Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 15 suzumiya|haruhi||yuuutsu

（ キョン ） 何 か が おかしい なんとなく そんな 気 が した |なん||||||き|| (Kyon) Something is wrong I felt like that.

俺 と は 縁 も ゆかり も ない 県 同士 の 試合 を おれ|||えん|||||けん|どうし||しあい|

なんとなく 眺めて いる と |ながめて||

なんとなく だ が ハルヒ が 騒ぎ だし そうな |||||さわぎ||そう な

そんな 予感 が した |よかん||

（ キョン ） あ …

（ テレビ : アナウンサー ） 三 塁 側 の 応援 の 声 も まだ 熱気 を 失って い ませ ん てれび|あなうんさー|みっ|るい|がわ||おうえん||こえ|||ねっき||うしなって|||

（ 携帯 電話 の 着信 音 ） （ キョン ） ん っ けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと|||

（ キョン の 妹 ） キョン 君 電話 ||いもうと||きみ|でんわ

言わ れ ん で も 分かって る いわ|||||わかって|

（ ハルヒ ） あっ キョン ？ あんた 今日 暇でしょ ||||きょう|ひまでしょ

ん …

（ ハルヒ ） ２ 時 ジャスト に 駅前 集合 だ から ちゃんと 来 なさい よ |じ|||えきまえ|しゅうごう||||らい||

（ 通話 が 切れた 音 ） つうわ||きれた|おと

（ キョン ） 俺 は まだ ひと言 も しゃ べっと ら ん のだ が |おれ|||ひとこと|||||||

（ 携帯 電話 の 着信 音 ） （ キョン ） あっ けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと||

