Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 03
( キョン ) 宇宙 人 ?
( 長門 ( な が と )) 私 の 仕事 は 涼 宮 ( すずみ や ) ハルヒ を 観察 して
入手 した 情報 を 統合 思 念 体 に 報告 する こと
( キョン ) えっ ? ( 長門 ) 生み出さ れて から 3 年間
私 は ずっと そう やって 過ごして きた
この 3 年間 は 特別な 不確定 要素 が なく 至って 平穏
でも 最近 に なって 無視 でき ない イレギュラー 因子 が
涼 宮 ハルヒ の 周囲 に 現れた
それ が … あなた
♪~
~♪
( 長門 ) 情報 統合 思 念 体 に とって
銀河 の 辺境 に 位置 する この 星 系 の 第 3 惑星 に
特別な 価値 など なかった
でも 現有 生命 体 が 地球 と 呼称 する この 惑星 で 進化 した 二 足 歩行 動物 に
知性 と 呼ぶ べき 思索 能力 が 芽生えた こと に より
その 重要 度 は 増大 した
もしかしたら 自分 たち が 陥って いる 自律 進化 の 閉塞 ( へいそく ) 状態 を
打開 する 可能 性 が ある かも しれ なかった から
宇宙 に 偏在 する 有機 生命 体 に
意識 が 生じる の は あり ふれた 現象 だった が
高次 の 知性 を 持つ まで に 進化 した 例 は
地球 人類 が 唯一 だった
統合 思 念 体 は 注意深く かつ 綿密に 観測 を 続けた
そして 3 年 前
惑星 表面 で 他 で は 類 を 見 ない 異常な 情報 フレア を 観測 した
弓 状 列島 の いち 地域 から 噴出 した 情報 爆発 は
瞬く間に 惑星 全土 を 覆い 惑星 外 空間 に 拡散 した
その 中心 に いた の が …
以後 3 年間 あらゆる 角度 から 涼 宮 ハルヒ と いう 個体 に 対し
調査 が なされた
しかし いまだ その 正体 は 不明
それ でも 統合 思 念 体 の 一部 は
彼女 こそ 人類 の ひいては 情報 生命 体 である 自分 たち に
自律 進化 の きっかけ を 与える 存在 と して
涼 宮 ハルヒ の 解析 を 行って いる
情報 生命 体 である 彼ら は
有機 生命 体 と 直接 的に コミュニケート でき ない
言語 を 持た ない から
人間 は 言葉 を 抜き に して 概念 を 伝達 する すべ を 持た ない
だから 私 の ような 人間 用 の インターフェース を 作った
情報 統合 思 念 体 は 私 を 通して 人間 と コンタクト できる
ああ …
涼 宮 ハルヒ は 自律 進化 の 可能 性 を 秘めて いる
恐らく 彼女 に は 自分 の 都合 の いい ように ―
周囲 の 環境 情報 を 操作 する 力 が ある
それ が 私 が ここ に いる 理由 あなた が ここ に いる 理由
( キョン ) 待って くれ ! 正直 言おう さっぱり 分から ない
信じて
そもそも なんで 俺 な んだ ?
いや 百 歩 譲って お前 の その …
情報 なんとか 体 うんぬん って いう の を 信用 した と して
なぜ 俺 に 正体 を 明かす んだ ?
あなた は 涼 宮 ハルヒ に 選ば れた
涼 宮 ハルヒ は 意識 的に しろ 無意識 的に しろ
自分 の 意思 を 絶対 的な 情報 と して 環境 に 影響 を 及ぼす
あなた が 選ば れた の に は 必ず 理由 が ある
( キョン ) ねえ よ ( 長門 ) ある
あなた と 涼 宮 ハルヒ が 全て の 可能 性 を 握って いる
マジ で 言って る の か ?
