ …
この 中 で 一 番
だらけて そうな 人
せ ー の !
え ?
( 幹事 ) じゃあ じゃあ じゃあ じゃあ じゃあ ―
この 中 で 一 番 モテ そうな 人
せ ー の !
( 幹事 ) 菜緒 ちゃん は ?
( 女子 学生 ) 誰 が どう 見て も 上原 君 でしょ
( 女子 学生 たち ) うん うん ( 女子 学生 ) ねえ
( 阿部 ) ち わ ー ! あ べ っち です !
あ べ っち …
( 阿部 ) お ー この リアクション
みんな 待た せて ごめん な
( 太田 ) あ べ っち が 言って た の この 合 コン の こと だった んだ
( 阿部 ) 何 だ お前 ら も いる じゃ ん
( 太田 ) って いう か 今 まで 何 して た の ?
( 阿部 ) ずっと 表 で 待って た ( 太田 ) え ?
( 阿部 ) いや 合 コン で モテ る 秘けつ ググ ったら
遅れて 行く こと だって 言う から
( 幹事 ) 菜緒 ちゃん 菜緒 ちゃん
この 中 で さ 一 番 モテ そうな 人 指して ない じゃ ん
( 男子 学生 ) そうだ そうだ ( 男子 学生 たち ) 誰 ? 誰 ?
( 男子 学生 たち ) ん ? ( 男子 学生 ) 早く
( 男子 学生 ) や っぱ 俺 かも しれ ない
( 男子 学生 たち の ざわめき )
( 男子 学生 ) 誰 誰 ? 気 に なる じゃ ん
( 男子 学生 たち ) ん ? ん ?
じゃ … じゃ この 人 で
( 一同 ) ああ …
( 男子 学生 ) へ えー
( 男子 学生 ) ショボーン
俺 ? 俺 俺 俺 ?
何 だ よ そういう 目 で 見て た の か よ
( 中川 ) ハハハッ
( 菜緒 ) ハァ …
やっぱり 何 か 合 コン って 疲れる ね
大丈夫 ? 菜緒 ちゃん
何 か 神経 使っちゃ うって いう か
あの … 私 思う んだ けど さ
上原 君 反応 薄く ない ?
え ?
だって 彼女 が 困って ん のに さ
( 菜緒 ) それ は … ( 太田 ) むしろ
愛情 が 薄い って いう か
え ?
あっ ごめん 上原 君 ―
愛情 表 に 出す タイプ じゃ な さ そうだ もん ね
( 幹事 ) 名付けて 輪 ゴム 渡し ゲーム !
( 一同 ) イエーイ !
野菜 スティック を お互い 口 に くわえ
このように パス して いき ます
( 一同 ) ウエーイ !
短い 野菜 だ と うっかり キス しちゃ う
なんて ハプニング も !
( 一同 の 歓声 )
ミカ マジ で や ん の ?
ミスター ・ キャンパス の 唇 奪う チャンス 二度と な いっしょ
さあ 行く よ
ちょっと ごめん ね
よい しょ
上原 君 楽しんで る ?
菜緒 ちゃん これ ヤバ くない ?
うん
レッツ スタート !
( 歓声 )
( 菜緒 ) ハッ !
何 この 独特な 空気
菜緒 ちゃん
うん
ハッ …
早く しろ よ
こっち まで 回って きた
( 幹事 ) お ー っと ! 菜緒 ちゃん と 中川 が ?
さっき の 告白 から の まさか の 展開 か ー !
( 一同 ) ヒュ ~!
では … 特別 サービス で
ああ ー !
これ で 挑戦 して もらい ましょう !
( 一同 の 歓声 ) ( 菜緒 ) え ?
( 男子 学生 ) よっ 幹事 ! ( 男子 学生 ) さすが !
( 一同 ) キッス キッス キッス …
ハッ …
ほ い
ハァー
( テーブル を たたく 音 )
( 上原 ) そい つ
俺 の 彼女 だ から
( 中川 ) は ?
バーカ
上原 君 …
おいおい 彼 氏 いる の 隠して コンパ 参加 して た の か よ
そんな の ルール 違反 だ ろ
あー あ あり え ね ー
俺 ひそかに 菜緒 ちゃん 狙って た のに
( ざわめき )
( 夏目 ) こう なったら 残り 者 同士 盛り上がる ぞ
こっか ら は フリートークタイム !
( 一同 ) イエーイ !
帰る ぞ
うん
( 菜緒 ) ねえ 怒って る ?
( 上原 ) 何 が ?
( 菜緒 ) だって 何も しゃべ ん ないし
( 上原 ) 別に しゃべる こと ねえ し
( 菜緒 ) やっぱり 怒って んじゃ ん
何 ? その 格好
え ?
( 上原 ) 何 気合い 入れて んだ よ
( 菜緒 ) あっ …
いや これ は 違 く て …
( 上原 ) あの 横 の 男 に も
( 菜緒 ) え ? 何 ?
( 上原 ) 何でも ねえ よ
言って よ
お前 俺 の 彼女 だ ろ
あんな 浮かれた 場所 行って んじゃ ねえ よ
なれなれしく 名前 呼ば れて
ヘラヘラ 笑って
変な 男 に キス さ れ そうに なって
隙 あり すぎ ん だ よ
おい
聞いて ん の か よ
お前 は 俺 の …
何 だって ?
( 菜緒 ) フフッ ねえ ねえ もう 1 回 言って よ
( 上原 ) うる せ ー よ
( 菜緒 ) ごめん ね
じゃあ お やすみ 上原 君
おう
うん
( 鍵 を 開ける 音 )
入れよ
上原 君 だって
お前 が 先
じゃあ …
せ ー の
( 菜緒 ) 何 か 寂しい ね
別々の 部屋 って
( 上原 ) 今さら だ ろ
( 菜緒 ) そうだ けど さ
何 か 今日 は 特に 寂しい
って しょうがない よ ね
じゃあ ね 上原 君
吉川
( 菜緒 ) ん ?
今日 は …
俺 の 部屋 で …
( 夏目 ) あっ 上原
あっ …
ごめん 今日 泊めて
( 上原 ) は あ ? ( 菜緒 ) え ?
( 夏目 ) 俺 財布 落としちゃ って マジ ピンチ だった わけ
あー こういう こと 女の子 頼る わけに は いか な いっしょ
( 菜緒 ) あの ねえ ( 夏目 ) ごめん ね 菜緒 ちゃん