なんだ ？

（ ハルヒ ） 持参 物 を 言い 忘れて たわ |じさん|ぶつ||いい|わすれて|

水着 一式 と 十分な お 金 ね あと 必ず … みずぎ|いっしき||じゅうぶんな||きむ|||かならず

自転車 に 乗って くんだ ろ じてんしゃ||のって||

（ ハルヒ ） ん ？　 そう よ 分かって る じゃ ない 遅れたら おごり だ から ||||わかって||||おくれたら|||

（ 通話 が 切れた 音 ） （ キョン ） ん ？ つうわ||きれた|おと||

俺 今 なんで 自転車 の こと を … おれ|いま||じてんしゃ|||

（ 打 球音 ） （ キョン ） あっ だ|きゅうおん||

（ アナウンサー ） 打った ！　 大きい ！　 大きい ！ あなうんさー|うった|おおきい|おおきい

（ 妹 ） あっ これ 入る んじゃ ない か な いもうと|||はいる||||

（ アナウンサー ） 入り ました あなうんさー|はいり|

（ 妹 ） ほら ね いもうと||

（ キョン ） 水着 どこ しまった んだ っけ ？ |みずぎ||||

夏 も もう 終わり だ なつ|||おわり|

♪～

～♪

（ ハルヒ ） 遅い わ よ キョン |おそい|||

（ キョン ） へい へい

遅れて すいません ね おくれて||

（ み くる ） あたし も 来た とこ です から ||||きた|||

（ ハルヒ ） まったく もっと やる 気 を 見せ なさい よ ||||き||みせ||

じゃあ 全員 そろった し 出発 し ま しょ |ぜんいん|||しゅっぱつ|||

行く って どこ に ？ いく|||

市民 プール に 決まって る じゃ ない しみん|ぷーる||きまって|||

（ キョン ） なるほど この 用意 なら そう だろう な |||ようい||||

あっ

失った 時間 は 決して 取り戻す こと が でき ない の よ うしなった|じかん||けっして|とりもどす||||||

だから やる の この たった 一 度 きり の 高 １ の 夏 に ！ |||||ひと|たび|||たか||なつ|

ああ …

（ ハルヒ ） こら キョン 聞いて ん の ？ |||きいて||

お っ … おう

ちなみに プール まで は 自転車 で 行く わ よ |ぷーる|||じてんしゃ||いく||

ああ お前 ら は どこ 止めて る んだ ？ |おまえ||||とどめて||

（ 古泉 ( こい ずみ )） いえ 自転車 は あなた と 僕 の ２ 台 だけ です こいずみ||||じてんしゃ||||ぼく||だい||

へ っ ？

（ キョン ） それ は つまり …

こういう こと かい ！

ほら キョン 古泉 君 に 負けちゃ ダメ よ ||こいずみ|きみ||まけちゃ|だめ|

では 出発 進行 ！ |しゅっぱつ|しんこう

（ キョン ） 鬼 ！　 羅 刹 ( ら せつ )！ |おに|ら|さつ||

（ キョン ） ハァ …

こら キョン ！

これ から 遊ぼう って のに 何 へばって ん の ？ ||あそぼう|||なん|||

（ キョン ） 誰 の せい だ 誰 の ！ |だれ||||だれ|

（ ハルヒ ） うん この 人ごみ この 消毒 液 の におい |||ひとごみ||しょうどく|えき||

いかにも って 気 が する わ ||き|||

ほら さっさと 荷物 置く 場所 確保 して 泳ぎ に 行き ま しょ ||にもつ|おく|ばしょ|かくほ||およぎ||いき||

（ キョン ） おう

（ ハルヒ ） キャハ ！ （ キョン ）… って あっ こら

（ 飛び込む 音 ） とびこむ|おと

飛び込み 禁止 の 文字 が 読め ん の か あいつ は とびこみ|きんし||もじ||よめ|||||

プハッ ！

水 が ぬるくて 気持ち いい わ よ すい|||きもち|||

み くるちゃ ん 　 有希 ( ゆき )！ |||ゆうき|

（ キョン ） は あ … 先 に 行って ください |||さき||おこなって|

ほっとく と うるさい です から あいつ

あっ じゃあ …

涼 宮 ( すずみ や ) さ ～ ん 待って くださ ～ い りょう|みや|||||まって||

（ ハルヒ ） ん もう 遅い ！ |||おそい