もちろん
( キョン ) 度 を 超えた 無口な ヤツ が
やっと しゃべる ように なった か と 思ったら
延々 電波 の こと を 言 いやがった
こんな トンデモ 少女 だった と は さすが に 想像 外 だ ぜ
あの な そんな 話 なら
直 で ハルヒ に 言った ほう が 喜ば れる と 思う ぞ
ハッキリ 言う が
俺 は その 手 の 話題 に は ついて いけ ない んだ 悪い が な
情報 統合 思 念 体 の 意識 の 大部分 は
涼 宮 ハルヒ が 自分 の 存在 価値 と 能力 を 自覚 して しまう と
予測 でき ない 危険 を 生む 可能 性 が ある と 認識 して いる
今 は まだ 様子 を 見る べき
俺 が 今 聞いた こと を ハルヒ に 伝える かも しれ ない じゃ ない か
( 長門 ) 彼女 は あなた が もたらした 情報 を 重視 したり し ない
( キョン ) 確かに ( 長門 ) 情報 統合 思 念 体 が
地球 に 置いて いる インターフェース は
私 一 つ で は ない
情報 統合 思 念 体 の 意識 の 一部 は
積極 的な 動き を 起こして 情報 の 変動 を 観測 しよう と して いる
あなた は 涼 宮 ハルヒ に とって の 鍵
危機 が 迫る と したら まず あなた
( キョン ) ああ … つきあい きれ ん
( キョン ) ヒューマノイド ・ インター … なんだ っけ ? 宇宙 人 ?
部屋 に 1 人 っきり で こんな もの ばっかり 読んで る から
妙な 妄想 癖 が つく んだ
きっと 教室 でも 誰 と も 話さ ず
自分 の 殻 に 閉じこもって いる に 違いない
ハルヒ も あいつ も 普通に 学園 生活 を 楽しめば いい のに
( ハルヒ ) 来た わ よ 待望 の 転校 生 !
すごい と 思わ ない ? 謎 の 転校 生 よ 間違い ない !
会って も い ない のに 謎 だ と 分かる の か ?
前 に も 言った でしょ
こんな 中途半端な 時期 に 転校 して くる 生徒 は
もう 高 確率 で 謎 の 転校 生 な の よ !
その 統計 は いつ 誰 が どう やって とった んだ ?
そんな 高 確率 で 謎 的 存在 が いる んだ と したら
今頃 日本 全国 に …
( ハルヒ ) 見 に 行って くる !
ああ ~ やっぱり 聞いて ねえ
( キョン ) 放課後 部室 に 行く と けなげに も 朝比奈 ( あさひ な ) さん が 1 日 で 復活 して いた
( キョン ) よく また 部室 に 来る 気 に なり ました ね
( み くる ) うん … ちょっと 悩んだ けど でも やっぱり 気 に なる から
( キョン ) 前 に も 似た ような こと を 聞いた 気 が する が …
( キョン ) 何 が 気 に なる んです ?
( み くる ) ああ … なんでもない
( み くる ) あっ ( キョン ) あ …
代わろう か ? 長門
長門 オセロ した こと ある ?
ああ …
うん ?
ヘイ お 待ち !
1 年 9 組 に 本日 やって 来た 即戦力 の 転校 生 その 名 も !
古泉 ( こい ずみ ) 一樹 ( いつき ) です よろしく
ここ SOS 団 あたし が 団長 の 涼 宮 ハルヒ
そこ の 3 人 は 団員 その 1 と 2 と 3
ちなみに あなた は 4 番 目
みんな 仲よく やり ま しょ !
入る の は 別に いい んです が 何 を する クラブ な んです か ?
教える わ SOS 団 の 活動 内容
それ は !
宇宙 人 や 未来 人 や 超 能力 者 を 探し出して 一緒に 遊ぶ こと よ !
( キョン ) 全 世界 が 停止 した か と 思わ れた
… て いう の は ウソ ぴょ んで
俺 は 入学 式 の ハルヒ の 第一声 を 思い出して いた んだ が な
ああ なる ほど
さすが は 涼 宮 さん です ね
( キョン ) 今 何 を 納得 した んだ ?
いい でしょう 入り ます 今後 と も どうぞ よろしく
( キョン ) おい あんな 説明 で いい の か ? 本当に 聞いて たか ?