（ み くる ） あっ ちょ っ 引っ張ったら 危ない で … わ あ ～ |||||ひっぱったら|あぶない|||

ハハッ 何やら 平和 を 感じ ます ね |なにやら|へいわ||かんじ||

あ ？

いえ 涼 宮 さん です よ |りょう|みや|||

結構 常識 的な 楽しみ 方 を 身 に つけて きた と 思い ませ ん か ？ けっこう|じょうしき|てきな|たのしみ|かた||み|||||おもい|||

いきなり 電話 かけて きて |でんわ||

一方的に 用件 だけ 言って 切 っち まう ような 誘い 方 が いっぽうてきに|ようけん||いって|せつ||||さそい|かた|

常識 的な の か ？ じょうしき|てきな||

（ 古泉 ） その くらい 僕 から 言わ せて もらえば なんでも あり ませ ん よ こいずみ|||ぼく||いわ|||||||

ああ やって 楽しげに 笑って いる 涼 宮 さん は ||たのしげに|わらって||りょう|みや||

この世 を 揺るがす ような こと は し ない でしょう から このよ||ゆるがす|||||||

（ キョン ） だ と いい のだ が …

（ 古泉 ） ん ？ （ キョン ） あっ どうした ？ こいずみ||||

いえ

多分 僕 の 気のせい です よ たぶん|ぼく||きのせい||

春先 から いろいろ あった せい で ― はるさき|||||

ちょっと 神経質に なって いる んでしょう |しんけいしつに|||

（ キョン ） 変な の 　 あっ いつも か |へんな||||

（ 子供 たち ） アハハハ こども||

（ ハルヒ ） こら ！ （ キョン ） やれやれ

市民 プール と いう より は 庶民 プール だ な しみん|ぷーる|||||しょみん|ぷーる||

ん ？　 あいつ あんな とこ に いた の か

なんだ ？　１ 人 で 何 を やって … |じん||なん||

何 ？ なん

なんだ この 感覚 ||かんかく

俺 は 前 に も こんな 光景 を … こんな 長門 ( な が と ) を 見た ような … おれ||ぜん||||こうけい|||ながと|||||みた|

（ ハルヒ ） キョン ！

お っ

（ キョン ） ハルヒ

ああ それ で 確か ハルヒ は こんな こと を 言いだす んだ |||たしか||||||いいだす|

“ この ２ 人 が あたし の 団員 よ ” |じん||||だんいん|

“ なんでも 言う こと 聞く から なんでも …” |いう||きく||

言っちゃ い なさい ！ いっちゃ||

あ …

（ ハルヒ ） 水中 サッカー を やる の よ 全員 参加 だ から ね |すいちゅう|さっかー|||||ぜんいん|さんか|||

有希 ！ ゆうき

（ キョン ） 予知 能力 で も 備わった の か 俺 は |よち|のうりょく|||そなわった|||おれ|

（ ハルヒ ） はい キョン 　 ボール ！ |||ぼーる

（ キョン ） で も ない らしい

まっ たまたま だ ろ よく ある こと だ デジャヴ なんて

活動 内容 を 考えた わ よ かつどう|ないよう||かんがえた||

（ キョン ） なんだ それ は ？

残り 少ない 夏 休み を どう やって 過ごす か の 予定 表 よ のこり|すくない|なつ|やすみ||||すごす|||よてい|ひょう|

（ キョン ） これ を ２ 週間 足らず で ？ |||しゅうかん|たら ず|

（ ハルヒ ） み くるちゃ ん やり たいこ と ある ？

（ み くる ） え ～ っと 金魚すくい と か … ||||きんぎょすくい||

（ ハルヒ ） オーケー 　 金魚すくい っと |おーけー|きんぎょすくい|

すいません ちょっと 失礼 ||しつれい

ん …

（ 古泉 ） ん ？ （ キョン ） あっ こいずみ|||

フフ

どうも

（ ハルヒ ） じゃあ あした から 決行 よ ||||けっこう|

この 近く で 盆踊り やって る とこ ある ？ |ちかく||ぼんおどり||||

花火 大会 で も いい けど はなび|たいかい||||

（ 古泉 ） 僕 が 調べて おき ましょう 追って 連絡 し ます こいずみ|ぼく||しらべて|||おって|れんらく||

（ ハルヒ ） 金魚すくい も 忘れ ないで ね |きんぎょすくい||わすれ||

み くる ちゃん たって の 希望 なんだ から |||||きぼう||

（ キョン ） また 払い は 俺 か よ ||はらい||おれ||

（ ハルヒ ） 遅れたら おごり って 言った でしょ |おくれたら|||いった|

じゃあ 今日 は これ で 解散 じゃ あね ！ |きょう||||かいさん||

では 僕 も |ぼく|

（ み くる ） じゃあ また （ キョン ） はい

（ 自転車 の 鍵 を 開ける 音 ） じてんしゃ||かぎ||あける|おと

ああ …

長門 ！ ながと

あっ いや なんでもない んだ けど な

最近 どう だ 　 元気に して る か ？ さいきん|||げんきに|||

（ 長門 ） 元気 ながと|げんき

（ キョン ） そ っか … そりゃ よかった

（ 長門 ） そう ながと|

あっ ああ …

ああ いや それ だけ なんだ が

悪かった な 引き止めて わるかった||ひきとめて

（ キョン ） なんだ ？

俺 なんで 声 なんて かけた んだ ？ おれ||こえ|||

（ キョン ） 翌朝 また ハルヒ から 電話 が あった |よくあさ||||でんわ||

“ 盆踊り の 会場 が 見つかった 今夜 市民 運動 場 ” だ そうだ ぼんおどり||かいじょう||みつかった|こんや|しみん|うんどう|じょう||そう だ

（ ハルヒ ） お 待た せ ！ ||また|

（ キョン ） 遅 え … って おお ！ |おそ|||

（ 古泉 ） 皆さん よく お 似合い です よ こいずみ|みなさん|||にあい||

当然 よ あたし が 選んだ んだ から とうぜん||||えらんだ||

特に み くる ちゃん さすが あたし の 見立て ね ！ とくに|||||||みたて|

（ キョン ） 朝比奈 ( あさひ な ) さん … いい ！　 いい ！ |あさひな|||||

（ 和 太鼓 の 音 ） わ|たいこ||おと

わ あ ～！

え ～ っと 肝心の もの は どこ に ある の かしら ？ ||かんじんの|||||||

（ キョン ） なんだ ？ 最近 来た ような 気 が する な ||さいきん|きた||き|||

あの やぐら あの 出店 何 か 見覚え が … |||しゅってん|なん||みおぼえ|

（ ハルヒ ） あっ み くるちゃ ん ！ （ キョン ） あっ

（ ハルヒ ） ほら あなた が やり た がって た 金魚すくい よ ！ ||||||||きんぎょすくい|

じゃ んじゃ ん すく いま しょ

ああ あ ！　 す … 涼 宮 さん 待って くださ ～ い |||りょう|みや||まって||

我々 も やり ます か ？ われわれ||||

いや いい わ

それ より 長門 ||ながと

食い もん と か どう だ ？ くい|||||

あ ？

ん ？

そんな もん に 興味 ある の か |||きょうみ|||

へえ どれ だ ？

（ 長門 ） いい （ キョン ） えっ ？ ながと|||

これ

（ おじさん ） は いよ ！　800 円 ね |||えん|

（ キョン ） なんとなく 世話に なって る 気 が する から ||せわに|||き|||

それ くらい 買って やって も よかった んだ が ||かって|||||

（ ハルヒ ） 13 匹 ！ でも まあ そんなに いら ない し |ひき||||||

み くる ちゃんと あたし で １ 匹 ずつ もらって きた わけ |||||ひき||||

ほら １ 個 だけ なら 食べて いい わ よ |こ|||たべて|||

あり が と よ

あれ 有希 その お 面 どうした の ？ |ゆうき|||おもて||

買った かった

ふ ～ ん そう

さて 次 は 花火 よ まとめて 今日 やっちゃ い ましょう ！ |つぎ||はなび|||きょう|||

（ キョン ） とにかく 夏 で 夏 休み だった ||なつ||なつ|やすみ|

だから できれば 忘れ たい のだ が １ つ 引っかかって いる こと が あった ||わすれ|||||ひっかかって||||

（ ハルヒ ） あした は 昆虫 採集 ね |||こんちゅう|さいしゅう|

（ キョン ） ハルヒ よ （ ハルヒ ） ん ？