古泉 です
転校 して きた ばかりで 至らぬ 点 も あり ましょう が
よろしく ご 教示 願い ます
( キョン ) ああ 俺 は … ( ハルヒ ) そい つ は キョン
あっ ち の かわいい の が み くる ちゃん で
そっち の 眼鏡 っ子 が 有希 ( ゆき )
あっ
うわ ~!
( キョン ) ああ … ( 古泉 ) 大丈夫です か ?
そう いう わけで 5 人 そろった こと だ し
これ で クラブ の 体裁 は 整った わ ね
あっ 大丈夫です
イエ ~ イ ! SOS 団 いよいよ ベール を 脱ぐ 時 が 来た わ よ
みんな 一丸 と なって 頑張って いき まっ しょ ~ い !
( キョン ) 何 が ベール だ
… てい うか 長門 勝手に メンバー に 入れ られ ち まっ てる けど
いい の か お前 ?
( キョン ) 早速 だ が 翌日 の 放課後 ついてこい
( み くる ) イヤ ~ ( ハルヒ ) さあ 早く 脱いで って ば
( み くる ) イヤ ~ ン ( ハルヒ ) アハハ !
( み くる ) あっ ( キョン ) ああ …
ああ …
( み くる ) キャ ~! ( キョン ) うわ ~ ごめん
( ハルヒ ) やっぱり 萌 ( も ) え と いったら メイド でしょう
学園 ストーリー に は 1 人 は いる もの よ
どんな 学園 ストーリー だ よ
さて 記念 に 写真 でも
えっ な っ … 撮ら ないで
( ハルヒ ) ちょ い アゴ 引いて エプロン 握りしめて
ほら もっと 笑って
キョン カメラマン 代わって
み くる ちゃん ちょっと 色っぽく して みよう か
( み くる ) うわ っ
( み くる ) えっ あっ 何 する … ( ハルヒ ) いい から いい から
( キョン ) 何 が いい もの か
… って 撮って る 俺 が 言う の も なんだ が
( ハルヒ ) 有希 眼鏡 貸して
とりゃ ~
( キョン ) はい 眼鏡 オン
しかし この 写真 何 に 使う んだ
( ハルヒ ) う ~ ん 完璧 !
ロリ で 美 乳 で メイド で しか も 眼鏡 っ子
( ハルヒ ) すばらしい わ ! ( み くる ) イヤ ~ ン
( ハルヒ ) み くるちゃ ん これ から 部室 に いる 時 は
この 服 着る ように し なさい
( み くる ) そんな …
うわ っ な んです か これ ?
( ハルヒ ) ああ ~ いい とこ に 来た わ ね
みんな で み くる ちゃん に イタズラ し ま しょ
みんな で み くる ちゃん に イタズラ し ま しょ
( キョン ) いいかげんに しろ
遠慮 して おき ましょう 後 が 怖 そうだ
お 気 に なさら ず どうぞ 続き を
( キョン ) … てい うか 止めろ よ !
もう いい だろう
これ 以上 は いろんな 法律 に 引っかかる
なんの 法律 よ ! あっ …
まあ いい わ 写真 も いっぱい 撮れた し
では これ より SOS 団 第 1 回 ミーティング を 開始 し ます
今 まで あたし たち は いろいろ やってき ました
ビラ も 配った し ホームページ も 作った
校 内 に おける SOS 団 の 知名度 は ウナギ の 滝 登り
第 1 段階 は 大 成功 だった と 言える でしょう
第 1 段階 は 大 成功 だった と 言える でしょう
( キョン ) 朝比奈 さん の 心 に 傷 を 負わせ と いて
第 1 段階 は 大 成功 だった と 言える でしょう
第 1 段階 は 大 成功 だった と 言える でしょう
何 が 大 成功 だ
しかしながら 我が 団 の メール アドレス に は
不思議な 出来事 を 訴える メール が 一 通 も 来 ず
また この 部屋 に 奇怪な 悩み を 相談 し に 来る 生徒 も いま せ ん
また この 部屋 に 奇怪な 悩み を 相談 し に 来る 生徒 も いま せ ん
( キョン ) 何 を する 部活 動 な の か
また この 部屋 に 奇怪な 悩み を 相談 し に 来る 生徒 も いま せ ん
また この 部屋 に 奇怪な 悩み を 相談 し に 来る 生徒 も いま せ ん
いまいち 分から ない ところ だ から な
いまいち 分から ない ところ だ から な
俺 たち で さえ 昨日 ようやく 分かった し
“ 果報 は 寝て 待て ” 昔 の 人 は 言い ました
でも もう そんな 時代 じゃ ない のです
地面 を 掘り起こして でも 果報 は 探し出す もの な のです
だから 探し に 行き ましょう !