（ キョン ） 遊ぶ の は いい んだ が 宿題 終わって る の か ？ |あそぶ||||||しゅくだい|おわって|||

宿題 ？　 あんな もの ３ 日 も あれば できる じゃ ない しゅくだい|||ひ|||||

な っ ！

あんな 面倒な もの 先 にちゃ っちゃ と 片付けて ― |めんどうな||さき||||かたづけて

遊び 倒す の あそび|たおす|

それ が 夏 休み の 正しい 過ごし 方 よ ||なつ|やすみ||ただしい|すごし|かた|

（ キョン ） くっ … 天 は なんと 不公平な の か ||てん|||ふこうへいな||

みんな あした は 昆虫 採集 よ |||こんちゅう|さいしゅう|

それ も セミ 限定 ！ ＳＯＳ 団 内 セミ 捕り 合戦 よ ||せみ|げんてい|ｓｏｓ|だん|うち|せみ|とり|かっせん|

（ キョン ） そして 翌日 は これ でも か と いう くらい の 日本 晴れ ||よくじつ|||||||||にっぽん|はれ

ＳＯＳ 団 内 セミ 捕り 合戦 は そんな 中 で 行わ れた ｓｏｓ|だん|うち|せみ|とり|かっせん|||なか||おこなわ|

各人 と も それなり に 健闘 した ようだ が かくじん|||||けんとう|||

やはり と いう か なんという か 優勝 者 は ハルヒ と なった ||||||ゆうしょう|もの||||

（ ハルヒ ） やっぱり キャッチ ＆ リリース の 精神 は 必要 よ ね ||きゃっち|||せいしん||ひつよう||

逃がして あげたら 将来 恩返し に 来て くれる かも しれ ない し にがして||しょうらい|おんがえし||きて|||||

（ キョン ） 余命 少ない セミ に 何 を 求める つもりだ |よめい|すくない|せみ||なん||もとめる|

なんか 箱 を 開けた パンドラ って 気分 だ な |はこ||あけた|ぱんどら||きぶん||

（ キョン ） その 翌日 俺 たち は なんだか 分から ない まま に ||よくじつ|おれ||||わから|||

カエル の 着 ぐるみ を 着て スーパー の 店先 で かえる||ちゃく|||きて|すーぱー||みせさき|

風船 を 配る アルバイト を して いた のだった ふうせん||くばる|あるばいと||||

（ キョン ） ふう

（ み くる ） ふえ ～ ん

パージ した ヴァーチェ の 気持ち が よく 分かる ぜ ||||きもち|||わかる|

（ ドア が 開く 音 ） どあ||あく|おと

（ ハルヒ ） みんな お 疲れ ！ |||つかれ

（ キョン ） なんだ この 待遇 の 差 は |||たいぐう||さ|

ご 苦労 さん 店長 の おっちゃん も 感謝 して たわ よ |くろう||てんちょう||||かんしゃ|||

（ キョン ） おっちゃん の 感謝 など いら ん バイト 代 は ？ |||かんしゃ||||ばいと|だい|

（ ハルヒ ） これ よ （ キョン ） は っ ？

（ ハルヒ ） あたし 前 から これ が 欲しかった の よ ね ||ぜん||||ほしかった|||

おっちゃん も み くる ちゃん に 免じて ||||||めんじて

くれる って 言って くれた の ||いって||

あ … ふえ ～

（ キョン ） 俺 たち は そんな こと の ため に 額 に 汗して 働いた の か |おれ||||||||がく||あせして|はたらいた||

（ ハルヒ ） 部室 に 記念 に 飾 っと きま しょ |ぶしつ||きねん||かざ|||

み くる ちゃん いつでも 好きな 時 に これ 着て いい わ よ ||||すきな|じ|||きて|||

あたし が 許す わ ！ ||ゆるす|

（ み くる ） あっ えっ と その … ありがとう ございます ～

（ キョン ） その 夜 俺 から 安眠 を 奪った の は またしても 一 本 の 電話 だった ||よ|おれ||あんみん||うばった||||ひと|ほん||でんわ|

ああ う っせ え …

ああ ん っ …

ん ん …

（ 携帯 電話 の 着信 音 ） （ キョン ） ん ん う っせ え … クソ けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと|||||||くそ