( キョン ) 何 を ? ( ハルヒ ) この世 の 不思議 を よ !
( キョン ) と いう わけで 謎 の ような 現象 を 求めて 市 内 探索 ツアー を 敢行 する
次の 土曜日 北口 駅前 に 9 時 集合
来 なきゃ 死刑
死刑 って …
休日 の ムダ 使い は し たく ない んだ が な ~
遅い ! 罰金 !
( キョン ) ハルヒ の 提案 は こう だった
二手 に 分かれて 市 内 を 探索
不思議な 現象 を 発見 したら 携帯 で 連絡 を 取り合う 以上
この 組み合わせ ね
( キョン ) 今日 は 意外 と ラッキー かも しれ ない な
朝比奈 さん と デート できる なら
この 店 が 俺 の おごり に なった の も 安い 代償 って もんだ
( ハルヒ ) キョン 分かって る ?
デート じゃ ない の よ ! 真面目に やる の よ いい ?
( キョン ) 分かって る よ
マジ デート じゃ ない の よ 遊んで たら 殺す わ よ ! フンッ
( キョン ) と 言い残して ハルヒチーム は 駅 の 東側 の 探索 に 出発 した
俺 と 朝比奈 さん は 西側 を 探索 しろ と 言う のだ が
どう し ましょう …
( キョン ) ねえ ~
( み くる ) あたし こんなふうに 出歩く の 初めて な んです
“ こんなふうに ” と は ?
( み くる ) 男 の 人 と 2 人 で …
あっ
甚だしく 意外です ね
今 まで 誰 か と つきあった こと は ない んです か ?
( み くる ) ない んです
アハッ でも 朝比奈 さん なら
つきあって くれ と か しょっちゅう 言わ れる でしょう
うん … でも ダメな んです
あたし 誰 と も つきあう わけに は いか ない の
少なくとも この …
キョン 君 お 話し し たい こと が あり ます
( キョン ) なかなか 話 を 切り出せ ず に いた 朝比奈 さん は
やがて 言葉 を 区切る ように して こう 言った
( み くる ) 信じて もらえ ない かも しれ ない けど
あたし は この 時代 の 人間 で は あり ませ ん
もっと 未来 から 来 ました
いつ どの 時間 平面 から ここ に 来た の か は 言え ませ ん
過去 の 人 に 未来 の こと を 伝える の は …
過去 の 人 に 未来 の こと を 伝える の は …
( み くる ) 時間 と いう もの は ―
( み くる ) 時間 と いう もの は ―
連続 性 の ある 流れ の ような もの で なく
その 時間 ごと に 区切ら れた …
その 時間 ごと に 区切ら れた …
アニメーション を 想像 して みて
アニメーション を 想像 して みて
あれ って まるで 動いて いる ように 見える けど 本体 は …
あれ って まるで 動いて いる ように 見える けど 本体 は …
( み くる ) 時間 と 時間 と の 間 に は 断絶 が ある の
( み くる ) 時間 と 時間 と の 間 に は 断絶 が ある の
それ は 限りなく ゼロ に 近い 断絶 だ けど …
( み くる ) 時間 移動 は 積み重なった 時間 平面 を
3 次元 方向 に 移動 する こと
未来 から 来た あたし は この 時代 の 時間 平面 上 で は
パラパラ マンガ の 途中 に 描か れた 余計な 絵 みたいな もの
( キョン ) 今度 は なんだ ?
3 年 前 大きな 時間 振動 が 検出 さ れた の
あっ うん 今 の 時間 から 数えて 3 年 前 ね
調査 する ため に 過去 に 来た 我々 は 驚いた
どう やって も それ 以上 の 過去 に さかのぼる こと が でき なかった から
大きな 時間 の 断層 が
時間 平面 同士 の 間 に ある んだろう って の が 結論
原因 らしい もの も 分かった の が つい 最近
ん … これ は あたし の いた 未来 で の 最近 の こと だ けど
その 原因 って ?
涼 宮 さん
( キョン ) また それ か
時間 の ゆがみ の 真ん中 に 彼女 が いた の
それ 以上 は 禁 則 事項 な ので 説明 でき ない んだ けど
でも 過去 へ の 道 を 閉ざした の が 涼 宮 さん な の は 確か
( キョン ) ハルヒ に そんな こと が できる と は 思え ない んです が …
我々 に も 謎 な の
涼 宮 さん も 自分 が 時間 振動 の 源 だ なんて 自覚 して ない
あたし は 涼 宮 さん の 近く で
新しい 時間 の 変異 が 起き ない か どう か を
監視 する ため に 送ら れた …
えっ と 監視 係 みたいな もの
信じて もら ない でしょう ね こんな こと
いや … でも なんで 俺 に こんな こと 言う んです ?
あなた が 涼 宮 さん に 選ば れた 人 だ から
詳しく は 禁 則 に 係る から 言え ない
多分 だ けど … あなた は 涼 宮 さん に とって 重要な 人
彼女 の 一挙手一投足 に は 全て 理由 が ある
なら 長門 や 古泉 は ?
( み くる ) あの 人 たち は あたし と 極めて 近い 存在 です
まさか 涼 宮 さん が
これ だけ 的確に 私 たち を 集めて しまう と は 思わ なかった けど
朝比奈 さん は あいつ ら が 何者 か 知っている んです か ?
( み くる ) 禁 則 事項 です ( キョン ) あっ …
これ から ハルヒ は どう なる んです ?
禁 則 事項 です
未来 から 来た なら 分かり そうな もん です けど
禁 則 事項 です
てい うか … ハルヒ に 直接 言ったら どう な んです
禁 則 事項 です
ああ …
ごめんなさい 今 の あたし に は 言う 権限 が ない の
信じ なくて も いい
ただ 知って おいて ほしかった んです あなた に は
( キョン ) 似た ような セリフ を 先日 誰 か から 聞いた な
ごめん ね 急に こんな こと 言って
それ は 別に いい んです が …
( キョン ) 宇宙 人 の 次 は 未来 人 の 登場 です か
どう なって る んだ ?
この 時点 で 聞いた こと を “ は いはい ” と
信じ られる ヤツ が いたら ぜひ ご 連絡 を いただき たい
代わって やる から
( キョン ) 朝比奈 さん ( み くる ) はい
全部 保留 で いい です か ?
信じる と か 信じ ない と か は 全部 脇 に 置 い と いて 保留 って こと で
( み くる ) はい ! ( キョン ) ただ ―
一 個 だけ 聞いて いい です か ?
なん でしょう ?
あなた の 本当の 年 を 教えて ください
禁 則 事項 です
( キョン ) その後 突然 ハルヒ が 携帯 に 電話 を かけて きて
12 時 に 一旦 集合 と なった
( ハルヒ ) 収穫 は ? ( キョン ) 何も
本当に 探して た ?
フラフラ して た んじゃ ない でしょう ね み くるちゃ ん !
そっち こそ 何 か 見つけた の か よ
( キョン ) 昼食 を 食って る 最中 に ハルヒ は また 班 分け しよう と 言いだした
また 無印 です ね
ああ …
う う … う ~ ん
( ハルヒ ) 4 時 に 駅前 で 落ち合い ましょう
今度 こそ 何 か を 見つけて きて よ ね !