ああ はい

（ み くる ） う う う …

はっ ！

（ み くる ） キョン く ～ ん …

朝比奈 さん ？ あさひな|

（ み くる ） はい あたし です ～ ひ っく …

とても よく ない こと が … う っ う っ …

このまま じゃ あたし … う っ うえ え …

あっ あの …

（ 古泉 ） どうも 古泉 です こいずみ||こいずみ|

なんで お前 が 朝比奈 さん と 一緒な んだ よ |おまえ||あさひな|||いっしょな||

（ 古泉 ） ちょっとした 事情 が あり まして ね 今 から 来て いただけ ます か ？ こいずみ|ちょっと した|じじょう|||||いま||きて|||

（ キョン ） すぐ 行く すぐ 行く ||いく||いく

（ 自転車 を 置く 音 ） 朝比奈 さん ！ じてんしゃ||おく|おと|あさひな|

一体 どうした ん です か ？ いったい||||

（ み くる ） う う …

キョン 君 あたし … 未来 に … |きみ||みらい|

（ キョン ） み … 未来 ？ ||みらい

帰れ なく なり ました ～ かえれ|||

（ 古泉 ） つまり こういう こと です こいずみ||||

我々 は 同じ 時間 を 延々と ループ して いる のです よ われわれ||おなじ|じかん||えんえんと|||||

（ キョン ） そんな 非 現実 的な こと を 明るく 言わ れて も な ||ひ|げんじつ|てきな|||あかるく|いわ|||

お前 自分 が 何 言って る の か 分かって る の か ？ おまえ|じぶん||なん|いって||||わかって|||

（ 古泉 ） 分かって い ます これ 以上 ない くらい に ね こいずみ|わかって||||いじょう||||

さっき 朝比奈 さん と も 話し合った のです が |あさひな||||はなしあった||

（ キョン ） 呼べよ 俺 も その 話し合い に |よべよ|おれ|||はなしあい|

（ 古泉 ） その 結果 ここ 最近 の 時間 の 流れ が こいずみ||けっか||さいきん||じかん||ながれ|

おかしく なって いる こと に 気付き ました |||||きづき|

これ は 朝比奈 さん の 功績 と 言って も いい でしょう ||あさひな|||こうせき||いって|||

おかげ で 僕 に も 確信 が 持て ました ||ぼく|||かくしん||もて|

なんの 確信 だ よ |かくしん||

（ 古泉 ） 我々 は 同じ 時間 を こいずみ|われわれ||おなじ|じかん|

もう 何度 も 繰り返して いる と いう こと の ようです |なんど||くりかえして||||||

それ は さっき 聞いた |||きいた

（ 古泉 ） 正確に は ８ 月 17 日 から 31 日 の 間 です ね こいずみ|せいかくに||つき|ひ||ひ||あいだ||

僕たち は 終わり なき 夏 休み の 真っただ中 に いる わけです よ ぼくたち||おわり||なつ|やすみ||まっただなか||||

（ キョン ） 確かに 今 は 夏 休み だ が |たしかに|いま||なつ|やすみ||

（ 古泉 ） 決して 終わら ない エンドレスサマー です こいずみ|けっして|おわら|||

今 この 世界 は ― いま||せかい|

９ 月 １ 日 以降 の 時間 が なくなって しまって いる んです よ つき|ひ|いこう||じかん|||||ん です|

朝比奈 さん が 未来 に 帰れ なく なった の は その ため です あさひな|||みらい||かえれ|||||||

当然 と 言える でしょう とうぜん||いえる|

物理 的 ノーフューチャー の どこ が 当然だ ぶつり|てき|||||とうぜんだ

誰 が それ を 信じる んだ だれ||||しんじる|

（ み くる ） ひ っく … う う …

（ 古泉 ） 少なくとも あなた に は 信じて もらい たい ところ です こいずみ|すくなくとも||||しんじて||||

じゃあ 俺 たち は あの 閉鎖 空間 みたいな もの に |おれ||||へいさ|くうかん|||

閉じ込め られて いる の か ？ とじこめ||||

（ 古泉 ） いえ そうで は あり ませ ん こいずみ||そう で||||

一部 の 時間 のみ が 切り取ら れて いる のです よ いちぶ||じかん|||きりとら||||

８ 月 31 日 の 24 時 ジャスト に なった 瞬間 つき|ひ||じ||||しゅんかん

全て が リセット さ れて すべて||りせっと||

17 日 に 戻って くる と いう プロセス です ひ||もどって||||ぷろせす|

また 時間 が どう と か いう 話 か |じかん||||||はなし|

まあ 未来 人 が 交じって んだ から しかたない の かも しれん が |みらい|じん||まじって|||||||

（ 古泉 ） いえ （ キョン ） あっ こいずみ|||

（ 古泉 ） この 件 に 朝比奈 さん は 無関係です こいずみ||けん||あさひな|||むかんけいです

じゃあ 原因 は … |げんいん|

（ 古泉 ） 涼 宮 さん でしょう こいずみ|りょう|みや||

は あ …

（ 古泉 ） 本人 は 無自覚でしょう が こいずみ|ほんにん||むじかくでしょう|

夏 休み を 終わら せ たく ない と いう 思い が なつ|やすみ||おわら||||||おもい|

どこ か に ある のでしょう ね

（ キョン ） なんだ そりゃ ？ 悔い で も 残って る の か |||くい|||のこって|||

（ 古泉 ） そうだ と 思い ます こいずみ|そう だ||おもい|

恐らく ― おそらく

夏 休み に やり 残した こと が ある と 感じて いる ので は ない でしょう か なつ|やすみ|||のこした|||||かんじて||||||

（ キョン ） う う …

で 俺 に どう しろ と ？ |おれ||||

それ が 分かれば 解決 した も 同然です ね ||わかれば|かいけつ|||どうぜん です|

は あ … なんか 楽し そうだ な |||たのし|そう だ|

ここ 最近 頻繁に あった 既視 感 の 謎 が |さいきん|ひんぱんに||がいし|かん||なぞ|

ようやく 解けた もの です から |とけた|||

（ キョン ） なあ ひょっとして あれ は 世界中 の 人 が 感じて いる の か ？ |||||せかいじゅう||じん||かんじて|||

（ 古泉 ） それ は ない ようです こいずみ||||

僕 や あなた は 特殊な 事例 な んです よ ぼく||||とくしゅな|じれい||ん です|

涼 宮 さん に 近しい 人間 ほど りょう|みや|||ちかしい|にんげん|

この 異常 を 感じ取れる こと に なって いる ようです |いじょう||かんじとれる|||||

ハルヒ は どう な んだ ？ ちょっと でも 自覚 ある の か |||||||じかく|||

（ 古泉 ） まったく して い ない ようです ね こいずみ||||||

して もらって は 困る と いう の も あり ます が |||こまる|||||||

ただ 既視 感 どころ か |がいし|かん||

繰り返さ れる 時間 全て の 記憶 を 持った 者 が くりかえさ||じかん|すべて||きおく||もった|もの|

確実に １ 人 いる ので は ない か と 僕 は 考えて い ます かくじつに|じん|||||||ぼく||かんがえて||

そりゃ ぞっと せ ん 話 だ な ||||はなし||

誰 だ よ そりゃ ？ だれ|||

言わ ず と も 分かる でしょ いわ||||わかる|

時空 を 超越 して いる 情報 思 念 体 なら あるいは … じくう||ちょうえつ|||じょうほう|おも|ねん|からだ||

（ キョン ） 長門 そう な の か ？ |ながと||||

（ 長門 ） そう ながと|

（ キョン ） 全部 覚えて る の か ？ |ぜんぶ|おぼえて|||

（ 長門 ） そう ながと|

（ キョン ） ちなみに その 繰り返し と やら は 今 何 回 目 だ ？ |||くりかえし||||いま|なん|かい|め|

（ 長門 ） 今回 が １万5,513 回 目 に 該当 する ながと|こんかい||よろず|かい|め||がいとう|

あっ …

（ キョン ） １万5,513？ |よろず

１万5,513 って なんだ ？ よろず||

長門 お前 は 何 を 言って る んだ ながと|おまえ||なん||いって||

（ キョン ） それ は マジ な 話 な の か |||||はなし|||

（ 長門 ） そう ながと|

（ キョン ） それ だけ の 回数 ― ||||かいすう

俺 たち は まったく 同じ こと を 繰り返して きた って の か おれ||||おなじ|||くりかえして||||

（ 長門 ） 必ずしも そう で は ない ながと|かならずしも||||

（ キョン ） えっ ？　 と いう と ？

（ 長門 ） １万5,513 回 中 盆踊り に 行か なかった パターン が ながと|よろず|かい|なか|ぼんおどり||いか||ぱたーん|

2,391 回 目 と １万1,054 回 目 の ２ 回 ある かい|め||よろず|かい|め||かい|

また 盆踊り に 行った が 金魚すくい を し なかった パターン が |ぼんおどり||おこなった||きんぎょすくい||||ぱたーん|

437 回 ある かい|

アルバイト を 行った の は 9,031 回 である が あるばいと||おこなった|||かい||

その 内容 は ６ つ に 分岐 する |ないよう||||ぶんき|

風船 配り 以外 で は 荷物 運び レジ 打ち ビラ 配り ふうせん|くばり|いがい|||にもつ|はこび|れじ|うち|びら|くばり

（ 長門 ） 電話 番 … （ キョン ） いや もう いい ながと|でんわ|ばん||||

（ キョン ） １万5,513 回 目 |よろず|かい|め

長門 は そう 言った ながと|||いった

かける ２ 週間 で … え ～ っと 約 594 年 分 だ |しゅうかん||||やく|とし|ぶん|

それ だけ の 時間 を ただ 一 人 しっかり 記憶 を 持った まま |||じかん|||ひと|じん||きおく||もった|

何度 も 何度 も やり 直して きた って の か なんど||なんど|||なおして||||

長門 お前 は 一体 今 まで どんな 気持ち だった んだ ？ ながと|おまえ||いったい|いま|||きもち||

フフ

（ ハルヒ ） い ない の かしら ？ （ キョン ） あ ？

（ ハルヒ ） 火星 人 |かせい|じん

（ キョン ） あんまり いて ほしく ない な

（ ハルヒ ） 多分 地下 で 暮らす ような 遠慮がちな 人種 な の ね |たぶん|ちか||くらす||えんりょがちな|じんしゅ|||

きっと 友好 的な 連中 よ |ゆうこう|てきな|れんちゅう|

（ キョン ） そう と は 限ら んだ ろ ||||かぎら||

（ ハルヒ ） もう 飽きて きちゃ った ＵＦＯ 探し ま しょ ＵＦＯ ！ ||あきて|||ｕｆｏ|さがし|||ｕｆｏ