( キョン ) … と 言い残して 今度 は 北 と 南 に 分かれる こと に なった
俺 たち は 南 担当
この 前 の 話 だ が な …
何 ?
なんとなく 少し は 信じて も いい ような 気分 に なって きた よ
そう
( キョン ) 長門 と 暇つぶし する なら
ここ くらい しか ない だろう
( キョン ) やれやれ
( いびき )
( 携帯 電話 の 振動 音 ) ( キョン ) うわ っ !
( ハルヒ ) 今 何 時 だ と 思って ん の よ この バカ !
( キョン ) すま ん 今 起きた と こ なんだ
( ハルヒ ) は あ ? この アホンダラゲ !
4 時 集合 だった っけ ?
( ハルヒ ) とっとと 戻り なさい よ ! 30 秒 以内 !
( キョン ) そこ から が ひと 苦労 本 を 読んだ まま
床 に 根 を 生やした ように 動か ない 長門 の ため に
貸し出し カード を 作って その 本 を 借りて やり
その 間 かかり まくる ハルヒ から の 電話 を 全て 無視 した
遅刻 ! 罰金 !
( キョン ) 結局 成果 も へったくれ も なく
いたずらに 時間 と カネ を ムダ に した だけ で ―
この 日 の 野外 活動 は 終わった
ただ 別れ際 に 朝比奈 さん が …
今日 は 話 を 聞いて くれて ありがとう
( キョン ) … と 耳元 で ささやいて くれた の は 悪い 気 が し なかった が な
あんた 今日 一体 何 を して た の ?
そういう お前 は どう な んだ よ
何 か 面白い もん でも 発見 できた の か ?
まあ 1 日 や そこら で 発見 できる ほど
相手 も 無防備じゃ ないだ ろ
あさって 学校 で 反省 会 だ から ね
( キョン ) … と 言い残し 去って いった
は あ ~
( キョン ) 夢 だ ろ !
( キョン ) 週明け
そろそろ 梅雨 を 感じ させる 湿気 に 朝 から 汗ばんで いる と
珍しく 始業 の 鐘 ギリギリ に ハルヒ が 入って きた
あたし も あおいで よ
自分 で やれ
あの さ 涼 宮
お前 “ しあわせ の 青い 鳥 ” って 話 知って る か ?
それ が 何 ?
いや まあ なんでもない けど な
じゃあ 聞いて くん な
( キョン ) この 日 一 日 中
ハルヒ の ダウナー な 不機嫌 オーラ を 背後 から 浴び 続けた 俺 は
山 火事 を いち早く 察知 した 野 ネズミ の ように 部室 棟 へ 避難 した
話 を して おき たい 相手 も いたし な
古泉 お前 も 俺 に 涼 宮 の こと で 話 が ある んじゃ ない の か ?
( 古泉 ) “ お前 も ” と 言う からに は
すでに お 二 方 から アプローチ を 受けて いる ようです ね
( キョン ) ああ ( 古泉 ) どこ まで ご存じ です か ?
( キョン ) 涼 宮 が ただ 者 で は ない って とこ くらい か
( 古泉 ) それ なら 話 は 簡単です その とおり な ので ね
まず お前 の 正体 から 聞こう か
お 察し の とおり 超 能力 者 です
そう 呼んだ ほう が いい でしょう
本当 は こんな 急に 転校 して くる つもり は なかった んです が
状況 が 変わり まして ね
よもや あの 2 人 が こう も 簡単に
涼 宮 ハルヒ と 結託 する と は 予定 外 でした
詳しい こと は また いずれ お 話し する 機会 も ある でしょう
百聞 は 一見 に しか ず
ぜひ お 見せ し たい もの も あり ます し
今 は かいつまんで ご 説明 し ましょう
僕 が 所属 する 機関 に は 他 に も 超 能力 者 が い ます
実は この 学校 に も 何 人 も の エージェント が 潜入 済み です
そして 我々 は 3 年 前 の 発足 から 涼 宮 さん を 監視 して いる
事 の 発端 は その 3 年 前 その 時 何 か が あった
僕 の 身 に 超 能力 と しか 思え ない 力 が 芽生えた の も その 時 です
3 年 前 と ハルヒ が どう 関係 ある んだ ?