（ キョン ） 一体 何 が し たい んだろう な こいつ は |いったい|なん|||||||

（ 古泉 ） さて な んでしょう ね こいずみ||||

それ が 分かれば 解決 した も 同然です が ||わかれば|かいけつ|||どうぜん です|

ああ ！ 試しに こういう の は どう です ？ |ためしに|||||

（ キョン ） ん ？

涼 宮 さん を 後ろ から 突然 抱きしめて りょう|みや|||うしろ||とつぜん|だきしめて

耳元 で “ アイ ラブ ユー ” と ささやく んです みみもと|||らぶ|ゆー|||ん です

誰 が それ を する んだ ？ だれ|||||

あなた 以外 に 適役 が いま す かね |いがい||てきやく||||

拒否 権 を 発動 する ぜ テコ でも やら ん ！ きょひ|けん||はつどう|||てこ|||

しかたない で すね じゃ 代わり に 僕 が ||||かわり||ぼく|

冗談 です じょうだん|

僕 で は 役者 が 不足 して い ます ぼく|||やくしゃ||ふそく|||

涼 宮 さん を 余計 混乱 さ せる だけ でしょう ね りょう|みや|||よけい|こんらん|||||

ん …

（ 打 球音 ） だ|きゅうおん

（ キョン ） なあ 長門 ||ながと

お前 は 朝比奈 さん が 言いだす 前 から おまえ||あさひな|||いいだす|ぜん|

繰り返し に 気付いて いた んだ よ な ？ くりかえし||きづいて||||

そう

だったら どうして 黙って た んだ ？ ||だまって||

私 の 役目 は 観測 だ から わたくし||やくめ||かんそく||

なるほど （ 打 球音 ） |だ|きゅうおん

（ ファンファーレ ） （ ハルヒ ） やった ～！

見なさ ～ い ホームラン よ ！ みなさ||ほーむらん|

（ キョン ） それ から も 俺 たち は 動き ずくめ だった ||||おれ|||うごき||

本物 の 花火 大会 に も 行った ハゼ 釣り 大会 に も 参加 した ほんもの||はなび|たいかい|||おこなった|はぜ|つり|たいかい|||さんか|

他 に も 肝 試し 海水 浴 ボウリング カラオケ 映画 の ハシゴ た|||かん|ためし|かいすい|よく|ぼうりんぐ|からおけ|えいが||はしご

もちろん ―

それ で ハルヒ が 満足 して いる はず が ない と は 思って いた が ||||まんぞく||||||||おもって||

だからといって 何 か 手 を 打つ わけで も なく |なん||て||うつ|||

それ でも 夏 休み の 残り の 日 にち だけ は ||なつ|やすみ||のこり||ひ|||

確実に 減って いった かくじつに|へって|

そして やって 来た ８ 月 30 日 ||きた|つき|ひ

（ ハルヒ ） これ で 課題 は ひととおり 終わった わ ね |||かだい|||おわった||

う ～ ん こんなんで よかった の かしら

でも … うん こんな もん よ ね

ねえ みんな 他 に 何 か やり たい こと ない ？ ||た||なん|||||

ん ？

まあ いい わ

この 夏 は いっぱい いろんな こと が できた から ― |なつ|||||||

もう 十 分 よ ね |じゅう|ぶん||

（ キョン ） いい や よく ない お前 は まだ 満足 して ない はずだ |||||おまえ|||まんぞく|||

じゃあ 今日 は これ で 終了 ！ |きょう||||しゅうりょう

あした は 予備 日 に 空けて おいた けど そのまま 休み に しちゃ って いい わ ||よび|ひ||あけて||||やすみ|||||

また あさって 部室 で 会い ま しょ ||ぶしつ||あい||

（ キョン ） 待て 　 待てよ ハルヒ |まて|まてよ|

ダメな んだ よ ここ で お前 を 帰したら だめな|||||おまえ||かえしたら

ここ で お前 を 帰したら あの １万 何 千 回 と 繰り返して きた ||おまえ||かえしたら||よろず|なん|せん|かい||くりかえして|

あの ２ 週間 を また 延々と 繰り返す は めに な っち まう |しゅうかん|||えんえんと|くりかえす|||||

でも 何 を す べきな んだ ？ 何 を 言う べきな んだ ？ |なん|||||なん||いう||

ハルヒ の 言葉 の 中 に その ヒント は あった はずだ ||ことば||なか|||ひんと|||

だが それ は なんだ ？

あいつ は 今 まで なんて 言って きた ？ ||いま|||いって|

ダメだ 　 分から ない だめだ|わから|

待て 　 待てよ ！ まて|まてよ

ハルヒ

（ 店員 ） ありがとう ございました てんいん||

（ キョン ） ８ 月 31 日 宿題 手つかず |つき|ひ|しゅくだい|てつかず

もう 知ら ん どうにも でも なれ だ |しら|||||

もし また 繰り返す ん なら ||くりかえす||

宿題 な ん ぞ やった ところ で 意味 は ない しな しゅくだい|||||||いみ|||

あした が 来よう が 来 まい が ||こよう||らい||

それ は そん 時 の 俺 が なんとか する しか ない か |||じ||おれ||||||

（ キョン ） は あ …

（ 足音 ） あしおと

（ 電気 を 消す 音 ） でんき||けす|おと

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