( 古泉 ) 実は この 世界 は
ある 存在 が 見て いる 夢 の ような もの な ので は ない か
… と いう の が 機関 の お 偉 方 の 考え です
そして それ は なにぶん 夢 です から
その 存在 に とって 我々 が 現実 と 呼ぶ この 世界 を
創造 し 改変 する こと は 児 戯 に 等しい
そんな こと の できる 存在 を 我々 は 知ってい ます
それ が ハルヒ か ?
人間 は そのような 存在 の こと を “ 神 ” と 定義 して い ます
( キョン ) とうとう 神様 に まで さ れ ち まった ぞ ハルヒ
考えて も みて ください 我々 の ような 超 能力 者 や
朝比奈 み くる 長門 有希 の ような 存在 が
都合 よく 一堂 に 会する か の よう に 登場 する でしょう か ?
涼 宮 さん が そう 願った から です よ
恐らく 3 年 前 に
3 年 前 に ハルヒ が 世界 を 作り替えた って いう の か ?
作り替えた と いう より も 3 年 前 に 世界 は 始まった
… と でも 言う べきでしょう か まあ あくまで 我々 の 仮説 です が
まあ いい
で … お前 ら は ハルヒ を どう する つもりだ ?
( 古泉 ) この 世界 が 神 の 不 興 を 買って あっさり 破壊 さ れ
作り 直さ れる の を 防ごう と いう わけです
僕 は この 世界 に それなり の 愛着 を 抱いて いる ので ね
( キョン ) ハルヒ に 直接 頼んで みたら どう だ ?
そう 主張 する 者 も 確かに 機関 に は 存在 し ます
それ 以上 の 刺激 を 与えよう と する 強硬 派 も ね
ですが 大勢 は 軽々しく 手 を 出す べきで は ない と いう ―
意見 で 占め られて い ます
彼女 は まだ 自分 の 本来 の 能力 に 気付いて い ない
ならば そのまま 気付か ぬ よう
生涯 を 平穏に 送って もらう の が ベターだ と 考えて いる わけです
“ 触ら ぬ 神 に 祟 ( たた ) り なし ” か …
その とおり です
( キョン ) 夢 を 見 続けて いる の は お前 ら の ほう じゃ ない の か ?
ええ その 可能 性 も なく は ない
しかし 我々 は 今 最も 危惧 す べき 可能 性 を 前提 に
行動 して いる だけ です
なら 試しに … 超 能力 者 と か 言った な
何 か 力 を 使って 見せて くれよ
そう したら お前 の 言う こと を 信じて やる
例えば この コーヒー を 元 の 熱 さ に 戻す と か
そういう 分かり やすい 能力 と は ちょっと 違う んです
それ に ふだん の 僕 に は なんの 力 も あり ませ ん
いく つ か の 条件 が 重なって 初めて 力 が 使える んです
最初 申し上げた とおり
いずれ お 見せ する 機会 も ある でしょう
長々 と 話したり して すみません
今日 は これ で 失礼 さ せて いただき ます
( キョン ) は あ ~ ( 古泉 ) そう そう
一 番 の 謎 は あなた です
失礼 ながら あなた に ついて
いろいろ 調べ させて もらい ました が 保証 し ます
あなた は 普通の 人間 です
( み くる ) へ っ ? ( キョン ) はっ
ああ
ひえ ~ 失礼 し ました !
( キョン ) アハッ ( み くる ) エヘヘッ
( キョン ) そんな 愚直に ハルヒ の 命令 を 守ら なくて も …
( キョン ) 結局 その 日 ハルヒ は 部室 に 姿 を 現さ なかった
♪~
~♪